丁寧な仕事、丁寧な人生
字は丁寧に書けばうまくなる。一点一画を注意して書けばうまく早くなる。字は早く書くと下手になる。速記者は字をうまく書けない。
2006年5月28日 馬場恵峰師
仕事
仕事は丁寧にこなせば、仕事の能力が上がる。一仕事、一作業を注意してこなせばスキルも上がりスピードも上がる。仕事をスピードだけを重視してこなすと雑になる。
10年前、自宅のリフォーム工事を宮大工さんにしてもらった。仕事の速度はそんなに速くないが、仕事は丁寧であった。10年経った今でも、ガタも何もない。
しかしそれ以前に若い大工にやってもらった工事は、仕事の仕上がりは早かったが、出来栄えは雑であった。二度と仕事を頼みたいとは思わない。
人間関係
人との付き合いでも、誠実に丁寧に付き合った人とは長く付き合っている。雑な付き合いしかしてくれなかった人には、裏切られ、短期間に交際が終わった。
講師という仕事
20年前、私は新入社員教育で、新人研修講座の統括責任者として、各講座の専門担当者に講師をお願いして研修を進めていた。私は統括責任者として各講座を必ず視察をした。講座の時間に、その教室に出向き、後で講義ぶりを観察した。全部で約30講座の講師の講義ぶりを全て観察した。それを7年間続けた。
本来なら、その講座を専任の講師に任せれば、それで私の仕事は終わりである。しかし私はこだわって、講師の仕事ぶりを観察した。そこで判明した事実は、「仕事がいいかげんな講師は、講義もやっつけ仕事である。人は、日頃の生き方・仕事ぶりが、人を教える仕事に現れる。」である。
当年、いい加減な講義をした講師には、次年度の講師依頼はしなかった。要はクビである。「新人技術者教育講座」の運営は私の仕事の作品である。その講座の完成度向上が私の使命であったからだ。
私には人を観る修行となった。その結論として、一事が万事で、一緒に仕事をしたくない人の判別材料となった。
そんな講師を反面教師として、自分の講義は真剣に対応した。それで今の自分がある。
人生の最大の仕事とは、自分の人生を作る仕事である。自分という建物の完成には、自分の成長が必要だ。死の床で後悔しないため、丁寧に自分を作ろう。
私の講義風景
他の講師の講義風景
全講義を観察するため、後ろからそっと視察した。
2023-06-07 久志能幾研究所通信 2698号 小田泰仙
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