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2024年1月

2024年1月15日 (月)

聖徳太子でなく、少得大志を目指す

 

 今の私は、一日一件、一日一か所の「きょうよう」「きょういく」を標語としている。人の脳はマルチタスクにはなっていない。それは2000年前から人間は少しも進化していない事実からも言える。

 聖徳太子は10人の人の訴えを同時に聴いたそうだが、凡人の私には無理である。

 以前は、出かけると、ついでにあちこち寄った。今はその気力も体力もない。現役中は同時進行で2つことをやったこともあった。今は、やることは一つ、出かけても、行く場所は一か所と決めている。

 「きょうよう」とは「今日の用」で、「きょういく」は「今日行くところ」である。

 「志」とは「十」ある思いのうち「一」つだけを「心」で支えると書く。

 

 マルチタスクとは、ながら運転である。それは両方の仕事がいい加減になることだ。「一事一心一念道」で、日々の仕事を丁寧に確実にこなそうと、仕事のやり方を変えた。

 コンピュータでのマルチタスクも、実際は、CPUのクロックごとに、仕事(タスク)を切り替えながら処理しているだけで、同時に処理していない。あまりの早い速度で処理するので、人間様にはマルチタスクでやっているように見えるだけである。

 車の運転でも、私は運転中にラジオ・音楽をかけない。ラジオを聞きながらの運転は、試験車評価者(テストドライバー)には禁止されている。だから私は車外からの音に全神経を集中させて、運転をしている。安全運転第一である。

 

 食事でもテレビを見ながらはやらない。きちんと咀嚼をして正しく、感謝して食べる。それが健康と幸せを維持する秘訣である。ジャンクフードを仕事しながら食べるなど言語道断である。

 パソコン業務も、モニターが4Kの43インチだから4画面を表示しても十分に見える。しかし私は1画面だけしか表示せず、一つの仕事しかしない。

 

 生きることも真剣である。ひたすら一本道。

 脇目をしたり、死んだふりでは、良い仕事はできない。

 

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2024-01-15  久志能幾研究所通信 2803号  小田泰仙

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2024年1月14日 (日)

南海トラフ巨大地震、10年かけて耐震補強

 

 私は自宅である築40年の古い日本家屋のリフォームを2011年から始めて、10年越しの工事で、耐震強度0.5から1.0に上げた。

 耐震強度1であれば、震度6でも倒壊しない。

 耐震強度1.5なら、震度7でも倒壊しない。

 南海トラフ巨大地震では、大垣市は震度6と推定される。

 自宅は両親が1970年に建築したので、1981年の建築基準法に適合していない。だから正式に耐震診断をすると耐震強度0.5であった。大地震が起きれば、一発で倒壊である。

 南海トラフ大地震は100年に一度の大地震である。その発生がこの20年で確実視されている。南海トラフ巨大地震では死者32万人、直接の被害総額220兆円(国家予算の2倍)が予想される。

 地震の際、支援を受ける側ではなく、支援をする側になるようにしたい。少なくとも支援を受けずに済み、周りの足を引っ張ることのないようにしたい。そうすれば、その分、日本の復興が早いのだ。

 (2011年の東日本大震災では死者18,423人、直接被害が25兆円。南海トラフ大地震では被害がその10倍以上である。構えねばならぬ)

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南海トラフ大地震の発生は、統計的に2035年±5年と推定される。

論文発見「南海トラフ巨大地震、発生時期予測」

大垣市の被害予想、2035年南海トラフ巨大地震

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お命大事

 大地震に出会っても、命さえあれば、再度、立ち上がることが出来る。まず倒壊しない家にする。それがリフォームのコンセプトである。

 新築する案もあったが、思い出の詰まった家を壊すことにしのびず、リフォーム工事とした。

 命はお金では買えないが、命の脅かすリスクを減らすことは、少ないお金で対処できる。それが危機管理の根本である。危機管理として、南海トラフ巨大地震対策は、小さな取り組みの積み重ねが必要である。

 

 トヨタ生産システムの基本は、「自分の城は自分で守れ」。

 小さな改善の積み重ねを継続。

 一度に全部の耐震工事は無理である。少しずつ耐震工事を進めればよい。私は10年かけて、一年に一部屋づつリフォーム工事を進めて、耐震工事を行った。

 

耐震工事内容

1 家の中で不要な通路に壁を作り、塞いだ。

 2つの外への出入り口をふさぎ、2か所の室内の出入り口をふさいだ。

 それで耐震壁を増やすことが出来た。

 トイレの窓もふさいで壁とした。

 次の改築で室内の一つの戸の部分を塞いで耐震壁にする計画である。

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 2011年8月、リフォーム工事前の書斎

 前面に扉があった

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 リフォーム工事後の書斎 

 以前は、赤の枠部に扉があった。それを耐力壁にして塞いだ 

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  この壁に以前は扉があった。それを塞いだ 

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  リフォーム工事後の書斎

   前の写真部の裏側 

   以前は、赤の枠部に扉があった。それを耐力壁にして塞いだ

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     以前は、赤の枠の部分に外部への出入口があった  トイレ

  出入口を塞ぎ、トイレの広さを2倍にした。
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2 作りつけの収納庫を撤去して耐震壁に

 50年前、家を建てる際に多くのモノが収納できるように、あちこちに収納棚や収納庫が作り付けされていた。それを潰して、耐震壁に変えた。

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3 外塀を撤去

 地震対策というより、防犯上で塀をなくした。小さな家で、塀で囲うのは滑稽だ。塀があると、泥棒が隠れやすく被害に遭いやすい。

 地震で塀が倒壊する恐れもなくなった。他人に迷惑もかけずにすむ。

 その結果、家の前の庭を駐車場にすることが出来た。

 

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   外の塀を撤去中

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4  瓦の下の土を撤去、サン葺きかわらに

 今回の2023年能登半島地震でも、瓦が土ぶき家の倒壊が目立ったようだ。

 屋根の瓦の下の土は大きな重量物である。地震の際、家がゆらされる。

 その土は100㎏から200㎏ほどと推定される。サン葺き瓦で、その重さが半減した。完全には土を除けない。次の対策で、瓦を板材の屋根に改築することも検討している。

 

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上図: 屋根の瓦を入れ替え。瓦の下の土を取り除く。

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 上図 瓦をサンふきにする。サンに直接、瓦を載せていく。

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5 ガスを撤去、オール電化に

 エコキュートに変更した。

 歳を取ると、火の扱いが大変になる。ついうっかりで火の消し忘れも危惧される。その点で、ガスよりも電気が安全であると判断した。

 災害時の復旧するための日数は、ガスの復旧は時間が極端に長い。

 また大垣ガスの経営陣が信用できないので、ガスをやめた。

 復旧するための日数  電気 6日

           上水道 30日

           ガス  55日

 

 非常用にカセット式のコンロは用意した。

 またエコキュートなら400ℓほどの水を確保できる。非常時は飲用や生活用水としても、使える。成人が生活するうえで、一人一日3ℓの水が必要である。400ℓもあれば100日以上もその水が確保できる。

 

6 壁に補強の桟を追加

 リフォーム工事で壁をめくったおり、出来る場所の壁に、桟を入れた。

 

7 2階寝室から家具を撤去

 2階の重量物を1階に下した。(本箱4つ、タンス1個を撤去)

 約200㎏の重量物を一階に下ろしたことになる。

 就寝中に地震が起きた場合、家具に押しつぶされて圧死する危険性を無くした。

 

8 感電ブレーカー

 電気ブレーカーを、感電ブレーカに変えた。

 震度6以上の地震で、自動的に電源が遮断される。それで漏電での火災が防げる。

 2024年1月にセンセーが故障したため、それを交換したら、震度6から震度5のセンセーに更新された。

 

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 自宅に設置した感電ブレーカ

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9 非常トイレ準備

 災害時に一番困るのは、食べ物よりも出した汚物の処理である。これは能登半島地震でもその悲惨さが報道されている。 

 成人で、一日5回、10日分として50回分の非常トイレがあるのが理想である。

 現在、40セットは準備完。

 

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  これで40セット分の非常用トイレ

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10 懐中電灯に紐をつける

 懐中電灯を家中の3か所に配置した。その懐中電灯の外側に蛍光テープを貼り、停電時でも分かるようにした。 

 ベッド脇の懐中電灯には、懐中電灯に紐をつけ、地震時に転がって何処に行ってしまう危険性を少なくした。

 

11 窓の二重窓化

 これは冷暖房費の節約となる。浮いたお金で防災対策を。

 

12 白アリ対策

 築40年も経つと、あちこちで白アリに喰われていて、柱がボロボロになっていた。その対策を打った。

 

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  白蟻に喰われた風呂場の惨状

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  白蟻に喰われた台所下のネタ木

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13 太陽光発電は検討せず

 太陽光パネルの重量は約100㎏である。重量物を屋根の上に置くのは、家が地震で揺らさることで、よろしくない。

 太陽光発電業者の甘言に騙されてはならない。

 

14 広い部屋を実現

 ついでに家中の仕切りの襖を撤去して一部屋とした。狭いウサギ小屋を襖で仕切っても滑稽である。

 現在6畳の書斎、8畳の座敷、10畳の居間、台所の6畳の計30畳の空間を一つの部屋として暮らしている。

 

15 耐震強化の一環として家中の整理整頓で不要品を廃棄

 大地震が起きた際、不要なものがあると余計に大混乱である。もの入れに不要なものが沢山あると、倒壊の危険も増す。まずモノを減らすのも地震対策である。

 トヨタでは、整理整頓は義務ではなく、仕事である。

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16 寝室の頭上の戸袋を撤去

 寝室のベッドの頭上に物置として戸袋があったが、地震の際に頭上に物が落ちてくる危険性があったので、撤去した。頭上がすっきりして睡眠の環境には良くなった。

 収納場所があると、つい不用品を死蔵しがちで、家が重たくなる。地震対策上で不可である。

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    以前にあったベッド上の戸袋(不用品が死蔵されていた)

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  戸袋を撤去後

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17 窓のそばに金づちを設置

 全窓は断熱化で二重の窓にしたので、地震時に窓を破って外に脱出するため、窓ガラスを破壊するための金づちを用意した。地震で家が傾いて、玄関のドアや窓が開かない恐れもあるからだ。

 一階の窓の二か所に金づちを用意した。

 これは車の脱出ハンマーと同じ扱いである。地震で家が傾き、家の中に閉じ込められ、火が出た場合に必要だ。危機管理である。

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 次回の改造で、お風呂と台所の窓をふさぎ、耐震壁に変える計画をしている。

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2024-01-14  久志能幾研究所通信 2802号  小田泰仙

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2024年1月11日 (木)

飛龍 地獄を楽園に変える in Sagan

 

現世の地獄

 地獄はあの世にはない。極楽も同じである。今の現世が地獄であり、極楽なのだ。現世を地獄にしているのは、人間の強欲、支配欲で、すべては人間の業からの結果である。

 どんな人間でも条件が整えば、極悪非道のことを平気で成し遂げる。ナチスのアウシュビッツ強制収容所で約100万人のユダヤ人が虐殺された。直接、手を汚したのは、平凡なドイツ国民である。家庭では良き父親であった。彼らは毎週日曜日、教会に行き美しい声で讃美歌を歌う敬虔なキリスト教徒である。人間社会は、いつの時代も地獄を作り出す。それが戦争の時に顕著に現れる人間の業である。

 

 お釈迦様はあの世が有るともないとも言わず、ただ精進せよ、とだけ言い残されて入滅された。地獄極楽の話は、後世の弟子が仏教を広げるために、作り上げたおとぎ話である。嘘も方便である。実際は、現世が地獄極楽なのだ。

 

蓮の花とわさび

 その人間社会の地獄の泥沼の中に咲く花こそが、蓮の花(佛の心)である。強欲の渦巻く泥沼の中に、蓮の花を咲かせるのが龍の力である。蓮の華を咲かせた龍は、昇龍となって翔ぶ。その龍の正体は、昇華された高尚な自分の精神である。その姿こそが飛龍であり、昇龍である。

 

 蓮の華に対比されるのが、ワサビである。ワサビは清らかな水の中にしか生息できない。まるで純粋培養されたエリートの育て方そのものである。真の佛は泥沼から生まれる。

 

アウシュビッツ強制収容所で

 第二次世界大戦中、精神科医のフランクルは、生存率0.052%の地獄のアウシュビッツ強制収容所で生き延びた。彼が生き延びるために取った行動は、

 

働ける体であるように見せる

  働ける状態でなければ、自動的にガス室行き

常に若く見えるように、立ったり歩いたりする時は背筋をピッと延ばしていた。

  若く見えるように髭を毎日剃った。

  最後のパン一切れを人に与えても、ガラスの破片で髭を剃ってもらった。

病気にならない   病人になれば、自動的にガス室行き

常に未来を信じる

  近い将来、講演会で自分が演説している姿を思い浮かべた。

収容所での苦しみは意味があると認識

  無意味だとすると生きることの価値が無くなる

愛する人との魂での会話

感動を失わない

  沈みゆく太陽の夕焼けの風景に感動

ユーモアを失わない

  自分を見失わない魂の武器

 

 彼は戦後、アウシュビッツ収容所での生活を『夜と霧』という著書で紹介して、生きる意味を世界に問うた。彼の精神は龍となり、世界に飛んだ。

 

彼がアウシュビッツで得た人生の結論

 生きるとはつまり、(生きる義務を引き受ける行為)

   ・生きることへの問いに正しく答える義務

   ・生きることが各人に課す課題を果たす義務

   ・時々刻々の要請を充たす義務

 苦しむとは何かをなしとげること

 

今の生の意味

 私の父は戦後、シベリアに強制抑留をされた。父が生き延びて帰国してくれたので、今の私の生がある。アウシュビッツ強制収容の話は他人ごとではない。シベリア抑留の死亡率は10%と言われるが、シベリア抑留の当初は、ソ連側の準備不足で死亡率80%であったという。父の弟の叔父はシベリアの土になった。従弟は父の顔を知らない。

 

「辰づくし」展

 昨年末まで、Saganで開催されいた「辰づくし」展で、中島法晃師の「楽園」と「現象」を入手した。強欲が渦巻く泥沼の現世を「楽園」、飛龍の姿を「現象」と表現された中島法晃師の高観に脱帽である。

 龍は想像の動物であるが、確かに龍とは、己の精神状態を表す「現象」である。

 

 久志能幾研究所通信  志を持て!龍になれ 孤龍興雨 in Sagan

 

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 中島法晃 画   「楽園」(下側)と「現象」(上側)

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  中島法晃 画   「現象」部分

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  中島法晃 画  「楽園」部分

 

 

2024-01-11  久志能幾研究所通信 2801号  小田泰仙

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大垣市消防署の見解 太陽光発電の家の消火活動

 

 太陽光発電の家が火事になったら、消防署は消火をしてくれないというネット記事もあり、自治会として心配になり、大垣市消防組合消防本部予防課に問い合わせをした(2024年1月9日。)

 

消防署の回答

 大垣市消防署は、火災になれば、当然、消防署として消火はするとの回答であった。ただし放水で感電事故の恐れがあるので化学消火剤で消火するという。周りに延焼が及ばないように、放水はするという。太陽光発電パネルにシート等をかぶせて消火活動である。(火災時にそれは無理ではと疑問に思った)

 つまり太陽光発電の家の火災時は、普通の消火活動よりも面倒であるようだ。通常の時の火災なら問題ないが、南海トラフ大地震のように大規模地震が起きて、市内のあちこちで火災が発生した場合の対応に疑問が残る。

 大震災時の混乱を想定すれば、煩雑な作業はなるべく避けたい。そいう点で、太陽年光パネルは避けたいが私の個人的見解である。消防署の本音も同じではないか。立場上で言えないだけだ。

 南海トラフ大地震は12年+5年以内に来ることはほぼ100%間違いない。我々が地震大国に住む宿命である。その宿命を受け入れ運命を変える取り組みをする。それが人間にできることだ。

 

  毎日新聞社が総務省消防庁消防救急課に取材しての回答は、「他の火災と同様に放水で消火している。太陽光パネルだから水を使えないという事実はない。太陽光パネルを設置した住宅火災の放水消火は各消防本部で普通に実施している」である。

 感電を伴うために注意は必要ではあるが、火災に対し放水できないという事実は存在しないと、ネット上の情報を否定している。

 

「住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」に関する報告書は、一定の条件で火災発生リスクがあるとしているが、太陽光発電そのものが危ないとは断言していない。住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等に関する事故情報は、2008(平成20)年~2017(平成29)までに、事故情報データバンクに127件登録されている。72件が調査対象で、モジュールまたはケーブルから発生した火災事故などが13件である。その他は、パワーコンディショナーや接続箱などが原因となった火災である。

 住宅用太陽光発電の累積設置棟数は、2018年10月時点で全国に約237万4700棟で、火災発生確率を計算すると、0.000053%。航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率が約0.0009%であるから、飛行機の墜落事故に遭うより低い確率といえる。

 すでに設置されている方は、設置方法の確認や定期的なメンテナンスをしっかり行えば問題ない。

太陽光発電は火災に注意が必要?火災の事例や注意点を解説 | 太陽光発電・電力売買ドットコム (taiyou-denryoku-hikaku.com)

https://taiyou-denryoku-hikaku.com/column/fire/#:~:text=100%E4%BB%B6%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BE%8B,%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A80.000053%EF%BC%85%E3%80%82

 

自治会として町内への展開

 大垣市消防署として、太陽光発電の消火の障壁のため、その設置を控えるようにとは、口が裂けても言えないようだ。政府が再生エネルギー活用として、太陽光発電を推進している関係で、政府機関の消防署が否定するわけにも行くまい。

 自治会としては、その危険性を町内に伝える位しかできない。太陽光発電装置の設置は個人の自由で、自治体や行政が口出しできない。

 大垣市消防署としても、市内の太陽光発電の家屋は把握しているとのこと。まだ市内には設置数が少ないので、東京都の様に、特別な頻度で火災が発生はしていないという。

 

 太陽光発電装置は、それが設置されていない家屋よりも、自然発火等の恐れが高いのは厳然たる事実である。

 上記の情報は、あくまで平常時のことで、大規模災害時にどうなるかは不明である。

 2020年度末時点で全世帯のうち太陽光発電システムを搭載している住宅は6.9%であった。

 それは新興住宅地を含めた数で、古い家屋が並ぶ町内では、数が少ない。ちなみに我が町内では太陽光発電の家は1件だけである。隣の町内(振興住宅地)ではかなり多い。

 

 今後、太陽光発電には不安が残るので調査・検討は続けていく予定である。前述の青字の引用解説は、太陽光パネルを売りたい業者の解説である。それを踏まえて読むことが必要だと思う。

 

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 2013年10月27日に発生した大垣市桐ケ崎町の火事  著者撮影

 火龍は一度火を噴くと、手が付けられない。だからこそ、しっかりした防火対策が必要だ。

 この火事は、近来稀に見る大火事となった。

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2024-01-10  久志能幾研究所通信 2800号  小田泰仙

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2024年1月 9日 (火)

昇龍力 亀山を大龍壁に変える 43inchモニター

 

 1月6日、13年間使ったシャープ亀山モデル32インチTV(PCモニターとして使用)を、43インチ4KのソニーTVに更新した。

 これは年末年始に何かに憑かれたようで(龍に憑かれた?)、数日迷って、購入を決めた。

 今まで使ったシャープTVは、当時の名機で、フルハイビジョンで当時価格11万円。

 今回のソニーのモニターは、それより2割ほどしか変わらない値段で、43インチになり、4Kとなって情報量が格段に増えた。テレビは映さないが、YouTubeは見る。

 これは樋口ナオミさんの「昇龍」を書斎の東壁に掛けたご利益のようだ。それで気持ちが上向きになった?

 

  

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  今回更新 ソニーの43インチモニター

  机は手元側に10cmほど広げた。

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 更新直前の姿 シャープ亀山モデル32インチモニター

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  昇龍  樋口ナオミ 画

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巨大な龍

 43インチモニターをまじかで見ると、まるで目の前に巨大な龍の壁が立ち上がったように感じた。画面が圧巻の迫力で感激である。43インチなので文字も大きく見やすい。これは春から縁起が良い。

 

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    目の前に巨大な龍の壁が立ち上がったようだ(眼の高さでの視野)

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 後で調べたらシャープのTVは、偶然、2011年同月同日の1月6日に買った。実に13年間も故障もせず、現役で働いてくれた。感謝である。高くても良いものは長く使えて、結局はお得という証しである。このモニターは、まだ引退はさせず、別の場所で稼働予定である。

 当時は、亀山ブランドの液晶はピカピカのブランドであった。今の惨状が情けない。その原因は、技術者と機密情報を大事にしない経営者、政府の責任である。

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 シャープ亀山モデル32インチTVに貼られたシール

 

当初計画

 当初は、シャープのモニターの後継として、EIZOの32インチの4Kモニター(一台14万円)で、2台を並べる予定であった。それで2台も並べると総額30万円弱もかかり、場所も大きく取り、購入を躊躇していた。

 また32インチの4Kモニターでは字が小さくなり、目の悪い高齢者には辛いのだ。それで43インチの選択である。

 今回、複数台の設置を止めて、一台の43インチのモニターにすることでスッキリした。それもEIZO版単体より安く、2台なら半額以下の激安である。

 

エピソード

 このモニターを設置してくれた配送業者の人からのお叱り?の一言「ソニーの最高機種TVをPCモニターに使うのは贅沢だ。こんなのは初めて見た。43インチなら、普通の人は安価なモニターを使っている」と。

 確かにネットで見ると、メーカ品でなければ3万円台で43インチモニターが手に入る。これはお褒めの言葉として受け止めた。贅沢は敵ではなく素敵だ。

 私も歳なので、大きな作業画面で、効率よく、ストレスなく仕事をして、いい思いをして旅立ちたい。

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2024-01-09  久志能幾研究所通信 2799号  小田泰仙

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2024年1月 8日 (月)

死季の風 高校同窓会の出会い

 

 人生は生老病死である。2024年1月7日、6年ぶりに開催された高校の同窓会に出て、つくづくそれを感じた。55年前に400名が母校を卒業した。今日の同窓会で43名の物故者があることが発表された。73歳の今、約1割の仲間が亡くなっている。その数の多さに驚いた。

 一昨年、F君から年賀状を頂いて、連絡を取ろうとしたが、電話が全く通じなかった。今日の物故者の掲示で、彼が亡くなっていたことに愕然とした。8年ほど前に、彼と再会して楽しく歓談した。今度は訃報である。改めて自分が生かされていることに感謝である。70を過ぎたら、何時死んでもおかしくない。古希とは、古く希なる存在なのだ。私も5年間にがんを患い、一時は死を覚悟した身である。

 いつ死んでもおかしく無い自分である。精一杯生きていくために、世の中に役立つ身でありたいと思う。単に生き永らえたくはない。此の世で役立たなくなったら、お迎えが来ると覚悟している。

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  同級生の物故者を掲示

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 久志能幾研究所通信   春風秋雨

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 多くの動物は、生殖が終わると、そのまま死んでしまう。サケは、産卵が終わるとそのまま死である。カマキリは、生殖が終わると、雄は雌に頭から喰われてしまう。それが子供の栄養となる。雄は従容として雌に喰われる。それを思えば、人間は幸せだ。せめて社会に役立つような老いの生活をしたい。

 

同窓会で発見した多様性

 断捨離をすすめている仲間とお話しをした。その人は正規の職は退いたが、第二の職場でまだ現役である。現在、実家の整理中で、親や自分の写真等を全てシュレダーにかけて処分をしたという。思い出の品も全て捨てたという。親の写真の友人が写っていれば、それもその友人の個人情報なので、処分したという。位牌や遺骨もお寺に納め、墓じまいもしたという。断捨離をするか、しないかの、どちらが正しいというわけではない。

 そういう生き方もあるかと感心した。それは私と真逆であった。私はアルバム類を全て残している。お墓も新たに建立した

 お釈迦様はあの世が有るともないともおっしゃらず、ただ精進せよとだけ言い残され、旅立たれた。現世や来世をどう解釈するかは自分次第である。ただ精進さえすればよいのだ。お釈迦様は生前、ご自身の教えを強要はされなかったし、異教徒と戦われなかった。釈迦国に攻め入ってきた敵国にさえも、無抵抗であった。そして釈迦国は亡んだ。

 仏教は他の宗教に比べて寛容である。他の宗教では、その存在さえ許さない宗派がある。それが日本で他の宗教が普及しなかった理油であろう。

 人さまざまな価値観があるので、「皆違ってみんな良い」。これは金子みすゞの詩の一節である。これは仏教思想が入っている。他人の価値観を大事にするのは、お釈迦様の思想である。

 同窓会で多くも学びがあった。私はこれからの多くの想い出を作り、記録に残していきたい。全ての出会いに感謝である。

 

老いの季節に春の風

 今回の同窓会で一番の収穫は、テニスに誘われこと。70代の仲間の会である。最近の体力の衰えを痛感しているので、その回復の為テニスを再開しようと決意した。その前に体力復活の準備運動が必要ではある。遅くとも春までには参加しようと思う。これもご縁である。

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2024-01-07  久志能幾研究所通信 2798号  小田泰仙

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2024年1月 6日 (土)

看取り士、JAL516便炎上事故を俯瞰する 

 

 1月2日に羽田空港で起きたJAL516便炎上事故を見て自身の死を考えた。自分の臨終の場で、体が燃えている。体の細胞が悲鳴を上げている。その時、冷静に自分の死と向き合えるか。臓器の多くは死につつある。耳だけが少し機能している。医師が延命処置で、水分やカンフル剤を体に入れるが、体が拒否反応をするので、その水分や薬が体をますます苦しめる。

 死なない人はいない。何時かは来る死のときである。その時、冷静に対処できるか。今回のJAL516便事故で、その事態を想定した。どんな飛行機も飛び立てば、何時かは着陸(死)せねばならぬ。人は生れれば、必ず死ぬ運命だ。その時が平穏な着陸(穏やか死)か、突然の悲惨な着陸(悲惨死)かは、誰にも分らない。

 

 JAL123便は、1985年8月12日、機体後部の圧力隔壁が破損して、操縦不能に陥り迷走飛行の末、18時56分ごろ群馬県多野郡上野村の御巣鷹の尾根に墜落した。長時間、死の恐怖に接して、最後は悲惨な死であった。世の中には、そういう死に際もある。今回は不幸中の幸いであった。

 

 「大丈夫だよ」と看取り士(CA)が優しく声をかける。「荷物は持ってはいけません」、死の時は何もあの世に持って行けないのだ。そのCA(看取り士)に身を任せて、脱出シューターに身を投げる。心配することもなく、安全に地上(極楽)に降りられた。

 

「何事にも先達はあらまほしきもの」

    出典:「徒然草(五十二段:仁和寺にある法師)」

 飛行機事故の際、自分ならどうしただろうと考えさせられた。突然の死もあることにも準備が必要である。自分の死は一大プロジェクトである。初めてのプロジェクトである。先達を信じて、十分に準備をしよう。人生の最初で最後である着陸は、美しくありたい。

 今回の航空機事故は、自分が看取り士の立場で考えさせられた事件であった。

 看取り士というご縁に出会えて感謝である。

 

 

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 着陸は美しくありたい

2024-01-06  久志能幾研究所通信 2797号  小田泰仙

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2024年1月 4日 (木)

太陽光発電は危険  巨大地震で感電死を誘発

 

 南海トラフ巨大地震のような大規模地震が起きた際、太陽光発電装置は凶器となる。太陽光発電の設置は止めたほうがよい。

 もし自宅に太陽光発電装置を付けてしまっていたら、次の設備更新時に撤去が望ましい。太陽光パネルの寿命はおおよそ20年と言われている。また電気変換装置の中のインバーターは平均的に10年程度での交換が必要で、その費用は数十万円程度かかる。

 家を建てるとは、一生で一度の大事業である。危機管理として、万全の態勢で家を建てたい。地震大国の日本では、太陽光発電は危険すぎる。ハウスメーカーの口車に乗せられて、安易に太陽光発電を設置してはならない。相手は儲かれば良いので、当方の安全は知ったことではない。売る方は、太陽光発電のデメリットを口が裂けても言わない。

 地震対策として、屋根に重たいパネルを設置するとは、地震対策が逆効果となる。自宅では、耐震性向上のため、瓦の下の重たい土を取り除き、サン葺き瓦にした。それなのに、そこに重たい太陽光パネルを設置など、論外である。宇宙根源の理に反している。

 

人殺し

 今回の能登半島大地震で、太陽光発電の危険性が露見した。家が倒壊しても太陽が出ている間は、太陽光発電装置は、発電を継続するので、消防活動ができない。消化のため火元に近づくと消防士が感電死する恐れがあり、いくら家が燃えても消防士は消火活動をしてれない。太陽光発電の家は周りに迷惑をかける。自分の家の太陽光発電が原因で、人(消防士)を殺したくはないだろう。

 

中国が太陽光パネルを安価に生産できるわけ

 なおかつ、太陽光発電は、媚中派国会議員の利権となっている。中国共産党の最終目的は天皇陛下の処刑である。その中国共産党に利することは、国賊である。太陽光発電のパネルの58%は中国製である(1918年)。太陽光発電のパネル生産には、多量の有害物質が出るので、先進国ではその公害処理のため採算が合わず、多くの先進国が生産から撤退している。その生産を中国製が独占している。中国では有毒の公害物が垂れ流し放題である。

 パネルの寿命が来たとき、そのパネル廃棄に多大の金がかかる。売電で儲けた金が吹っ飛ぶ。太陽光発電のパネルには、イタイイタイ病の原因となったカドニウム等が含まれていて、その処理費が膨大となる。

 

売国奴

 東京都の百合子知事は、来年2025年4月から実施する戸建住宅等の新築物件に太陽光パネル搭載を義務付ける制度についての方針を表明した。小池知事は新築の家の太陽光パネル搭載の義務化をするという。狂っているとしか思えない。学歴詐称等の悪いうわさが絶えない小池知事である。悪い噂の元には火元があると考えるのが常識である。彼女は、その弁明を避けている。

 

アスクル火災

 2017年2月に、事務用品などの通信販売を手がけるアスクルの大規模な物流倉庫で火災が発生した。その火災があった際、12日間、燃え続けて、消化活動が出来なかった。

 同日14時44分には、はしごによる放水隊に対して、屋上の太陽光パネルに放水している間は、「棒状注水」を禁止した。棒状注水とは、水を霧状ではなく、棒状にして噴射する方法を指す。

 日中は、太陽光パネルは発電を続けている。稼働中の電気設備に対する消火では、棒状に注水すると感電の恐れが高まる。ドイツではこれによって消防士が死亡した例があり、こうした危険を避けるための対策だった。

 屋上に設置された接続箱と集電箱のスイッチを使って、直流の回路を遮断できたのは、出火翌日の2月17日の15時45分であった。電気主任技術者と消防士3人が遮断した。太陽光発電は、電気を止めるだけでも大変なのだ。

 

埼玉県三芳町のアスクル倉庫火災、太陽光は翌日までに遮断(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

2024-01-04  久志能幾研究所通信 2796号  小田泰仙

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2024年1月 3日 (水)

龍神の警告 羽田空港 JAL516 衝突事故

 

 ヒューマンエラーと推定される原因で、2024年1月2日、羽田空港で悲惨な事故が起きた。着陸してきたJAL516便と離陸待機中の海上保安庁機が衝突した。この航空機事故を技術者、テクニカルライターとして問題提起と再発防止策を提案する。

 

 滑走路上に飛行機がいれば、それを検知してその信号を離着陸する飛行機に送るシステムであれば、今回の事故は防げたのではないか。原則は、滑走路上には飛行機は1機しか存在してはならない。鉄道でも単線区間には、列車が1本だけしか存在してはならない、である。それを検知・警告するシステム構築は、そんなに難しい技術ではない。こういう場合、乗客にはなすすべがない。政府がそういうシステムを作るしかない。羽田国際空港は国交省が管轄している。そのシステム構築は、国交省が指導すべきだ。

 

 人は必ずミスをする。その前提で、防止策、行動規範を決めておくべきだ。それでも事故は起きるので、機械的な防止策が必要だ。

 車の運転でも同じことが言える。だから私は右折や左折持、停止時等の折は、必ず呼称運転をしている。機械で防げることには、カネを使って装置を入れている。

 事故に出会うのは盲亀浮木と同じである。100年に一度しか海の上に顔を出さない盲目の亀が、浮いていた木の穴に首を突っ込んだ。そういう状況である。それも日本で一番忙しい羽田空港から、年始の一番忙しい時期に、北陸地震への支援機を飛ばす。政府の対応はおかしい。それに対して民間航空乗務員と日本人乗客は冷静に対処して、379人が無事に脱出できた。それが政府が狂っていて、国民は正常だとの象徴のように感じた。

 人間様がいくら注意をしても、限界があるので、システムとして防げ、が今回の神仏からの啓示である。昨年末までの数多くの政府の不祥事に対する龍神の戒めのように感じる。それが易経でいう卦の印ではないか。ルールがあってもそれを無視して金にまみれた政治をしてきた自民党への鉄槌と思う。

 久志能幾研究所通信  祖母の50回忌、盲亀浮木の如し

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 現在は、管制官が滑走路上に飛行機がいないかを確認して、離着陸の許可を出している。JALのパイロットも正副のパイロットがそれを復唱して確認している。海上保安庁機のパイロットも正副のパイロットがいて、それを復唱して確認しているはずだ。地上でも複数の管制官がチェックして実施しているが、人間が絡むと今回のように、必ずヒューマンエラーが発生する。過去にも世界では飛行場内での事故は数多くある。

 

史上最悪の航空機事故

 史上死者数が最大の航空機事故は1977年に大西洋のカナリー諸島で発生したテネリフェ空港ジャンボ機衝突事故である。KLMオランダ航空KLM4805便 のボーイング747とパンアメリカン航空PAA1736便のボーイング747が滑走路上で正面衝突した事故で、583名が死亡した。

その主原因は、管制官とパイロットのコミュニケーション上の問題であった。今回の羽田空港の事故もそのコミュニケーション上のトラブルがあった可能性がある。だからこそ、機械的にそれを防ぐシステムが必要だ。

 

 このテネリフェ空港事故の主原因は、管制官とパイロット間のテクニカルコミュニケーション上の問題である。離陸を待機していたKLM4805便は、”at”という曖昧な言葉を使ったため、誤解を生じて衝突事故になった。

 KLM4805便は、“We are at take off”と位置情報を曖昧な表現をしたため、誤解が起きたと推定される。“We are standing by at the takeoff starting point.” と正確に管制官に伝えれば、誤解は起きなかった。

 “at”とはある狭い一点での場所の定義をする場合に使う前置詞である。それを“at take off”という行為で使ったので、誤解が生じた。たかが “at” 、されど “at” である。テクニカルライティング学習では、前置詞の使い方を厳しく指導される。

 Wikipedia「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」では、その点にまでは踏み込んで記載されていない。

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衝突事故までの経過

(Wikipedia「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」より)

 

 KLM4805便の機長はブレーキを解除し離陸滑走を始めようとしたが、副操縦士が、管制承認が出ていないことを指摘した。

 17時6分6秒、KLM4805便の副操縦士は管制官に管制承認の確認を行う。

 17時6分18秒、管制官はKLM4805便の飛行計画を承認した。これはあくまで「離陸の準備」であり、「離陸してよい」という承認ではないが、管制官は承認の際に「離陸」という言葉を用いたためKLM4805便側はこれを「離陸してよい」という許可として受け取ったとみられる。

 

 17時6分23秒、KLM4805便の副操縦士はオランダ訛りの英語で、“We are at take off”(これから離陸する)または“We are taking off”(離陸している)とどちらとも聞こえる回答をした。

 管制塔は聞き取れないメッセージに混乱し、KLM4805便に「OK、(約2秒無言)離陸を待機せよ、あとで呼ぶ(OK, … Stand by for take off. I will call you)」とその場で待機するよう伝えた。この「OK」とそれに続く2秒間の無言状態が後に問題とされる。

 

 PAA1736便はこの両者のやりとりを聞いて即座に不安を感じ“No, we are still taxiing down the runway”(だめだ、こちらはまだ滑走路上をタキシング中だ)と警告した。

 しかしこのPAA1736便の無線送信は上記2秒間の無言状態の直後に行なわれたため、KLM4805便のコックピットボイスレコーダーでは「OK」の一言だけが聞き取れ、その後はヘテロダイン現象による混信を示すスキール音しか記録されていない。2秒間の無言状態により管制官の送信は終わったと判断してPAA1736便は送信を行ったものの、管制官はまだ送信ボタンを押したままだったので混信が生じ、管制官とPAA1736便の両者はこの混信に気付かなかった。

 

 17時6分26秒、管制官は改めてPAA1736便に対し“Report the runway clear”(滑走路を空けたら報告せよ)と伝え、PAA1736便も“OK, we'll report when we're clear”(OK、滑走路を空けたら報告する)と回答した。このやりとりはKLM4805便にも明瞭に聞こえており、これを聴いたKLM4805便の機関士はパンナム機が滑走路にいるのではないかと懸念を示した[10]。事故後に回収されたKLM4805便のCVRには以下の会話の録音が残っている(オランダ語)。

 

 KLM機関士:「Is hij er niet af dan?(まだ滑走路上にいるのでは?)」

 KLM機長:「Wat zeg je?(何だって?)」

 KLM機関士:「Is hij er niet af, die Pan-American?(まだパンナム機が滑走路上にいるのでは?)」

 KLM機長/KLM副操縦士:(強い調子で)「Jawel!(大丈夫さ!)」

 機長は機関士の上司でありKLMで最も経験と権威があるパイロットだったためか、機関士は重ねて口を挟むのをためらった様子だった[11]。

 

 この一連の状況下で、

 

 PAA1736便『警告がKLM4805便と管制官の双方に届いた』

 KLM4805便『管制官に離陸を承認された』

 管制官『KLM4805便は離陸位置で待機している』

 とそれぞれが安全な状況であると確信しており、さらに霧のためPAA1736便、KLM4805便、管制官からはお互いが見えていなかった。

 そしてKLM4805便はスロットルを離陸推力へ開いた……….

 

2024-01-03  久志能幾研究所通信 2795号  小田泰仙

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2024年1月 2日 (火)

南海トラフ巨大地震対策 感電ブレーカー

 

 元旦に能登半島でマグニチュード7の大地震が発生した。同時に能登半島の各都市で、大火災が発生した。被災に会われた方々にお見舞い申し上げます。

 改めて日頃の地震対策、防災対策が必要だと再確認した。

 本記事は、危機管理として感電ブレーカーの情報として記載する。感電ブレーカーの設置をお勧めする。

 

 当家では10年前のリフォーム工事をしたおり、電源ブレーカーを感電ブレーカーに入れ替えた。費用は約20万円。100アンペア用の大容量なので値段が張った。一般家庭の60アンペア用なら工事費を含めて10万円ほどである。

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 自宅に設置した感電ブレーカ

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 命はお金では買えないが、そのリスクを減らすことは、少ないお金で対処できる。それが危機管理の根本である。危機管理として、南海トラフ巨大地震対策は、小さな取り組みの積み重ねが必要である。

 自分の城は自分で守れ。

 南海トラフ巨大地震の発生時期は、統計的に2035年±5年と推定される。

論文発見「南海トラフ巨大地震、発生時期予測」

大垣市の被害予想、2035年南海トラフ巨大地震

 

感震ブレーカー

 感震ブレーカーとは、設定値以上の地震の揺れを感知して自動的に電気の供給を遮断し電気出火を防ぐ器具である。各家庭に設置することで出火を防止し、他の住宅等への延焼を防ぎ、被害を大きく軽減できる。

 地震感知後、3分以内に停電が発生した場合は、復電直後に主幹漏電ブレーカーを自動遮断する。

 電気器具が倒れていないか等の安全を確認してから通電することにより、通電火災を防ぐことができる。

 阪神淡路大震災の時は、感電ブレーカーが普及していないため、火災が広がったと推定されている。倒れた家具に挟まれて、自宅から火が出ても逃げ出せず焼け死ぬは残酷すぎる。それを防ぐのが感電ブレーカーだ。

 

 内閣府世論調査(防災に関する世論調査:平成 25 年 12 月)によれば、感震ブレーカーを設置していると回答した者は 6.6%とされている。

 その理由として、感震ブレーカーの存在が知られておらず、その必要性が理解されていないようだ。

(産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会『電気設備自然災害等対策ワーキンググループ 中間報告書』:平成 26 年 6 月)。

 

2024-01-02  久志能幾研究所通信 2794号  小田泰仙

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