2020年5月27日 (水)

運の悪いヤツとは付き合うな

 かのナポレオンは、運の悪いヤツを部下にすることを徹底して避けた。運の悪い部下を持つと、自分の運が悪くなるという哲学であった。時にはジプシー女にも占わせたり、自分でカード占いをしたという。

 運の悪いヤツは、運が悪くなる生活リズムで生きている。運の悪いヤツは顔が陰気である。話すことが陰気である。その行動が後ろ向きである。運の悪いヤツと付き合って、その波動を受けると、自分まで運が悪くなる。だから運の悪いヤツはとは付き合ってはダメなのだ。

 

冥資

 サラリーマン生活での中間管理職は、部下をそう自由に選ぶことはできない。同様に上司を選ぶこともできない。それをできないと考えると、益々運が悪くなる。誰に聞いても、その対策案で納得できるものはなかった。

 強いて言うと「冥資」を受けられる徳や運を身に付けるしかあるまい。「冥資」とは知らない間に受ける佛の加護である。

 

要領

 「冥資」を受けるには要領をよくすること。要領とは物事の勘所であり、物事をうまく処理する手段である。地獄のシベリア抑留から生還された丸順の今川順夫最高顧問(当時)は、「生きて帰れたのは、(良い意味で)要領がよかったから」と言っておられる。

 同じく地獄のアウシュビッツ強制収容所から生還したヴィクトル・E・フランクルは、その著書『夜と霧』の中で言う。地獄の強制収容所で生き延びた者は、生きる目的を持っていた。生きる目的を達成する為には、要領よくせねばならぬ。頭でっかちの利口では駄目だ。賢くなければ、運が良くならないし、生きていけない。

 

耐える時

 サラリーマンとして悪運の強い上司の下に異動となったら、我慢するか反抗するかの選択が問われる。大企業では往々に有名大学出のエリートが上司になっている。だから、それに逆らと大変だ。私は、宮仕えとはそういうものと覚悟(達観)していたので、心の中では舌を出していたが、表面的には、じっと耐えてサラリーマン時代を過ごした。悪運という嵐が頭の上に来ているなら、じっと耐えて身を低くするしかない。悪運の風をまともに受けては倒れてしまう。柳のように受け流せばよい。それが宇宙根源の理である。物理学の応用である。

 その私が、その上司のもとから、別の部署に異動した。その時、上司が変わるとこうも環境が変わるものかと驚いた。サラリーマン生活は上司次第である。

 

反抗して死を選ぶ

 一年下の同僚のD君は、頭が切れたが、いつもその上司に立てついたため、海外に飛ばされた。上司は彼が性格的に営業は不向きと知りながら海外の営業職に飛ばした。それが原因で、彼は帰国後、心労がたたり54歳の若さで病死した。私はその上司の推定殺人だとおもう。

 サラリーマンが嫌なら独立することだ。それができないなら、嫌われないように保身するのがサラリーマンの智慧である。それが賢者である。運はよくならないが、最悪は避けられる。私の両親は、上司への盆暮の心づけを欠かさなかったので、その危機を避けられた。今にして思うのは、これは危機管理上の保険であった。親のご恩に改めて感謝している。

 前職はそれがまかり通るブラック企業であった。D君は頭が良かったが、世間を渡る如才が足りなかった。つまり要領と賢さが足りなかった。メンタル面でもタフでないと宮仕えは勤まらない。

 市長にも悪運の強いヤツがいる。それが市民生活に影響するので、たちが悪い。本人は幸せだが、市民が不幸である。会社で悪い上司の下に異動させられたと同じである。どうすればよいか、永遠の課題である。

 

運の悪いヤツは、

 時間にルーズである。

 健康に気を付けない。

 約束を守らない。

 ウソを言う。

 酒癖がわるい。

 (体に悪いと知っていて)煙草を吸う。

 笑顔がない。

 ご縁を大事にしない。

 出会いを自分から求めない。

 チャンスを大事にしない。

 愚直なことを大事にしない。

 陰徳をおこなわない。

 神仏を信じない。

自分が運の悪くなる言動や考えをしていないか、自省したい。

Dsc065671s  松本明慶大仏師作 普賢菩薩、 書は馬場恵峰書

 普賢菩薩とは、梵名でサマンタバドラといい、「普く賢い者」の意味であり、彼の世界にあまねく現れ仏の慈悲と理智を顕して人々を救う賢者であることを意味する。また、女人成仏を説く法華経に登場するので、特に女性の信仰を集めた。密教では菩提心(真理を究めて悟りを求めようという心)の象徴とされ、同じ性格を持つ金剛薩埵と同一視される。そのため普賢菩薩はしばしば金剛薩埵の別名でもある金剛手菩薩とも呼ばれる。「遍吉」という異名があり、滅罪の利益がある。この項、wikipediaより)

2020-05-27 久志能幾研究所通信 1608  小田泰仙

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2020年5月26日 (火)

小川敏、コロナ対策はドケチ、遊びは豪勢

大垣市役所のバーチャル水族館は無駄

 

 先日、大垣新市庁舎に行ったら、一階の展示広場に85インチと55インチのテレビ2台がバーチャル水族館のテレビとして設置されていた。

 このバーチャル水族館設置の発想が貧困である。税金の無駄使いである。業者に金をバラまくための方策であるとしか思えない。技術進歩の激しいITの世界で、大画面の液晶テレビなどすぐ陳腐化してしまう。液晶画面上のお魚の泳ぐ姿に誰も振り向きもしない。市民のためにならない。そんな金があったら、この緊急事態宣言下で新型コロナウイルスへの対策費に向けるべきだ。

 

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    大垣新市庁舎 バーチャル水族館  2020‎年‎5‎月‎18‎日

 

大垣市の新型コロナウイルス対策費

 小川敏は、昨年の大垣市制100周年記念行事で3億5千万円も無駄使いの豪遊をしたのに、今回の新型コロナウイルス対策で、たったの2億2480万円しか出さない。令和2年度予算603億円の0.3%である。小川敏は、大垣新市庁舎建設でその55倍の124億円をばらまいた。大垣新市庁舎は、市民一人当たりの負担金が県下一高い贅沢な作りである。無駄なIT技術で金を散財している。

 それなのに小川敏は、全世界を巻き込んだ大騒動・新型コロナウイルス騒動の対策費は、たった2億2400万円で岐阜市のそれよりも24%も低い。

 大垣市は市役所職員の給与も新市庁舎費用も岐阜市より高いのに、市民に対する援助は岐阜市よりも低い。

 トランプ大統領はその対策で米国GNPの10%を当ててている。それほどに重要度が高いとトランプ大統領は認識している。

 それらと比較すると、安倍首相もやることがドンくさい。今だ、アベマスクは届かない。

 小川敏はドケチで、やることがちゃらんぽらんである。こんな男が市長では、大垣はどうなってしまうのだろうか。

 

 

コロナウイルス対策費比較

              大垣市      岐阜市

令和2年度一般会計予算   603.1億円   1790.1億円

新型コロナウイルス対策費  2億2400万円  8億7100万円

事業所へ一律補助(5万円) ナシ       アリ

支援の第一対象者    中学生以下12,000人 小売業やサービス業など

                           市内9,000事業所へ

補助金総額                         計6千万円   計4億5千万円

寄付の強要          強要       なし

予算の比率         0.372%    0.486%

大垣を100で        100      131

 

大垣市の7つの対策を検証する。

岐阜市のそれと比較すると、小川敏の施策は呆れる。

 

 1つ目。岐阜市が実際に困っている小売業やサービス業を対象にしているのに、大垣市は、困ってもいない中学3年生以下の子どもが第一の対象である。大垣市は対象者約1万2千人に5千円で、総額は6千万円に過ぎない。岐阜市は9,000業者へ一律配布で4億5千万円の拠出である。

 小川敏はピンボケもいいとこである。いつもの口先だけの対策である。小川敏が子育て重視と言っても、大垣市の子育て環境は県下一最低である「子育て日本一」は大嘘で、言葉の魔術使・小川敏だけが口癖で言っているプロパガンダに過ぎない。

 2つ目。「ひとり親家庭には応援金2万円を贈る」だが、なぜ一人親家庭だけなのか?

 3つ目。市商店街振興組合連合会のプレミアム付き商品券を発行しても、大垣駅前商店街の80%が死滅したのに、その券を使えるお店がほとんどない。ブラックジョークである。

 4つ目。「中小企業支援は、前年同月比で売り上げが30%以上減少した事業所を対象に、経営維持や販路開拓のための経費の2分の1を補助」というが、実際の経費の分は少なく、出す金額が少ないのだ。

 岐阜市は、小売業やサービス業など市内約9千事業所に一律5万円(総額4億5千万円)を支給する対策と大違いである。

 5つ目。「おうちでGAKIめしっ!」について、運営費などとして700万円を補助だが、大垣市民一人当たり43円の補助である。お笑いの金額である。仕事がなくて生活が困窮しているのに、配達費を払ってまでして度高い「GAKIめしっ」など注文する家庭はごく少なかろ。このコロナ騒動でも給与が変わらない役人が考えた机上の空論である。

 6つ目。「医療従事者へは、感染症指定医療機関である市民病院の医師、看護師らに日額4千円を支給する。」とあるが、大垣市民病院に限定すれば、費用が少なくて済む。実際は、大垣市民病院以外の病院もこの事態に大変苦労をされている。それを無視している。対策が片手落ちである。

 7つ目。「寄付金を募り、マスクや防護服といった医療資材の確保などに充てる」とは、言い換えれば、大垣市は、市民に寄付を強要しても、市としては金を出さないということだ。なぜ大垣市がマスクや防護服といった医療資材を購入しないのか。

 

 資料

1.大垣の取り組み 

 岐阜県大垣市は13日、新型コロナウイルスの影響を受け、子育て世帯や中小企業の支援を柱とする緊急経済対策を盛り込んだ2億2480万円の本年度一般会計補正予算を専決処分した。小川敏市長は記者会見し、「緊急コロナ対策 がんばろう大垣プロジェクト」とプロジェクト名を発表。「これまで感染防止策に力を入れてきたが、経済対策も合わせて行い、しっかり子育てできるまちづくりをする」とした。

 市独自の取り組みは七つ。子育て支援は、中学3年生以下の子ども1人につき5千円分のギフトカードを配布。さらに、ひとり親家庭には応援金2万円を贈る。

 中小企業支援は、前年同月比で売り上げが30%以上減少した事業所を対象に、経営維持や販路開拓のための経費の2分の1を30万円を上限に補助する。

 大垣観光協会ホームページの新コーナー「おうちでGAKIめしっ!」について、運営費などとして700万円を補助するほか、メニューを開発する店舗に10万円を補助する。

 1万円で1万1千円分の買い物ができる市商店街振興組合連合会のプレミアム付き商品券は、発行を千冊増やして5千冊(500万円分の対策)とするよう補助を上乗せし、8月1日に発売する。医療従事者へは、感染症指定医療機関である市民病院の医師、看護師らに日額4千円を支給する。また、ふるさと納税でも寄付金を募り、マスクや防護服といった医療資材の確保などに充てる。(2020年05月14日 岐阜新聞)(朱記は著者)

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2.岐阜市の取り組み

 岐阜市は、経済活動の再開へ向け、新型コロナウイルスの感染防止策を取った小売業やサービス業など市内約9千事業所に一律5万円を支給する。支援金の支援事業費約4億5千万円を含む総額約8億7100万円の一般会計補正予算を17日付で専決処分した。(2020年5月20日、朝日新聞)(朱記は著者)

岐阜市の令和2年度一般会計予算は1790.1億円。

 

3.アメリカの対策

 【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は21日、新型コロナウイルス対策として検討する大型景気刺激策が最大2兆ドル(約220兆円)に達すると表明した。連邦政府が1.3兆~1.4兆ドルの財政支出に踏み切り、米連邦準備理事会(FRB)などの追加支援で2兆ドルに積み増す。家計や企業の資金ショートを防ぐため、給与支払いの補助などを盛り込む。野党・民主党との協議を急ぎ、週明けの採決を目指す。(2020/3/22 日本経済新聞)

 

2020-05-26 久志能幾研究所通信 1607  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月25日 (月)

「武田信玄公の訓語」で己を照らす

 武田信玄は20歳で、父を追放して武田家の家督を継いだ。年若くても一国一城の主である。それで年長者を束ねていかねばならぬ苦労をした指導者であった。反感を持って己を見ている部下たちを統率する苦労を味わった指導者である。

 武田家24武将を描いた掛け軸は、武田家の結束を表す絵として有名である。その絵には、23人の武将しか描かれていない。24人とは信玄を含めて24武将である。信玄は織田信長のような絶対君主ではなく集団合議制の指導者のような位置付けで、全体を統率していた。

 そういう状況で体得した人生訓が、「武田信玄公の訓語 心についての12か条」である。だから凡人の私には、一つ一つの言葉が納得される。

 

後継者

 いくら名君でも後継者問題は永遠のテーマである。武田信玄は父より後継者の座から排除されたので、クーデターを起こして、逆に父を追放した。時に20歳である。信玄はそれだけの知力も決断力も胆力もあった人物である。

 その血筋を引いた信玄の長男義信は、息子たちの中では、能力的にも一番優れていたが、父・信玄と同じようにクーデターを起こす計画をして、それが露見して寺に幽閉され自害に追い込まれた。血は争えない。だから一番優秀な長男を自害に追いやったので、後継者は武田勝頼になってしまい、それが武田家滅亡の道筋となった。

 

堪忍

 その時に信玄に7番目の訓語「堪忍」があれば、長男を生かせる調があったはず。そうなれば武田家は存続したかもしれない。それが頭の隅にあってこの7番目の訓語堪忍ある時は事を調す」ができたかもしれない。そうなれば、長篠の戦いはなく、馬場春信公は死なず、別の運命となったはずである。そうなれば、私と馬場恵峰先生の出会いはないことになる。ご縁とは不思議なものである。

 

愛嬌

 信玄は若くして統領になったので、古参の家臣が信玄を馬鹿にして言うことを聞かないことが多かったはずだ。その悔しさは、私も年上の部下を持って痛感した。上司と言っても、それは会社から与えられた職位であって、経験は古参の部下の方がある。その中でリーダとして責務を果たすには、構えなければならぬ。心に余裕がないと愛嬌どころではなく、必死なのだ。それが「我慢ある時は愛嬌をうしなう」である。指導者は常に笑顔で愛嬌がなければならぬ。それも指導者として成長するために獲得すべき能力である。

 

武田信玄公の訓語 心についての12か条

心に物なき時は体やすらか也

我慢ある時は愛嬌をうしなう

欲なき時は義理をおこなう

怒りなき時は言葉やわらかなり

誤りなき時は人を恐れず

驕りなき時は人をうやまう

堪忍ある時は事を調す

私なき時は疑うことなし

勇ある時は悔ゆることなし

くもりなき時は静かなり

迷いなき時は人をとがめず

貧りなき時は人にへつらわず

武田信玄公の訓語心についての12か条也

疾如風除如林侵掠如火不動如山

 

Dsc0971213

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Dsc0971233  馬場恵峰書

 

2020-05-25 久志能幾研究所通信 1606  小田泰仙

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南雲クリニックで「紫外線のお土産」を買う

通院

 2020年5月23日、定期的な血液検査のため、名古屋伏見区にあるナグモクリニックに行ってきた。

 待合室に入ったら2人しかいなかった。いつもは15人~20人ほどは患者が待っているクリニックである。聞けば、今回の新型コロナウイルス対策で予約を厳密にして診察する人数を制限しているとか。それで数分待っただけで呼ばれ、採血をしてくれた。会計時も待合室には誰もおらず、待ち時間がなかった。

 愛知県の地方都市に住む友に聞くと、彼も当日、その街の病院の二院に掛け持ちで行ったが、緊急事態宣言が解除されたためか、2つの病院の駐車場は満車、医院内も大混雑だったという。友は、「これはド田舎人と都会人の意識の差の表れで情けない」という。私は、そうではなく、来院者を管理しているか、していないかの差の方が多きいと思う。

P1130731s  ナグモクリニック

病院への要望

 もう少し、診察数を管理が厳密にして、待ち時間を短くしてほしい。大病院に行くと、予約をしてあってもその時間から1時間待ちなどざらである。何の為の予約なのか訳が分からない。残された時間がない患者には、待ち時間が地獄である。業務が細分化された大病院にはその意識がないようだ。

 

お土産の選定

 今まで、愛知県も岐阜県も緊急事態宣言であったので、外出を控えていた。久々にお上りさんで大都会(?)に出てきたので、いつもお世話になっている近所に人にお土産を買う事と思いついた。買ったのはその病院の受付で売っている南雲吉則著『病気が逃げていく! 紫外線のすごい力』(主婦の友社 1300円)である。糖分が一杯入った美味しい名産のお菓子を贈呈するより、価値ある情報の入った本を進呈した方が、喜ばれると思う。情報とは「情けの報せ」なのだ。

 この本は癌や認知症、糖尿病等の病気の予防法が分かりやすく書いてある。今まで読んだ中では一番わかりやすい。肝心な癌の発生の仕組みが分かりやすく書いてある。この本の内容は理論だけでなく、実際に南雲先生が実践されている内容が書かれている。それで先生は若々しい体を維持されている。外見からは、とても65歳とは思えない。人生での最大の金儲けは病気にならないことである。この本は、それを実現させてくれる手法が満載である。

Photo

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2020-05-24 久志能幾研究所通信 1605  小田泰仙

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2020年5月24日 (日)

「武田信玄公の訓語」を贈られる

 

 2020年4月18日が馬場恵峰先生の奥様の49日の法要であった。このコロナ騒動で、私は49日の法要には参列を自粛した。非常事態宣言が出ている岐阜県から無風状態の長崎県に出向くのは、気が引けたからだ。下手に動いてコロナ菌を先生宅に持ち込んで、高齢の馬場恵峰先生が罹患したら大騒動である。法要にお花を送り、法要への参列は遠慮させていただいた。

 先日、恵峰先生から葬儀のお礼の挨拶状と返礼が届いた。それは「武田信玄公の訓語」の掛け軸であった。その言葉をかみしめて、恵峰先生のご先祖に思いを馳せた。

 

武田信玄公の訓語

心に物なき時は体やすらか也

我慢ある時は愛嬌をうしなう

欲なき時は義理をおこなう

怒りなき時は言葉やわらかなり

誤りなき時は人を恐れず

驕りなき時は人をうやまう

堪忍ある時は事を調す

私なき時は疑うことなし

勇ある時は悔ゆることなし

くもりなき時は静かなり

迷いなき時は人をとがめず

貧りなき時は人にへつらわず

武田信玄公の訓語心についての12か条也

疾如風除如林侵掠如火不動如山

 

鬼美濃

 武田家の武田四天王といわれた馬場信春公は、馬場恵峰先生のご先祖である。武田三代に仕えた40数年の間、70回を越える戦闘に参加したが、長篠の戦いまでかすり傷一つ負わなかった。このため「不死身の馬場美濃」、「不死身の鬼美濃」と評されている。

 長篠の戦いの中、織田・徳川連合軍との決戦で、武田軍は敵の鉄砲隊との攻防で有能な人材を次々と失い大敗を喫した。武田勝頼が退却するのを見届けると、殿軍を務めていた馬場信春公は、反転して追撃の織田軍と壮絶な戦いをして戦死した。『信長公記』に「馬場美濃守手前の働き、比類なし」と評される最期だった。享年61。人生50年といわれた時代の61歳で、現役の将として桁外れの奮闘には驚嘆する。

 大阪夏の陣(慶長20年・1615年)に参戦した子孫が戦いに破れて、九州の山奥に落ち延び、焼き物の窯元として身を隠したという。それで馬場恵峰先生が九州に居られるワケである。

 「100mの巻物」を揮毫した挑戦でも、下書きなしの一発勝負で、たった3文字しかミスがなく、揃った字体、どんぴしゃの文末配置、素晴らしい書体である。それを見ると、鬼美濃と呼ばれた馬場信春公の先祖がえりで、剣を筆に持ち替えただけと理解すると、先生の天分の由来が理解できる。表の顔の馬場恵峰先生は仏のような方だが、筆を持たせると書道の鬼となる。鬼にならなければ、後進を指導できないし、後世に残る作品は生まれない。

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  「武田信玄公の訓語」 馬場恵峰書

 

2020-05-24 久志能幾研究所通信 1604  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月23日 (土)

小川敏はヒトラーを真似して、プロパガンダに励む

ヒトラーの演説手法

 簡単な言葉を5回繰り返す。

 ウソでもいいから、5回繰り返す。

 ウソでも構わないから何回でも繰り返す。

 ドイツ国民の自尊心をくすぐる言葉を繰り返す。

 段々と扇情的に煽り、ドイツ国民を洗脳する。

 こうやってヒトラーは国民を戦争に駆り立てていった。

 

 ヒトラーの言葉

 「ドイツは生き続ける」

 「ドイツは勝利する」  

 「ドイツよ、一つになれ」

 「愛国者よ、ドイツのために命を捧げよ」

 「ドイツ人は支配民族だ、優秀なのだ」

 「ユダヤ人がドイツの財産を奪っている」

 「捕虜になったのは、人間的に劣っているからだ」

 

 プロパガンダでは、政府や企業によって、意図的な言葉や単語の言い換え、使い換えがされる。第二次世界大戦のドイツにおいては、ナチス党が自由選挙によって選ばれたので、ナチス政権下において、ドイツ人の総意として行われたようになってしまった。ドイツ国民はヒトラーにより洗脳教育をされたのだ。ドイツ国民はヒトラーを盲信して、戦争に突入する。ドイツ国民は詐欺に遭ったようなものだ。

 

ドイツの結末

 ヒトラーは演説で「平和」を何度も叫んで、軍事力を増強した。

 ヒトラーはポーランド侵攻の直前演説で「平和」を何度も叫んだ。

 結果、ドイツ国民はヒトラーの演説に騙されて、戦争を開始した。

 その顛末で、ドイツ国民の500万人が命をおとした。

 ユダヤ人は2000万人が虐殺された。

 

現代の嘘の宣伝手法

 この手法は、現代の拝金主義広告にも政治家の広報活動にも悪用されている。 食品メーカやファーストフード業界は「健康第一」とか言って、体に悪い食品を売りまくっている。CMで何度も何度も「健康第一」と宣伝すれば、洗脳教育として、消費者は信じてしまう。その結果が、日本人だけがガンの罹患数が激増である。現在は二人に一人が癌になる状況である。

 カーメーカーが安全第一と嘘を言い続け、死亡事故を起こし続けたのは三菱自動車である。三菱自動車は、結果として嘘でつながるゴーンと運命を共にしている。それこそ腐れ縁の運命である。

 ゴーンも嘘を言い続け、それが今回のゴーン逮捕で晴天の下に露見した。小川敏と同じく20年近く嘘の方便で日産を経営した。

 エアバッグのタカタは「乗客の安全を守るエアバッグ」と宣伝で嘘を言い続け、破綻した。

 日本の企業は、「人の教育は一番大事だ」と言いながら、年々、企業の社内教育費は下がり続けている。だから日本企業の業績が回復しない。前職の会社でも、「教育は大事だ」と言いながら、不況になると真っ先に教育費を削った。社員教育を担当していた私としては、怒り心頭である。教育で人財が育っていれば、吸収合併されて市場からその名が消えることもなかったはずだ。

 

洗脳教育

 曹洞宗の開祖・道元禅師は「大事なことは耳鳴りするほど聞け」という。トヨタ教では「なぜ何故と5回繰り返せ」である。私が受けた自己啓発セミナーでは、真黒な中で、繰り返し同じ言葉をガンガンと言われる。

 人を洗脳する手法は、皆同じである。それが曹洞宗やトヨタ教のように、良いことならよいが、邪念で使われることには要注意である。

 

 

小川敏のプロパガンダ

 小川敏は言葉巧みに、針小棒大で表現して市民を勘違いさせる。ウソも100回言えば、本当のようになる。現実は大嘘なのに、ああ勘違いである。そうやって小川敏市政は、大垣市を大垣歴史上で過去最大の没落をさせ続けている。

 

実例

大垣は子育て日本一

  実際は、県下一の最貧困教育費の予算しかない。

  実際は、大垣市の児童生徒一人当たりの教育費が県下最低である。

  学校のエアコン設備率が県下最低であった。(2018年)

  大垣市の教職員の年間給与が岐阜市のそれより200万円も低い。

  その資金を自分達の大垣市職員に振り向けた。

  大垣市職員の給与は、岐阜市を抜いて県下一の高さ。

 

大垣市は子供の医療費が無料

 子供は老人と違い、医療費はけた違いに少ない。

 だからそんなことは自慢にならない。詭弁である。

 

大垣は水の都

  実際は治水を放置。

  だから基幹道路の水没が頻繁に起きる。

 

元気ハツラツ市で大垣の活性化

  この愚行で大垣駅前商店街の80%が死滅。

  小川敏に取り入った業者だけが儲かった。

  その愚行を10年間もPDCAを回さず、続けるとは狂気である。

  その結果、大垣経済は、年率1%で没落を続けている。

 

新市庁舎が街の活性化の拠点と宣伝する。

  どこの暇人が役所に観光に行くか。詭弁!

  「大垣市中心市街地活性化計画」は大失敗であった。

  それに味をしめて、「大垣未来ビジョン」で嘘を発表し続ける。

 

市民の安全第一

 ドローン墜落墜落人身事故で、責任を業者に押し付けて、大垣はドローンと逃亡した。小川敏は、説明責任さえ果たしていない。

 危機管理室ができたのは、2018年の台風被害があってから。

 その危機管理室は火葬場より下の位置付けである。

 他市は数10年前から危機管理室がある。

 

小川敏の狂弁

 「対応は短期決戦ではなく長期戦。市民生活や経済を継続的に支えられるよう準備を進めている。子育て日本一のまちとして、子育て支援に重点を置いた施策などを打ち出していく」(『岐阜新聞』2020年4月29日より)

 上記は、2020年4月28日、大垣市議会が小川敏市長に、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、市民を助ける市独自の施策を求める要望書を出した時の小川敏のコメントである。

 現実は「子育て日本一のまちとして、」は大嘘なのに、小川敏は平然と嘘を繰り返している「市民生活や経済を継続的に支えられるよう準備」も大嘘である。現実の大垣市は、過去例がないほどに経済が疲弊している。大垣の地価は小川敏が市長になって19年間で、半分以下になった。他市がリニア景気に沸いているが、大垣市は置いてきぼりを食っている。市内には小川敏へに怨嗟の声が溢れている。

 小川敏のコメントはヒトラーのプロパガンダの手法と同じである。

 

岐阜新聞社の大嘘

 御用新聞の岐阜新聞はそれが嘘と分かっていて、それを公器の新聞紙上に掲載する。共犯である。戦前の新聞は、こうやって国民を騙して戦争に駆り立てていった。当時は戦争を高揚させたほうが、派手で新聞社も儲かるのだ。岐阜新聞は大垣市民を洗脳教育しようとしている。ご用心ご用心。 

Photo  『岐阜新聞』2020年4月29日より

2020-05-23 久志能幾研究所通信 1603  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月22日 (金)

ペンタゴン・ツアー(2/2) 自分の城は自分で守れ

令和の時代のペンタゴン

 令和の語源となった万葉集が詠われたのは奈良・平安時代である。その1400年前でも、国の防衛のため、民が防人として九州に駆り出されていた。万葉集にも防人の歌が多い。

 そもそも国とは、政治と経済と国防の3つから成り立つどれが欠けても、国として成立しない。

 

チベット消滅

 チベットは国を守る軍事力がなかったため、1950年、中国共産党に攻められて消滅した。チベット国民の20%が殺された。日本に換算すると、2000万人が殺されたと同じである。中国共産党により、同一民族間の結婚も禁じられ、中国人との同化が推進され、民族の消滅が図られている。今は、チベット人はモンゴル人とともに要注意民族として、多くの人が強制収容所に入れられている。その一つの目的が、臓器移植のドナーのためである。だから臓器移植のため中国に行けば、3日でドナーが見つかるという。

 

国、都市の消滅

 国にも命がある。第二次世界大戦後に消滅した国は183カ国もある。自分の国の命は自分で守らないと、他国に滅ぼされる。

 都市だって破産する。夕張市も破綻した。自分の城は自分で守らないと、消滅する。今のままでは、896の自治体が消滅しかねないと警告されている。他国が攻めてくるより恐ろしいのは、自分の国の自己崩壊である。

 

己のペンタゴン

 人は、人間力(ご縁)と経済力と免疫力で成り立つ。いくら人間力や経済力があっても、病気に負けたら死んでしまう。それが今回の新型コロナウイルス騒動で再確認された。

 本来ここは一般観光スポットであるが、私はMUSEUM扱いをしたい。ここの訪問は、ワシントン駐在員・T氏の勤める法律事務所を訪問して、氏の推薦とこの事務所から地下鉄で2つ目の駅がペンタゴンであった地理的条件で、急遽行くことに決めた次第である。これもご縁である。

 そのT君も、帰国後、リーマンショックで会社が左前になり、経営層の間違った判断で、事務職までも工場の現場応援に出された。それは「全社一丸となって頑張ろう」という精神論だけの方策であった。要は経営層が合理的な経営が出来ず、危機管理もできず、無能であった。

 ある朝、彼は単身赴任していた寮で冷たくなっていた。哀しい思い出である。私もお通夜に参列して、彼の奥さんと小さなお子さんを見て、かける言葉もなかった。

 ブラックな会社は従業員の健康など、知ったことではないのだ。自分の体は自分で守るしかない。己のペンタゴンを強化するしかない。

 

広報活動としての己のペンタゴン

(正しい)英語が喋れない軍人

 ツアーの案内、説明は軍服が良く似合うカッコいいハンサムな若い将校がしてくれた。この軍人の英語がまるでマシンガンのような(軍人だからしかたがない・・)恐ろしく早い英語と軍関係の英専門用語のため、私の英語力では半分も理解できなかった。自分たちの宣伝をしているくせに、相手へのコミュニケーションの気配りをしない、一方的な押しつけは、軍の自己中心的な態度と通ずるものがあり、思わず納得してしまった。これはツアーの趣旨からは、大きな皮肉である。なにせ相手が恐ろしいペンタゴンであるから、私は黙って聞いていた。

 案内された展示資料は、歴史的な価値が高く、ゆっくり見て廻りたかったが、一方的に広大な建物中を引っ張り回され、ペンタゴン・ツアーは終わった。なにせ、この建物内はこの案内者なしには勝手には歩き回れない。なんと独善的な案内であろうか。

 我々も、正しい日本語が話せているか、自省して他山の石としたい。私がミシガン大学夏季セミナーに参加したいのは、正しい日本語、正しい論理構成を学ぶためである。そのセミナーの後に、私はこのペンタゴンのあるワシントンDCに旅行した。

 仕事人として、〇〇家の人間として、やってきたことを、後進に、子孫に、世に知らしめることは、文化人としての使命である。私は誰にでも、どこででも分かる言葉で伝えたいと思う。

 

有事の砦

 日本はその大事な国防を担う自衛隊が今でも日陰者扱いである。日本は国防を米軍に頼っているが、肝心な時に米軍が助けに来てくれる保証はない。自分の国を守らない日本の為に、米国が自国の青年の血を流すとは思えない。私が大統領でもその判断をする。それをやれば、米国大統領が国民からつるし上げを食らう。米国議会も反対するだろう。トランプ大統領は冷酷なビジネスマンである。米国の利益にならない米軍の日本への派遣はしないだろう。

 だから中国共産党は日本を舐めて、日々、尖閣諸島を虎視眈々と狙って領海侵犯を繰り返している。自衛隊は法律で、総理大臣の許可がないと領空侵犯のジェット機や領海侵犯の船舶に反撃の鉄砲一つ撃てない。それは今までの経緯を見れば明白だ。

 日本にも国民の国防意識向上のため、ペンタゴンのような施設が必用である。私がペンタゴンを見学して、四半世紀が経ち、この原稿を書く段で、その思いを新たにした。トヨタの経営の原則は、「自分の城は自分で守れ」である。

Photo

 

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 中国公船等による尖閣諸島周辺の接続水域内入域及び領海侵入隻数(日毎)

 (平成24年9月以降)

 海上保安庁 (外務省ホームページより)

  

大垣市の有事

 大垣市も小川敏の独裁政治に占領されている。小川敏の無為無策の無能政治で、大垣は滅亡寸前である。大垣だけが、東海地方のリニア景気から置いてきぼりを食っている。

 小川敏が落とした減資爆弾で、大垣の未来はなくなった。投資をしない都市に未来はない。人財に投資をしない都市は消滅である。大垣市民が危機意識を持って、大垣市政を監視しないと、地獄への道を歩んでしまう。

 大垣市民としてのペンタゴン機能とは、市役所への意見の発信、マスコミへの意見の発信、情報の共有化である。

 

2020-05-22 久志能幾研究所通信 1602  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2020年5月21日 (木)

ペンタゴン(米国防総省)ツアー(1/2)

 2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、セキュリティの関係で、このペンタゴン・ツアーは、閉鎖されていた。今はそれが再開されたようだが、テロ以降は更に厳重なセキュリティがなされているようだ。館内は撮影禁止だが、一部のエリアだけは撮影が許可されている。

 下記は、私が1994年8月9日に見学した時の記録である。

 1994.08.15初稿

 

ペンタゴン・ツアー

 ワシントンDCのペンタゴンは、知的観光スポットとしてお勧めである。貴方が飛行機マニア・歴史マニアなら特にお勧めである。ただし現在、一般のツアーは新型コロナウイルスの関係で閉鎖中である。

 地下鉄PENTAGON駅で下車し、エスカレータを上がるとそこが世界最大の官庁としてのペンタゴン地下一階ゲートである。スミソニアン博物館群から地下鉄で10分の距離にある。ここの見学はペンタゴン・ツアーに参加すればよい(当時)。

 このペンタゴン・ツアーはペンタゴンのPR活動の一環として実施されているので無料で、30分毎にスタートし、所要時間は約1時間である。このペンタゴン・ツアーに参加するためには、受付でパスポートを見せて名前を登録して申込み、ツアー・スタート時に胸に黄色いIDカードを着け、持物のX線透視検査、金属探知機のゲートチェック(飛行機搭乗時のチェックと同じ)を受けてなくては、ペンタゴン内の機密の建物に入れない。

 このペンタゴンの廊下の総延長距離が28㎞に達することを見れば、いかに巨大な建物で、なぜ世界最大の官庁と言われるのかが理解できる。構造的には地下1階、地上4階建てで、特徴の五角形の一辺は281m、5重の構造となっている。巨大とはいえ、この建物内のどの2点をとっても、7分で行き来できるように合理的な設計がされている。

 実際は、地下ゲートから入って中を歩き回り、地下ゲートから出てきたので、実際の建物の外観を見ていないため実際の巨大さが身近に感じられなかった。是非、外からこの建物を見ることを勧める。

 ペンタゴンの5角形の一辺281mの長く広い廊下を電動車椅子に乗った士官がかなりのスピードで走り回っていてたのは、いかにもアメリカ的軍部オフィスを認識させれた。またこの廊下を電動リフトも走り回っていて、軍部工場という趣がある。この電動リフトが走り廻れるほど広い廊下であることも注目の点。

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 ペンタゴン全景  ペンタゴンの広報資料より

 

  表⒌1  ペンタゴンの建物規模を示すデータ

  建物          地上4階、地下1階

  廊下の総延長距離      28 Km

  5角形の一辺長       281 m  (建物一周1405m)

  総床面積        610,000 ㎡  

  トイレの数           280 ケ

  時計の数           4200 ケ

  電話の通話       200,000 回/日

  郵便物         130,000 通/日

  働く人員        23,000 人

  建物内の食堂で働く人員   600 人

 

美術館として

 ペンタゴンの長い廊下の両側に、歴代大統領・将軍・軍人の肖像画、飛行機・艦船の絵画・模型、戦争の絵・軍旗、アメリカの各州の昔の旗、勲章、戦争の歴史が、無駄なスペースなしに展示してある。その膨大な数には圧倒される。その総数は、案内の軍人に聞いても明確な回答は得られなかった。おそらく1000余の数にのぼると想像される。この膨大なコレクション数から、まるで米国戦争MUSEUMの趣がある。途中の小部屋で、10分程のペンタゴン建設の歴史映画も上映される。

     写真⒌1  廊下の絵画

 

 このペンタゴン・ツアーの趣旨は,あくまでも軍部がいかにお国のために役立っているかの軍部の自己宣伝活動であって、税金の無駄遣いの言い訳も含む事を認識して説明を聞くと面白い。あくまでも戦争の正しい面、カッコいい面のみを展示している。

 例えば、MILITALY WOMEM(軍事婦人)のコーナがあるが、これは米女性がいかに軍隊で活躍したかの歴史、実績の展示であって、赤十字の看護婦さんの称賛コーナでないところがミソである。

 

日本の降伏調印式

 また、1945年、米軍艦ミズリー号上で調印された日本の降伏調印書が、原爆の写真の下に誇らしげに展示してある。重光葵日本国全権代表の直筆の漢字サインは、嫌でも日本人の私には目に飛び込んでくる。重光葵氏は城山三郎著『マリコ』に登場するあの重光氏である。私にはこの原爆の写真が、この行為を正当化するための説明としか見えなかった。

 また真珠湾攻撃の当時の新聞を3紙も展示して、だまし討ちのアピールをシッカリ表示している。戦争に関する展示で、新聞まで動員して紹介しているのはパールハーバ攻撃のみである。また、同じような新聞を数紙も(科学工業英語手法で言う拙い「冗長」さ)誇示している。一つではデータとして少なすぎるが、この3つは多すぎる。私は3紙も展示する必要はないと思う。私にはこの戦争のかなりの部分が、FBIの得意技のおとり捜査の戦争版にしか思えない。現在公開された歴史の資料とこの展示から見て、世で言われている常識的な見解の一つで決して過激ではないと思うのですが・・。

 

戦争賛美の例

 米国史上で、真珠湾攻撃は、唯一の直接本土に戦争を仕掛けられた事例なのでその扱いは特別である。このスケールの違う国に世界史上で唯一、宣戦布告をし、なおかつ当初は勝ってしまった旧軍部はエライと思う(米国が仕掛けた戦争はあっても、宣戦布告をしたのは日本のみ)。無知は人間を実に大胆にしてくれる。またドイツ降伏後の一時期は全世界を相手に戦ったこと。そして、勝っていればせしめえた戦争賠償金を、復興援助金の名目で米国からせしめて、戦前はできなかった高度経済成長をなし遂げた賢こさ。3K業務の軍事を、安保条約で米軍に下請けに出して経費を節約した国としてのVAである。ここまで、見とおして戦争を始めたのなら旧日本軍部は立派・・? 生物は死ぬことで、必要な成長を果たすことがある。例えば人間の手は、受精後の細胞分裂の途中で手の間の組織が死ぬことで指が形成される。旧日本軍部は死ぬことで日本発展の礎となった?

 

戦後の歴史の皮肉

 (下記は1994年頃の経済状況で記述)

 第二次世界対戦後の50年に及ぶ長期経済戦争に負けた(?)米国は、荒廃した精神の安定に日本の禅を求め、肥満しすぎた人間の多さに手を焼いた米保健局が理想の健康食として日本食を推奨し、不況に直面した米産業界の期待を背負った大統領が米財界のツアコンとして日本に製品の売り込み陳情にくるし、米国の国債も有名ビルも日本に買ってもらっているし、と大変な時代になったは現代史の大いなる皮肉?

 最近(1994年ころ)の米高校生意識調査で、日米が50年前に戦争をしたことを知らない米高校生の割合がかなり多いという調査データが新聞に載っていた。「で、どちらが勝ったの?」とはある米高校生の質問。

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マッカーサー元帥

 この第2次世界大戦の記録コーナは、このツアーコースの最後から数えて2つ目の場所である。ここのしんがりにマッカーサー元帥の胸像が展示されていて、氏の功績を讃えている。氏と同じ背の高さにしてある胸像から見て、意外と背の低い氏にびっくり。米国人にしてはそんなに大きくない案内の軍人が、胸像の横に立ち、私とそんな背の差がないのですよとおどけてみせた。ユーモアは分かるが、軍人は知性あるユーモアに欠ける。

 

勲章のコーナ

ツアー最後のコーナは米軍で最高の勲章を貰った軍人のネームプレートが部屋の壁に一杯展示された場所。軍人にとって、勲章は最大の関心事かもしれないが、一般人にはそう馴染みのない受賞者の名だけを展示したコーナは興味が起こらない。それをかなりの時間をかけて説明するのは軍の独りよがりではないかと疑問に思った。

 

戦勝国としてのペンタゴン

 はて? ベトナム戦争の記録コーナはどこにあったのだっけ? そう言えば、この戦争では米国が勝てなかっんだっけ・・・。それですっ飛ばしたのかな? ここの展示には、人類に戦争の反省を促すような展示は一切ない。あくまでも軍のPRが主目的である。その点のクライテリア(基準)は明確で気持ちがいい!?

 スミソニアンの米国歴史博物館は戦争の反省としての展示思想で展開されている。ペンタゴンは自己PRを主体とした展示思想で展開されている。その大きな格差は、情報伝達としての博物館のコミュニケーション手法の特徴が明確になる。このペンタゴンは、その反面教師的意味からお勧めの観光スポットである。 MILITALY人は自己を冷静に観る姿勢が足りない。観リ足リんツアーでした。

 

ツアーの横道

 ツアーで建物を歩いている時、かなりの士官の部屋をドア越しに眺めることができた。各部屋には大きな飛行機の絵(海軍のセクションは帆船、軍艦等の船の絵)が1~2枚かかっていたのが目についた。見た部屋の総てに立派な大きな絵(私が思わず盗んでしまいたくなるほどカッコいい絵)があったのは注目に値する。部屋の雰囲気を出すには最高であるが・・・。ここの膨大な各部屋がこれと同じだとすると、これは大いなる税金の無駄遣いと思うのは貧乏人? この無駄遣いが回り回って日本の円高の遠因になってはいまいかと、要らぬ心配までさせられる。一部の秘書の部屋に、ミッキーマウスの大きなポスターが飾ってあったのには思わずニヤリである。

 元々、軍用機は殺人兵器であるが、純粋なインダストリアルデザインの視点で私は好きである。この観点での軍用機の芸術的絵画は眺めていてもあきがこない。垂涎の絵が多くあったが、ゆっくり見ていられなかったのが残念であった。これらの資料、絵画はMUSEUMとして独立させてしかるべき、価値の高いものであった。この閉鎖された建物に置くべきではないと思う。

 

 最後に、案内者の名SPC BOWDEN U.S.ARMYの入ったアンケート葉書を配付してくれたのには感心した。米国では、新聞の署名記事のように各行動に責任の所在が明確で気持ちが良い。彼の名誉のために言っておくと、米国人相手では満点の案内者でした。確かに税金も払っていない、旧敵国で現在は経済戦争の当事国の旅行者に媚を売る必要はあるまい。

 

2020-05-21 久志能幾研究所通信 1601  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2020年5月20日 (水)

カテゴリー追加 m-美術館・博物館巡り

 今まで、私は海外の美術館・博物館を80か所以上見学してきた。その記録を少しずつ再編集して掲載します。それの発端は、先日、保存してあったフィルムを思い切ってカメラ店でデジタル化してもらったら、当時の想い出が沸き起こってきたことにある。

 残念なことに、海外の美術館・博物館には名画はなかった。有名美術館には世の評価での名画は多かったが、私の基準に合格する名画はなかった。

 

名画とは

 私が名画とする基準は、捕まってもいいから、盗んで来たくなる絵である。しかし世界の美術館に飾ってある絵では、大きすぎ、威圧感があり過ぎる絵ばかりである。ヨーロッパの中世の絵では暗すぎて飾る気になれない。

 また盗んできても、ウサギ小屋の自宅には飾れない。まさか8畳の居間に100号の絵は飾れない。

 幸いなことに、私の基準に合致する名画が世界の美術館になかったので、捕まらなくて済んだ(?)

 

裏話

 画家も展覧会に出す絵は、100号くらいの大きなサイズの絵でないと評価されないので、そのサイズで描く。その絵が入選して、どこかの美術館が買ってくれればよいが、落選では自宅に持ち帰らねばならぬ。そんな絵が増えると、マンションの一室を借りて保管せねばならぬ。思わぬ出費である。画家業も楽ではない。

 

2020-05-20 久志能幾研究所通信 1600  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

自分は歴史の駅伝走者

 お金(体、時間、命、ご縁)は、神仏・ご先祖様よりの一時的な預かりもの。それを有効に使うのも、無為に使うのも全て己の人格レベルがなせること。

 己の後姿を神仏のお目付けとして、子供・部下・世間が見つめる。それでその家・組織の興亡が決まる。

 三田圭子、「みのもんた」の息子の不祥事がその良い例である。

 小川敏の後姿を見て、部下は動く。だから大垣市は没落した。

 今の己の姿がご先祖の功徳の積分値である。だから人生の興亡は誰のせいでもない。自分の役割は、連綿と続くご先祖からの駅伝走者である。自分が走る走る区間が、現代史である。

 ご縁ができたら、自分のため、家族のため、国のため、そのご縁を活かせ。それが御恩返しである。

                2014年1月26日 初稿

 

2020-05-20 久志能幾研究所通信 1599  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。