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2017年12月 2日 (土)

局を共闘で弾く

小坂井聖仁 完全帰国記念コンサートでの闘い

出会い

 私は小坂井聖仁さんとは2017年10月8日、名古屋・八事のTIMMコンサートで、出会った。私がTIMMの写真を撮るために来て、その前の食事会のおり、彼と名刺交換をしたら、珍しい名刺であったので、何様ですかと聞いたら、ヴァイオリニストです、であった。そのご縁で今回の彼のヴァイオリン・リサイタルに招待された。それならと写真撮影の許可をお願いして、快諾頂いたご縁である。まさに袖すり合うご縁で写真撮影が決まった。魚心あれば、である。私も高校生の時から、一眼レフに200mmの望遠レンズを付けて飛行機の離着陸写真を撮っていた。今思えばなんと贅沢な遊びをさせてもらったことか。今は亡き両親に感謝です。だから私は50年来のカメラマニア・飛行機マニアである。今の主の撮影対象は、馬場恵峰師の書である。音楽家の撮影を始めたのは、グランドピアノを購入して、ピアニスト河村義子先生に就いて習い始めた3年程前からであり、修行として場数を踏みたいという魚心があった。

 小坂井聖仁さんは、会場の最後部席の私の席のすぐ横で、TIMMのチェロ演奏に聞き入り、しきりに感心していた。私はチェロには素人で、その良さがまだ分からない。ヴァイオリンとチェロは、共通する事項が多く、弾き方に共感をされたようだ。この時の演奏は、小ホールでアットホーム的であり、至近距離で演奏が聞けたのが良かった。

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小坂井聖仁 ヴァイオリン・リサイタル

 2017年11月27日、名古屋市民芸術祭一環の「小坂井聖仁 ヴァイオリン・リサイタル ドイツより完全帰国の記念に」の写真撮影のため、14時30分に名古屋・伏見・電気文化会館のザ・コンサートホールに到着した。開演は19時であるが、リハーサル風景の撮影を中心にするため、この時間の到着である。来年1月13日のドレスデンフィルハーモニー弦楽三重奏団ニューイヤーコンサート用に手配したフルサイズの無音シャッタの一眼レフSONYα9と100~400mmズームレンズの入荷(納期2週間)が、この日に間に合った。当日がこのカメラのデビュー戦となった。これもご縁です。

 

 攻めと受けの闘う姿勢

 今回、初めてヴァイオリニストとピアノの協奏を撮影して、その演奏時の体の姿勢の変化に驚いた。その動きが音楽なのだ。ピアニストの動きとは、全く違う雰囲気を伝えてくれる。カメラの被写体としては、ピアニストより魅力的である。ピアニストが不動明王様なら、ヴァイオリニストは阿修羅様である。

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Page-turnerとの信頼関係

 譜面をめくる人(Page-turner)に全面的な信頼を寄せて、優しい眼差しで譜面を見つめて演奏をする田村響さん。それに応えるべく頁をめくるPage-turnerの真剣な眼差しが厳しい。本番と何も変わらない。

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音を観る観音菩薩様

 リハーサル時の大ホールでの観客は、小坂井聖仁さんの母親と調律師とだけである。その方はプロの音楽家(声楽)で、観客の第三者の立場で佛の啓示のような意見を述べられていた。観客席の真ん中に座って、慈愛に満ちた観音菩薩様のような眼で、リハーサル演奏の音を観ていた。見守ると言うのは、最高の教育の姿である。いつも自分を護る観音様は黙って自分を見守ってくれている。有難いこと。この姿から亡き母を思い出した。合掌。

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本番前のひと時

 二人での長時間のリハーサルが終わった後、正装に着替えて、田村響さんはピアノの最終練習に取り組んだ。その田村響さんの肩を小坂井聖仁さんがさりげなく優しく揉む。「肩が柔らかいですね」と一言。笑みを浮かべて、練習の場を去る小坂井聖仁さん。今までの厳しい表情が嘘のよう。

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後ろ姿が語る

 田村響さんの最終練習の終了後、小坂井聖仁さんはヴァイオリンの最終練習に取り組んだ。仕事への取り組み姿勢は後ろ姿に現れる。その長時間のリハーサルが終わり、ホッとした時の後ろ姿。日本での帰国記念デビュー戦としてリサイタルの本番に向けての精神統一中の姿である。背筋がピンと伸びて美しい。

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 小坂井聖仁さんの精神統一が終わりリハーサルも満足に終わり、思わず笑みが出る瞬間。今から1時間後、開演です。観客席にはに誰もいない。

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瞬時の観察眼

 本番で田村さんと譜めくりの絶妙の連携を見る小坂井さんの眼差しが鋭い。

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演奏とは「音」を狩る闘い

 演奏の一瞬を切り取ると、曲を弾くとは「局」をこなす闘いであることが伝わってくる。「弾く」とは弓で「たま」を弾き飛ばすと書く。演奏者の目は、狙った獲物を狙う「音」の狩人の目である。

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四位一体ゾーン

 下図は、三人の「局(曲)」との闘いの一瞬の姿である。その闘いの相手は己である。どれだけ限界のゾーンに近づけられるか。ヴァイオリニスト、ピアニスト、Page-turnerの精神の高揚が一致した瞬間。三人の心身が完全統合したゾーンの姿である。これは演奏家達の魂が昇華した一番美しい姿である。

 小坂井聖仁さんが演奏に熱中して、田村響さんの姿に頻繁に重なってしまうので、カメラマン泣かせであった。私は、この三人の姿が重ならない一瞬を狙うため、全神経を集中させた。私もゾーンに入った。

 横山大観画伯は、弟子に「海辺の絵を描いたら、そこから波の音が聞こえなければならない」と指導したと言う。私は撮った写真に、音楽の響く情景が表現されるレベルを目指して取り組んでいる。

 後で事情を聞くと、田村響さんの姿が、写真上で小坂井聖仁さんに覆われても、ヴァイオリンの音の響きを優先して、もっとピアノに近寄れと助言をされたという。その道のプロは、音の響きが最優先である。

 この日は15時から21時まで連続での撮影となった。カメラ4台を使い分け、同時にビデオ撮影もこなし、老体に鞭打ち約1,000枚の撮影をした。中腰での長時間の撮影はかなり疲れる。リハーサルでの撮影では、大ホールの中を自由に移動して撮影できたので、よき写真が多く撮れた。それでも演奏家達の集中が妨げられないように、細心の注意を払い忍者のように移動をした。

 本番での撮影は、観客の迷惑にならないように、親子ルームからのガラス越しの撮影となった。そのため、カメラアングルと撮影位置が制限されて、リハーサルよりは撮影枚数は少なく、魅力的なシーンを撮影するには制限があり、少し残念であった。

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タイトルの意味

 「局」とは、つとめ、職責、才能、勝負、曲がる、を意味する漢字である。解字では、尺と句(音)からなる。尸(尺)は人体の象形。音符の句は、曲げるの意味。背を曲げるの意味を表す。また區(区)に通じて、区切るの意味を表す。 今回のコンサートで、体全体を使ってヴァイオリンを奏でる小坂井聖仁さんの姿から連想して、表記のタイトルにしました。仕事の一つである演奏も譜めくりも写真撮影も、人生での闘いです。そこから何を創造するかが問われている。

 小坂井聖仁の公式サイト www.kozakaikiyohito.com/

 2017-12-02

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

2017年12月 1日 (金)

親子ルームの初体験

 2017年11月27日、「小坂井聖仁 ヴァイオリン・リサイタル」のビデオとカメラ撮影時、リハーサルでは、客席で撮影をこなした。リハーサル後の本番直前に、事務局から撮影を困ると言われて困惑した。その後、この演奏会の主催者の社長と事務局担当者と打ち合わせをして、事情を話したら、それならと「親子ルーム」に案内をされた。私には最初、「親子ルーム」が理解できず、ともかくその部屋に行って驚いた。そこはビデオ撮影用の部屋で、むずかる子供を持った親子連れ用の観客席であった。今まで生きてきて、何回も音楽ホールに来ているが、その存在を知らなかった。世の中、知らないことばかり。

 

親子ルームの設備

 そこは観客席の一番後ろの出入り口の横にあるガラス越しの部屋である。そこにはキャノンプラグの外部マイク出力端子も装備され、外部マイクの入力がビデオに取り込めるのだ。これなら、わざわざ無音シャッターのカメラを買わなくても済んだのと、少し後悔した次第です。しかしガラス越しのため、生の音は少し籠って伝わるので、その外で聞くのとは少し雰囲気が異なる。それでもリハーサル時に演奏を堪能しているので、それは諦められた。それで安心してビデオ撮影とカメラ撮影ができた。ただし内部に椅子はなく、靴を脱いでの中腰での写真撮影となって、少し疲れた。この場所では、カメラ音や周りに気にせずに撮影ができるが、撮影ポイントが限定されるので、カメラアングル的には制限がある。

 

文明国の条件

 途中で本当に親子連れが入ってきて、少し驚いた。また実際に演奏途中で子供がむづかり始めて少し焦ったが、マイクはこの部屋の外に設置されているので、ビデオに子供の声が録音されることはないので安心して構えていた。それでも母親がかなり気にして、しばらくして子供を連れて出て行ってしまった。私よりも母親の身になって考えると、子供連れの母親は、音楽鑑賞で周りに気兼ねをして大変だと思い至った。音楽ホールで、こういう設備があることは素晴らしい。聞いてみたら、大垣スイトピアセンタの音楽堂でもこの親子ルームがあるとのことである。子供を育てるのは大変だ。それをサポートする設備があってこそ、文明国であると納得した。

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 入り口の横のガラスの部屋が「親子ルーム」

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 「親子ルーム」からの眺め

3p1040055_3  子供連れの母親。横の三脚は私のビデオカメラ

2017-12-01

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2017年11月27日 (月)

演奏会の撮影デビュー

 2017年11月27日、今日は名古屋・伏見・電気文化会館で、小坂井聖仁さんの「ヴァイオリン・リサイタル(ドイツより完全帰国の記念に)」(田村響さんとのピアノ協奏)の撮影会でした。14時30分に現地に着いて、約6時間の撮影をこなし、22時20分に帰宅して、お風呂を浴びて(その前にほんの少しのピアノ練習をこなし)、今原稿を書いています。

 私にとって、9月の大垣音楽堂でのTIMMコンサートに続いて、プロによる本格的なホールでの演奏会撮影とビデオ撮影は、今回が二回目の体験でした。やはり場数を踏まないと、撮影の腕は上がらない。その前に、河村義子先生の演奏会での撮影で場数を踏んでいるのがためになっている。今はお金ではなく修行として演奏会の撮影をしている。このために、今回は無音シャッターのフルサイズ一眼レフSonyα9と100~400mmの望遠レンズをそろえての段取りで、今回がそのデビュー戦でした。やはりこの音楽の演奏会の分野は機材がモノをいう世界です。

 今日は、無音シャッターであったのと、撮影専用の小部屋の提供を受けたので、観客の回りに気兼ねなく、15時から21時まで、ほとんど休みなしで約1000枚の写真(連写ではなく、一枚ずつのシャッターで)と5時間のビデオ撮影をこなした。今回は小坂井さんも田村さんも力が入っていて、リハーサルの時間が長かった。私は老体を鞭打ち、体力的にもフトコロにもきつい労働であったが、楽しい仕事でもあった。やはり新しい挑戦は楽しいもの。ボケ防止には良い仕事であるが、ボケ防止にはお金がかかるのです。今日の詳細は、別原稿で報告します。

 

2017-11-27

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2017年11月17日 (金)

New Year Concert パンフレット

ドレスデンフィルハーモニー弦楽三重奏団を迎えて

 表記コンサートのパンフレットが完成しました。添付ファイルをご参照ください。

 久志能幾研究所は、New Year Concertの協賛企業です。

 

チケット取り扱い: 松栄楽器本店、ユタカ音楽、シューベルトホール

問合せ先: 0584-82-6575(シューベルトホール)

メール: gracel@earth.ocn.ne.jp

 添付ファイル newyearconcert_A4_8.pdfをダウンロード

2017-11-17

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2017年11月 8日 (水)

予告 New Year Concert

現在、計画中の演奏会の内容が固まりましたので、お知らせします。

2018年1月13日(土)15時より「New Year Concert ドレスデンフィルハーモニー弦楽三重奏団を迎えて」を開催します。

 

出演:ドレスデンフィルハーモニー弦楽三重奏団

    バイオリン:ハイケ・ヤニッケ

    ビオラ:アンドレアス・クールマン

    チェロ:ウルフ・プレッレ

    ピアノ:河村義子

入場料:3,000円

会場:クインテッサホテル大垣(旧ロワジールホテル大垣)3階

  コンサート終了後、出演者を囲んでパーティ:参加費 3,900円

 

プログラム(予定)

 フチーク:剣士の入場(雷鳴と稲妻)

 ガルデル:我が懐かしのブエノスアイレス

 ジョップリン:メイプルリーフラグ,ラグタイムダンス,エンターテイナー

 J.シュトラウス2世:こうもり より ティクタクポルカ

 ジョップリン:ベセナ 

 J.シュトラウス2世:皇帝円舞曲, 美しく青きドナウ

 シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47  他

 

プロフィール

 ドレスデンフィルハーモニー弦楽三重奏団は、1996年結成の国際的なオーケストラです。その卓越した演奏により、国際的文化都市としても知られるドレスデンの大使としての役割を果たしている。ベルリンなどドイツ国内だけでなくニューヨーク、ロンドン、ブエノスアイレス、南アフリカや日本など世界各地の都市で演奏活動を行っている。オラフ ベール ペーター ルーゼル、ゲーデ三重奏団、バーバラ ストイデなど、多くの室内楽奏者たちと共演活動も精力的である。最近では2011年、南アフリカのケープタウンにおけるケープクラシック音楽祭に招かれた。本楽団は、伝統的ザクセン派の弦楽音楽を重んじながら、新しい解釈を加え、室内楽奏団としても、独奏者としての立場もみごとに融合した演奏を完成している。

 

終了後の懇親会

 演奏会終了後、すぐ隣の会場で立食パーティを開催します。演奏者と楽しく会話ができると思います。ご期待ください。

 

ドレスデン情報

 ドレスデンは、ドイツ連邦共和国ザクセン州のエルベ川の谷間に位置している州都である。人口は約51万人(2008年)である。陶磁器の町として有名なマイセンまで約25kmで、エルベ川を通じて交流があった。

 ドレスデンの音楽はザクセン侯宮廷の雰囲気を反映して、古くからイタリアの影響を受けている。シャイト・シュッツらはルター派典礼音楽にイタリア音楽の傾向を付け加えた。ミヒャエル・プレトリウスもしばらくドレスデンで活動した。ドレスデンは17世紀ドイツにおける音楽の中心地のひとつであった。モーツァルトもまたドレスデンで作品の初演を行っている。

 街の雰囲気はやや古典的で、狭い路地が続く町並みには、中世的な雰囲気が漂い、レストランやバーが無数に存在し、週末は地元人達で賑わっている。美術・芸術家などの個展や、演奏会・音楽サロンが街のあちこちで毎週のように開かれ、地元人も芸術に関心が深く、文化・芸術が生活と密接に関わっている。

 森鴎外は、1884年から約4年間のドイツ留学をした。彼は1885年10月11日から翌1886年の3月初旬まで、約5ヶ月間ドレスデンに滞在していたことがある。小説『文づかひ』はドレスデンを舞台にした作品である。

 ゲーテは、ドレスデンがお気に入りであり、何度もこの地を訪れている。彼はエルベ川からみて旧市街地側の川に沿って続く小高い歩道を好んで散歩した。それは森鴎外が滞在するおよそ100年前のことであった。

 

2017-11-08

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2017年10月13日 (金)

お墓の文字彫り完成

 自家のお墓の再建で、恵峰先生に揮毫していただいた書体で、墓石の文字彫りが大阪で進められた。その墓石に字を彫る工程が終り、2015年11月14日(土)、松居石材店に完成した墓石が到着した。私は名古屋での授業が終ったあと、雨の中、新幹線を飛ばして(?)、彦根に確認に行った。現地に16:40到着した。

 入庫した墓石は見事の出来栄えで、恵峰先生の字が光っていた。この一体構成の墓石作りに携った方々への感謝の念で一杯である。機械設計者としての見地で、墓石の角の加工や2面の交差線の加工状況に驚嘆である。隅の加工では刃具の固定フランジが干渉するので、最終加工は手仕上げと推定した。石職人の大変な技能と労苦がかかっており半端な仕事ではない。チャイナの石材加工技術の高さに脱帽である。

 当日は大雨であったが、据付工事予定の週明け月曜日・火曜日は天気予報で晴れとのことで、神仏の配慮に感謝である。

 墓石の表には、「黄鶴北尾道仙」、裏面に「享保19年甲寅4月27日に近江で死去」との刻印を再現した。享保19年は1734年で、元禄文化が栄えた時代から少し時が経った時代である。生誕年は元の墓石が風化で判別不能のため、判別ができた「12月17日濃州大垣で生まれる」とだけ刻印をした。2017年9月の今になって、チェリストのティム愛用のチェロが、ほぼ同じ時代に製作されたことを知り、何か因縁を感じた。

 

図1 字彫りが完成した墓石

 

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チェロ様の離日

 2017年10月10日、ティムが中部国際空港から午前9時45分発のルフトハンザ航空機で出発するので、7時20分に中部国際空港に着くように、お見送りに出かけた。お見送りには熱烈な女性ファンの3名がティムに同行して中部国際空港にやってきた。

 

チェロ様特別扱い

 ティム愛用の齢300歳のチェロ様は、貨物室ではなく、特別料金でティムさんの横の席に座るとのこと。座席シートの乗客名には「チェロ様」と書かれるとのことであった。大垣の演奏会でのチェロの紹介時には、280~300年前の制作のチェロと聞いたが、直接ティム本人に確認したら、300年前の製造品とのこと。私のご先祖の北尾道仙(1734年没)が、観世流の能の謡で油の乗って活躍した頃の生まれであり、益々チェロ様に親近感を感じた。

 なおドイツ語の名詞には男性、女性、中性の性別があるが、「チェロ」はその形からてっきり女性名詞だと思っていたが、この際、気になって辞書で確認したら中性名詞であった。ピアノも中性名詞であった。少し賢くなった。

 

演奏会時のビデオ・写真を進呈

 ティムが搭乗手続きを終えて、しばしティムと女性ファン3名と私で、喫茶店でお別れのお話をして過ごした。その時、2日前の演奏会のビデオを写真フレームで映し、また演奏会時の写真をiPadで見せて喜んでもらえた。ティムにビデオBDと写真データ300枚の入ったSDカードで進呈した。大層喜んでもらえてよかった。多分、こんなに早く、またこんなに多量の自身の演奏会時の写真を撮ったモノ好きはいなかったと思う。プロが演奏家の写真を撮れば、ベストショットの数枚をかなり後から演奏家に渡すだけだと思う。結果として、ティムの大変喜んでもらえて光栄である。

 

離陸

 搭乗時間が来たので、出発ゲートまで4人でお見送りしてティムは搭乗チェックゲートに消えた。名残惜しそうにいつまでも手を振っていた。

 その後、皆で空港展望台に行き、ルフトハンザ航空エアバスA340の離陸を見守ることになった。私は、それを兼ねてSONY RX10Ⅳの100~600mm望遠レンズの性能をルフトハンザ航空機の離陸で確認することにした。しかし飛行機の撮影が1年ぶりであったので、撮影位置を間違えて離陸直後の写真が、展望台のフェンスに邪魔されて撮れなかったのは残念であった。SONY RX10Ⅳは小型で軽快で、連写性能も高く、なかなかの性能であることを確認した。演奏会時の私の右腕に出世である。

 しかし飛行場の撮影では、飛行機マニア達がでかい一眼レフ、超望遠レンズの見せびらかしの競演で、小型カメラでは見劣りがする。これはマニアの世界。その見栄での出費が日本経済の活性化に寄与する。人生二度なし。人生は有効に楽しまなければ意味がない。お金を使うから知恵がつく、よきご縁に巡り逢える。家に閉じこもって、預金通帳をにたっーと眺めていれば、認知症への道をまっしぐら。

 

図1 皆さんとお別れの握手をするティム

   愛用のチェロを手元に

図2 出国ゲート前のティム

図3 ティムの搭乗したルフトハンザ機

図4 離陸したルフトハンザ機

   飛行機の搭乗口のドアを閉めた時が、飛行機は離陸とされる。それが時刻表に記載される出発時刻である。

図5 ドアが閉まってからも入念なチェックをする地上員

図6 駐機場を離れて最後のチェックをする地上員

図7 離陸スタート地点までタキシング中

図8 離陸スタート地点で待機中

図9 離陸滑走中

図10 ドイツに向かけて去り行くルフトハンザ機。

   さようならティム。また2年後にお会いしましょう。

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2017年10月12日 (木)

TIMMフェアウェルコンサート

「ユルンヤーコブ ティムを迎えて優雅な藤本真実のピアノの響きと秋を呼ぶチェロの響き」

 2017年10月8日、名古屋市日赤八事の「ジャルダン・ドゥ・ビジュ―」で、チェリストのユルンヤーコブ ティムとピアニスト藤本真実さんとの協演でコンサートが開催された。今回、ティムさんは9月19日から10月10日までの来日で、計9回のコンサートをこなされた。今回が2017年来日の最後のコンサートとなった。場所は定員40名ほどのサロンのような会場であった。事前の食事会も含めてアットホーム的な雰囲気での演奏会であった。通常のコンサートでは、あまり喋らないティムさんであるが、氏のお話や、通訳の小出さんとのお話しもあり、楽しい場であった。ピアニストの浜野範子さんは今回の演奏旅行で2回もティムさんと共演して、客席でティムさんの演奏を聴きたいと、東京から駆けつけた。追っかけのホットレディー達(熱女と称したら苦情がきてレディと言って欲しいと!)も駆けつけて、盛り上がった会場であった。若きバイオリニスト小坂井聖仁さんも熱心に聴き入っていた。

 

ティムの経歴

 ティムさんはライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団で、41年間主席チェリストを務め、2014年からソロチェリストとして活躍をされている。「ゲヴァント」とは市民階級の音楽という意味で、1743年から続いている楽団である。昔の宮廷音楽と対比をなす音楽活動で、メンデルスゾーンが力を入れて推進した。演奏家も生活が守られて安心して音楽活動ができるようにと、年金制度等を取り入れた活動も有名である。

 ティムさんは音楽学校で知り合った素敵な奥さんとの間に二人の子息がおられる。愛妻家で有名である。長男はベルリンフィルの第二首席バイオリニスト、次男は同じチェリストである。今回、大垣でのコンサートでパパティムとピアニスト河村義子先生との協演のコンサートに出演した。

 

ティムのアドバイス

 音楽の上達には、「才能、努力、よき指導者」が必要と力説された。

 

 毎回、今回が最後と言いながら、2年毎くらいに来日していて、日本での演奏活動を続けている。取り巻きの熱血レディたちは、ティムさんの誠実で律儀な性格にほれ込んでいるようである。

 今回、私はバッハの無伴奏組曲二番ニ短調BWV1008を聞いて、チェロを見直した。チェロはバイオリンに比べて人の声に似ている。その楽器を駆使して、一つの楽器とは思えない多重奏での技法で演奏された。私はあまりクラッシクに詳しくないので、通訳の小出さんに解説をしてもらって、少し理解が深まった。今まであまりチェロの演奏を聴いていなかったが、真近かで聞いて、この曲を見直した。

 

撮影準備

 私は当日、写真撮影とビデオ撮影で忙しかった。カメラも10月6日発売(10月8日入手)のSONY RX10Ⅳ(100~600㎜ズーム、サイズ1型のCCD)を用意した。このカメラは無音シャッターで、高感度撮影も可能であるので、急遽、購入を決断して入手した。多分、日本国内の本格的コンサートで、このカメラを使うのは、私が初めてだと思う。9月29日の河村義子先生との演奏会では間に合わなかったが、今回のティムの離日前コンサートに間に合って、良かったと思う。前回の大垣市でのコンサートでは、CCDフルサイズのCANON一眼レフに100~400mmのズームレンズを付けての撮影で、シャッター音が気になっていた。リハーサルでは、会場の一番後ろで撮影したのと、回りに観客がいないので問題にならなかったが、本番の時の撮影では、そうもいかず、普通のLumixデジカメ(CCD1型、ズーム10倍)で対応した。

 図5に普通のデジカメの1/2.3サイズと1サイズ、フルサイズのCCDの大きさの比較をする。受光面積が多きい程、豊かな色彩の画像が撮れる。高いものにはワケがある。ISO感度は10,000に設定した。それでも会場が暗いので、ときおり、オートフォーカスが合わない。今回はサロンのようなホールであるので、演奏者を写すと画面に手前の人影が入ってしまうが、逆に小さいサロンの雰囲気が出ていて、趣きはある。

 

打ち上げ会

 演奏会後、急遽打ち上げ会に誘われて出て驚いた。総勢10数名中で男性はホールのオーナとファンの熱女のご主人の技術者(P&W)と私だけ。後は全てティムさんの女性ファンである。ダンディでもの静かな佇まいのティムさんはモテるんです。うらやまかしい…….

 ご縁とは良いもの。今回の演奏会も小出さんに誘われて参加して、多くのご縁を頂いた。なんでもご縁があれば出かけるものである。馬場恵峰先生はチャイナに240回も出かけて、近所の暇人から、「どげんかして、そげん用かあるばってんん?」と陰口をたたかれているようだ。恵峰先生曰く「用があるのではない。用を作りに行くのだ」と。それの意味を、今の活動を通して感じている。ピアニストの浜野範子さんともご縁が出来た。今回はバイオリニスト小坂井聖仁さんと知り合いになり、ドイツからの完全帰国記念の演奏会に招待をされた。感謝。

 

図1 司会の水野さん

図2 ティムさんと藤本真実さん

図3 ティムさんと通訳の小出さん

図4 ティムさん

図5  CCDサイズ比較

 

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久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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2017年10月11日 (水)

墓面の揮毫 4/4(型紙とTIMMチェロ)

 馬場恵峰先生に書体の大まかな了承をもらったので、2015年9月30日(水)、松居石材店で、松居店主と二人で、型紙の確認をしながら、鉛筆と消しゴムで少しの修正をすることになった。それでも小1時間ほどの手間がかかった工数となった。書家が揮毫した書をそのまま墓石に彫ると、字の線が細く見えて、貧弱な字体に見えるという。そのため、上下の配置の隙間や線の太さを誇張して太くする必要があるとのことで、二人がかりで修正をした。型紙を作るのがこんなにも大変だとは思わなかった。松居店主も、今はほとんどがパソコンのフォントで作成するので、手書きの字の型紙作りの作業は10年ぶりとのこと。型紙の完成まで、結果として長崎の先生宅に3回、松居石材店に何回も通うこととなった。それでも納得できる仕事ができて良きご縁の巡り合いであった。

 

再修正

2015年10月10日(土)、松居石材店店主より、「黄鶴」の字が傾いているのと、「仙」の字の大きさを修正したとの連絡があり、彦根に出向き確認をした。一つの墓面の型紙を作るのは大変な労力である。難しいお願いを嫌な顔をせず対応していただいた松居さんに感謝です。

 

TIMMのチェロとのご縁

 北尾道仙は、1734年没のご先祖である。能関係の謡いの名手と推定される。2017年9月29日、大垣市の音楽堂で河村先生と共演したドイツのティムさんの愛用のチェロが、300年前の1717年頃に制作されたという。同じ音楽関係でもあり、ちょうどご先祖が活躍した頃に生まれたチェロで、本件の歴史を知り今秋にして、何かご縁を感じた。

 

図1 型紙 松居石材商店にて

図2 型紙 2015年9月18日版

図3 型紙 最終版

図4 生誕300年のチェロを演奏するTIMM(リハーサル)

   チェロの表面の傷跡に300年の歴史を感じる

   大垣市音楽堂にて  2017年9月29日  

 

2017-10-11

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

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2017年10月 4日 (水)

運命のページをめくる佛

楽譜のページをめくる人

 演奏会を回すのは主役の演奏家だけではない。裏方の黒子が支援してくれてこそ、上手くいく。聴衆の目に入っていて、気がつかないのが、演奏者の横にいてピアノの譜面をめくる人の存在である。彼女は黒子に徹して、目立たないが、緊張で震えている。演奏を熟知していて、間合いを測って絶妙のタイミングでページをめくらねばならない。めくる前に、次にページの端を少しめくって、一気にめくる準備をしている。緊張の一瞬である。しかし、師のそばで緊張ある演奏の場を共有できることは、何事にも代えがたい学びの場でもある。弟子として幸せだと思う。担当するには、高度な技量も必要とされる。

 ページをめくる人の一番重要な要素は、演奏者と深い信頼関係のある人でなければならないことだ。嫌なオーラが出る人が後ろにいては、ピアニストは演奏に集中できない。だれでも担当できるわけではない。演奏者とページをめくる人は、厚い信頼関係で結ばれた共演者なのだ。

 演奏会後のサイン会会場で、ティム親子と彼女の記念撮影をした。彼女の顔は、緊張で顔がこわばっていた舞台上とは、別人のような素敵な笑顔で印象的であった。お役目ご苦労様でした。

 

人生のページをめくる親

 親は子供が学校に上がる時期が来ると、黙ってランドセルを買ってくれる。遠足がある日が近づくと、遠足のお弁当や服装を準備してくれる。黙って大学の入学金、授業料を払ってくれた親。人生のページがめくられる度に、黙って準備をしてくれる存在が両親である。当時は甘えて当たり前と思っていたが、TIMMコンサートで河村義子先生の後ろでページをめくる彼女を見ていて、両親を思い出した。今にして遅まきながら、改めて両親に感謝の念が湧いてきた。当時の貧しい給与で自分に贅沢をさせてくれた。感謝しても限りがないが、気が付いた時は、両親はこの世にいない。世の中で、黒子に徹して貢献することがあるはずだと思い、精進をしている。合掌。

 

佛がめくる運命のページ

 この世は一期一会。楽しかった恋の日も、家族団らんの日も、過ぎ去ったページは二度と見ることはできない。運命のページは自ずとめくられていき、恋した日に戻りたいと思っても、ページを抑えた指の下には、既に死を迎えたページがあるかも……。 毎日を今日が最期の日と思い、一生懸命に生きたい。一日一生。

 

図1~5 TIMMコンサートのリハーサルで

  大垣市音楽堂 2017年9月29日

図6 「人生という本」馬場恵峰師書 2012年

  師にお願いして揮毫していただいたら、金の色紙に書かれていて感激した。

図7 「人生という本は最高の本である」馬場恵峰師書 2016年

   色紙の言葉を、軸に揮毫していただいた。

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2017-10-04

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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