政治・経済 Feed

2018年11月 7日 (水)

ワンルームマンション投資の疑問

 最近、社会勉強のため、日経の不動産投資セミナーに参加したら、(当然のことだが)協賛の不動産会社から電話があり、ワンルームマンションの投資を勧められた。「儲かりますよと」ワンルームマンション購入の勧めである

 提供された案は、3600万円のワンルームマンションで、毎月の家賃収入は12万円という。収支計算をすると、年間、税金を引いて120万円の収入。3600万円の回収に約30年間を要する。つまり約30年間、資金が寝る。実際は修繕費や管理費で、もっと回収に時間がかかると推定した。この不安定な時代に、不確定要素が大きく危険である。資金に余裕があれば、自分がもっと若ければ、その選択肢もあるかもしれないが、今は決断できなかった。

 

会社の言い分

 何故、人に売って自分でやらぬ。マンション販売会社の言い分は、会社がマンションを建てたら、税制上で10年で償却しなくてはならぬ。だから一般の人に販売しているという。ワンルームを買っても、償却に30年もかかるのは、この経済状況で不安定要素が大きく危険である。それも諸経費、管理費を計算に入れると、約5%の投資効率である。それなら、もっと効率的な投資先もある。

 自宅のリフォーム工事をした業者から教えられたのは、土地を500万円で買い、1000万円の一戸建てを建て、借家にして15年で投資金額を回収するという投資である。東京のワンルームマンション投資より安全だという。そのためには、相応の自己資金がいる。なかなか世の中はうまくいかぬ。

 

アパート経営

 地元の中学からの友人は、勧められてアパートを建てた。いまその一億円の借金の返済で四苦八苦している。結局、儲かるのは、建築メーカと不動産屋だけである。建てるほうは、火の車になるのだ。今はアパート経営のブームで、建て過ぎて、部屋が余っているのだ。

 

回りはオオカミだらけ

 世の中には、「儲かりまっせ」と甘い言葉ですり寄って来る輩が多い。そんなに儲かるなら、なぜ自分で独り占めしてやらぬ。何事も自分の頭で考えないと、痛い目にあう。

 

2018-11-07   久志能幾研究所 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2017年7月28日 (金)

天声人誤の竹槍が14万人を殺した(2/4)(改題・改定)

経済学の理論で政府の金融政策を検証

 どんな商売でも、売上げの絶対額がなければ利益は出ない。100の売り上げと1000の売り上げでは、利益率は違うが、100の売り上げの商店は、絶対に1000の売り上げの商店の利益に負ける。日本の経済を一つの企業の財務として考えると、GDPはその企業の売り上げ(総需要)に相当する。

日本GDPとは日本の国内総生産。誰が生産したかは問わない。

GDP=GNP-海外からの所得+海外への所得

日本GNPとは、日本の国民の生産。何処で生産したかは問わない。

総需要=実際のGDP

総供給=潜在のGDP

 

GDP= 民間最終消費支出(消費に相当)

    +政府最終消費支出(消費に相当)

    +国内総固定資本形成(投資に相当)

    +財・サービスの輸出(貿易収支に関係)

    -財・サービスの輸入(貿易収支に関係)

 

 GDPはその企業の売り上げ(総需要)に相当する。売上が減れば、利益が減って当たり前。緊縮財政とは、金を使わず、将来の投資もしないので、金が出ていかないが、総売り上げが減り、会社は貧乏になると同じ。それが20年も続いたのが現代の日本である。本来、日本で消費されるべき金額(設備投資、つまり国内インフラ整備)が減らされ、その金が全て外国に持って行かれた。外国が豊かになり、日本が停滞して当たり前。

GDP減少の弊害

 日本の賃金が高く、海外が安いからと言って海外に工場を移転すれば、国内の雇用が無くなり、日本の生産額が減り、企業が国に納める税金が減り、地方都市の税収がへり、国内のインフラ整備が出来なくなる。国内のインフラとは、企業の生産を効率化する手段(高速道路、輸送インフラ、ITインフラ等)である。それができなければ、競争力がなくなるので海外との競争に負ける。今は負けるべくして、負けている。そのため一時は世界を席巻した家電製品が全滅である。海外移転して海外で作った製品が、日本に流れ込んで、日本の首を絞め、日本のGNPを減らしている。つまり日本丸商店の売り上げが減るわけで、それで給与が上がれば、経済学の「理」が合わなくなる。だからこの20年間、日本人の供与が上がらない。つまり政府の経済政策が間違っている。日本人が政府とマスコミに騙されて論理的に考えられなくなったためである。その代表的な言葉が「失われた20年」である。受動形の表現は責任を曖昧にする。誰が失わせたのか? その犯人は誰なのか? 果があれば、必ず因がある。論理的に考えれば、結論は出るはず。その結論が出ては困る人がいるから、曖昧にしてきたにすぎない。その陰でうまい汁を吸っている人がいる。

GDP減少の弊害の事例

 例えれば、学校で勉強(自己投資)をしなれば、絶対に成績は上がらない。一度投資をしても時間とともに劣化していく。順次設備更新が必要である。近隣諸国、アジアの諸国が国のインフラに設備投資をして、交通インフラ、航空機インフラ、港内インフラを整備して、国の生産効率があげれば、日本が負けて当然である。

 私が馬場恵峰師宅を訪問するとき、利用している福岡・長崎間の在来線特急は、複線でなく、いまだ単線を走る。あまりに所要時間がかかるので、大抵は航空機を使う。国は言い訳をして新幹線整備を遅らせている。これで九州を始め日本の経済を活性化しようと言っても無理がある。成田国際空港は隣国の効率的なハブ空港に負ける。港湾設備も古くなって、その荷役が隣国に取られている。そんな貧弱な設備でどうして隣国に勝てるのか。単に設備投資をしなかっただけ。コンクリートから人への投資との旧民主党の「美しい戯言」に騙されて、必要な設備投資を怠っただけの理由である。非武装中立と同じ類の戯言である。ソフトを充実するには、まずハードの整備が必要である。自分に投資をせず、成長した人間はいないと同じである。息子を大学にやらず(設備投資なしで)、金儲けをと言うが如し。

 

2017-07-28

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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2017年7月27日 (木)

天声人誤の竹槍が14万人を殺した(1/4)(改題・改定)

政府の間違った経済政策が、14年間に14万人を殺した(1998~2011)

数は減少したが、その経済政策は今も続いている。

 日本の自殺者数は、昭和58年(1973)及び61年に2万5千人を超えたが、平成3年(1991)には2万1,084人まで減少し、その後2万人台前半で推移していた。しかし、平成10年(1998)以降、14年間連続して、3万人を超えが続いていた。やっとこの5年間が、3万人を下回る推移となった。

 つまり1997年の20年前に比べて、毎年1万人も自殺者が増えた。言い換えれば、政府の間違った政策で、14年間で14万人の日本人が殺された。その死者数は、広島に原爆を投下したB29エノラ・ゲイ号による死者数より多い。過去の交通戦争と言われた時代では、交通事故死者数は年間1万人であった。それでも大騒ぎをして、対策を打ちその数を減らしてきた。しかし、「失われた20年」と無責任な表現で胡麻化して、それの真因を追及せず、ひとごとのように単に対処療法でその数を減らしたに過ぎない。

 論理武装をしないので、中小企業の経営者が自殺に追い込まれた。グローバル経済主義企業のお題目の成果主義を突きつけられて従業員と中間管理職が鬱病になり、自殺にも追い込まれた。また自殺者の多くは、株主から成果主義を問われた分別ある経営者、管理職だ。自殺した労働者中、41%が自営業(35%)と管理職(6%)だ。天の声と偽って人を誤らせて竹槍で戦えと中小企業を指導した政府とマスコミは、金融政策でお茶を濁し、国民を地獄に突き落とした。今必要なのは、人への投資、関税政策、財政政策、国土への設備投資、消費税引き下げ、地方の活性化への投資である。政府が当てにならないなら、自分の身は自分で守るしかない。

 日本の工場を、賃金が高いからと言って、工場を海外に移せば、国内が空洞化して、働き口が無くなり、日本人の賃金が下がるのは、子供でも分かる。奴隷のような低賃金で作ったグローバル経済主義企業の製品と、日本の正規の製品と競争して勝てるわけがない。膨大な開発費をかけて得た技術を、こっそり盗んで作った製品が安いのは当然だ(機密情報管理法とスパイ法が不十分)。金儲け主義の外国に騙されて、相手に有利な規制緩和をした結果である(米国からの関税撤廃の圧力)。儲かったのは、米国政府を操ったグローバル経済主義企業である。工場が全て海外に移転して産業が空洞化した米国の国民も、日本人と同じように貧しくなった。豊かになったのは、1%だけのグローバル経済主義企業の経営者である。残りの99%は中間層から貧困層に落ちぶれた。同じ構図がギリシアである。EUの縛りで、安い工業製品の輸入を関税で止められない。その結果、国内産業が全滅した。儲かったのはドイツや米国のグローバル経済主義企業である。その経営者はウハウハ。

 それと同じ構図が、明治政府が結ばされた欧米との不平等条約である。当時、アヘン戦争、植民地化への欧米のアジアへの侵略があった。現在は、グローバル経済主義企業が超低賃金で現地労働者を使い、先進国に輸出をして己だけの利益の為、蠢いている。そのため工場のある現地も輸出攻勢をかけられた日本も、共に貧しくなっていった。現在は明治の第一の開国に次ぐ、第二に開国なのだ。相応の対策を打たないとグローバル経済主義企業の植民地にされる危険性がある。平成版の井伊直弼公の登場が望まれる。

 

我々の過去の愚行

ご先祖の戦時中の竹槍訓練の姿を見て笑えますか?

だれが戦争末期、一億総玉砕を報道、洗脳したのか?

だれが神風特攻隊を美化報道したのか?

だれが北朝鮮天国説を報道して正直な人を北に渡らせたのか?

だれが死者40万人との説もある文化大革命を美化したのか?

だれが大学紛争を美化したのか? あの騒動は一体なんだったんだ?

だれが報道に踊らされ、トイレットペーパー買占めに走ったのか?

(私も当時、マスコミに踊らされ焦って少し多く買った。反省)

だれがマスコミのダウ10万円説に踊らされて、株に狂ったのか?

だれが嘘の宣伝に騙されて、民主党に投票したのか?

だれがチャイナに新幹線技術を売ったのか? 

だれがチャイナは新幹線を他国に売らないという契約を信じたのか?

騙されてチャイナに技術を教え30年後に工場が反日焼討ちに逢う。

松下幸之助さえ騙された。欲に釣られてチャイナに工場を作り、撤退となると今までの優遇税を全て払えと、現地法人社長を監禁脅迫。去るも地獄。

だれが新聞コラムは名文だと言ったのか? その科学的検証はしたのか?

 

図1 竹槍の訓練(太平洋戦争末期の国内)

ご先祖の戦時中の竹槍訓練の姿を見て笑えますか?

図2  自殺者数の推移 - 厚生労働省

   http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/16/dl/1-01.pdf

図2、3 B29エノラ・ゲイ号(スミソニアン博物館にて 1997年著者撮影)

図4 リトル・ボーイ(広島に投下された原爆と同形 1994年著者撮影)

図4 過去の景気回復のパターン  日本経新新聞2017年6月23日

   なぜ、景気が20年も回復しない? 大学の経済学者は何をしているか?

図5 一人当たりの実質所得変化  日本経新新聞2017年7月5日

   なぜ、これだけ働いて、日本の賃金が20年間も上昇しないのか?

   なぜ隣国やアジア諸国に負けるのか?

 

2017-07-27

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

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2017年7月10日 (月)

私のフリーセックス初体験記

 1985年8月末~12月中旬、仕事でスウェーデンに出張滞在をした。その時のフリーセックスの初体験談です。噂の「性開放の国スウェーデン」と認識すると、大変な誤解をすることになる。ストックホルムでもポルノシップは数軒しかなく、あまり流行っていないらしく、潰れそうだとの話であった。私もついぞ、その店にお目にかかった事はなかった。テレビにしても不特定多数が見るということで、そんな放映が厳しく禁じられている。暴力シーンの放映も禁じられて、この面の管理が厳しい。つい日本の無管理ぶりと比較してしまう。何方がフリーセックスだか分からない。1985年当時でさえ、日本の方がよほどアッパッパーである。

性開放の意味

 性開放の意味は、男女平等と言う視点で考えられている。この「フリー」は、「性の拘束から開放された自由」と言う意味である。年齢からの束縛の解放、肌の違いからの差別の解放である。そしてあくまでも個人の自由を重んじ、恋愛は自由で、もし男女の仲だから間違いがあった場合は、国が面倒を見ましょうというシステムである。それがごく一部が拡大され伝わっている。ここの男女交際は、真面目である。よほど日本の方がアッパッパーでフリーセックスの国である。この国での愛は、お金では買えない。だから愛がなければ何事も始まらない。なおかつ西欧は、キリスト教の宗教の締めつけが厳しい。

 日本は、元田中首相事件にみられるように、政治資金で責任問題になっても、女性関係では政治的責任を問われない社会である。(当時の宇野元首相事件以来多少違うが……)ところが西欧でこういった問題を起こすと、社会的に抹殺される。この面の社会的倫理感の厳しさは、日本の比ではない。また宗教上の制約と教会の締めつけも厳しい。国民は、性に関して、カソリック系よりは比較的開放的なプロテスタント系であるが、あくまでも真面目なキリスト教徒である。それ故不倫は離婚を覚悟せねばならない。これは他の先進国と変わらないと言える。

 それと対比される日本は、首相でなく一般市民であれば、だれもそれを咎めないので、西洋人からは天国に写るようだ。なにせ日本では、妾や不倫は男の甲斐性と言われる?

男女同権であるから、それに反するポルノはご法度

 それを下記の事件が日本人の「ああ勘違い」を明確に正してくれる。写真等での表現が自由な米国からも、日本のヘアヌード等は猥褻だと非難されている。日本社会では、見境なしに公共の場でこの種の写真を「陳列」する無節操さが問題である。欧米ではその棲み分けが明確である。

 

 1987年頃に、ノルウェーのポルノショップがひと儲けしようと、ストックホルムにやってきて市内に店を開いた。ところが開いた途端、女性たちの訪問を受け、店頭で抗議のビラまきをされることとなった。平等問題に大いにかかわる、即、店をたためという要求であった。市議会議員や国会議員まで押しかけ、マスコミも大きく取り上げ、商売にならず3日もたつかたたないうちに店を閉めて、ノルウェーに帰ってしまった。(訓覇法子著『スウェーデン人はいま幸せか』日本放送協会 1991年)

 

現在のスウェーデン移民問題

 現在(2017年)、フリーセックスのスウェーデンが移民問題で悩んでいる。多様性には「フリー」の観点で、移民には寛容であったので、多くの移民が国内に溢れている状況になった。フリーセックスの前提には、同じ価値観を持つ国民という前提がある。ところが中東の民族は、スウェーデンの価値観に同化しない。彼らだけの地区に集まり、彼らだけで生活をして、他からの干渉を拒否する。まるで国内に別に国が出現したかのようである。

 2013年9月、スウェーデン政府は「入国を希望するシリア難民全員を受け入れる」と発表した。一時的な滞在許可だけでなく、申請すれば永久権も得られ、家族の呼び寄せも可能になる。シリア難民に永住許可を付与する欧州の国はスウェーデンが初めてだった。この結果、2014年スウェーデンに難民の地位を申請した人の数は8万人超となった。欧州各国から流入する移民も激増している。街を歩けば、路上のホームレスやミニスカートをはいて立つ女性が目につく。住居や一定の手当を保障されている難民と異なり、同じEUから自由に流入できる移民は、職が得られなければホームレスになるしかない。路上に立つ夜の女は減っているが、インターネットを介した性交渉の取引が激増している

 難民・移民の受け入れは人口増に直結する。スウェーデン人口は、私が滞在した1985年当時は835万人だったのが、2015年には150万人以上増え、985万人となった。実に人口の18%という移民による人口増である。私が人口10万人程のショブデ市に滞在した時、その街で日本人は私一人であった。他の民族はあまり見かけなかった。この人口爆発を維持する社会の負担は膨大である。現在、25歳以下の若者の失業率は22.9%と北欧諸国で最も高い。失業者の多くは難民・移民が占める。この人口を支えるため、勤労者は毎年給与額の1か月分に当たる額を負担しているとも言われる。

 治安悪化の大きな要因は、流入する難民・移民によると考える人は多い。その最も痛い部分を右派政党は衝いてくる。右派が繰り返し唱えるのは、「われわれの価値観を守ろう」である。スウェーデン政治は、欧州内で「最左派」だった。全欧州で移民を排斥する極右政権が台頭する中、この傾向に根強く抵抗してきたのはスウェーデンの政治家と一般市民だった。だが、今は反移民の排外主義と、それに対する抵抗がせめぎ合いながら、全体としては右に傾斜し始めている。

 その傾向に決定的な追い打ちをかけたのが、「イスラム国」の出現だ。「イスラム国」の台頭は、これまで「寛容な移民政策」を採ってきたスウェーデンの独自性を大きく揺るがしている。 その一方で犯罪類型にも変化が出た。従来の犯罪者は、ほとんどが自身や親がスウェーデン外にルーツを持つ移民や、失業中など社会から疎外された状況にある人たちだった。そころが2016年2月にコペンハーゲンで銃撃事件を起こしたオマル・エル・フセイン(22歳)はそれを破った。「高度な福祉国家」は揺るぎ、「スウェーデン人らしさの価値観」が失われつつある。(データは「週刊ダイヤモンド」2015年3月14日号)

 

 労働力不足で、移民政策を進める日本政府に私は不安を抱く。もっと真剣にこの問題を考えるべきだ。同じ民族でも、中部と関西圏では価値観や考え方が違い、大きな葛藤を生み出す。私は実際にそれを前職の会社の合併で体験した。それが、生まれた環境が違い、国が違い、価値観が違えば、もっと大きな問題に発展する。下手をすれば日本の文化・思想・価値観が失われる。

 

2017-07-10

久志能幾研究所 小田泰仙  

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

2017年6月25日 (日)

地獄のシベリアから生還

シベリア抑留戦没者70回忌追悼法要

 2015年11月3日10時から、大垣公園内にある「恒久平和の碑」の前でシベリア抑留戦没者70回忌追悼法要が、シベリア抑留者達で作る「西濃地区ダモイ会」今川順夫会長(92歳)の主催で執り行われた。参列者は約60人である。

 従兄弟の勇美子さんの告別式が、同日13時から新祝園(京都府)で執り行われるのが急に決まったので、私はぎりぎりまで法要に参列して10時55分に中座をさせて頂き、名古屋経由の新幹線で京都に向った。現地に13時15分に到着した。告別式が午前中なら70回忌追悼法要には参加できなかったが、両方の法要に参加できたのは、沸様のご配慮と思う。この法要には初めての参加だが、参加できて良かったと思う。

 法要の席では、市田靖さんと遺族代表席で隣りあわせとなった。市田靖さんも今回の法要で、シベリア生還者中での参加者2名の一人である。聞けば父のことも知っているとのことで、貴重なご縁を頂いた。年齢を考える稀有のご縁である。この法要に参加するのだとの強い意志がなければ、出会えなかったご縁である。

 

ダモイ (ロシア語 domoi)「自宅へ」の意、 帰国。帰還。 第二次大戦後,ソ連に抑留された日本人が帰国の合い言葉として用い流行した。

 

シベリアから生還できた理由 = 生きる本質を理解

 法要に先立ち今川会長が挨拶をされ、その中で今川氏が地獄のシベリアから生還できた理由を3つ述べられた。

 一つが気力、二つ目が体力、そして運で、この3つがあって生きて帰れたと述べられた。そしてもう一つが、軍人勅諭の「一つ、軍人は忠節を尽くすを本分とすべし」をもじった下記冗談の句が生還の要点であったという。

 「一つ、軍人は要領を本分とすべし」。やはり要領の悪い人は、生きて帰れなかった。「要領」とは悪い意味もあるが、良い意味では、物事の本質である。生きる本質を理解できなかった人が、シベリアの土になった。法要後、今川会長は「無事70回忌を迎えられ、生涯忘れられない感激の日となった」と語られた。

 

 「運」は、今までの自分の生き様、ご先祖の積善功徳、それらの総合した力ではないかと最近しみじみと思う。自分の運だけでは生還出来なかったと思う。父が生還できたのもご先祖の功徳と巡り遇わせの運と思う。

 

生きる意味

 1997年、参議院で日本銀行法全面改正案が可決成立して、日本の「失なった20年」の始まりとなった。橋本龍太郎内閣が 1997年4月 消費税率を5%に引き上げ、デフレ経済の地獄に日本を突き落とした。そして小泉内閣(2001年 - 2006年)が推進した聖域なき構造改革は、日本の市場開放政策とグローバル経済主義への展開となり更なるデフレ経済に突入して行く。それが不況、倒産、過労死、自殺、引きこもりと弱者が虐げられる結果となり、それを境に自殺者が急増して、毎年3万人前後の自殺が10年以上も続いている。

 生きているだけでも、大変なことを若者は理解していないし、教えてもらっていない。己の生の大事さが理解できないから、身の回りの激変に対応できず、簡単に自殺をする。命の大事さを説くために、私は前職で2004年から新入社員教育講座の中に「修身」という講座を新設して、講義を続けてきた。

  なぜ、72年前のシベリアでもあるまいし、コンプライアンスが整備された現代日本で、電通やブラック企業に自殺者がでるのか? 捨てるならその命をくれと言ってシベリアに消えたご先祖がいる。

 

テクニカルライティング上の問題点

 新聞紙上では「失われた20年」という表現が一般的だが、私に言わせれば無責任極まる表現である。テクニカルライティング上では、受動形の表現は厳禁である。誰がその事項を実施するのか、どこに責任があるかが曖昧で、PL問題の裁判で、文書を書いた本人の責任が問われるからだ。この世は因果応報で、どんな事象にも因があり、果がある。不景気になったのは、不景気になる政策をとったに過ぎない。

 

経済の原則

 この20年、日本の景気が悪くなったのは、消費税を増税して、市場を開放して、日本の企業が海外に流失しため、日本の雇用が失われて不景気になったに過ぎない。日本の若者の賃金が高いからと言って、工場をアジアに移せば、日本が不景気になるのは子供でもわかる。全てそうなるように政府が舵を切って、企業がそれに追随したに過ぎない。東西の壁が崩壊して、共産国家の低賃金の労働者が世界市場に2倍となって溢れるから、安い賃金で作った製品が無制限に国内に流入する。真面目に働いて作った国内製品が売れなくなる。低賃金の国に工場を持つ外国企業が己の利益のため米国政府に圧力をかけ、日本のしかるべき関税を撤廃させたためである。奴隷のように安い賃金労働者が作ったグローバル経済主義の企業の製品と、日本の高賃金の労働者が作った製品で、価格競争に太刀打ちできるわけがない。

  その弊害の最大の被害者がギリシャである。関税でその波を防ぐことがEUの縛りでできないから、自滅しかない。その波がギリシャ国内産業を全滅させた。

 世界は、あと100年間はデフレ経済から脱却できない。安い労働賃金のチャイナの労賃が高くなれば、グローバル経済企業は、アジア、インド、アフリカ、中南米に工場を順次移転させる。世界の労働者の賃金が等しくなるまで、そのデフレは拡散する。経済の基本原則である。水は高きから、低きに流れる。それを三水編に、水が去ると書いて「法」である。いつでもどこでも通用する経済の法則である。

 それは自然界のであり、PDCAを回せばわかる原則である。気がつかないのは、なぜ、なぜを5回繰り返さないからだ。国民が分かると政府が困るからだ。

 それを無責任に「失われた20年」と表現して、犯人は何処か分からないとトボけるから、呆れてしまう。その表現をすれば、テクニカルライティング検定試験では零点である。分かれば責任が問われので、トボケルのである。それで新聞社の経済記者や経済学者の無知と経済音痴ぶりが露見する。真の原因が分からないと、対策が対処療法であるので効果が出ない。だから、アベノミックス景気は離陸しない。それの現象が、1997年までの景気回復と、1997年以降の景気回復の個人消費の伸び率の差に冷酷に表れている(図5)。その現象が20年近くも続いている。経済学者はどこを見ているのか。

  

図1~4 「修身」の講義より

 私は新入社員に「修身」の講義で70年余前に起きたアウシュビッツとシベリア抑留の事実を話し、生きる目的を説いてきた。しかし当社が吸収合併され、相手先会社の拝金主義の上司からこの講義は禁止された。金儲けにならないことは時間の無駄だ、と。

図5 過去の景気回復と比べて個人消費が伸びない

(日本経済新聞2017年6月25日)

図6 TV局のインタビューを受ける今川順夫会長

図7 読経  右側机は今川順夫会長と大垣市長小川敏氏

図8 参列者

図9 慰霊碑に献花をされた市田様、今川会長(左から)

  

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