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2019年6月 6日 (木)

仕事の報酬は何か?

「どんな報酬を欲しいですか?」

 これは、「修身」の講義で、私が新人にする大事な質問の一つである。

 

仕事の報酬

 仕事の報酬はお金でも、役職でも、地位でもない。仕事の報酬は仕事である。良い仕事をすれば、その能力に見合ったもっと高度な仕事が与えられる。その反対は、窓際族として「仕事なし」である。仕事がないほど、会社勤めで辛いことはない。

 私も一時閑職に追いやられ、周りが忙しそうに走り回っている姿を見せつけられ、鬱になりかけた。それほど仕事がないとは、危険な状態である。

 部下を辞めさせたかったら、仕事を与えないことだ。忙しいくらいに仕事を与えると、人は決して辞めない。

 問題は、会社では、忙しすぎるか、全く仕事がないの状態しかなく、程よい忙しさが存在しないこと。世の矛盾である。営利団体でないお役所は、閑でもやっていける天国である。

 

失業問題

 失業問題での一番の問題は、人間の尊厳にかかわることだ。だから、就職せず、引きこもりが原因で、2019年5月28日、川崎市で登校中の児童や保護者20人を殺傷し、自ら命を絶った岩崎隆一容疑者(51)事件が起きる。また元農林水産省事務次官の熊沢英昭の息子が引きこもりで、親に暴力を振って、事件の発生を恐れた熊沢氏が、息子を刺殺する事件が起きるのだ。殺された息子(44)は、就職もせず、家にこもりがちでゲームをしていた。口癖のように「俺の人生は何なんだ」ぶっ殺すぞ」と大声を上げていたという。仕事に就かないと、社会から断絶されたと思い込み、絶望感に襲われ、自暴自棄になるのだ。

 ローマ時代のカエサルは、この問題を良く理解しており、兵役で失業問題を解決して、ローマを繁栄に導いた。

 

仕事とは

 仕事が出来るようになるには、たくさんの経験をする。たくさんの失敗をする。多くの人に出会う。そうするとご縁が集り、多くの仕事ができる。

 The more input , the more output  (後藤悦夫師)

 栄えるには先ず根を育てる。根が育てばおのずと幹は育つ。

 

 あなたが社長で、右腕を選ぶなら、「数多くの経験をした人」と「経験の少ない人」とどちらを選ぶ? 答えは自ずと明らかである。報酬は後から追いかけてくるのだ。

 

 仕事が自分を成長させてくれる。土で出来た人間の体は、何時かは土に還る。生きている間に、その器に何を入れて、加熱して、昇華するかが問われる。

 死後に残るのは、仕事の実績だけである。お金ではない。お金はあの世に持って行けない。新入社員の貴方は、38年後、何を残して会社を去るのか。貴方は、60年後、何をこの世に遺して、あの世に逝くのか。

 ゴーン被告のように、金に執着すれば、汚名だけが残る。

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  成長モデル

 

2019-06-06   久志能幾研究所通信 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2019年6月 3日 (月)

「人生航路で沈没」を防ぐ智慧の力

 人生航路で沈没しないためには、押し寄せる荒波に対して復元力をもつことだ。大きな波を受けて船が右左に傾くのは自然である。それを無理に踏ん張るから、沈没する。大波を受けて傾いても、柳のように受け止めて、元に戻る力を持てばよい。それを受け流す智慧がなくて踏ん張るから、さらに傾いて沈没する。

 

コンプライアンスとはなにか?

 コンプライアンスとは、遵法精神とも訳される。しかしコンプライアンスの源義は、機械用語である。剛性とは、ばねを1キロの加重を与えて、バネが撓んだ値である。つまりばねの強さである。その逆数がコンプライアンスである。式に表すと下記になる。

 コンプライアンス=1/剛性(μm/F)

 コンプライアンスとは、ある入力の値の力に対して、どれだけ撓むか、踏ん張れるかを表す式である。

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具体例

 船の設計では何が一番大切か?

 パワーステアリングを設計する場合、何が一番大切か? 

 人生航路で、何を重視するか? すべて同じ問題である。

 

 船がどんな波の力を受けようと、それに踏ん張る力があれば、耐えられる。それがなければ、柳のように受け流せばよい。それが復元力である。

 パワーステアリングで一番難しい設計要素は、真っすぐに走る操舵能力である。曲がるのは簡単だ。しかし道路のノイズである石ころや凹み等に邪魔されて、真っすぐに走るのが難しいのだ。道路の凸凹に影響されず、真っすぐに走る能力が、パワーステアリングに求められる。

 人生で試練を受けても、それに影響されず目標地に向かって突き進む能力のを表す言葉がコンプライアンス値である。賄賂を提示され、それで筋を曲げてしまえば、その賄賂金額がその人のコンプライアンス値である。それを高い値で持つことだ。それが難しければ、それを受け流す知恵を持つことだ。しかし、基礎体力としてコンプライアンスを高める努力は、人生で必要である。 

 

WASA号という事例

 WASA号は、1625年、スウェーデン国王 Gustavus Ⅱ世 Adolphus の命により建造を開始し、1628年に完成した。当時、世界最大の戦艦。

 排水量   1300 トン

 大砲     64 門

 乗員      435 人

 全長    61 m

 全幅       4.7 m

 全高       51 m

Photo_2 ヴァ―サ号博物館パンフレットより

 

ヴァーサ号博物館 見学記

 ヴァーサ号は、1628年に当時世界最大の木造戦艦として製造された。その約100 年前の1521年にスウェーデン貴族のグスタフ・ヴァーサがスウェーデンを建国し、1523年に王位に就いた。1630年に、ヴァーサ国王の孫グスタフ2世アドルフが、リボリアを征服し、ドイツの新教徒を保護するという名目で、ドイツに侵攻して、第3期30年戦争(スウェーデン戦争)を引き起こした。その後スウェーデンは領土を拡大して、大国時代を迎えることになる。当時スウェーデンは列強に伍し、その勢力拡大を計っていた。ただそれは長くは続かなかった。ヴァーサ号はその時代の戦艦である。その時日本は、やっと関が原の戦いが終わって、徳川の時代になったばかりである。当時の世界で、軍事大国で科学技術の先進国であったのがスウェーデンである。スウェーデンは、なんとドイツに戦争を仕掛けた歴史ある国でもある。かつ国王の名が、「アドロフ」には歴史の因縁を感じる。

 しかしヴァーサ号は設計ミスのため(頭でっかちの不安定構成)、1628年8月10日にストックホルム港から処女航海に出たところ、港湾を出る前に突風に会い、転覆沈没してしまった。大砲の積み過ぎが原因とも言われる。この点で、歴史的な名戦艦である。戦わずに平和的に?沈んだのだから、いかにも未来の平和国家スウェーデンを予見するようなエピソードと言える。とはいえ世界最大の戦艦を建造するとは、スウェーデンは当時の軍事大国であった。

 

 この艦は1961年に334 年ぶりに、水深31mの海底から引き上げられて修復され、現在はヴァーサ号博物館として展示されている。なにせ、沈んだ場所は分かっていたが、技術的な問題でこの時まで、引き上げることが出来なかったとか。極寒のバルト海の底に沈んでいたため、木造艦といってもあまり腐食もせず、原型をほぼ止めており、当時のスウェーデン黄金時代としての艦船装飾、彫刻像、備品等がつぶさに見えて、歴史的な鑑賞には興味深い。だだし、古い木造艦のため、暗く湿っぽい雰囲気はそんなにも楽しいものではない。

 

人生の沈没防止

 ヴァ―サ号は設計ミスで頭でっかちの構造だったのだ。象徴的なメッセージである。人生では、頭でっかちの人間が沈没する。人生では知識より智慧が重要なのだ。智慧が人生の沈没を防いでくれる。

 

人生の安定性

 人生で障害に出会って傾いても、沈没せず復元力があることが大事である。そのために平常心(揺れない心)、常を大切にする心が大事である。障害に出会って揺れてもいいのだ。揺れたら、元に戻る力を持てばよいのだ。

 その心は、準備、実行、後始末、整理整頓(6S)、危機管理から生まれる。

 

アンタは、なんぼで堕ちるんや

 遵法精神というコンプライアンスとは、己が提示された賄賂金額で、曲がるかどうかの値段の意味である。100万円で違法行為を許容すれば、己のコンプライアンス値は100万円である。違法行為に対して、せめて100兆円くらいのコンプライアンス値を持ちたいもの。国家予算と同じだけの金があれば、日本を変えることが出来る。

 

2019-06-03   久志能幾研究所通信 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2019年5月31日 (金)

修身講座で、落し穴に落す快感

働く目的 

 「修身」の講義の冒頭で、私は新入社員の技術者たちに「君たちは何のために働くのか?」と質問する。答えは決まって、

「ハイ、お金のためです」「生活のためです」である。

 「では」と、私は追い打ちをかける。「計算を単純化するため、年間1千万円の給与とすると、10年間で1億円である。30年間働くとすると、合計3億円の金が貰える。奮発してそれを6億円としよう。今、その金を貰えたら、どうするのか? それでも働くのか?」 その返答が面白い

「会社を辞めます」、「遊びます」、「趣味の世界に没頭します」

 しめしめ、相手は落とし穴に落ちたと私は、ほくそ笑む。

 さらに追い打ちをかける。「ではその趣味(ゴルフ、旅行、映画、テニス、ゲーム等)だけに毎日、8時間、30年間も没頭できるのか?」

 新入社員の相手は返答に困ってしまい、逃げで

「まず貯金をして、働きます」である。少し骨のある子は「事業を始めます」である。やはり働くのではないかと、私は笑いで質問を終える。

 これは当初の意図通りにシナリオで、講師冥利に尽きるオープニングである。

 

趣味と仕事の差

 趣味は、仕事の合間に気晴らしでやるから面白い。それを連続1週間もやれば、苦痛になり、最後は地獄である。いくら囲碁が好きでも、プロでないと1週間、連続では打てない。どんな趣味でも同じである。囲碁が仕事なら、それは別である。

 それに対して、仕事はやればやるほど面白くなる。仕事に命を懸けるほど集中すると、報酬は二の次になる。それが趣味と仕事の違いある。

 あるプロゴルファーは成績が伸び悩んでいて苦しんでいた。それで試合の懸賞金の何パーセントかを、ある施設に寄付することにしたら、それが目標になって、トップクラスのプロになったという。人を喜ばせる善意の行為が人にモチベーションを与えたのだ。

 

誰のために働くか 

 利己的な目的で働き、ある程度の成功を修めると、そこで活動が止まってしまいがちである。モチベーションが続かないのだ。ところが組織の為、お国の為等の大義があると、それの限度は無限となる。人・組織への奉仕や人に喜びを与える仕事には遣り甲斐がある。

 

仕事の意味は何か? 

 仕事を通して自分の成長である。お金を払っても、難しい仕事に取り組んで、自分を成長させるべきなのだ。後から仏様のご褒美でお金はついてくる。多くの人は、そのお金を目的に働くから、幸せになれない。それではお金の奴隷になってしまう。

 

生きるために働くのか?  働くために生きるのか?

 生きる目的はなにか、働く目的はなにかを自身に問いたい。働くとは、生きること。「生きる」と「働く」とが別々にあるのではない。両者一体で、表裏の関係である。

 働くとは、仕事を通して自分の能力・魂を磨くこと。仕事をするとは社会に価値を作り出すこと。人に命令されてやっているだけなら、また生きる為だけなら、動物と同じ次元である。それは生きているのでなく、生きながらえているだけである。それは、脳死状態の植物人間が、生命維持装置で生かされているのと同じである。

 

アインシュタインの言葉

 1922年、アインシュタインが来日して日本の学生たちと対談したとき、一人の学生が「人間は何のために生きているのですか?」と質問した。

 アインシュタインは「そんなことも分からないんですか。人を喜ばせるためです」と呆れたように答えたという。

 

2019-05-31   久志能幾研究所通信 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

現代の「修身」を学ぶ目的

 修身を学ぶ目的は、自分がよく死ぬため(=よく生きるため)である。修身とは、人生の品質向上(自己の付加価値創造)である。人生で創る作品とは、自分自身の生き様である。鑑定士・中島誠之助から「いい仕事をしてますね!」と言われる人生を目指せ。

 

全ての事象には死がある

 「死」とは人生の定年である。命、人事異動、転職、プロジェクトの終結等、全ての事象には終結がある。その時、人間として生き方が明確でないと、死に臨んでじたばたする。

 

品質向上

 死に臨んで、人生の虚しさで後悔しないために、修身を学ぶ。人間として人間らしく生きるため、心の充実を図るために、修身を学ぶ。

 故河村義子先生は、死期に臨んで、最期までピアニストとして生きた。素晴らしい生き方を我々に教えてくれた。

 

危機管理

 危機管理として、自分・家族・組織が不幸にならないために「修身」を学ぶ。自分が悲惨な死を遂げないために「修身」を学ぶ。

 修身を学ばないから、定年離婚、鬱病、自殺、定年後に生ける屍となってしまう。それを教えてもらっていないので、2019年5月28日の川崎市多摩区の凄惨な無差別刺殺事件、2008年の秋葉原通り魔事件、凄惨な少年の殺人事件等、孫の親殺し、親の子殺し等が頻発する。

 

良く働いた一日が安らかな眠りを誘うように、良く生きた人生は安らかな死を得る(ゲーテ)

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   馬場恵峰書 「佐藤一斎著「言志四録」五十一選訓集」

 久志能幾研究所刊

 

2019-05-19   久志能幾研究所通信 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2019年5月30日 (木)

修身とは何か

 2019年5月28日の川崎市多摩区の凄惨な無差別刺殺事件、2008年の秋葉原通り魔事件、凄惨な少年の殺人事件等、孫の親殺し、親の子殺し、役人のモラル破綻、企業人の拝金主義の氾濫を見ると、日本人の精神がおかしくなっているようだ。

 2019年5月26日の仙台国際音楽コンクールでのアリーナ席の封鎖事件も、日本人の道徳心の衰退の証しである。

 

経緯

 2000年、私が技術管理部門に異動になり、技術管理と新人技術者教育を担当した。私は当時の社会の風潮に危機感を抱き、新人技術者教育システムを立ち上げた時、「修身」の講義も追加して始めた。当時は周りから変な目で見られていたようだ。しかし受講者には好評であった。その講座を黙ってやらせてくれた当時の上司は偉いと思う。

 

修身の歴史

 昔の修身は、イギリス等の宗教教育から派生した国家統治のための教育であった。海外でも産業革命以降に個人主義や自由主義、物質主義の考えが増える中で、いかに不良少年少女を減らすかが課題となった。

 明治期に、モラルサイヤンス (moral science) を「修身論」と翻訳したのは福澤諭吉・小幡篤次郎などの慶應義塾関係者である。(修身論の原著は、en:Francis Wayland, The Elements of Moral Science, (1835,1856 ed.)

 

米国の恐怖心

 修身の教育は、米国占領軍が日本の軍国主義化の復活を恐れてその教育を禁止した。強靱で勤勉で天皇のために命を捧げる日本人の精神を恐れ、日本の復興を恐れた米国が、日本人の精神を骨抜きにするため占領政策の一環として禁止した。

 占領軍は、全国の小学校の校庭から修身の象徴であった二宮金次郎像を撤去した。それだけ米国は、日本の復活を恐れていたのだ。特に特攻、玉砕で、殺しても殺しても向かってくる日本兵に戦慄したのだ。それで精神がおかしくなり、後方に送られる米軍兵士が続発した。だから二宮金次郎までもが排除対象とされた。

 しかし、二宮金次郎は、業務改革のリーダーで、服部家を再建した業務改革の経営者であった。彼は小田原藩の財政建て直しで手腕を発揮した。だから二宮金次郎像の撤去はとんだお門違いであった。勤勉と合理的経営の何が悪いのか。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の様である。

Photo   二宮金次郎像

 

現代の修身

 今、日本では修身という基礎教育を見直すべきではないか。拝金主義、グローバル経済主義に侵された日本は、精神を建て直さないと、日本の復活はない。

 昔の修身は、第二次世界大戦前には「修身」が筆頭教科に位置付けられ、戦後、GHQは国史・地理と並んで、修身を軍国主義教育とみなし、授業を禁止した。1958年、道徳教育として、逆コースの流れの中で、理性ある社会人を育てる「道徳」として復活している。

 しかし、それが何故かかったるいのだ。教える教師の熱意が足りないのだ。だから日本人の精神の劣化が止らない。その理由は、現代の社会から遊離した教育方法であるからだ。子供よりも、堕落した親の教育が必要なのだ。私は、せめて会社で新人からと思い、講座を始めた。私はそのための試行として、新人技術者教育で「修身」を開始した。それを吸収合併されるまで4年間続けた。その後は、拝金主義の上司により、講義は禁止された。 

 

修身(平成20年の解釈)

  1. 自分の行いを正し、身をおさめととのえること。
  2. 旧制の小・中学校の教科目の一。天皇への忠節新の涵養を軸に、孝行・従順・勤勉などの徳目を教育。1880年(明治13)以降重視され、第二次大戦後廃止。

○修身斉家治国平天下

[大学]天下を治めるには、まず自分の身を修め、次に家庭を平和にし、次に国を治め、次に天下を治める順序に従わなければならぬの意。

 「広辞苑」 第6版 2008年(平成20年)1月11日

 

修身(昭和30年の解釈)

①自分の行いに就いて、悪を改め善に進むように身をおさめととのえること。

②旧制の小・中学校の教科目の一。国民道徳の実践、徳性の涵養を自覚させることを目的としたもの。昭和20年連合国軍総司令部の指令よってその教授は停止された。

○修身斉家治国平天下

[大学]天下を治めるには、まず自分の身を修め、次に家庭を平和にし、次に国を治め、次に天下を治める順序に従わなければならぬの意。

「広辞苑」  第1版 昭和30年(1955年)

終戦後10年の広辞苑の表現は現代の広辞苑と表現のユニアンスが微妙に違う。

 

各国のモラル教育比較

         日本           英国      フランス     米国

理想  良き日本人  ジェントルマン シトワイアン アメリカンドリーム体現者

目的  子孫繁栄・皇運扶翼  天国での永遠の命  自由、平等、友愛 幸福追求

 

2019-05-30   久志能幾研究所通信 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2019年2月27日 (水)

「修身」とは何か

修身とは、人として、当たり前のこと(孝行、勤勉、節約)を当たり前に、なすことである。自分の身を修め、家庭とご先祖を大事にして、国を治める。それが戦後、禁止された。それのどこがいけないのか。

修身で、天皇への忠誠心の前面に出したのは行き過ぎだが、孝行、従順、勤勉の象徴の二宮尊徳の崇拝は日本人の美徳として継続されるべきものだ

太平洋戦争中は、家族、家のために命を捧げる特攻、玉砕の戦闘行為に、米軍は恐怖の淵に落とされた。日本の特攻を受け、精神的に病んで、本国に送り返されえた米兵も多かったという。欧米の考えでは、3割も戦死すれば白旗を上げるのが常識なのに、殺しても殺しても玉砕まで戦ってくる日本兵は、戦慄の悪魔に見えたのだろう。今のISの自爆テロよりも怖ろしかったはず。

米国は、日本軍の恐ろしさを骨の髄まで感じて、修身の教育を禁止して、二度と米国に日本が歯向かえないように、日本精神を骨抜きにする施策に狂騒した。それが50年たって、ボディブローのように効いてきて、「日本狂セリ」のような状況となった。我々は、「日本狂セリ」との状況になった真因を探り、その対策をとらねば、日本の再建はない。

 

終戦後10年の広辞苑の「修身」の解釈表現は、現代の広辞苑と表現のユニアンスが微妙に違う。

【修身】(戦前の解釈)

=自分の行いを正し、身をおさめととのえること。

旧制の学校の教科の一。天皇への忠誠心の涵養を軸に、孝行・柔順・勤勉などの徳目を教育。1880年(明治13)以降重視され、第二次大戦後廃止。

―斉家治国平天下

 

○修身斉家治国平天下

[大学]天下を治めるには、まず自分の身を修め、次に家庭を平和にし、次に国を治め、次に天下を治める順序に従わなければならない。(「広辞苑」第5版)

 

太平洋戦争後の占領軍の施策

・占領軍が日本の軍国主義化の復活を恐れて「修身」教育を禁止、

・強靱で勤勉な日本の復興を恐れた米国が、日本人の精神を骨抜きにするため占領政策の一環として禁止。

・占領軍が全国の小学校の校庭から修身の象徴であった二宮金次郎像を撤去。

 二宮金次郎は、実際は業務改革のリーダであった(服部家の再建,小田原藩の財政建て直しで手腕を発揮)。

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【修身】(戦後の解釈)

 ・ 自分の行いに就いて、悪を改め善に進むように身をおさめととのえること。

 ・旧制の小・中学校の教科目の一。国民道徳の実践、徳性の涵養を自覚させることを目的としたもの。昭和20年連合国軍総司令部の指令よってその教授は停止された。

 

○修身斉家治国平天下

 [大学]天下を治めるには、まず自分の身を修め、次に家庭を平和にし、次に国を治め、次に天下を治める順序に従わなければならぬの意。

     「広辞苑」 第1版 昭和30年(1995年)

 

2019-02-27  久志能幾研究所 小田泰仙

 著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2019年2月24日 (日)

日本狂セリ

下記のような現代日本の風潮で、日本人の人格が荒廃している。何故、こんなことが起きるのか。原因は日本人精神の劣化である。それは、日本の戦いぶりに恐怖を感じたアメリカが、日本が二度と米国に立ち向かわないようにと占領軍(GHQ)が仕組んだ、日本人に戦争責任は全て日本(戦争犯罪罪悪感植え付けプログラム=war guilty progrum)のせいなのだ。日本人はそれで自虐的になり、日本人としての誇りを失った。そのお先棒を担いだのは朝日、NHKを先頭としたマスコミである。それの効果があまりに効きすぎて、現在のモラル崩壊になっている。

 

 親の子殺し

 子供の親殺し

 若者による凄惨な殺人事件の多発

 陰鬱ないじめの増加

 自殺者3万人越えが10年も続く

  減ったといっても3万人近い人が自殺する現象は続いている。

左翼野党議員が国を貶める言動を繰り返す

  なぜサヨクは中韓の肩を持ち、日本国を貶めるのか。

そんなに中韓がいいなら移民すればよいのに、それはしない。

 フェイクニュースの横行

  金儲けのためなら、恥も外聞もない。朝日が良い例

若者のガン増加、全体でガンの増加

企業の金儲け主義で、農薬・食品の野放しが原因と推定

なぜ欧米で禁止のトランクス酸のマーガリンの規制がないのか。

なぜ人口甘味料だらけの飲料水のCМの規制がないのか。

日本のことを考えない利権役人の氾濫

 

 拝金主義の経営者の氾濫

  もうかれば、反社会的なことでもやるのか。

 名門大企業で不祥事多発

  エリートの経営者自身が、モラル崩壊である。

 

 学級崩壊

  親の子共へのしつけ教育が崩壊したのだ。

  子供よりも親が劣化したのだ。

 親の凶暴化

  なんでもクレームをつける親が教師を委縮させている。

 墓の風化、法事の風化

ご先祖を敬う精神の荒廃。家の崩壊。

 煽り運転

  モラルの崩壊

 女性が人前でお化粧

  日本人のたしなみを忘れている

 グルメ痴行の氾濫

  痴呆的に、うまいうまいという顔を見せて恥ずかしくないのか。

  教養ある人は、人に食べる姿をさらしませんぞ。

食べ物を粗末にする番組の横行

   勿体ないの精神の荒廃

金儲けのためなら羞恥心を捨てる。

 愚劣ワイドショーの氾濫

  品格のないおバカタレントの横行

   そんな番組を見るアホがいるから繁殖する。

それを許容するから日本人がアホになった。

アホずらのタレントから事件の講釈など聞きたくない。

昼間から、よろめきドラマ、殺人事件ドラマの氾濫

  人を殺しても何の違和感を持たない人間を製造

        金儲けのためなら、人殺しの場面を利用するのか

ポケモンGОに我を忘れる愚か者達の氾濫

ポケモン探しを邪魔されたと警官に殴って逮捕されるものまで出る始末

お世話になっても礼状を書かない、電話で済ませる

  日本人の礼は失われた

 

最大の敵

 我々は、北朝鮮の核も中国からの侵略の恐れも、ゴキブリ?(私は苦手)も恐れることはない。我々が日本人としてのアイデンティティを失わなければ、全員で一致一丸となって、そんな危機は打破できる。しかし、日本人としてのアイデンティティが、失われれば、日本は内部崩壊してしまう。一番怖い敵は、外部ではなく内部なのだ。現在のように、そのアイデンティティが崩壊ししつつあるのは大危機なのだ。

 

「修身」を新設

私はこの問題に、一燈を掲げて暗夜を行くつもりで、取り組みたい。今後、日本人の精神修養の根本であった「修身」について記述を進める。カテゴリーで「i-修身」を新設します。

 

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馬場恵峰書 2019年、岩村へ寄贈

新戸部八州男氏の寄贈

18×78×3cm、栗の木

 

2019-02-24  久志能幾研究所 小田泰仙

 著作権の関係で、無断引用を禁止します。