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2023年7月 7日 (金)

古希を過ぎたら毎年、死亡企画書を書こう

 

年度人生企画書

 私は毎年、その年の人生企画書を書いてきた。年初に、前年の反省をして、その年のやるべき人生計画を立て、目標値を決めていた。

 会社でも部門長を任されると、会社の年度方針に合わせて、自分の部署の企画書を書かねばならぬ。それと同じで、定年退職して、自分人生有限会社の社長になったなら、その年の人生企画書を書かねば、目標の無いないだらけた生活となってしまう。だから還暦以降も、年度企画書に沿って頑張ってきた。

 しかし古希を目前に、がんを患ってその人生企画書を書く元気をなくした。それでも何とか、人生企画書を書いて生き延びてきた。

 

年度死亡企画書

  毎年の人生企画書とは、毎年、成長する目標値を決めて精進することだ。しかし成長が、無限に続くわけではない。人生でもいつかは終りが来る。会社でも無限に成長するわけではない。無限に成長する細胞とは、がん細胞である。

 古希を過ぎ、死期に目覚めて、今まで書いてきた人生企画書を死亡企画書に変えることにした。要は死ぬまでの生き方の計画である。まあ死亡企画書の別名は、体力維持企画書である。

 良く死ぬとは、良く生きることだ。人生で最大で最後のプロジェクトが自分の死である。その準備にやり過ぎることはない。人生二度なしであるからだ。生涯現役を全うするには、相応の準備が必要だ。その計画が死亡企画書である。

 ヒトも細胞も生老病死である。ヒトも成長のピークを迎えると、人間の筋肉量は年に1%ずつ減少していく。40歳以降、脳の容積は年に0.5%ずつ減る。古希を迎えると、筋肉量も体力も若い頃の半分になっている。それは頭脳細胞でも同じである。ただし、語彙力等の思考能力は成長を続ける。そのピークは、60~70歳という。それは学び続けた人だけである。そうしないと認知症になる。65歳の認知症患者は、その年代の15%に及ぶ。

 生物が永遠に成長するはずがない。だからその宇宙根源の理を受け入れ、いかに静かに穏やかに下山をするかである。ヒトは生を受け、人生飛行に飛び立つ。しかしいつかは着陸せねばならぬ。その着陸(死)を遅く、穏やかにする取り組みをする。それを美しくしたい。それが人生飛行の着陸の美学である。

 

体力低下防止の取り組み

 できることは、その年々減少していく筋力、体力の減少速度をいくつに抑えるかを企画することだ。何も企画しなければ、無為に筋力が年1%ずつ減少して、フレイル、サルコペニアになって、寝たきりになってしまう。フレイルとは虚弱の意味である。サルコペニアとは、高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象である。

 私も還暦のころは楽に歩けたウォーキング距離(8㎞)が、今は歩けない。それが加齢現象である。使わない器官は退化するが生物の原則だ。だからなるべく筋力を使う生活をするよう意識する。その運動の企画をする。意識しないと、それが出来ない。生涯現役を目指すためには、必須の取り組みである。

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 脳の掃除

 衰えゆく各機能の中で、精神のみが向上できる。人間としてそれをどこまで高めるか企画をして精進したい。

 スマホばかりに没頭すると、脳のフレイルになってしまう。それは脳の糖尿病である。ネット情報の99%はゴミ情報である。そんなゴミにまみれれば、認知症にまっしぐらである。自分で考えて、アウトプットを出し続ける。それが認知症防止、老化防止、脳フレイル防止である。

生前葬

 自分が死んでから、親しい人に弔ってもらっても、本人は嬉しくない。それより、生前に酒を酌み交わして、今まで親交の数々を思い出す方がよい。相手も何時死ぬかも知れぬ。人の明日は分からない。だから親しい人とは、個別に生前葬として宴席を設けたい。年初にその計画を企画しよう。

 自家の墓は、築60年で痛んできたので、私が65歳の時、改建した。よく考えれば、自分も入る墓である。だから手配済である。

戒名

 私は、ガンを患って退院後すぐ戒名を授けてもらい、墓誌に彫った。私は葬儀費用、50年分の法事費用も払ってしまった。準備万端である。

 死後に戒名を授かるのは、応急処理である。生前に住職様と相談して決めておくべきである。

弔辞

 50歳ごろ、研修で臨死体験をさせられた時、自分あての弔辞を書かされた。それを見直している。それこそが、これからの生き様の企画である。

献体

 養老孟司先生の話しでは、若い死体は稀有だが、老人の死体は有り余っているようだ。解剖医は若い死体を探している。だから私の死後は、病理解剖などせず、そっとして欲しいと思う。

 私は、臓器移植が自然界の理に反していると思うので、それもやらない。

 

着陸

 着陸は美しく決めたい。ガソリン(財産)を余分に持っていると、重すぎて地面に激突する。還暦までは、蓄財に励むべきだが、古希をすぎれば、減財を考えるべきだ。財産を持って彼岸には行けない。老人がお金をあと5%余分に使えば、日本の景気は回復する。お金を使うには体力と気力が要る。気が付いた時は、体力と気力が無くなっている。

 だから身軽に美しく、静かに着地したいもの。着地姿勢の美しさが、生き様の全てを表している。ガソリンを遺しすぎて、遺族が醜い相続争いをするのは、醜態である。身近な親族で、その様を見て呆れた。

 

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  着陸は美しく決めたい。   セントレアで撮影(著者)

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 2023-07-06  久志能幾研究所通信 2715号  小田泰仙

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2023年6月29日 (木)

自作カミオカンデで女神の閃き、神尾噛出

 

 私の書庫には、5トンの図書が蔵書として保管されている。スーパーカミオカンデには5万トンの水を蓄えた円筒形水タンクが設置されている。そのスーパーカミオカンデの水重量の1万分の一の5トンの図書で埋まった書庫に、50年分の800Kgの情報スクラップ(雑誌・新聞の切り抜き、講演資料、チラシ等のスポット資料)を80個のファイルボックスを蓄えた。1個のボックスファイルは約10Kgである。それが私の極小カミオカンデ実験室である。それを私は「神尾噛出」と名づけた。

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神尾噛出

 雑誌はドイツ語でZeitschrift (die Zeitschrift{女性名詞})である。女神は後髪が無く、やってきた幸運の女神は前髪を掴まねばならないとされる。しかし旬の過ぎた雑誌は、昔の女の様に過去の女神であり、その女神には、前髪も後髪もなく、あるのは尻尾だけである。その尻尾を掴んで噛めば、良き閃きを得ることが出来る。それはハレー彗星の尻尾をつかむような行為である。ハレー彗星の尻尾は、その軌道により、太陽光の風が変わり、それにより光って見えている。過去の雑誌記事は、現代の風に当って、過去の光とは別の光を出している。それを掴めば創造的な発想が出来る。(おだ仏教の新説?)

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情報のシャワー

 スーパーカミオカンデでは、ニュートリノがたたき出した荷電粒子が、水中の光の速度よりも速く水中を走ると、チェレンコフ光が放出される。スーパーカミオカンデは、それを観測している。

 私はそれと同じように、50年分の情報のシャワーを浴びることで、脳細胞に刺激を与えて、新しい閃き得ようと試行錯誤している。この2か月間で、2回、それに目を通した。その資料に目を通すことで、50年分の情報、経験知が頭をよぎっていき、当時のことが目に浮かぶ。

 スーパーカミオカンデには光電子増倍管と呼ばれる約1万3千本の光センサーが設置されている。それに対して、ヒトの大脳には約160億個、小脳で約690億個、脳全体では約860億個の細胞が有る。情報に接することで、脳細胞がセンサとなって反応しているはずだ。センサの数では「紙緒感出」はスーパーカミオカンデより巨大である。

 それは私の創造活動である。過去の情報や経験やモノの記憶が頭の脳みそを掠めている。その情報を分解して、再結合して、新しいモノを生み出す。それこそが創造の定義そのものである。

 

知見

 またその50年分の資料をふりかえることで、下記の知見を得た。

  あの努力があったから、今の自分がある。

  あの取り組みはやり過ぎだった。

  あの努力は不要だった。

  もう少し別の取り組みが出来たはず。

  その失敗は、自分がまだ成長していなかったからだ。

  あの失敗があったから成長できた。

  当時の苦い経験は、よき成長の為の栄養剤であった。

  10年、20年のスパンで見ると、因果応報の法則が当てはまる。

  一歩前に出た勇気は、20年後に実を結ぶ。

  全てのものは生老病死である。

 

 この作業で過去の人生を0.2度ほどやり直した気がする。「人生二度なし」であり、人生のやり直しはできないが、見直し、出直しは何度でもできる。死ぬ日でも、新たな出直しはできる。どんなことでも出直しに遅すぎることはない。

 

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 これで56個のボックスファイル。2023年5月当時で、合計80個のファイル数だった。  

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  ボックスファイル

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 以前80個あったボックスファイルを70個に整理   2023年6月28日

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 50年分の資料からまとめた個別テーマファイル

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 100年分の我が家の写真記録


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スーパーカミオカンデ

 スーパーカミオカンデは、世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置です。1991年に建設が始まり、5年間にわたる建設期間を経たのち、1996年4月より観測を開始しました。スーパーカミオカンデ実験は、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設を中心に、日本、アメリカ、ポーランド、韓国、中国、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、ベトナムの約50の大学や研究機関から約230名の研究者が参加する国際共同研究として行われています。

スーパーカミオカンデ検出器は、5万トンの水を蓄えた、直径39.3m、高さ41.4mの円筒形水タンクと、その壁に設置された光電子増倍管と呼ばれる約1万3千本の光センサーなどから構成されています。岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1000mに位置しています。

スーパーカミオカンデ 公式ホームページ  より

https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/

 

2023-06-29  久志能幾研究所通信 2711号  小田泰仙

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2023年6月13日 (火)

初体験 ロイヤル・スィーツルーム

 

 2011年9月11日、東北地方に出かけたときの経験談である。当時、まだ東日本大震災から半年しか経っておらず、人はあまり観光に行かないだろうと思い宿泊ホテルも現地でなんとかなるはずと思いこみ、安易な気持ちで出かけた。しかしその時が、月曜日が敬老の日で3連休の最初に当たり、また現地でお祭りもあったため、どのホテルも満室で宿が確保できなかった。駅の宿案内で当夜の宿を探してもらったが、全く宿が無い。

 途方に暮れていたが、宿案内の方が、粘り強く探してくれて、某ホテルのスィートルームなら空いていて、定価の半額でよければ、提供するという。それは通常のビジネスホテルの約10倍の値段である。まあ野宿よりましかと、かなり迷ったがそのホテルでの宿泊を決めた。ホテル側も、空き部屋で置くより少しでも売り上げがある方が良いのだろう。

 

何でも一桁変えて挑戦

 結果として極楽の気分で宿泊出来た。その一夜、よい仕事も出来て、よい経験ができた。トヨタ生産システムを作った大野耐一氏も、何でも一桁変えて挑戦しろという。それを思うと良き経験であった。

 

ロイヤル・スィーツルーム

 このロイヤル・スィーツルームは、皇族やVIPや新婚さんよりも、ビジネスでの会議でも多く使われているようだ。普通のスィーツルームは普通の部屋の2倍の大きさ、ロイヤル・スィーツルームは普通の部屋の4倍の大きさである。そして仕事用の机がある。それが一番の価値があるとおもう。豪華なソファーセットや大型テレビもあったが、私は全く使わなかった。酒も当然、飲まない。当日の夜、快適に仕事をしただけである。

 

 これ以降、スィーツルームの利用に躊躇がなくなった。後年、この経験から馬場恵峰先生ご夫妻をお泊めする時、スィーツルームを躊躇なく利用できた。普通のホテルのスィーツルームはおおよそ普通の部屋の5倍程度の値段である。それで先生への感謝の気持ちが表せる。

 

地方都市のスィーツルーム

 地方のシティホテルのスィーツルームは精々一泊5万円から20万円程である。その気になれば泊まれない部屋ではない。ごくたまのイベントで感謝の意味の接待なら、使う価値がある。

 スィーツルームと言っても、華美で豪華な装飾に部屋ではなく、ビジネスライクに合理的で、広く使い勝手がよい部屋であるだけである。会社の会議用にも使われているようだ。やはり、そういう事情は現地現物で見てみないと分からないものだ。

 

 その後、地元のホテルのスィーツルームで、1年に1度、人生の棚卸しをするために使うことになった。それは12年前の投資から得られた経験資産である。スィーツルームを使うと言うのも智慧という資産なのだ。スィーツルームを使ってそれに見合った付加価値を生めばよいだけだ。

 

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 ペントハウスからの展望


 

2023-06-13  久志能幾研究所通信 2702号  小田泰仙

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2023年6月 7日 (水)

丁寧な仕事、丁寧な人生

 

 字は丁寧に書けばうまくなる。一点一画を注意して書けばうまく早くなる。字は早く書くと下手になる。速記者は字をうまく書けない。

  2006年5月28日 馬場恵峰師

 

仕事

 仕事は丁寧にこなせば、仕事の能力が上がる。一仕事、一作業を注意してこなせばスキルも上がりスピードも上がる。仕事をスピードだけを重視してこなすと雑になる。

 10年前、自宅のリフォーム工事を宮大工さんにしてもらった。仕事の速度はそんなに速くないが、仕事は丁寧であった。10年経った今でも、ガタも何もない。

 しかしそれ以前に若い大工にやってもらった工事は、仕事の仕上がりは早かったが、出来栄えは雑であった。二度と仕事を頼みたいとは思わない。

 

人間関係

 人との付き合いでも、誠実に丁寧に付き合った人とは長く付き合っている。雑な付き合いしかしてくれなかった人には、裏切られ、短期間に交際が終わった。

講師という仕事

 20年前、私は新入社員教育で、新人研修講座の統括責任者として、各講座の専門担当者に講師をお願いして研修を進めていた。私は統括責任者として各講座を必ず視察をした。講座の時間に、その教室に出向き、後で講義ぶりを観察した。全部で約30講座の講師の講義ぶりを全て観察した。それを7年間続けた。

 本来なら、その講座を専任の講師に任せれば、それで私の仕事は終わりである。しかし私はこだわって、講師の仕事ぶりを観察した。そこで判明した事実は、「仕事がいいかげんな講師は、講義もやっつけ仕事である。人は、日頃の生き方・仕事ぶりが、人を教える仕事に現れる。」である。

 

 当年、いい加減な講義をした講師には、次年度の講師依頼はしなかった。要はクビである。「新人技術者教育講座」の運営は私の仕事の作品である。その講座の完成度向上が私の使命であったからだ。

 

 私には人を観る修行となった。その結論として、一事が万事で、一緒に仕事をしたくない人の判別材料となった。

 そんな講師を反面教師として、自分の講義は真剣に対応した。それで今の自分がある。

 人生の最大の仕事とは、自分の人生を作る仕事である。自分という建物の完成には、自分の成長が必要だ。死の床で後悔しないため、丁寧に自分を作ろう。

 

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 私の講義風景

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 他の講師の講義風景

 全講義を観察するため、後ろからそっと視察した。 

 

 

2023-06-07  久志能幾研究所通信 2698号  小田泰仙

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2023年6月 3日 (土)

人生の年貢をトヨタ生産方式で納める

 

 カンバン方式とは、トヨタの「トヨタ生産方式」で運用されている道具である。車や車の部品を効率良く生産するための一つの道具である。このシステムでは、よいクルマをより安く、早く顧客に届けるために、あらゆるムダを徹底的になくして生産することを目指している。

 この「かんばん」のカードには何時、何処で、誰が(どの部署が)、どれだけ生産するかが記載されている。部品箱1つ1つに「かんばん」がついていて、カンバンで指示された部品を生産するとその「かんばん」を付けてその部品を次工程に流す。

 

 トヨタ生産システムでは、まず顧客から出発して、各工程で、「この工程は顧客に対してどのような付加価値を生み出しているか」と問いかける。(p54) 稲垣公夫訳

 ジェフリー・K・ライカ―「ザ・トヨタウェイ」

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人生の顧客とは

 人は動物として生まれ、人としての使命を果して世を去る。それはトヨタ生産システムと全く同じである。それで自ずとやるべきことが明確になる。自分の人生の顧客とは、死の床で自分の人生の満足度を味わう自分自身である。

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人生の納期

 トヨタ生産システムではカンバン方式で、必ず納期が決まっている。死ぬ時に死なないと、他人に迷惑をかける。100歳でも構わないが、寝たきりの長生きでは、自分も不幸、周りも不幸である。人の人生では、必ず死という納期がある。納期厳守はトヨタ生産システムの要である。死ぬ時には、死ぬのが良いのだ。

 だから納期(死)から数えて、今何をすべきか、よりよい付加価値を生み出すために何を今すべきかを考えるのがトヨタ生産システムである。それが人間と動物を分けるものである。だから人間は自分の使命を自覚して、納期(死)前にやるべきことをやる。

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人生のカンバン

 人生はカンバンと言う目に見えない仕組みで運ばれる。出生、入学、学業、卒業、就職、結婚、第一の仕事、定年、定年後の第二の仕事、死、のカンバンである。時が来れば嫌でもそのカンバンが回ってきて、その工程をこなして、後工程に流さねばならぬ。

 指定されたカンバンを処理できないと人生が行き詰まる。「就職浪人」とは、その「就職」というカンバンを処理せず、放置した状態である。なぜ就職できなかったか、なぜ何故を5回で追求しないと、後工程が全うできない。

 「死のカンバン」が来れば、受けなければならぬ。例えば、「定年」はその仕事の期間が終わりという「死のカンバン」である。「定年」というカンバンは就職した時、60歳での納期として、あらかじめ発行されている。請求しなくても神仏が発行する「お迎え」と言う名のカンバンが80 歳前後にやってくる。

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自工程完結

 自分に出来ることは、納期内に自分の工程で改善を繰り返し、最大限の付加価値を付けて、納期通りに後工程に流すことである。それを自工程完結という。

 トヨタでは前工程は神様、後工程はお客様である。前工程の出来栄え(宿命)は、相手が神様だから文句は言えない。自工程で何とかするしかない。それが運命を拓くことである。

 自工程で問題が起これば、何故なぜを5回繰り返して真因を見付け、問題を解決する。原因と真因を分けて解決しないと、対処療法では問題が再発する。

 

 そしてトヨタ生産システムを支える考えが、豊田綱領である。要は、全社一丸となって誠実に職務に尽くせ、研究と創造で智慧を出し、時代の先を行け、贅沢禁止、質実剛健、仲良く、家庭的美風で。神仏を尊崇、報恩感謝を為すべしである。

 トヨタマンはそれを愚直に守って、トヨタはド田舎の豊田自動車から世界のトヨタになった。

 自分の人生も同じようにトヨタ生産システムで運営すれば成功する。

 

 

豊田綱領

豊田佐吉翁の遺志を体す

一、上下一致 至誠業務に服し 産業報国の実を挙ぐべし

一、華美を戒め 質実剛健たるべし

一、温情友愛の精神を発揮し 家庭的美風を作興すべし

一、神仏を尊崇し 報恩感謝の生活を為すべし

 

 2023-06-02  久志能幾研究所通信 2696号  小田泰仙

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2023年5月 3日 (水)

自分編集の解体新書は重量800㎏

 

 私は新聞、雑誌、週刊誌、月刊誌を再編集して一つの書として読んでいる。私には、新聞や週刊誌などが、貴重な情報源である。しかし読むべき箇所、残しておくべき箇所は数ページだけである。それをそのまま残せばかさばってしまう。またそれを次に読むとき、余分のページまで見なければならぬ。それを避けるため、必要なページだけ切り抜いて、A4クリアシートに挟んで、読んだ時間順に10㎝幅のA4ボックスファイルに放り込んでいる。

 1つのボックスファイルで約10㎏。その数が80個、総重量で約800キロである。それを随時入れ替えながら繰り返し読んでいる。その資料が不要と判断すれば、そのファイルだけ廃棄である。だからこの新書は日日更新されている。これは世界唯一の私が編集する現世情報の「解体新書」である。

 

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 これで56個のボックスファイル

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『解体創智』

 わずか数百円の雑誌や週刊誌で、全てのページに読む価値が詰まっているはずがない。本でも同じである。僅か千円ほどの本で、読むべきか所は数頁だけである。

 数センチの分厚い月刊誌『文芸春秋』でも項目別に分割してバラバラにすれば、厚み数ミリの資料になる。それをA4クリアシートに入れれば良いだけである。

 私は必要な記事を雑誌から切り抜きしてファイルしている。本は必要な個所を抜き書きして京大カード化している。それを40年間の継続して、現在、約64冊、総重量で約640キロ、京大カードは1万枚に「成長」した。私が読破した本や雑誌を解体し、まとめて編集して作り上げた。これは私だけの世の中の雑学の解体新書である。これを『解体創智』と名付けた。

 その中には10年分の"International Herald Tribune"紙も含まれる。私が奈良県の勤務地に転勤になった時、この英字新聞を購読した。聞けばその市での購読者は私一人であったという。この英字新聞は私の英語の師の後藤悦夫先生からの推薦であった。その構文が、テクニカルライティングの勉強になるとの理由である。

 この『解体創智』の各ページは、有名な著者の記事やゴーストライターが書き上げた名文が並んでいる。なかなかに人生の訓言や戒めの言葉も多く、読みごたえがある。健康情報も下ネタさえもある。その中から、有名人の記事や、流行の話題を別ファイルにまとめている。それから私の著作活動のヒントを得ている。

 更に、参加した講演会資料、演奏会、購入した機器のカタログ、大事な領収書もクリアシートに入れて放り込んである。この資料群は、いわば私の行動の歴史の記録でもある。それを読み返すと、当時、こういうことをしていたとの日記にもなっている。

 

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 厚み26mmの『文芸春秋』でも、特集部だけを切り取ると厚み4mmのファイルになる。

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創造とは

 創造とは、過去のアイデアの解体と結合の産物である。新発明は、天才だけに可能だが、創造は凡人でも可能である。ソニーのウォークマンだって、過去の技術を再分解して再統合した産物である。決して新しい発明があったわけではない。音楽レコード盤は発明だが、ウォークマンは創造である。

 創造の「創」とは、「倉(きず)」と「リ」(砥石と刀)から作られた象形文字である。このきずとは刀傷である。刀傷で出来た傷跡に焼酎を吹きかけ、さらしを巻いてなにくそと頑張る姿が、創造の世界である。その傷口から新しい細胞が生まれて、傷口を埋めていく。傷だらけにならねば、新しものは生まれない。

 週刊誌、雑誌、新聞記事は人間模様の傷口の歴史である。その人類の失敗記録から、新しい智慧が生まれる。その失敗は、他人が自分の代わりにしてた貴重な失敗記録である。それを他山の石として活用しよう。それが智慧となる。

 

 

2023-05-03  久志能幾研究所通信 2679号  小田泰仙

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2023年4月25日 (火)

余命宣告 HDの死

  ハードディスクの寿命は約5年である。私のディスクトップパソコンを使い始めて約6年が経ち、HⅮに少し異常が出てきた。HⅮ診断ソフト(CrystalDiskInfo 無料ソフト)を使って確認すると、警告の黄色表示である。間もなくハードディスクが寿命を迎えることが分かった。

 それで死ぬ前に(壊れる前に)、内臓HⅮのデータを別のHⅮに移行し、内臓HⅮを入れ替えた。

 そのHⅮ診断ソフトで警告が出た時に、量販店でHⅮを確保して(取り寄せに時間がかかる)、交換時期を探っていた。HⅮがクラッシュしてからでは遅いのだ。HⅮの死は必然である。今日の12時にPCをエディオンさんに持ち込み、その5時間後に修理が完了した。

 準備万端で、早め早めの対応が危機管理である。これが突然のHⅮクラッシュでは悲惨である。HⅮは壊れて当たりまえである。今まで、私は数度のHⅮクラッシュを経験している。そうなれば大事なデータが失われてしまう。蓄積したデータは自分の人生の記録なのだ。それを失うとは、人生を失うに等しい。

 

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      CrystalDiskInfo の診断画面

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生老病死

 どんなものにも寿命がある。世の全てのものには生老病死がある。花の命は1日、HⅮは5年の命、冷蔵庫なら10年、会社人生は38年、人の寿命は81歳、健康寿命は72歳である。

 どんなものでもおおよその寿命は分かっている。その寿命が尽きる前に、やるべきことをやっておこう。長生きできても、100歳では思うように体が動かせない。己の体が衰弱しきった1か月前では、何処にも行けない。そもそも死の直前では、気力も萎えて、何もできない。美味しいものも食べられない。だから死の2年前までに、やるべきことをやっておく。それが死計である。人が死ぬことは、必然である。

 

 人として、生命が誕生するのは、1億円の宝くじが連続で百万回当たると同じくらいの偶然である(筑波大学名誉教授村上和雄)。しかし死は100%必然である。だからその得難い幸運を手に入れたのだから、死ぬ前にしっかりと楽しもう。還暦まで働けば、社会への義務は果たせた。後はやりたいことをやって、楽しもう。楽しみながら世の中に貢献しよう。

 

 還暦後は、奴隷生活を送るのを止めよう。共産党や新興宗教団体の奴隷生活から逃げ出そう。奴隷生活の共産党員も高齢化で、今回の統一選挙で、91議席も議席を減らした。同じ理由で、東京都練馬区議選では、鉄の結束の公明党が4人落選である。全国では12名の落選である。

 大垣市の住民も、村社会からの奴隷扱いの強制投票圧力を受ける。それから目を覚まさないと、奴隷のままで人生を終わる。地域利権者の候補だけに投票しては、大垣市は良くならない。

 

 死の前までに楽しいことをやっと置かないと、死の床で後悔する。自由人として、自分の意思を明確にしないと、死の床で後悔する。

 いつやるの? 今でしょう! 時間は命である。人の命は日々尽きていく。人の明日は分からない。

 

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   馬場恵峰書

2023-04-25  久志能幾研究所通信 2675号  小田泰仙

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2023年4月21日 (金)

人生最大のバクチ 人に賭ける

 

失敗の代償 

 飲むことで失敗をしでかしても、禁酒して出直せばよい。買うのに失敗しても金を出して買い直せばよい。しかし人生の博打を打ち直すことは難しい。それに失敗すると時間を失うのだ。モノはカネを出せば元に戻せるが、失った時間は、いくら金を積んでも取り戻せない。

 人生の最大の博打とは人の選択である。そのプロジェクトで誰に賭けるかである。失敗すると人生の時間を失う。時間とは、命である。命とは、その人が人生で使える時間の総量である。

 その人を選ぶ、会社を選ぶ、結婚相手を選ぶ、全て博打を打つと同じで、その成否が人生を決める。それは確率論で少しは変えられる。

 孟母三遷も人生の危険な人を避けるための確率論である。人生を共にする人やモノを選ぶのは、博打を打つと同じだ。それに勝利する確率を上げる選択、危険に巻き込まれる確率を下げる選択を取れば、その確率は変えられる。

 日露戦争でも、日本は東郷平八郎に賭けた。だから日本海海戦で勝利を得て、ロシアに勝てた。そのかける人の選択を誤れば、日本はロシアに負けて、領土を割譲させられて、北海道はロシア領になっていたかもしれない。

 その時の人事の選択理由は、「東郷平八郎は運がいい男であった」であった。

 第二次世界大戦が起きたのは、ドイツ国民がヒトラーを選択したのが、最大の原因である。そのため、日本は戦争に巻き込まれた。それで私の父の弟の2人がビルマで戦死し、地獄のシベリアで抑留されシベリアの土になった。当時の日本の選挙で、国民が戦争に走るような議員を選んだのだ。

 国の未来は、議員、市長、知事、首相の選択に懸かっている。心して選挙に行こう。

 

人の選択

 友、結婚相手、師という人の選択なら、観相学で判断すればよい。

 男の顔は履歴書、女の顔は請求書である。「男は40過ぎたら顔に責任を持たねばならぬ」とリンカーンは言った。人の人格は、顔を観ればわかる。

 

会社の選択

 就職先の会社を選択するなら、経営理念、歴史、創業者を調べればよい。

 不祥事を起こしている会社はまた同じような事件を起こす。歴史は繰り返す。自動車会社のN社の生い立ち、労働争議の歴史をみれば、将来は予見できる。ゴーンはそれに付け込んだのだ。

 

確率論

 人生の選択は丁半の博打ではない。手順を踏み調べれば、8割の確率で危険を避けることが出来る。後の2割は人生の綾である。運命は95%が運である。それが運命だ。宿命ではない。

 だから私は人相学を学び、会社の歴史を学び、宗教家の人物像を学び、歴史を学び、相手の文章能力を調べ、日本人としての感性を観ている。そうこうしていたら、所蔵する書籍の重量が5トンを超えた。

 

選挙

 選挙での選択でも同じである。私は候補者の日頃の言動を調べ、選挙ポスターの顔を熟視して、誰に投票するか決めている。

 

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2023-04-21  久志能幾研究所通信 2673号  小田泰仙

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男の悲甲斐性 飲む、ウツ、買う

 

 飲むとは酒を飲むである。酒は少量でも発がん物質である。酒を飲めば、そのアルコールの分解で、毒物を分解処理するのと同じプロセスを肝臓が行う。肝臓の処理にも限界がある。もともと日本人という人種は、アルコールの処理が欧米人より弱い。酒に適量もないし、酒は百薬の長でもない。

 酒を飲み、頭を酩酊状態にしてまで、人生や仕事のことを語り合う必要は無い。頭が酩酊状態では、同じ話を何度も繰り返しグダグダ言うのがオチである。

 酒を飲まねば仲良くなれないなら、仲良くなどしなくてもよい。私はそんな縁は、ご縁がなかったのだと達観する。

 私は5年程前に完全禁酒とした。

 

 2つ目の悲甲斐性の「ウツ」とは、鬱にならない、である。「鬱」とは葉が生い茂り過ぎている状態を表す漢字である。

 甲骨文字・金文は「林」+「勹」(かがんだ人)+「大」(立った人)、人が生い茂った草木の中に隠れる様子を象る。 「茂る」を意味する漢語{鬱 /*ʔut/}を表す字。 「爵」の略体を加えて「鬱」となる。

 

「鬱」という漢字の意味・成り立ち・読み方・画数・部首を学習 (okjiten.jp)

 https://okjiten.jp/kanji2081.html

 

 鬱の意味は、その持てる能力以上に、負荷がかかった状態である。鬱病とは、脳力以上に負荷がかかり過ぎ、体と頭が悲鳴を上げている状態である。治療方法は単純明快で、負荷を減らせばよいだけだ。

 根が張り、健やか成長して大木になってから、葉が生い茂るのはよい。しかし成長もしていない状態で、葉だけ生い茂っても、末路は枯れるだけだ。

 人が鬱病になると、現代医学業界は治療と称して、薬漬けにする。鬱病患者はますます治らなくなる。要は医師の金儲けである。その方が儲かるから、医師にとっては、患者のことは知ったことではない。

 

 

私の鬱病

 私は管理部の管理職として、うつ病の部下を多く預かった。しかしその部下を医師に任せても、守秘義務とかで、その病状の情報は全く私には入ってこない。医師のやりたい放題である。だから私は、鬱病関係の本を数十冊集めて勉強した。

 その本から得た結論は、「鬱病になったら、医者にかからず、仕事の負荷を減らし、太陽を浴び、規則正しい生活で過ごせば、自然と治る」である。

 私自身が会社時代に鬱病寸前になった時、私は自分で治療方法を調べて、自分で治した。その時、会社の保健婦は「小田さんは軽い鬱状態だから、薬を飲めばすぐよくなりますよ」だった。

 鬱病患者は、真面目な人ほどかかる。かのチャーチルも梅原勝彦社長((株)エーワン精密)も鬱病になった。

 

ベンツに乗る、二号さんを持つ、別荘を持つ

 ベンツに乗ることも財布にとっては鬱病である。自身の財力以上にベンツはカネを使うから、家の財政が破綻する。それは家庭会計の鬱である。

 二号さんを持つことも、人間関係の鬱病である。自分が複数の女性を満足させる財力、体力、世間体能力以上の負荷を人生にかけるから、自然に破綻する。また世の男性のひがみを受けて、社会的に抹殺させられる。自分にそれだけの甲斐があればよい。しかし、今の税制では、日本の男性の99.9%はそれは不可能である。

 二号さんに乗ることは、楽しいが、乗っていない時の維持費が大変なのだ。それはベンツを所有することと同じである。

 

買う

 モノを買うとは、日々日銭が出ていくことだ。モノを買えば、何時かは壊れて買い直さねばならぬ。モノも生老病死である。モノを買えば、毎年、そのモノの減価償却費を積み立てねばならぬ。だからモノを買うと、その分の減価償却が増えていく。300万円の車を買えば、10年後には300万円の金がまた必要となる。それは冷蔵庫でもエアコンでも同じである。

 そのモノが自分の一部となって、自分を助けてくれるかどうかを、熟慮して買うべきだ。人は往々に衝動買いをしてしまうのだ。

 

 大垣市の石田仁市長は、2021年に県下一豪華な新市庁舎を建てたので、その維持費と減価償却費が必要となり、「ゴミが増えた」と大嘘を言って、ごみ袋有料化をごり押しした。

 

 

2023-04-20  久志能幾研究所通信 2672号  小田泰仙

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2023年4月14日 (金)

宗教団体脱会後(11/12) 無職を生きる

忙殺

 仕事を受け持つと忙しい。忙しいとは、心を亡くすと書く。心が殺されるのだ。その仕事に縛られるとは、奴隷である。奴隷は洗脳されていやいや働かされている。還暦になれば、会社と言う宗教団体から定年という名目でお役御免にされる。だから、定年後は自由人として無職を貫こう。無職ほど、やらねばならぬことが増える。仕事なら、言われた一つのことだけを期限通り、やればよい。要求された仕様だけ満足すれば、それで終わりである。それは職人の世界。

 

無職

 しかし無職ではそういうわけにいかず、以前より忙しい。それはお金の問題ではなく、自身の満足度であるからだ。それにはジレンマがある。仕事ならコストパフォーマンスがあるから、無制限に時間をかけるわけにはいかない。

 しかしそれを自分の天職として取り組むら、自分が満足するまでやり続けることが出来る。だから社会に役立つことを真剣にするには、無職でないとできない。

 

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2023-04-14  久志能幾研究所通信 2668号  小田泰仙

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