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2024年1月14日 (日)

南海トラフ巨大地震、10年かけて耐震補強

 

 私は自宅である築40年の古い日本家屋のリフォームを2011年から始めて、10年越しの工事で、耐震強度0.5から1.0に上げた。

 耐震強度1であれば、震度6でも倒壊しない。

 耐震強度1.5なら、震度7でも倒壊しない。

 南海トラフ巨大地震では、大垣市は震度6と推定される。

 自宅は両親が1970年に建築したので、1981年の建築基準法に適合していない。だから正式に耐震診断をすると耐震強度0.5であった。大地震が起きれば、一発で倒壊である。

 南海トラフ大地震は100年に一度の大地震である。その発生がこの20年で確実視されている。南海トラフ巨大地震では死者32万人、直接の被害総額220兆円(国家予算の2倍)が予想される。

 地震の際、支援を受ける側ではなく、支援をする側になるようにしたい。少なくとも支援を受けずに済み、周りの足を引っ張ることのないようにしたい。そうすれば、その分、日本の復興が早いのだ。

 (2011年の東日本大震災では死者18,423人、直接被害が25兆円。南海トラフ大地震では被害がその10倍以上である。構えねばならぬ)

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南海トラフ大地震の発生は、統計的に2035年±5年と推定される。

論文発見「南海トラフ巨大地震、発生時期予測」

大垣市の被害予想、2035年南海トラフ巨大地震

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お命大事

 大地震に出会っても、命さえあれば、再度、立ち上がることが出来る。まず倒壊しない家にする。それがリフォームのコンセプトである。

 新築する案もあったが、思い出の詰まった家を壊すことにしのびず、リフォーム工事とした。

 命はお金では買えないが、命の脅かすリスクを減らすことは、少ないお金で対処できる。それが危機管理の根本である。危機管理として、南海トラフ巨大地震対策は、小さな取り組みの積み重ねが必要である。

 

 トヨタ生産システムの基本は、「自分の城は自分で守れ」。

 小さな改善の積み重ねを継続。

 一度に全部の耐震工事は無理である。少しずつ耐震工事を進めればよい。私は10年かけて、一年に一部屋づつリフォーム工事を進めて、耐震工事を行った。

 

耐震工事内容

1 家の中で不要な通路に壁を作り、塞いだ。

 2つの外への出入り口をふさぎ、2か所の室内の出入り口をふさいだ。

 それで耐震壁を増やすことが出来た。

 トイレの窓もふさいで壁とした。

 次の改築で室内の一つの戸の部分を塞いで耐震壁にする計画である。

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 2011年8月、リフォーム工事前の書斎

 前面に扉があった

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 リフォーム工事後の書斎 

 以前は、赤の枠部に扉があった。それを耐力壁にして塞いだ 

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  この壁に以前は扉があった。それを塞いだ 

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  リフォーム工事後の書斎

   前の写真部の裏側 

   以前は、赤の枠部に扉があった。それを耐力壁にして塞いだ

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     以前は、赤の枠の部分に外部への出入口があった  トイレ

  出入口を塞ぎ、トイレの広さを2倍にした。
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2 作りつけの収納庫を撤去して耐震壁に

 50年前、家を建てる際に多くのモノが収納できるように、あちこちに収納棚や収納庫が作り付けされていた。それを潰して、耐震壁に変えた。

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3 外塀を撤去

 地震対策というより、防犯上で塀をなくした。小さな家で、塀で囲うのは滑稽だ。塀があると、泥棒が隠れやすく被害に遭いやすい。

 地震で塀が倒壊する恐れもなくなった。他人に迷惑もかけずにすむ。

 その結果、家の前の庭を駐車場にすることが出来た。

 

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   外の塀を撤去中

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4  瓦の下の土を撤去、サン葺きかわらに

 今回の2023年能登半島地震でも、瓦が土ぶき家の倒壊が目立ったようだ。

 屋根の瓦の下の土は大きな重量物である。地震の際、家がゆらされる。

 その土は100㎏から200㎏ほどと推定される。サン葺き瓦で、その重さが半減した。完全には土を除けない。次の対策で、瓦を板材の屋根に改築することも検討している。

 

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上図: 屋根の瓦を入れ替え。瓦の下の土を取り除く。

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 上図 瓦をサンふきにする。サンに直接、瓦を載せていく。

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5 ガスを撤去、オール電化に

 エコキュートに変更した。

 歳を取ると、火の扱いが大変になる。ついうっかりで火の消し忘れも危惧される。その点で、ガスよりも電気が安全であると判断した。

 災害時の復旧するための日数は、ガスの復旧は時間が極端に長い。

 また大垣ガスの経営陣が信用できないので、ガスをやめた。

 復旧するための日数  電気 6日

           上水道 30日

           ガス  55日

 

 非常用にカセット式のコンロは用意した。

 またエコキュートなら400ℓほどの水を確保できる。非常時は飲用や生活用水としても、使える。成人が生活するうえで、一人一日3ℓの水が必要である。400ℓもあれば100日以上もその水が確保できる。

 

6 壁に補強の桟を追加

 リフォーム工事で壁をめくったおり、出来る場所の壁に、桟を入れた。

 

7 2階寝室から家具を撤去

 2階の重量物を1階に下した。(本箱4つ、タンス1個を撤去)

 約200㎏の重量物を一階に下ろしたことになる。

 就寝中に地震が起きた場合、家具に押しつぶされて圧死する危険性を無くした。

 

8 感電ブレーカー

 電気ブレーカーを、感電ブレーカに変えた。

 震度6以上の地震で、自動的に電源が遮断される。それで漏電での火災が防げる。

 2024年1月にセンセーが故障したため、それを交換したら、震度6から震度5のセンセーに更新された。

 

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 自宅に設置した感電ブレーカ

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9 非常トイレ準備

 災害時に一番困るのは、食べ物よりも出した汚物の処理である。これは能登半島地震でもその悲惨さが報道されている。 

 成人で、一日5回、10日分として50回分の非常トイレがあるのが理想である。

 現在、40セットは準備完。

 

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  これで40セット分の非常用トイレ

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10 懐中電灯に紐をつける

 懐中電灯を家中の3か所に配置した。その懐中電灯の外側に蛍光テープを貼り、停電時でも分かるようにした。 

 ベッド脇の懐中電灯には、懐中電灯に紐をつけ、地震時に転がって何処に行ってしまう危険性を少なくした。

 

11 窓の二重窓化

 これは冷暖房費の節約となる。浮いたお金で防災対策を。

 

12 白アリ対策

 築40年も経つと、あちこちで白アリに喰われていて、柱がボロボロになっていた。その対策を打った。

 

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  白蟻に喰われた風呂場の惨状

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  白蟻に喰われた台所下のネタ木

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13 太陽光発電は検討せず

 太陽光パネルの重量は約100㎏である。重量物を屋根の上に置くのは、家が地震で揺らさることで、よろしくない。

 太陽光発電業者の甘言に騙されてはならない。

 

14 広い部屋を実現

 ついでに家中の仕切りの襖を撤去して一部屋とした。狭いウサギ小屋を襖で仕切っても滑稽である。

 現在6畳の書斎、8畳の座敷、10畳の居間、台所の6畳の計30畳の空間を一つの部屋として暮らしている。

 

15 耐震強化の一環として家中の整理整頓で不要品を廃棄

 大地震が起きた際、不要なものがあると余計に大混乱である。もの入れに不要なものが沢山あると、倒壊の危険も増す。まずモノを減らすのも地震対策である。

 トヨタでは、整理整頓は義務ではなく、仕事である。

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16 寝室の頭上の戸袋を撤去

 寝室のベッドの頭上に物置として戸袋があったが、地震の際に頭上に物が落ちてくる危険性があったので、撤去した。頭上がすっきりして睡眠の環境には良くなった。

 収納場所があると、つい不用品を死蔵しがちで、家が重たくなる。地震対策上で不可である。

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    以前にあったベッド上の戸袋(不用品が死蔵されていた)

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  戸袋を撤去後

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17 窓のそばに金づちを設置

 全窓は断熱化で二重の窓にしたので、地震時に窓を破って外に脱出するため、窓ガラスを破壊するための金づちを用意した。地震で家が傾いて、玄関のドアや窓が開かない恐れもあるからだ。

 一階の窓の二か所に金づちを用意した。

 これは車の脱出ハンマーと同じ扱いである。地震で家が傾き、家の中に閉じ込められ、火が出た場合に必要だ。危機管理である。

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 次回の改造で、お風呂と台所の窓をふさぎ、耐震壁に変える計画をしている。

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2024-01-14  久志能幾研究所通信 2802号  小田泰仙

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