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2020年5月

2020年5月13日 (水)

遠きを謀る者は富み、近くを謀る者は貧す。

 

 指導者は10年後、100年後を考えて、手を打たねばならぬ。目先の利益に囚われてはならぬ。100年の計は、人を育てるにしかず。

 

「一年之计,莫如树谷;十年之计,莫如树木;终身之计,莫如树人。」

                     『管子』

 訳: 一年の計画において作物を植えるに及ぶことはなく、十年の計画において木を植えるに及ぶことはなく、一生の計画において人を育てるに及ぶことはない。

 『管子』は、管仲の作といわれる。管仲は春秋戦国時代に活躍した斉国の政治家、軍事家である。管仲は桓公に仕え、覇者に押し上げた。

 

小川敏の近視

 ところが、大垣市長の小川敏は、目先の派手なことで市民の目を引こうと愚劣な政治に終始している。彼の頭には、市長の座に長く座っていたいため、次の選挙のことだけであるようだ。だから小川敏は、市長6選が頭から離れない。元気ハツラツ市の派手にパーフォマンス、炎天下で園児虐待、市制100周年記念行事での数々の愚行、業者から寄付を強制して御用新聞にそのパーフォマンスを披露している。結果は二宮尊徳翁の予言通り、大垣市は小川敏の近きを謀る政治が19年間続き、それで没落した。

 行政の長として本当に必要な施策は、100年後を見据えて若い人を育成することなのだ。ところが、大垣市は児童生徒一人当たりの教育費が、県下最低である。その資源を、小川敏達は自分たちの給与に繰り入れて「食べて」しまった。大垣市職員の給与は岐阜県で岐阜市のそれを抜いて一位である。教育に投資しなければ、大垣の未来は真っ黒けである。

 

 大垣市民の皆さん、こんな低落の市長のままでいいのか?

 これでは大垣市民が全国から笑われる。

 小川敏は間違いなく、歴代市長で最低の市長である。大垣の歴史にその汚名を残すだろう。

 

二宮夜話(巻之二) 二宮尊徳

翁曰く

 遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す。

 それ遠きを謀る者は、

  百年の為に松杉の苗を植う。

  まして春植えて秋実る物に於いておや

  故に富有りなり

 近きを謀る者は、

  春植えて秋実のる物をもなお遠しととして植えず

  ただ目先前の利に迷ふて、蒔かずして取り、

  植えずして刈取る事のみに眼をつく、

  故に貧窮す。

 

 

現状(2019年) 2020年度もあまり変わらない

 大垣市の教育は県下最低レベル

      一人当り予算   児童生徒数 

         千円  大垣100で   人

 多治見市    735    158    8,862  

 岐阜市     529    114    32,074  

 可児市     517    111    8,352   

 大垣市     465    100    14,400  

 各務ヶ原市   445     96    12,525   

 刈谷市(愛知県)918    197    11,120  

 

2020-05-13 久志能幾研究所通信 1584  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

自然との対話を大切に

 

 深夜の色紙書きを終え、朝を覚ますと窓の外にすすきが揺れていた。

 太志塾またおいでよとすすき揺れ  恵峰

 

 ついさっきまで冬だったのに、春を飛ばしてもう夏日が頻繁に出現する。すぐに秋がやってくる。自然界の営みは、声無き経を唱えけり。

 

 その時にならないと頭が回らないのでは、いくら理屈をこね回しても儲からない。ゆかしく楽しく生きることが大切だ。自然と対話する人間にならないと長生きができない。口先だけで利口なことを言っても人は付いてこない。己の足元を見ていく生きかたが大切である。

 自然界との対話を拒否した拝金主義者が、奴隷のように労働者をこき使い、先進国が血の滲む思いで開発した製品を開発費ゼロでコピーして金儲けに狂走した。そうやって構築したサプライチェーンを、今回の新型コロナウイルスが破壊した。自然界、経済界の理を無視して暴走した人間への天上界からの鉄槌ではないのか。

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 馬場恵峰先生 「太志塾」2014年10月5日

 

付加価値を生む環境

 今回(2014年10月)、日本人3名のノーベル賞を受賞したことで中国、韓国は知識層を中心に打ちひしがれているはずです。たとえどんなに経済成長を続け、強大な軍事力を誇っても、その国が世界中の尊敬を集めることはありません。重要なのは、どれだけ人類史上に残す知的財産や文化的財産、すなわち普遍的価値を生み出したかに尽きます。また、それによってのみ、国民に真の自信と誇りが備わるのです。

 ノーベル賞の受賞者が輩出する国には2つの条件があります。

 第一に、幼年期から成長していく過程で、身近に美しいものがなければなりません。豊かな自然や優れた芸術、文学に触れて美的感受性を養うことが必要です。数学や物理学などのサイエンにとって、美的感受性は知能指数や偏差値よりも大事です。

 日本には緑の山々や、繊細な四季の移り変わりがあります。それ自体が世界的にも大変珍しい。加えて素晴らしい文学、絵画、彫刻も多数存在し、美に触れる機会にも恵まれています。

 第二に、精神性を尊ぶ風土も不可欠です。要するに、金儲けや実用性だけを追及せず、役に立たないと思えても精神性の高いものには敬意を払う土壌が肝要と言えます。『万葉集』にしても、日本では1400年も前から一般庶民が腹の足しにもならない歌を詠んでいる。そこに価値を生み出すことが何よりも大切です。多くの科学分野では、100年後に芽が出るか、100年後に実用化するかどうか分からないことも研究しています。それを“単なる無駄”と考えてしまったら人類に進歩はないんですね。

 中国や韓国にも有能な人材はたくさんいますが、残念ながら彼らの多くは金融関係や弁護士、医者といった“金になる”仕事に就いたり、海外へと流失していく。利益だけを優先すると“無駄な”科学に人材が向わなくなるわけです。

     数学者・藤原正彦氏(『週刊新潮』2014年10月23日号)

 

人の重きを置いた経営

 これは経営にも当てはまる。単に金儲けだけのグローバル経済主義は、1%の人だけの幸せを追求するが、99%の人たちを不幸に陥れる邪悪な思想である。なんのために経営をするのか、自然をめでる余裕がない経営者に、良い経営も長生きも出来ないと恵峰先生はすすきを例に、塾生を諭している。

 2020年5月現在、新型コロナウイルスで世界経済が麻痺している。グローバル経済主義の行きつく果てである。拝金主義の企業は、部分最適を目指して世界で一番安いコストで入手できるサプライチェーンを構築した。今、世界はその咎を受けている。部分最適で激安の製品を提供しても、個人には幸せをもたらさない。

 

私の抵抗

 私はささやかな抵抗で、100円ショップでモノは買わない。なるべく高く付加価値のある製品を買い、それを長く使うようにしている。最近、意思を持ってアップル製品やソフトバンク、中国製品とは縁を切ってきた。

 100円ショップの製品は、海外の奴隷のような環境で作られている。中国製品、韓国製品は先進国が苦労をして開発した製品の技術を盗み、製造するから安くできる。その分、先進国の雇用が無くなる。100円製品が売れると、その分の国内の雇用がなくなる。後日、自分の雇用や給与に影響を受ける。それは自然界、経済界の対話を拒否している。私は宇宙根源の理に反していると思ったから、その製品には手を出さなかった。

 アップル製品、ソフトバンクの製品は、金の腐臭が感じられる。一見安いのだが、いつの間にか、課徴金で縛られて金を吸い取られるようだ。

 

 本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容を、今回の新型コロナウイルス騒動に思いを馳せて、まとめ直しました。

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  馬場恵峰書

 

2020-05-13 久志能幾研究所通信 1583  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月12日 (火)

わかっているであろうか

 

忘れてはならぬものは     恩義

捨ててはならぬものは     義気、人情

与えなければならないのは   人情

繰り返してはならないものは  過ち

通してはならないものは    我意

笑ってはいけないものは    人の失敗

 

 人から聞いた話も咀嚼をして自分のものにしてから、部下に話をしないと相手は聴いてくれない。自分のものにしてから、自分の我意を通していくこと。

 

 話しをするにしても、自分の解釈を付加して付加価値を出すべきだと私(小田)は思う。私が講師として前職の会社で新入社員を教えた時は、講義資料は全て自分で作った。それを作る過程で多くの学びがあった。 

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 焦っても躓けば元もこも無い。まず足下を固めること。

 馬場恵峰書  2006年

 

 本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容をまとめました。

 

2020-05-12 久志能幾研究所通信 1582  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月11日 (月)

私の「人生哲学と仕事の掟」

 

1.自分の天命を知る

 何のために生きているかを考える。

 何の為になら死ねるかを知る。

 人生のスタートはそこから。

 

2.健康が最優先

 健康管理が最優先。生死は神仏の管轄範囲。

 

3.三年かけて師を探せ

 師なくして、人生は歩めない。

 恩返しとして、師を超えよ。

 

4.「人生とは仕事」と認識せよ

 人生の中で一番多くの時間を占めるのが仕事である。

 仕事が楽しく、有意義でないと、人生はつまらない。

 そうでなくては、生きていく価値がない。

 

5.事に仕えて、人に仕えるな

 世のためになる「こと」に身を捧げよ。

 人生は与えたことが、自分に返ってくる。

 集めた物ではない。集めた物は、あの世に持って行けない。

 

6.人生とは使える「持ち時間」と認識せよ

 時間は命なのだ。

 だから自分の時間は当然として、人様の時間も命として扱え。

 

7.人生は人生劇場

 自分はどんな仮面を被って演技をするのか。

 自分の人生劇場の役割を認識せよ。

 舞台に上がるまでも人生である。修行時代。

 舞台を降りるまでも人生である。死ぬ間際まで。

 

8.選択と決断をせよ

 決断をしないから、やったことが無意味になる。

 二択の選択で迷ったら、エイヤで決めろ。

 何方を選んでも差がない。迷うだけ時間の無駄。

 即決は不要だが、早期に決めよ。社長の仕事は決めること。

 選んだ方を最高に持っていくのが己の仕事である。

 社長の仕事は、50.1対49.9の選択肢を決める。

 

9.自分の行動の目的を明確にせよ

 何のために、それをやるのか、自省せよ。

 

10.目的達成の為、危機管理を徹底

 強大な堤防も蟻の一穴から崩壊する。

 

11.関心のあるテーマにも春夏秋冬あり

 自分の成長に合わせて、関心あるテーマも変わる。

 自分の商品(売りもの、能力)も変化する。変化させよ。

 万物は流転する。般若心経の神髄は無常である。

 

12.なんでもいいから、一番を取る

 私は大学で特待生、総代で卒業証書を頂いた。

 それがその後の人生の支えになった。

 会社創立60周年記念行事で、論文で一番を取った。

 それが論理構成で人を説得する自信となった。

 私は49歳で科学工業英語検定1級に合格した。

 この制度の20年間で389番目である。(英検1級合格者は数万人)

 会社では英語は私が一番だった。それで日本語がうまくなった。

 

13.買うものを一流品にする

 モノを買うとは、自分を買う事。

 良いものは高くても、長く使える。結局お得。

 100金ショップには近づかない。

 100金品は、日本の正規の労働者に失礼である。

 後日、それの復讐を受ける。だから日本のデフレが解決しない。

 

14.値切らない

 値切るとは自分をディスカウント(安売り)すること。

 買うお店を決めるのは当然だが、そのお店の店員を決めておくと、「負けろ」と言わなくても、相手が勝手に最大限の値引きをしてくれる。私は、負けろと言ったことがない。

 

15.孤独を恐れない

  人と群れない。人に迎合して生きない。

  自分に自信がないと、人と群れたがる。

 

16.経営のカンを養うため、多くの経験(失敗)をせよ

 失敗しないと智慧が付かない。

 再発防止をしないと智慧にならない。

 

17.身に降りかかる問題や事件は、神様からの啓示と見よ

 じたばたしない。沈むときは底まで沈め。

 沈んだら、後は浮かぶしかない。

 春の来ない冬はない。冬は自己充電の時期。

 人生で全戦全勝はあり得ない。それでは却って不幸をまねく。

 

18.現地現物で

 何ごとも自分の目で確認せよ。

 問題が解決するまで、現場を動くな。

 たとえそこが遠方でも飛んでいけ。

 私はニューヨークもミシガンもウィーンにも飛んだ。

 

19.何故なぜを5回繰り返せ

 対処療法ではなく、真因を見付けて根本対策を打て。

 

20.本とは智者の命である。

 著者が体験した同じことを自分がするなら、膨大な時間が必用だ。それが1000円チョットで読める。そう考えて、本代をケチらない。

 

21.戦略と戦術を区別せよ

 戦わなくても勝てる手段を考えよ。戦いを「略」せよ。

 

22.遠きを計って、近きを計らず

  遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す。

 10年後を考えて、手を打て。目先の利益に囚われるな。

 人生で最大の投資先は、己の教育

 人は常に学びながら歳を取る。

 One does grow old ever learning.

   G.KINGSLEY WARD

   

23.アイデアとは、財産である

 他人のアイデアには対価を払え。

 対価を払わないレベルの人たちとは縁を切れ。

 それは価値観の違う世界に住む人たち。

 

24.事件に対して、「自分が当事者なら」と考える癖をつけよ

 常に第三者の目を持て

 

25.悪縁を見破れ

 一度でも裏切った人とは縁を切れ。一度あることは二度三度と続く。

 仁義礼智信のある人と付き合え。

 「ビジネスは壊れやすい花瓶に似ている。無傷であればこそ美しいが、一度割れると二度と元の形には戻らない。」

    Business is like a fragile vase - beautiful in one piece, but once broken,   damn hard to put back together again to its original form.

   “Letters of a businessman to his son" by G.KINGSLEY WARD

 

26.価値観を固定するな

 状況が変われば、価値観も変わる。それに固執すると身の破滅。

 戦争になれば、正義のために人殺しをせねば、己と家族が殺される。

 会社で不正を強いられたら、不正をしないと家族が路頭に迷う。そういう会社に縁があった己の因縁を除去するのが真の対策である。

 学生時代、勉学をさぼったから、そういうレベルの会社・部署しか入れなかったのが原因である。だから黙って悪縁の場から去るのも手である。己の能力がないから、そんなレベルの仕事を与えられた。それの真因を探って、能力を向上させて運命を良くするのが解決手段。「親の因果が子に報い」の意味をかみしめよ。

 

27.朝令暮改をせよ

 状況は一刻一刻と変化する。自分も成長して、価値観が変わる。それに合わせて、決断を変えよ。君子豹変でよい。

 

28.物事を数値化して、判断せよ

  数値化できない話は、眉唾と思え。

  ミニ「ヒトラー」の演説に騙されるな。

  それが嘘でも100回も聞かされれば、洗脳されてしまう。

  日本は、政府とマスコミの嘘で太平洋戦争に追いやられた。

  この30年、日本は政府とマスコミの嘘で経済敗戦を迎えた。

  大垣市は、小川敏と御用新聞に騙されて没落した。

  私の母は日本政府、日本銀行を信用していなかった。

  祖父は1946年の新円切り替えで、退職金の全てを失った。

 

29.優先順位を考えよ

 食品の食べる順番でさえ、それの順番を変えると人生(健康)が変わる。ましてや人生でやるべきことの順番は、人生を左右する。人生で一番大事なことは何かを考えよ。文章ではそれをトピックセンテンス(核文)という。人生のトピックイベント(核事)を見極めろ。人生の一大事をするため、不要不急のことは後回しである。

 

30.「後は野となれ山となれ」が信条

 どれだけやっても、死後100年経てば、此の世から己の痕跡は消える。此の世の栄華を誇った天下人も同じ運命であった。ゆく川の流れは絶えずして、元の水にあらず。祇園精舎の鐘の音、勝者必滅の条理あり。

 だから私は昨年の癌の手術前に、葬儀と死後50年間分の法要の費用を払い、死後の段取りをしてから、「心安らかにして」手術に臨んだ。墓は5年前に改建した。

 だからやれるだけのことを精一杯やって成仏しよう。それがオダ仏教の教義。死に際で、やり足らなかったと後悔をしないために。悪いことでなければ、人生はやったモノ勝ちである。私は神仏を信じている。

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  馬場恵峰書

2020-05-11 久志能幾研究所通信 1581   小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

「心の杖」を支えに人生を歩く

 

 1.人の親切にすがる杖

 2.無理をしない、無駄をしない、不精をしない杖

 3.自分に辛切な杖

 4.神仏の教えの深説の杖

 

 年老いて金を持っているから手が震える。私(恵峰)は何ももっていないので、軽々と筆を動かせる(1億円を使ってしまったので)。遠き道を自分の業を背負って歩くこと。そうすれば新しい自分というものを掴むことができる。

 

 恵峰先生は60歳のとき、実家の土地家屋を抵当に入れ、1億円の借金をして社会奉仕のため日中文化資料館を建設された。その返済に24年の年月を要した。

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日中文化資料館  350坪の敷地に黄山を模した木が植えられている。

左隅は掃除をされる恵峰先生。

図書館前に「比翼連理の松」(長恨歌の玄宗皇帝と楊貴妃を表した木)

恵峰先生が広い庭を、毎日、朝晩掃除するので、草一本生えていない。先生は隣の家の敷地まで掃除をされるとか。敷地が350坪もあると掃除のし甲斐がある? これが恵峰先生の健康の秘訣。

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 馬場恵峰先生と玄関の「迎客の松」  ‎2019‎年‎11‎月‎14‎日、‏‎17:28撮影

 

縁あって人間に生まれたからには、ご恩にむくいないと申し訳ない。

書くことの大切さを知り、自分の子孫に自分の書いたものを残せ。

自分を磨くのは、自分の手で書いたものだけである。

「10回読むより一回書け」が、恵峰先生の言葉である。

 

 同じことが仕事・人生でも言える。10回、口で理屈を述べるより、汗をかいて涙を流して一回実行した事が血にも肉にもなる。本で読んだだけのことは、修羅場では何の役にも立たない。それは私がある研修で、臨死体験の研修で特に痛感した。会社生活の修羅場でも、それは同じであった。

 その修羅場に出会うのも、人間として生まれたから。恵まれた生活が送れたから、その修羅場に出会えた。極貧生活を送っていたら、その修羅場にも出会えないかもしれない。修羅場の前には贅沢三昧の極楽生活があったはず。それで修羅場を経験してそれをプラスに解釈して、人生を転換すれば、人間的成長がある。この世で無駄な事象はない。

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  心の杖は堪忍の木から生まれる。遠き道を「心の杖」を頼りに行く。

  馬場恵峰書  1999年

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    馬場恵峰書、2012年

 

本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容を基にまとめました。

 

2020-05-11 久志能幾研究所通信 1580 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月10日 (日)

講演会の講師の心得

会議の議長の心得も同じ

 与えられた時間内で、10分でも早く終ること。時間を超過するなんてとんでもない。それは時間泥棒。時間は命、一瞬一生。講演会・会議の主役は講師ではない、主役は聴衆である。聴衆の時間を奪ってはならない。

 命とは人生という舞台の間で使える持ち時間である。

 人生時間の価値は1秒1円である。

 社長の時間価値は1時間1万円である。

 

 明徳塾でも馬場恵峰先生は、必ず時間前に講義を終わった。それに対して大学の先生はその時間管理がだらしなかった。

 

時間オーバ

 講義時間を超過する講師は、時間管理ができていない。奢れる講師が自己満足で言いたいことを言って、時間オーバする。たかだか90分の講義で、講義ストーリを計画できず、話す内容の時間配分をしないのでは、己の人生時間も管理できない。

 会議が時間通りに終わらないのは、時計が遅れているのではなく、会議が遅れているのだ。会議運営の時間管理ができていないのだ。終了時間になったら、会議室から退室して、終り次のスケジュールの行動に移ればよい。遅れているのは会議であり、自分の人生時計ではない。

 

主役

 主役は聴衆である。脇役が上手でないと歌舞伎はうまく行かない。会社でも社長が頭でっかちではうまく行かない。

 自分の身の回りの整理整頓を。まず時間の整理整頓を。

 一瞬一瞬の積み重ねが一日となり、その積み重ねが一生になる。今そこの生き様が人生を表している。今が本番。

 

エピソード

 2015年4月、M経営塾ОB会が高野山大学で行われ、M社の元社員で某大学客員教授が講演をした。高野山の会場が出発地の京都から遠方であったので、事務局が段取りをして午前中の予定を少し前出しして、バスでの出発時間が少し早くなるように調整をした。なぜなら京都駅から遠隔地に帰る塾生も多くいるからだ。

 ところが何を勘違いしたか、その講師が「予定より時間が30分ほどあるので、もう少し喋る」といってくだらない話を続けた。講師の時間管理で、その講師のレベルが分かる。時間は命なのだ。自分が講師として喋るときは、心して臨みたい。

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  馬場恵峰書、

 本稿は、「太志塾」(2014年10月5日)で、馬場恵峰師が講演された内容を基にまとめました。

 

2020-05-10 久志能幾研究所通信 1579 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

「いのち」とは「胃脳血」。天命を知る

 胃  食材

 脳  考え

 血  全身を巡る

 

 先祖、親、師、友のご恩があって今の自分がある。夢夢「自分が」ではないと思うべし。

 正しく命を全うするためには、馬鹿になることが大切。それを利巧ぶるからうまく行かない。馬鹿にならないと100mの巻物は書けない。馬鹿にならないと中国に(自費で)240回も行けない。2020年現在までで、一回30万円の渡航費として、計7,200万円が消えた。金は残っていないが、ご縁と智慧が付いた。

 近所の暇人が言う「どげんか用があって中国に行くばってん?」

 用があるから中国に行くのではない、用を作りに行くのだ。そこから新しいご縁が始まる。馬鹿になって己の道を精進しないと、年老いてから後悔する。人の馬鹿を笑っている者が、最期に笑われる本当の馬鹿になる。

 

 自分の人生を謳歌するのが仕事ではない。人として、後に続く子孫のために仕事をするのだ。「ひと」とは「霊」が「止」まると書く。縁あって人間に生まれたのだ。豚に生まれなかった幸せを考えよう。

 

天命

 天は人に天命を全うするために天分を授けて世に送り出す。その天命が書かれた手紙を開封せず、無為に生きて、天に召される人は多い。その天からの手紙を真剣に読まないからだ。

 

 天命を自覚しないと、国の税金を使った東大を出ても年寄りがいなく、ギネスに騙されて水饅頭共食いの痴態に酔いしれる市長に成り下がる。大垣藩のご先祖の御恩を忘れた痴れ者である。己が何の為に、天が人よりの優れた頭脳を授けたかに考えが及ばない。愚か者である。

 

 本稿は、「太志塾」(2014年10月5日)で馬場恵峰師が講演された内容をまとめました。

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    馬場恵峰書

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 馬場恵峰書 「佐藤一斎「言志四録」五十一選訓集」(久志能幾研究所刊)

 

2020-05-10 久志能幾研究所通信 1578 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

サテライトは創造の場、立って仕事

 生活リズムを変えるため、サテライトオフィスを新たに確保して、今までの自宅で座ってやっていた仕事を、そこで立って仕事をすることに変えた。今は一日に5時間ほど、この事務所で仕事をしている。今は立ったまま、書類を読み、整理分類して、考え事をして、手書きのメモを書き、パソコンでまとめを作成している。当然、その事務所には私しかいない。

 このサテライトは私の創造の場である。自宅は生活・憩いの場として、場を分けて、生活リズムを変えた。その結果、よりよく生きるリズムが生まれた。画家がアトリエで仕事をするように、私には、ここが人生のシナリオを描くアトリエである。新しいステージで創造活動を始めた。

 

環境

 ここには、スマホもテレビもラジオもない。静寂の間である。有るのは紙のメモ用紙とパソコンだけである。パソコンはネットには接続せず、固定電話もなしである。パソコンはノート型だが、24インチの外付け液晶画面と4テラの外付けハードディスクに接続している。その横にB6キャビネットを設置である。

 B6キャビネットには、私の50年来の財産である書き抜きのカードが1万枚入っている。私が学生時代に梅原忠夫教授(当時)の京大カードを使った知的生産活動を知ってから、この京大カードの利用は継続している。私がパソコンを使うようになっても、京大カードは併用して活用している。

 必要な少数の本だけ、このサテライトに移動した。自宅には4トンの書籍がある。

 ここにはガスも風呂もない。有るのは、小さな冷蔵庫と小型湯沸かしポットだけがある。郵便物も町内回覧物も、ここには配達されず、俗世間とは隔離された世界である。高野山は修行の場であるが、このサテライトは私の「考矢山」で、修行・仕事の場である。世間とのつながりはガラケーと自らの足だけである。

 だから昼飯も外ですませる。「考矢山」から下山して、運動を兼ね太陽光に当たる為、歩いて片道20分程の和食店に出かける。この事務所には、堕落を誘う娯楽品を排除した。

 

最高の孤独

 これは仙人生活である。そのため仕事が、どえりゃーはかどる。この孤独は贅沢である。ストレスもなく快適である。私は仕事の疲れを仕事で取っている。疲れた頭を休息させる一番良い手は、別の仕事をすること。これは大脳生理学上での定理である。

 世間は、今の新型コロナウイルス騒動で在宅勤務を強いられて、苦痛だという人が多いようだが、私には理想の環境である。ここでは仕事がはかどって、やればやるほど仕事が出てきて、死ぬほど忙しい。おちおち死んでなんかいられない。

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2020-05-10 久志能幾研究所通信 1577 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月 9日 (土)

日頃の心掛け

人生の成功は下記の要素で決まる。

 天附の才能  30%

 努力     30%

 心がけ    40%

  「心掛け」とは、「好きこそモノの上手なれ」である

   馬場恵峰師の講話より  明徳塾で 2006年4月28日

 

人生での成果を創造する理論式

2020年現在の考え

【成果】=【考え方】×【熱意】×【能力】×【IT道具】×【環境】

   「考え方」とは、心掛けである。

   「能力」とは、天附の才能である。

   「環境」とは知的生産活動の場である。

 成果は掛け算で、足し算ではない。マイナスもあり

 

2006年当時の考え

【成果】=【考え方】×【熱意】×【能力】×【ITツール】

   「考え方」とは、心掛けである。

   「能力」とは、天附の才能である。

 成果は掛け算で、足し算ではない。マイナスもあり

  これは私が「修身」の講義で教えた項目である。

  稲盛和夫氏の成功方程式を応用して考えた。

 

稲盛和夫氏の考える成功方程式

【成果】 =【考え方】×【熱意】×【能力】

  京セラ会長 稲盛和夫氏の成功方程式

 

 この式に照らして大垣市政を見ると、小川敏ちゃんは天附の才能だけで生きてきたようだ。彼の演説を聞いても、とても69年の年輪を重ねたとは思えず、人格的な成長が感じられない。

 私には天附の才能はないので、努力と心掛けを最大限にして生きている。

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 馬場恵峰書 2011年、東山魁夷画伯作「道」のポスター

 

2020-05-09 久志能幾研究所通信 1576 小田泰仙

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下りエスカレータを駆け上がるために

 私も70歳近くになり、癌を患い、体力が無くなり、記憶力も低下した。しかしこの身で、もう一旗あげようとするなら、下りエスカレータを駆け上がらねばならぬ。

 下記は当時、閉塞感に悩まされて、その打破のため自らに課したことである。下記はその時書いたB6カードの内容である、

 

・人の3倍働け

・早く歩け

・速く決断をしろ

・速く見切れ

・速く書け

・人の3倍発信しろ

・体を厳しい状況に置け

・困難な方を選択せよ

・言い訳を無くせ

・真剣に祈れ

・死ぬ気で乗り越えろ

   2005年3月20日  記載

 

ここ数年での行動には、下記項目を追加して実行している。

 

 今までより、3倍の数の人と会え。

 人の倍の距離を動け。

  今は月に一度、九州の馬場恵峰先生宅に行っているので、

  行動距離は、年間21,720㎞である。

  地球一周の距離は40,075 kmなので、年間で地球半周である。

  905㎞(大垣~大村)×2(往復)×12回=21,720㎞

 

このお陰で、気力は充実して生かしてもらっている。

 

2020-05-09 久志能幾研究所通信 1575 小田泰仙

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