大垣市消防署の見解 太陽光発電の家の消火活動
太陽光発電の家が火事になったら、消防署は消火をしてくれないというネット記事もあり、自治会として心配になり、大垣市消防組合消防本部予防課に問い合わせをした(2024年1月9日。)
消防署の回答
大垣市消防署は、火災になれば、当然、消防署として消火はするとの回答であった。ただし放水で感電事故の恐れがあるので化学消火剤で消火するという。周りに延焼が及ばないように、放水はするという。太陽光発電パネルにシート等をかぶせて消火活動である。(火災時にそれは無理ではと疑問に思った)
つまり太陽光発電の家の火災時は、普通の消火活動よりも面倒であるようだ。通常の時の火災なら問題ないが、南海トラフ大地震のように大規模地震が起きて、市内のあちこちで火災が発生した場合の対応に疑問が残る。
大震災時の混乱を想定すれば、煩雑な作業はなるべく避けたい。そいう点で、太陽年光パネルは避けたいが私の個人的見解である。消防署の本音も同じではないか。立場上で言えないだけだ。
南海トラフ大地震は12年+5年以内に来ることはほぼ100%間違いない。我々が地震大国に住む宿命である。その宿命を受け入れ運命を変える取り組みをする。それが人間にできることだ。
毎日新聞社が総務省消防庁消防救急課に取材しての回答は、「他の火災と同様に放水で消火している。太陽光パネルだから水を使えないという事実はない。太陽光パネルを設置した住宅火災の放水消火は各消防本部で普通に実施している」である。
感電を伴うために注意は必要ではあるが、火災に対し放水できないという事実は存在しないと、ネット上の情報を否定している。
「住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」に関する報告書は、一定の条件で火災発生リスクがあるとしているが、太陽光発電そのものが危ないとは断言していない。住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等に関する事故情報は、2008(平成20)年~2017(平成29)までに、事故情報データバンクに127件登録されている。72件が調査対象で、モジュールまたはケーブルから発生した火災事故などが13件である。その他は、パワーコンディショナーや接続箱などが原因となった火災である。
住宅用太陽光発電の累積設置棟数は、2018年10月時点で全国に約237万4700棟で、火災発生確率を計算すると、0.000053%。航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率が約0.0009%であるから、飛行機の墜落事故に遭うより低い確率といえる。
すでに設置されている方は、設置方法の確認や定期的なメンテナンスをしっかり行えば問題ない。
太陽光発電は火災に注意が必要?火災の事例や注意点を解説 | 太陽光発電・電力売買ドットコム (taiyou-denryoku-hikaku.com)
https://taiyou-denryoku-hikaku.com/column/fire/#:~:text=100%E4%BB%B6%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AE%E4%BA%8B%E4%BE%8B,%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A80.000053%EF%BC%85%E3%80%82
自治会として町内への展開
大垣市消防署として、太陽光発電の消火の障壁のため、その設置を控えるようにとは、口が裂けても言えないようだ。政府が再生エネルギー活用として、太陽光発電を推進している関係で、政府機関の消防署が否定するわけにも行くまい。
自治会としては、その危険性を町内に伝える位しかできない。太陽光発電装置の設置は個人の自由で、自治体や行政が口出しできない。
大垣市消防署としても、市内の太陽光発電の家屋は把握しているとのこと。まだ市内には設置数が少ないので、東京都の様に、特別な頻度で火災が発生はしていないという。
太陽光発電装置は、それが設置されていない家屋よりも、自然発火等の恐れが高いのは厳然たる事実である。
上記の情報は、あくまで平常時のことで、大規模災害時にどうなるかは不明である。
2020年度末時点で全世帯のうち太陽光発電システムを搭載している住宅は6.9%であった。
それは新興住宅地を含めた数で、古い家屋が並ぶ町内では、数が少ない。ちなみに我が町内では太陽光発電の家は1件だけである。隣の町内(振興住宅地)ではかなり多い。
今後、太陽光発電には不安が残るので調査・検討は続けていく予定である。前述の青字の引用解説は、太陽光パネルを売りたい業者の解説である。それを踏まえて読むことが必要だと思う。
2013年10月27日に発生した大垣市桐ケ崎町の火事 著者撮影
火龍は一度火を噴くと、手が付けられない。だからこそ、しっかりした防火対策が必要だ。
この火事は、近来稀に見る大火事となった。
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2024-01-10 久志能幾研究所通信 2800号 小田泰仙
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