2020年5月15日 (金)

未知を求めて「道」を歩む

東山魁夷画伯作「道」を入手

 東山魁夷展(神戸市美術館、1990年ごろ)で入手した「道」のポスターは、気に入っていてずっと部屋に飾っていた。ご縁があり2011年に、この絵のリトグラフ(1,000部中の一つ)が手に入った。この「道」は人気があり、一度人の手に渡ると、なかなか市場に出てこない。リトグラフと言っても当時百万円近くもの価格で、資金的に私には手が出なかった。長い間、欲しいと思い続けていると、不思議と向こうからやって来る縁が生じた。

 この絵は敗戦後の混乱の続く昭和25年に描かれ、日展に出展され、特選を獲得した。この絵は、当時の日本人に勇気を与えた。

 

人の道

 道にはまっすぐな道、曲がりくねった道、二股に分かれた道がある。どの道を通るかはその人の選択である。開発、創造、人財育成を思う時、東山魁夷画伯の「道」が思い浮かぶ。

 この絵から、人生が見える。どんな技術開発でも、人生の歩みでも、やってみなければ分からない。あそこまで行けばと、やっとの思いで目標地に達すると、その先に道は更に続いている。時には断絶した道も出現して,跳ばねばならない場面もある。まさに人の人生を象徴している。

Img_6696s  東山魁夷画伯作「道」、馬場恵峰書 2006年

道とは

 古代中国の各都市は城壁で囲まれていた。その外側は魑魅魍魎(ちみもうりょう=山の怪物や川の怪物)が住む恐しい場所と信じられていた。城壁の外に出て、その恐ろしい場所を通って他の都市に行くときは、異教徒を殺し、魔よけとしてその生首をぶら下げて歩いたという。その歩いた所が踏み固められて道となった。それが道の語源である。道の「しんにゅう」は十字路を意味する。

 

開発の道

 現代で、全く新しい分野に進むには、自分の首をかけて未開の地に道を創る意気込みが必要である。何時の時代も新しい道には夢がある。夢は命をかけてこそ実現できる。

 時として足元は己の失敗で血の海である。死屍累々の中をひたすら前進して道を創る。技術経営の世界でも、新しい新製品の開発を商品に結びつける苦闘の過程を、ダーウィンの海という。新製品開発では、技術開発の前に死の谷が横たわり、それを乗り越え商品にする航海(ダーウィンの海)を経て初めて青々とした海(ブルーオーシャン)が広がっている。安易に妥協してそこを航海していると、競業他社が流れ込んできて、販売の死闘が始まり、血の海(レッドオーシャン)に突入していく。

 

自分の未知なる道

 死屍累々の死の谷を乗り越え、ダーウィンの海を乗り切ったら、次に訪れるであろう血の海に突入する前に、新しい航海の道を創らないと未来はない。生涯自己挑戦の人生でありたい。

 

4k8a02471s   馬場恵峰書 

2020-05-15 久志能幾研究所通信 1588  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月14日 (木)

砂糖は麻薬と同じ

 

 肥満の原因は糖分の摂り過ぎである。糖分は依存性があり、麻薬と同じとWHОは定義している。肥満は万病のもとで、癌も糖尿病も誘発する。肥満は癌の死亡率を上げる。5キロ体重が増えると、乳がんの死亡率が1.6倍になる。私も40年前の入社当時から30年間で、体重が20キロも増えて、それが遠因で癌になったと推定される。私はお酒を飲まなかったが、甘いものは好きで、よく食べていた。

 

糖尿病

 また糖尿病は癌よりも質が悪い病気である。下手をすれば失明である。人工透析になれば、週に2,3回も透析でベッドに拘束される。白い天井を眺めて無為に時間を過ごさねばならぬ。それで数百万円の費用がかかる。その分、健康な人の健康保険料も高くなる。国賊者である。

 

味の極楽ポイント

 食品メーカは、売上させ増えればよいと「味の極楽ポイント」の開発に余念がない。止められない、止まらない、という味の極楽ポイントの開発にしのぎを削っている。拝金主義の菓子メーカは、国民の健康など知ったことではないのだ。食品メーカは「食の罠」で国民を不幸にしている。日本の癌の急増は甘いスィーツの摂り過ぎにあると思う。自分の体は自分で守るしかない。

 

砂糖という麻薬

 血液の中にはさまざまな有害物質が流れています。それが脳に流れ込まないように血管と脳との間には厳重な関所が設けられています。

 タンパク質、脂肪、糖の三大栄養素のうち、この関門を通り抜けられるのは糖だけです。

 つまり、脳は糖だけを栄養としているのです。そのため甘いものを食べると脳は幸せを感じます。一種の麻薬ですね。

 だからつい甘いものに手を出してしまうわけですが、幸せはたまにあるから良いのです。年がら年中では「麻薬漬け」と同じです。(p73)

 

 砂糖がたっぷり入った食品、たとえばケーキやチョコレート、アイスクリームなどを口にすると、食べた瞬間はハッピーな気分になり、そのあと眠気が襲ってきます。実はこのとき、血糖値が急激に上がって140以上になっているのです。

 血中の糖分は血管内の内皮細胞を傷つけます。それを修復しよとかさぶたができて動脈硬化を起こすのです。甘いものを食べて血糖値が上がっているときには、タバコ4本分の血管が傷ついている考えてください。

 また血糖値が上がると、体は脾臓からインスリンを分泌して、糖を脂肪に作り替えます。こうして脂肪が蓄積されます。

 さらに糖分を摂り続けていると、インスリンも絶えず分泌され、脂肪は過剰になっていきます。そうすると、私たちの体はこれ以上脂肪を蓄えないように「飽食」の環境に適応していく。そうインスリンにあまり反応しなくなるのです。

 そうなれば脂肪もたまりにくく、「食べても太らない体」を手に入れることができますね。お気づきかもしれませんが、これが糖尿病です。(p71)

  南雲吉則著『50歳を超えても30代に見える生き方』講談社より

  朱は編者(小田)

 

 

砂糖依存症

 2008年の研究「砂糖依存症の臨床根拠:砂糖の周期的な過剰摂取に関する行動神経化学的機能」でも、砂糖が脳内ドーパミンとオピオイドに作用し、依存症となる可能性についての臨床根拠が得られており、「乱用」「離脱症状」「渇望」「交差感作」の四つの過程において行動主義的に砂糖乱用が強化因子として作用すること薬物依存との比較を通じて立証された[1]。神経の適合は、ドーパミンとオピオイド受容体の結合、エンケファリンmRNAの発現と側坐核におけるドーパミンとアセチルコリンの放出の変化を含んでいる。

 リーア・アリニエーロは、砂糖依存症とラットの実験について、以下のように述べている[5]。

 

 近年のラット実験は、砂糖とドラッグの共通点を示している。薬物依存は一般に、薬物摂取の増大、摂取停止からの離脱症状、薬物への渇望と摂取回帰という三つの段階を経由する。砂糖を投与したラットも同様の行動をとった。実験では、餌を与えずに12時間経過してから砂糖水を与えた。周期的な過剰摂取(乱用)によって摂取は増大し、倍加した。餌の停止またはオピオイド遮断によってラットは歯ぎしりや震えといった、薬物中毒者と同様の禁断症状を発症し、再発の兆候も示した。ラットへの砂糖水投与をやめると、砂糖水の出るレバーを何度も押すようになった。

 

 砂糖関連の企業が行った実験では、ラットに対してカロリーゼロの甘味料投与によって類似作用が報告されている[6]。

 砂糖と甘味は、脳のβエンドルフィン受容体の部位を活動させる刺激となるが、これらはヘロインとモルヒネを摂取した際に惹き起こされる反応と同じものである[要出典]。

「砂糖依存症」より 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  朱は編者(小田)

2020-05-14 久志能幾研究所通信 1587  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

男の人生、60代の後ろ姿

 

男の人生

20代  ハンサムにする

         身だしなみをきちんとする

30代  強く生きていく心を教える

40代  財力に心を砕く

50代  賢く物事の判断をきちっと行う

60代  聖人の道を歩く   

            何事もこだわらないように

70代  色んなことに精通する 

                学んだことを人に捧げる

          馬場恵峰師の講演より

 

現世を俯瞰する

 世の中の拝金主義の経営者、利己主義の大垣市長をこの基準に照らして眺めると、日産の盛衰、大垣市の盛衰は必然と見える。そういう観点で、ゴーンも小川敏も良き反面教師である。共に頭が切れるが、その才能を自己の利益誘導に使っているだけである。天はそんなことに使うために、人より優れた才能を授けたのではない。

 

日産を餌食

 ゴーンは66歳、小川敏は69歳、共に人格的に円熟し、世の尊敬を集めなければならないのに、そうでないのが哀れである。ゴーンは口先ではリバイバルとほざいていたが、単なる日産の資産の切り売りと従業員の首切りをしただけである。当時のマスコミはゴーンの批判は全くせず、恥も外聞もなく名経営者と絶賛であった。現時点で、どうしてそういう報道をしたかの反省もない。

 

言葉の魔術使

 小川敏も、口先では街の活性化、子育て日本一とほざくが、現実は全く真逆の政策を画策して、悲惨な結果となっている。小川敏は言葉の魔術使として、効果が過小な施策を針小棒大に表現して、自己宣伝しただけである。

 その結果、これだけ大垣を衰退させても地方紙は批判記事を全く掲載しない。御用新聞は、小川敏の腰巾着のように、寄付や表敬訪問の写真を市長選に向けての事前活動として、紙上に頻繁に掲載させているようだ。その分、大事なニュースがカットされている。

  小川敏市政となって、大垣駅前商店街の80%がシャッターを下したのだ。立派になったのは分不相応な新市庁舎だけである。地方紙はその現実を全く無視である。

  大垣市の教育は県下最低になった。小川敏は、大垣市の児童生徒一人当たりの教育費は県下一低くしてしまった。何が「子育て日本一」なのか。大嘘である。

 

フェイクニュース

  報道すべきことを報道しないのもフェイクニュースである。そうやって先の大戦では、マスコミは国民を騙して、戦争に駆り立てた。日本軍の悲惨な敗走の実態も報道されなかった。今もその体質は変わっていない。大垣市・小川敏と痴呆紙は完全密着である。三密どころか、利害関係で算密である。汚川ウイルスに感染したようだ。

 

組織の盛衰は指導者次第

 人も会社も、行政も、長い目で観ると人物の人生・企業の生・都市の生は同じである。その組織の指導者が、その職務に使命感を持って臨んだか否かである。人も組織もその指導者の人格如何で盛衰は決まる。口先だけの指導者がのさばって、日産と大垣市の惨状は目も当てられない状態となった。そういう状況で小川敏が大垣市長6選を目指すとは、狂気であるとしか思えない。

 これで小川敏が当選したら大垣市民は日本中から笑われて、恥をかく。

 

2020-05-14 久志能幾研究所通信 1586  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

言葉は人を活かし、人を殺しもする

 

 言霊というように、言葉には魂が宿っている。だから、人に向かって吐く言葉は、人を活かす言葉を使うこと。その言葉の影響を一番受けるのは、己である。だからこそ後ろ向きの言葉は使ってはならない。

 人生は塞翁が馬と達観して、愚痴を言わない、良き友を持つこと。自分の職場を超えて、自分の人生のゆとりと豊かさを育てることを忘れない。健康に気をつけて、無理をしない、無駄をしないこと。

 

 「あなたがいなくては困る」と言われないように、後継者を作りながら、新しい人生ではなく、今まで築いた人生に新たに油を注いでいく。新しいものを持って来るのではない、自分を磨き上げるのだ。自分の中に金脈が埋まっている。

 

 自力他力と祈ってみても所詮旅路は自力なり

 

理想の人生

 人生とはかくありたいと行動すべし。かくありたいと思わないと、早く老いぼれる。認知症への道をまっしぐらである。現在の日本では65歳以上は、15%が認知症である。日々、頭を使わず、自分の行動に責任感を持たないから、惚けるのだ。

 

男の人生

20代  ハンサムにする

   身だしなみをきちんとする

30代  強く生きていく心を教える

40代  財力に心を砕く

50代  賢く物事の判断をきちっと行う

60代  聖人の道を歩く   

     何事もこだわらないように

70代  色んなことに精通する 

      学んだことを人に捧げる

80代  静かに自分の人生を静観する人間になる

90代  指南役になる     

     「あなたがいなくては困る」という人間になること

女の人生

 女に生まれたのではないのだ。

女になるために生まれたのだ。

20代  美しくありたい

30代  たくましく成長する

40代  明朗に過ごす

50代  辛いけど辛抱強く生きる

60代  人のことを素直に聞く

70代  人の噂をしない

      一談一笑

80代  九施を行う

90代  憧れを持つ

      人間は憧れを持たなければ廃人も同じ

 

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  馬場恵峰師 大志塾 2014年10月5日

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Img_64021   馬場恵峰書 2006年

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 本稿は、「太志塾」2014年10月5日、馬場恵峰師が講演された内容を、最近の情勢に鑑み、まとめ直しました。

 

2020-05-14 久志能幾研究所通信 1585  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月13日 (水)

遠きを謀る者は富み、近くを謀る者は貧す。

 

 指導者は10年後、100年後を考えて、手を打たねばならぬ。目先の利益に囚われてはならぬ。100年の計は、人を育てるにしかず。

 

「一年之计,莫如树谷;十年之计,莫如树木;终身之计,莫如树人。」

                     『管子』

 訳: 一年の計画において作物を植えるに及ぶことはなく、十年の計画において木を植えるに及ぶことはなく、一生の計画において人を育てるに及ぶことはない。

 『管子』は、管仲の作といわれる。管仲は春秋戦国時代に活躍した斉国の政治家、軍事家である。管仲は桓公に仕え、覇者に押し上げた。

 

小川敏の近視

 ところが、大垣市長の小川敏は、目先の派手なことで市民の目を引こうと愚劣な政治に終始している。彼の頭には、市長の座に長く座っていたいため、次の選挙のことだけであるようだ。だから小川敏は、市長6選が頭から離れない。元気ハツラツ市の派手にパーフォマンス、炎天下で園児虐待、市制100周年記念行事での数々の愚行、業者から寄付を強制して御用新聞にそのパーフォマンスを披露している。結果は二宮尊徳翁の予言通り、大垣市は小川敏の近きを謀る政治が19年間続き、それで没落した。

 行政の長として本当に必要な施策は、100年後を見据えて若い人を育成することなのだ。ところが、大垣市は児童生徒一人当たりの教育費が、県下最低である。その資源を、小川敏達は自分たちの給与に繰り入れて「食べて」しまった。大垣市職員の給与は岐阜県で岐阜市のそれを抜いて一位である。教育に投資しなければ、大垣の未来は真っ黒けである。

 

 大垣市民の皆さん、こんな低落の市長のままでいいのか?

 これでは大垣市民が全国から笑われる。

 小川敏は間違いなく、歴代市長で最低の市長である。大垣の歴史にその汚名を残すだろう。

 

二宮夜話(巻之二) 二宮尊徳

翁曰く

 遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す。

 それ遠きを謀る者は、

  百年の為に松杉の苗を植う。

  まして春植えて秋実る物に於いておや

  故に富有りなり

 近きを謀る者は、

  春植えて秋実のる物をもなお遠しととして植えず

  ただ目先前の利に迷ふて、蒔かずして取り、

  植えずして刈取る事のみに眼をつく、

  故に貧窮す。

 

 

現状(2019年) 2020年度もあまり変わらない

 大垣市の教育は県下最低レベル

      一人当り予算   児童生徒数 

         千円  大垣100で   人

 多治見市    735    158    8,862  

 岐阜市     529    114    32,074  

 可児市     517    111    8,352   

 大垣市     465    100    14,400  

 各務ヶ原市   445     96    12,525   

 刈谷市(愛知県)918    197    11,120  

 

2020-05-13 久志能幾研究所通信 1584  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

自然との対話を大切に

 

 深夜の色紙書きを終え、朝を覚ますと窓の外にすすきが揺れていた。

 太志塾またおいでよとすすき揺れ  恵峰

 

 ついさっきまで冬だったのに、春を飛ばしてもう夏日が頻繁に出現する。すぐに秋がやってくる。自然界の営みは、声無き経を唱えけり。

 

 その時にならないと頭が回らないのでは、いくら理屈をこね回しても儲からない。ゆかしく楽しく生きることが大切だ。自然と対話する人間にならないと長生きができない。口先だけで利口なことを言っても人は付いてこない。己の足元を見ていく生きかたが大切である。

 自然界との対話を拒否した拝金主義者が、奴隷のように労働者をこき使い、先進国が血の滲む思いで開発した製品を開発費ゼロでコピーして金儲けに狂走した。そうやって構築したサプライチェーンを、今回の新型コロナウイルスが破壊した。自然界、経済界の理を無視して暴走した人間への天上界からの鉄槌ではないのか。

Photo

 馬場恵峰先生 「太志塾」2014年10月5日

 

付加価値を生む環境

 今回(2014年10月)、日本人3名のノーベル賞を受賞したことで中国、韓国は知識層を中心に打ちひしがれているはずです。たとえどんなに経済成長を続け、強大な軍事力を誇っても、その国が世界中の尊敬を集めることはありません。重要なのは、どれだけ人類史上に残す知的財産や文化的財産、すなわち普遍的価値を生み出したかに尽きます。また、それによってのみ、国民に真の自信と誇りが備わるのです。

 ノーベル賞の受賞者が輩出する国には2つの条件があります。

 第一に、幼年期から成長していく過程で、身近に美しいものがなければなりません。豊かな自然や優れた芸術、文学に触れて美的感受性を養うことが必要です。数学や物理学などのサイエンにとって、美的感受性は知能指数や偏差値よりも大事です。

 日本には緑の山々や、繊細な四季の移り変わりがあります。それ自体が世界的にも大変珍しい。加えて素晴らしい文学、絵画、彫刻も多数存在し、美に触れる機会にも恵まれています。

 第二に、精神性を尊ぶ風土も不可欠です。要するに、金儲けや実用性だけを追及せず、役に立たないと思えても精神性の高いものには敬意を払う土壌が肝要と言えます。『万葉集』にしても、日本では1400年も前から一般庶民が腹の足しにもならない歌を詠んでいる。そこに価値を生み出すことが何よりも大切です。多くの科学分野では、100年後に芽が出るか、100年後に実用化するかどうか分からないことも研究しています。それを“単なる無駄”と考えてしまったら人類に進歩はないんですね。

 中国や韓国にも有能な人材はたくさんいますが、残念ながら彼らの多くは金融関係や弁護士、医者といった“金になる”仕事に就いたり、海外へと流失していく。利益だけを優先すると“無駄な”科学に人材が向わなくなるわけです。

     数学者・藤原正彦氏(『週刊新潮』2014年10月23日号)

 

人の重きを置いた経営

 これは経営にも当てはまる。単に金儲けだけのグローバル経済主義は、1%の人だけの幸せを追求するが、99%の人たちを不幸に陥れる邪悪な思想である。なんのために経営をするのか、自然をめでる余裕がない経営者に、良い経営も長生きも出来ないと恵峰先生はすすきを例に、塾生を諭している。

 2020年5月現在、新型コロナウイルスで世界経済が麻痺している。グローバル経済主義の行きつく果てである。拝金主義の企業は、部分最適を目指して世界で一番安いコストで入手できるサプライチェーンを構築した。今、世界はその咎を受けている。部分最適で激安の製品を提供しても、個人には幸せをもたらさない。

 

私の抵抗

 私はささやかな抵抗で、100円ショップでモノは買わない。なるべく高く付加価値のある製品を買い、それを長く使うようにしている。最近、意思を持ってアップル製品やソフトバンク、中国製品とは縁を切ってきた。

 100円ショップの製品は、海外の奴隷のような環境で作られている。中国製品、韓国製品は先進国が苦労をして開発した製品の技術を盗み、製造するから安くできる。その分、先進国の雇用が無くなる。100円製品が売れると、その分の国内の雇用がなくなる。後日、自分の雇用や給与に影響を受ける。それは自然界、経済界の対話を拒否している。私は宇宙根源の理に反していると思ったから、その製品には手を出さなかった。

 アップル製品、ソフトバンクの製品は、金の腐臭が感じられる。一見安いのだが、いつの間にか、課徴金で縛られて金を吸い取られるようだ。

 

 本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容を、今回の新型コロナウイルス騒動に思いを馳せて、まとめ直しました。

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  馬場恵峰書

 

2020-05-13 久志能幾研究所通信 1583  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月12日 (火)

わかっているであろうか

 

忘れてはならぬものは     恩義

捨ててはならぬものは     義気、人情

与えなければならないのは   人情

繰り返してはならないものは  過ち

通してはならないものは    我意

笑ってはいけないものは    人の失敗

 

 人から聞いた話も咀嚼をして自分のものにしてから、部下に話をしないと相手は聴いてくれない。自分のものにしてから、自分の我意を通していくこと。

 

 話しをするにしても、自分の解釈を付加して付加価値を出すべきだと私(小田)は思う。私が講師として前職の会社で新入社員を教えた時は、講義資料は全て自分で作った。それを作る過程で多くの学びがあった。 

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 焦っても躓けば元もこも無い。まず足下を固めること。

 馬場恵峰書  2006年

 

 本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容をまとめました。

 

2020-05-12 久志能幾研究所通信 1582  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月11日 (月)

私の「人生哲学と仕事の掟」

 

1.自分の天命を知る

 何のために生きているかを考える。

 何の為になら死ねるかを知る。

 人生のスタートはそこから。

 

2.健康が最優先

 健康管理が最優先。生死は神仏の管轄範囲。

 

3.三年かけて師を探せ

 師なくして、人生は歩めない。

 恩返しとして、師を超えよ。

 

4.「人生とは仕事」と認識せよ

 人生の中で一番多くの時間を占めるのが仕事である。

 仕事が楽しく、有意義でないと、人生はつまらない。

 そうでなくては、生きていく価値がない。

 

5.事に仕えて、人に仕えるな

 世のためになる「こと」に身を捧げよ。

 人生は与えたことが、自分に返ってくる。

 集めた物ではない。集めた物は、あの世に持って行けない。

 

6.人生とは使える「持ち時間」と認識せよ

 時間は命なのだ。

 だから自分の時間は当然として、人様の時間も命として扱え。

 

7.人生は人生劇場

 自分はどんな仮面を被って演技をするのか。

 自分の人生劇場の役割を認識せよ。

 舞台に上がるまでも人生である。修行時代。

 舞台を降りるまでも人生である。死ぬ間際まで。

 

8.選択と決断をせよ

 決断をしないから、やったことが無意味になる。

 二択の選択で迷ったら、エイヤで決めろ。

 何方を選んでも差がない。迷うだけ時間の無駄。

 即決は不要だが、早期に決めよ。社長の仕事は決めること。

 選んだ方を最高に持っていくのが己の仕事である。

 社長の仕事は、50.1対49.9の選択肢を決める。

 

9.自分の行動の目的を明確にせよ

 何のために、それをやるのか、自省せよ。

 

10.目的達成の為、危機管理を徹底

 強大な堤防も蟻の一穴から崩壊する。

 

11.関心のあるテーマにも春夏秋冬あり

 自分の成長に合わせて、関心あるテーマも変わる。

 自分の商品(売りもの、能力)も変化する。変化させよ。

 万物は流転する。般若心経の神髄は無常である。

 

12.なんでもいいから、一番を取る

 私は大学で特待生、総代で卒業証書を頂いた。

 それがその後の人生の支えになった。

 会社創立60周年記念行事で、論文で一番を取った。

 それが論理構成で人を説得する自信となった。

 私は49歳で科学工業英語検定1級に合格した。

 この制度の20年間で389番目である。(英検1級合格者は数万人)

 会社では英語は私が一番だった。それで日本語がうまくなった。

 

13.買うものを一流品にする

 モノを買うとは、自分を買う事。

 良いものは高くても、長く使える。結局お得。

 100金ショップには近づかない。

 100金品は、日本の正規の労働者に失礼である。

 後日、それの復讐を受ける。だから日本のデフレが解決しない。

 

14.値切らない

 値切るとは自分をディスカウント(安売り)すること。

 買うお店を決めるのは当然だが、そのお店の店員を決めておくと、「負けろ」と言わなくても、相手が勝手に最大限の値引きをしてくれる。私は、負けろと言ったことがない。

 

15.孤独を恐れない

  人と群れない。人に迎合して生きない。

  自分に自信がないと、人と群れたがる。

 

16.経営のカンを養うため、多くの経験(失敗)をせよ

 失敗しないと智慧が付かない。

 再発防止をしないと智慧にならない。

 

17.身に降りかかる問題や事件は、神様からの啓示と見よ

 じたばたしない。沈むときは底まで沈め。

 沈んだら、後は浮かぶしかない。

 春の来ない冬はない。冬は自己充電の時期。

 人生で全戦全勝はあり得ない。それでは却って不幸をまねく。

 

18.現地現物で

 何ごとも自分の目で確認せよ。

 問題が解決するまで、現場を動くな。

 たとえそこが遠方でも飛んでいけ。

 私はニューヨークもミシガンもウィーンにも飛んだ。

 

19.何故なぜを5回繰り返せ

 対処療法ではなく、真因を見付けて根本対策を打て。

 

20.本とは智者の命である。

 著者が体験した同じことを自分がするなら、膨大な時間が必用だ。それが1000円チョットで読める。そう考えて、本代をケチらない。

 

21.戦略と戦術を区別せよ

 戦わなくても勝てる手段を考えよ。戦いを「略」せよ。

 

22.遠きを計って、近きを計らず

  遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す。

 10年後を考えて、手を打て。目先の利益に囚われるな。

 人生で最大の投資先は、己の教育

 人は常に学びながら歳を取る。

 One does grow old ever learning.

   G.KINGSLEY WARD

   

23.アイデアとは、財産である

 他人のアイデアには対価を払え。

 対価を払わないレベルの人たちとは縁を切れ。

 それは価値観の違う世界に住む人たち。

 

24.事件に対して、「自分が当事者なら」と考える癖をつけよ

 常に第三者の目を持て

 

25.悪縁を見破れ

 一度でも裏切った人とは縁を切れ。一度あることは二度三度と続く。

 仁義礼智信のある人と付き合え。

 「ビジネスは壊れやすい花瓶に似ている。無傷であればこそ美しいが、一度割れると二度と元の形には戻らない。」

    Business is like a fragile vase - beautiful in one piece, but once broken,   damn hard to put back together again to its original form.

   “Letters of a businessman to his son" by G.KINGSLEY WARD

 

26.価値観を固定するな

 状況が変われば、価値観も変わる。それに固執すると身の破滅。

 戦争になれば、正義のために人殺しをせねば、己と家族が殺される。

 会社で不正を強いられたら、不正をしないと家族が路頭に迷う。そういう会社に縁があった己の因縁を除去するのが真の対策である。

 学生時代、勉学をさぼったから、そういうレベルの会社・部署しか入れなかったのが原因である。だから黙って悪縁の場から去るのも手である。己の能力がないから、そんなレベルの仕事を与えられた。それの真因を探って、能力を向上させて運命を良くするのが解決手段。「親の因果が子に報い」の意味をかみしめよ。

 

27.朝令暮改をせよ

 状況は一刻一刻と変化する。自分も成長して、価値観が変わる。それに合わせて、決断を変えよ。君子豹変でよい。

 

28.物事を数値化して、判断せよ

  数値化できない話は、眉唾と思え。

  ミニ「ヒトラー」の演説に騙されるな。

  それが嘘でも100回も聞かされれば、洗脳されてしまう。

  日本は、政府とマスコミの嘘で太平洋戦争に追いやられた。

  この30年、日本は政府とマスコミの嘘で経済敗戦を迎えた。

  大垣市は、小川敏と御用新聞に騙されて没落した。

  私の母は日本政府、日本銀行を信用していなかった。

  祖父は1946年の新円切り替えで、退職金の全てを失った。

 

29.優先順位を考えよ

 食品の食べる順番でさえ、それの順番を変えると人生(健康)が変わる。ましてや人生でやるべきことの順番は、人生を左右する。人生で一番大事なことは何かを考えよ。文章ではそれをトピックセンテンス(核文)という。人生のトピックイベント(核事)を見極めろ。人生の一大事をするため、不要不急のことは後回しである。

 

30.「後は野となれ山となれ」が信条

 どれだけやっても、死後100年経てば、此の世から己の痕跡は消える。此の世の栄華を誇った天下人も同じ運命であった。ゆく川の流れは絶えずして、元の水にあらず。祇園精舎の鐘の音、勝者必滅の条理あり。

 だから私は昨年の癌の手術前に、葬儀と死後50年間分の法要の費用を払い、死後の段取りをしてから、「心安らかにして」手術に臨んだ。墓は5年前に改建した。

 だからやれるだけのことを精一杯やって成仏しよう。それがオダ仏教の教義。死に際で、やり足らなかったと後悔をしないために。悪いことでなければ、人生はやったモノ勝ちである。私は神仏を信じている。

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  馬場恵峰書

2020-05-11 久志能幾研究所通信 1581   小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

「心の杖」を支えに人生を歩く

 

 1.人の親切にすがる杖

 2.無理をしない、無駄をしない、不精をしない杖

 3.自分に辛切な杖

 4.神仏の教えの深説の杖

 

 年老いて金を持っているから手が震える。私(恵峰)は何ももっていないので、軽々と筆を動かせる(1億円を使ってしまったので)。遠き道を自分の業を背負って歩くこと。そうすれば新しい自分というものを掴むことができる。

 

 恵峰先生は60歳のとき、実家の土地家屋を抵当に入れ、1億円の借金をして社会奉仕のため日中文化資料館を建設された。その返済に24年の年月を要した。

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日中文化資料館  350坪の敷地に黄山を模した木が植えられている。

左隅は掃除をされる恵峰先生。

図書館前に「比翼連理の松」(長恨歌の玄宗皇帝と楊貴妃を表した木)

恵峰先生が広い庭を、毎日、朝晩掃除するので、草一本生えていない。先生は隣の家の敷地まで掃除をされるとか。敷地が350坪もあると掃除のし甲斐がある? これが恵峰先生の健康の秘訣。

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 馬場恵峰先生と玄関の「迎客の松」  ‎2019‎年‎11‎月‎14‎日、‏‎17:28撮影

 

縁あって人間に生まれたからには、ご恩にむくいないと申し訳ない。

書くことの大切さを知り、自分の子孫に自分の書いたものを残せ。

自分を磨くのは、自分の手で書いたものだけである。

「10回読むより一回書け」が、恵峰先生の言葉である。

 

 同じことが仕事・人生でも言える。10回、口で理屈を述べるより、汗をかいて涙を流して一回実行した事が血にも肉にもなる。本で読んだだけのことは、修羅場では何の役にも立たない。それは私がある研修で、臨死体験の研修で特に痛感した。会社生活の修羅場でも、それは同じであった。

 その修羅場に出会うのも、人間として生まれたから。恵まれた生活が送れたから、その修羅場に出会えた。極貧生活を送っていたら、その修羅場にも出会えないかもしれない。修羅場の前には贅沢三昧の極楽生活があったはず。それで修羅場を経験してそれをプラスに解釈して、人生を転換すれば、人間的成長がある。この世で無駄な事象はない。

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  心の杖は堪忍の木から生まれる。遠き道を「心の杖」を頼りに行く。

  馬場恵峰書  1999年

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    馬場恵峰書、2012年

 

本稿は、「太志塾」2014年10月5日で、馬場恵峰師が講演された内容を基にまとめました。

 

2020-05-11 久志能幾研究所通信 1580 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月10日 (日)

講演会の講師の心得

会議の議長の心得も同じ

 与えられた時間内で、10分でも早く終ること。時間を超過するなんてとんでもない。それは時間泥棒。時間は命、一瞬一生。講演会・会議の主役は講師ではない、主役は聴衆である。聴衆の時間を奪ってはならない。

 命とは人生という舞台の間で使える持ち時間である。

 人生時間の価値は1秒1円である。

 社長の時間価値は1時間1万円である。

 

 明徳塾でも馬場恵峰先生は、必ず時間前に講義を終わった。それに対して大学の先生はその時間管理がだらしなかった。

 

時間オーバ

 講義時間を超過する講師は、時間管理ができていない。奢れる講師が自己満足で言いたいことを言って、時間オーバする。たかだか90分の講義で、講義ストーリを計画できず、話す内容の時間配分をしないのでは、己の人生時間も管理できない。

 会議が時間通りに終わらないのは、時計が遅れているのではなく、会議が遅れているのだ。会議運営の時間管理ができていないのだ。終了時間になったら、会議室から退室して、終り次のスケジュールの行動に移ればよい。遅れているのは会議であり、自分の人生時計ではない。

 

主役

 主役は聴衆である。脇役が上手でないと歌舞伎はうまく行かない。会社でも社長が頭でっかちではうまく行かない。

 自分の身の回りの整理整頓を。まず時間の整理整頓を。

 一瞬一瞬の積み重ねが一日となり、その積み重ねが一生になる。今そこの生き様が人生を表している。今が本番。

 

エピソード

 2015年4月、M経営塾ОB会が高野山大学で行われ、M社の元社員で某大学客員教授が講演をした。高野山の会場が出発地の京都から遠方であったので、事務局が段取りをして午前中の予定を少し前出しして、バスでの出発時間が少し早くなるように調整をした。なぜなら京都駅から遠隔地に帰る塾生も多くいるからだ。

 ところが何を勘違いしたか、その講師が「予定より時間が30分ほどあるので、もう少し喋る」といってくだらない話を続けた。講師の時間管理で、その講師のレベルが分かる。時間は命なのだ。自分が講師として喋るときは、心して臨みたい。

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  馬場恵峰書、

 本稿は、「太志塾」(2014年10月5日)で、馬場恵峰師が講演された内容を基にまとめました。

 

2020-05-10 久志能幾研究所通信 1579 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。