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2019年6月 6日 (木)

仕事の報酬は何か?

「どんな報酬を欲しいですか?」

 これは、「修身」の講義で、私が新人にする大事な質問の一つである。

 

仕事の報酬

 仕事の報酬はお金でも、役職でも、地位でもない。仕事の報酬は仕事である。良い仕事をすれば、その能力に見合ったもっと高度な仕事が与えられる。その反対は、窓際族として「仕事なし」である。仕事がないほど、会社勤めで辛いことはない。

 私も一時閑職に追いやられ、周りが忙しそうに走り回っている姿を見せつけられ、鬱になりかけた。それほど仕事がないとは、危険な状態である。

 部下を辞めさせたかったら、仕事を与えないことだ。忙しいくらいに仕事を与えると、人は決して辞めない。

 問題は、会社では、忙しすぎるか、全く仕事がないの状態しかなく、程よい忙しさが存在しないこと。世の矛盾である。営利団体でないお役所は、閑でもやっていける天国である。

 

失業問題

 失業問題での一番の問題は、人間の尊厳にかかわることだ。だから、就職せず、引きこもりが原因で、2019年5月28日、川崎市で登校中の児童や保護者20人を殺傷し、自ら命を絶った岩崎隆一容疑者(51)事件が起きる。また元農林水産省事務次官の熊沢英昭の息子が引きこもりで、親に暴力を振って、事件の発生を恐れた熊沢氏が、息子を刺殺する事件が起きるのだ。殺された息子(44)は、就職もせず、家にこもりがちでゲームをしていた。口癖のように「俺の人生は何なんだ」ぶっ殺すぞ」と大声を上げていたという。仕事に就かないと、社会から断絶されたと思い込み、絶望感に襲われ、自暴自棄になるのだ。

 ローマ時代のカエサルは、この問題を良く理解しており、兵役で失業問題を解決して、ローマを繁栄に導いた。

 

仕事とは

 仕事が出来るようになるには、たくさんの経験をする。たくさんの失敗をする。多くの人に出会う。そうするとご縁が集り、多くの仕事ができる。

 The more input , the more output  (後藤悦夫師)

 栄えるには先ず根を育てる。根が育てばおのずと幹は育つ。

 

 あなたが社長で、右腕を選ぶなら、「数多くの経験をした人」と「経験の少ない人」とどちらを選ぶ? 答えは自ずと明らかである。報酬は後から追いかけてくるのだ。

 

 仕事が自分を成長させてくれる。土で出来た人間の体は、何時かは土に還る。生きている間に、その器に何を入れて、加熱して、昇華するかが問われる。

 死後に残るのは、仕事の実績だけである。お金ではない。お金はあの世に持って行けない。新入社員の貴方は、38年後、何を残して会社を去るのか。貴方は、60年後、何をこの世に遺して、あの世に逝くのか。

 ゴーン被告のように、金に執着すれば、汚名だけが残る。

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  成長モデル

 

2019-06-06   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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