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2019年6月 7日 (金)

遠縁の菩薩---致知出版社の腐臭

 馬場恵峰先生の書による『佐藤一斎著「言志四録」51選集』(2,800円)を出版したので、その図書を贈るのに相応しい会社と思って、2019年1月23日の徳望塾の会場で、致知出班社の藤尾社長と担当者2名にその書を贈呈した。また徳望塾の言志四録の講師にも贈呈した。

 この図書の出版は、2月12日の手術では死をも覚悟して、葬儀の段取り、死後50年間の法要、公正証書の遺言書まで準備した上での終活の一環の仕事であった。 

 

無反応

しかし致知出版社の藤尾社長と社員2人からは、誰一人、お礼の言葉も礼状も来ない。社長が礼状を出さないから、社員が出さないのは当然だろう。部下は上司の背中を見て行動する。納得である。5年以前に藤尾社長に自著の図書を贈ったら丁寧な礼状がきた。それを思うと致知出版社は変質したようだ。

 また、今、私が取り組んでいる「言志四録の言葉を馬場恵峰師揮毫板で岩村へ寄贈」プロジェクトへの協賛のお願い書も添付したが、それも無視された。

 私は、この「佐藤一斎著「言志四録」51選集」の出来栄えが悪く、出版の専門家からは評価外と判断されたかと心配になった。

 

熱い礼状

 しかし徳望塾の言志四録の講師からは、本書を絶賛されて、「かつて心ある先達から勝川華舟浄書『言志四録』を頂戴し、大切にして参りましたが、馬場恵峰先生の書は、またそれを上回る趣きがあり、うちの宝が二つになりました」との手書きの熱い礼状が来たので、ほっとした。この本は、馬場恵峰先生も私も心血を注いで作ったのだ。ますます致知出版社の社長たちの対応に疑問を感じた。

 

志の変質

 致知出版社は、人間学を中心に「言志四録」関係図書の販売活動に力を入れている。私は、それに疑問を感じるようになった。

 私は、致知の人間学のこだわりに惚れて、月刊「致知」を20年間も購読している。それも総て残している。致知も創刊以来40年が経過して、その志が少し風化してきたのかもしれない。致知も部数が増え、創刊当時の発行部数の目標値を達成して、胡坐をかく状況になったのかもしれない。これでは百年の恋も冷めた心境である。

 現在の致知は、人間学の上っ面に走り、金儲け優先の姿勢になったのではないかと懸念している。一事は万事に通じる。それ以外に4件もの不快事項も重なり、偶然のことではないと確信した。致知出版社と付き合いでは、少し距離を置くようになった。

124k8a10911s  馬場恵峰書「佐藤一斎著「言志四録」五十一選訓集」

  久志能幾研究所刊

 

2019-06-01   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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