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2021年8月22日 (日)

「北欧の経営方針」 ご縁の成就と新型コロナ対策を

 

 北欧は、自然環境が厳しく、また人口も少なく、グローバル経済的には不利と思われがちだ。しかし実際は世界的に有名な企業が多い。北欧の企業は世界的に活躍している。北欧の厳しい環境が強さを生んだ。

 北欧の代表的な国であるスウェーデンでは、人の働きかたや生き方は、日本人と価値観がまるで違う。それを35年前に実体験して驚嘆した思いがある。ある時、納入した機械が故障して、その対応で徹夜をしたら、現地の担当責任者から You are crazy. と呆れられた。「機械は壊れて当然、それを修理のために徹夜など気ちがい沙汰だ、人間性尊重に反している」と言うわけだ。

 それで納得して暫らくスウェーデン式労働環境で働いて快適さを堪能した。しかし日本に帰国後、忙しさにかまけて元のモーレツサラリーマンに戻ってしまい、その感動を忘却してしまった。

 いま当時を振り返り、またこの新型コロナ禍の折、命には限りがあることを思い知り、生き方の見直しをしている。再度、スウェーデン人の生き方を観察し直そうと思う。

 

北欧の企業経営方針

 1 人口が少なく、最初から世界志向

 2 企業が絶えず新陳代謝する国策

 3 北欧デザインで高い付加価値あり

 4 ローカライズはほとんでしない

 5 カリスマ経営者は必要ない

   週刊ダイヤモンド「北欧に学べ」 2015年3月14日号より

 

 それを自分の活動に照らして、参考にするとよいようだ。自分の活動範囲が狭いと嘆くことなかれ。正道で歩めば、世界的なご縁も手に入る。

 

 ご縁を絶えず新陳代謝。付加価値の少ないご縁は横に置いて(老いて)、新しいご縁を探そう。

 価値観も環境に合わせて変えていこう。日本は余りに固定化が行き過ぎた社会である。官僚の頭の固さは不変である。そのため日本は停滞している。

 その弊害が、今回の新型コロナ感染大爆発での官僚の不手際である。官僚は、ワクチン接種一本やりでしか、対策を進めない。考え方が新陳代謝しないのだ。新型コロナとの戦いは、状況が刻一刻と激変している。それを現在の役人たちは、太平洋戦争当時の玉砕戦法一本やり戦法であったように、考え方を変えようとしない。なぜ負けたかの反省もしない。「欲しがりません勝つまでは」と、政府は精神論で緊急事態宣言戦法ばかり押し付ける。

 

 まず自分の人生を設計(デザイン)しよう。人生の良き設計図なくして、良き人生の家は創れない。自分はどういう人生を送りたいのか、それを明確にしなくては、よき人生は作れない。我々は犬猫ではないのだ。

 

 自分の価値観を普遍的にしよう。当たり前を当たり前に精進できる人間になろう。

 カリマスのよう立場になる必要はない。

Img_63991s 馬場恵峰書 2006年

2021-08-22   久志能幾研究所通信 2128  小田泰仙

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2021年7月30日 (金)

「自分合衆国(我集国)」建国の父を目指して

 

 自分とは、利他的な我、利己的な我、佛のような我、鬼のような我が集って、一人の人間としての自分がいる。各「自我」の要素の大小の比率で、人の性格、人格が決まる。自分は、その集合体である自分合衆国(我集国)の大統領として君臨している。やりたい放題である。その自我をどう律するかで、自分という国の成長が変わる。

 

フランクリン

 ベンジャミン・フランクリン(1706年 - 1790年)は、アメリカ合衆国の政治家、著述家、物理学者である。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれている。

 彼は勤勉性、真理の追究性、合理性、奉仕活動という18世紀における近代的人間像を象徴する人物である。己を含めて権力の集中を嫌った人間性は、個人崇拝を敬遠するアメリカの国民性を超え、アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられる。

 

建国の父

 1728年ごろ、彼は道徳的な人間に成長する計画を思いつき、その実現のため、自らの信念を13の徳目にまとめた。彼は毎週、一週間を徳目の一つに捧げて、年に4回この過程を繰り返した。それが彼をアメリカ合衆国建国の父を呼ばれるまでに成長させた。

 その内容は、仏教の戒律や豊田綱領、5S、トヨタ生産方式にも相通じる禁欲性があるが、非常に建設的な徳でもある。東西の偉人の目指すところは同じである。

 フランクリンは、彼は毎週、一週間を徳目の一つに捧げた。トヨタでは毎日、豊田綱領を唱えて社業に邁進している。私は毎日、読経をして、戒律を唱えている。同じことである。

 残念なことに、今のアメリカは拝金主義、グローバル経済主義、アメリカファースト、と建国の父の精神が衰退している。それが我が国も影響を与えている。日米の健全な精神の復活は、フランクリンの13の徳が必要だ。まず自分が、自分我集国の父になることを目指して、精進すべしである。

 

フランクリンの十三徳

節制  飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。

沈黙  自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。

規律  物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。

決断  なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。

節約  自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。

勤勉  時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。

誠実  詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出すこともまた然るべし。

正義  他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。

中庸  極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。

清潔  身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。

平静  小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。

純潔  性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これにふけりて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。

謙譲  イエスおよびソクラテスに見習うべし。

 

 馬場恵峰先生は「心に残しおく古訓言と恵峰折々の漢詩、詞文集26」でこのフランクリンの13徳から12項を挙げて揮毫された。わざと「純潔」の項を省かれたのは愛嬌である?

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 馬場恵峰書『心に残しおく古訓言と恵峰折々の漢詩、詞文集26』より

   久志能幾研究所 発行予定

2021-07-30   久志能幾研究所通信 2105  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月24日 (土)

幸運の女神に愛される法則 (金持ち運を掴む法則)

 

 昔の雑誌を見直していたら、「プレジデント」誌の特集「お金に愛される習慣」(2012.4.2号)の黄金法則が目に入った。興味を引かれてつい読みふけってしまった。(つまり現在、私はお金に愛されていない?) 9番以降は、「毎日が楽しくなる時間術」(「プレジデント」誌2015.2.2号)からの項目である。内容はごく当たり前のことである。それが守れないから金持ちになれないだけだ。守れば大金持ちである。それは幸運の女神に愛される法則でもある。

 各項目のゴシック表題は、プレジデント誌2012.4.2号、2015.2.2号より。内容は上記を参考に著者が創作記述した。

 

1 良い仕事に集中する

  好きな仕事に没頭するのが、人生では幸せである。それが成功の秘訣。私が大学卒業当時、理系でも金融関係に進出しはじめた。高給で、華々しく見えて羨ましくは思った。自分は地道に油まみれで機械開発に取り組んでいた。その後、金融関係者は大変な時代となった。今、回想しても自分の好きな仕事で良かった思う。

 

2 大胆だが、大雑把ではない。粗野だが下品ではない。

  基本は雑ではなく緻密さが必要である。決断をして細心の気配りをせよ、である。上品な選択をせよ。

 

3 体のことに注意している

  体こそ、稼ぐために一番大事な「装置」である。死んでもいいから健康管理である。まず安寧な息をして長生きすること。息苦しい生活をしてどうするの? 何のために生きているの?

 

4 人のために、生きた金を使える

  死に金を使っても、誰も喜ばない。貧乏暮らしの老人が、孤独死した後で、床から数千万円の札束がでてきたという新聞記事が良く出る。なんのために「死金」を貯めたのだ。

  自分のために贅沢な暴飲暴食は、自分を殺す。それは死んだ金の使い方。

  福の神は、利己主義者には微笑まない。

 

5 見栄を張らず、身の丈に生活をしている

  分相応こそ、禅の生き方である。周りと比較して自分がある(禅の心)。

  「自分」の反対は「孤立」である。

  

6 自分は運がいいと思っている

  確率的に、運のいい人も悪い人もいない。(中野信子氏の講演で)

  だから「自分は運がいい」と思うほうが得である。何があっても仏様が守ってくれると信じた方が幸せである。仏様が一番いいようにして下さる。幸せの女神も、本人が運が悪いと思っている人に、幸運を与えてはがっかりするだろうと想定する。たまには女神の立場で考えよう。

 

7 失うことに抵抗がない

  失うという恐怖心が行動を臆病にする。それでは金を稼げない。どうせこの世でしか使えない財産である。何を執着するのか。幸運の女神は、執着心に嫉妬する。

 

8 未来は、今よりよくなると信じている

  そう思うから、私は人並み以上の努力をしてきた。悲観論者では未来は創れない。

 

9 むやみに携帯やメールはチェックしない

  それでどれだけ儲かるの? 自問しよう。その中身の大半は他人の不幸の報せ。

  本当に大事な要件は、相手からかかってくる。大事な要件でなく、相手の金儲けなので、少しでも気を引こうと下らないメールを寄こす。

 最近の最高傑作下品メールドコモから「暇つぶしに最適のゲーム」の案内メールであった。ドコモは暇な貧乏人相手の商売人である。

 人を馬鹿にするな、とドコモに言いたい。

  面談している目の前の人こそ、大事な要件である。それを無視してスマホを見るから相手が激怒する。だから幸運の女神にそっぽを向かれる。

 

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10 10年スパンで人を育てることを考える

  育てるべき人とは、自分自身。

  どういう人物に育てたいのか、10年後のビジョンを描け。

  ゼロ金利時代で、一番高い利息物件は、自分自身への投資である。

 

11 30年スパンで人生を考える

 

12 SNSやネットサーフィンよりも読書を

  ネット上の情報はゴミである。読書が黄金の知恵を与える。

  私は今、4トンの書籍に囲まれて、知的に幸福である。

 

13 勉強はしない

  金があるから、できる人を雇えばよい。お金で時間を買う。それが時間富裕者だ。私はそこまでの金はないから、時間富者になろうと思う。

 我々はそこに行きつくために、必死に勉強が必要だ。超矛盾ではある。私は死ぬまで勉強、貧乏性のようだ。

 

14 疲れたら昼寝

  人は機械ではない。疲れたら休めばよい。馬車馬のように働くから、病気になる。だから金持ちになれない。雨が降ったら傘をさす、疲れたら休む。成果主義に追われるとそれが出来ない現代人である。だから鬱病が激増する。

 

15 Do Not List

  やりたいことを全てやっていては、目的は成就しない。時間がないのだ。そのためにやらないことを決めよ。スマホなんぞ捨ててしまえ。

 

16 教祖より黒幕を目指そう  

  教祖(カリスマ)は、所詮雇われ人の貧乏人である。それより黒幕(フィクサー)で教祖をこき使う立場を考えよう。新興宗教団体でも教祖を操る管理部門が存在する。例えば、菅総理は私のために働いていると思えば、幸せな気持ちになれる。思うのは勝手である。

 いくら富豪になっても100年も生きられない。生きている間より、死んでからの時間の方が長いのだ。今貧乏でも、あの世で黒幕になる訓練をしよう。そうそれば心が豊かになれる。

 そのために見えないものを信じよう。来世を信じよう。オダ仏教を信じよう。宇宙根源の法則は、陰陽である。プラスがあればマイナスがある。目に見えるものだけで此の世が成り立っているわけではない。

 

 2021-07-24   久志能幾研究所通信 2099  小田泰仙

 著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月23日 (金)

人生の片づけ 7S

 

7S:整理・整頓・清潔・清掃・躾・スマート(賢明)・速やか

 

 人生の掟「生あるものは生老病死、死は必然、縁は偶然」。それは、人でもものでも(人・モノ・金・情報)すべてに当てはまる。自分にご縁のあったものは、懇ろに7Sで片づけよう。断捨離では7Sに反して、下品である。

 永遠に続くはずのお墓だって、生老病死がある。2015年に自家の墓を改建して、つくづくとその件を思い知った。私は絶家になった家の墓を含めて、計6基のお墓を整理統合して3基に集約した。当家の前墓は父が建てたが、60年間程しかもたなかった。絶家の家の墓は、100年の風化で墓文字が消えそうになっていた。彦根の風雪が、墓石にしみ込み、水が凍り体積が膨張して、それが日中に溶け応力が解放される。それが何回も繰り返されると、石がボロボロになる。

 ご縁でも同じである。心無い仕打ちが繰り返されると、心に沁み込み傷をつけ、交友関係を破壊する。人生の片づけ前に崩壊してしまう。

 

目的

 何のために、人生の片づけをするのか? 良く死ぬためである。あの世には何も持って逝けない。此の世で残すのは戒名だけである。だからご縁があったものを骨までしゃぶって役立てよう。そのものが持つ「機能」が使われずに捨てられるのでは、成仏できない。もったいない、可哀そうである。

 

人と縁心力

 来るものは拒まず、去る者は追わず。ご縁にも生老病死がある。去る者は縁がないという縁だった。その縁は必要な因果を消化して、成仏して去って行ったのだ。

 人は縁心力で人生軌道を回っている。引き寄せる力と外に飛び出す力がバランスを取って、人との付き合いの縁周軌道を回る。人は変化し、成長し、堕落する。人工衛星だって、何時かは地上に墜落する。お互いに成長しないと、そのバランスが崩れ、何方かが墜落(縁切れ)となってしまう。そういう縁は片づけるしかない。宇宙根源の理には逆らえない。

 

もの(家電製品)

 家電製品だって腐ってくる。8年前に買ったTEACのラジオ(SDカードに録音可能)は、一度も使わずに、寿命が来た。思いついて、使おうとしたら電源が壊れていた。修理しようにも、メーカの部品在庫が法律で5年と決まっていて、修理不能である。そのままゴミとして廃却である。家電製品だって腐るのだ。

 

 お金だって、生きている間しか使えない回数券である。体が動かなくなったら、有効期限切れで、紙切れとなってしまう。お金を使うのだって、今のうち、生きている間である。

 サムスンの総裁李健煕だって、72歳で倒れて、6年間も寝たきりとなり、4兆円もの財産を使わず亡くなった。子息は刑務所行き、兄弟で財産争いの裁判沙汰。何のために金を稼いだのか。人生の片づけを間違えたのだ。

 

ご縁

 ご縁だって生老病死である。その時、その時間にご縁として掴まないと、ご縁も成就しない。出会ったご縁には、全力で対処することが、人生の7Sである。そこから花開き、ご恩に実が結ぶ。

 私と馬場恵峰師とのご縁も、奇跡のような出会いであった。これはと、全力で7Sの精神でぶつかっていったから、縁が花開き、良き実が結んだ。

 

時間というご縁の浪費   

 その原因はどこにあるのか? 君たちはあたかも自分は永久に生きられるかのように今を生きていて、自分のいのちの脆さに思い致すことは決してない。いかに多くの時間がすでに過ぎ去ったかを意識しない。時間なぞ無尽蔵にあるもののように君たちは時間を浪費している。そうやって君たちがどこの誰かに、あるいは何らかの事に与えているその日が、実は君たちの最後の日であるかもしれないのに。死すべき者のように君たちは全てを怖れ、不死の者であるかのようにすべてを得ようとしているのだ。          

   セネカ「人生の短さについて」3-4(中野孝次訳)p 35

 

 時間を整理整頓すると、残り時間が如何に少ないかが分かる。一日で自分が自由に使える時間は、睡眠、食事、洗面風呂等の時間を除くと10時間もない。なおかつそれは引退後の生活の場合で、老体に鞭打って働いていれば、自由に使える時間は一日に数時間だ。

 日本人男性の平均寿命は81.4歳だが、平均健康寿命は72.1歳である。いくら長生きしても寝たきりでは意味がない。病院通いで時間を使っても無為である。古希を迎えたら、残り時間は2年間、730日で、使える時間は10H×365日×2年=7300時間しかないのだ。酒を飲んでくだを巻き、魚釣りに時間を潰すような時間はないのだ。日暮れて途遠し。

 

躾 

 ご縁に出会ったら、礼儀を尽くして、おもてなしをしよう。来客があるからと、主人が玄関を水で清めても、相手が「玄関が濡れているよ」と言うような相手と付き合っては(7Sに無知)、人生は片付かない。

 相手の健康を考えない接待品を出すような不躾さでは、付き合えない。

 相手の立場と時間を無視する対応の不躾さでは、付き合いを考えてしまう。

 お互い、残り時間はないのだ。

 

知識

 知識・情報も生老病死がある。時代とともにその知識の価値が変わる。何時までも過去の知識に縛られていると、大事なご縁と疎遠になる。

 1テラの情報より整理した一つの智慧が人生で役立つ。情報が多すぎると、どれが大事か分からない。多くの知識を整理整頓して知恵に集約しよう。

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 いづくやの来たり去りゆく人の道 縁の恵みは我宝なり。

 

 2014年12月23日、恵峰先生より色紙がお歳暮として届いた。この色紙は、大工の新立広美さんが伊勢神宮遷宮で使用された桧の鉋削り屑で作られた。神様からの贈り物としてありがたく拝授した。

 書いて頂いた言葉が心に突き刺さる。想いやりのある心とは、頭の良い人には縁のない言葉である。人生をただ生きるのではなく、縁を活かさねば価値ある人生は創れない。ご縁は神仏からの恵み。天の計らいは人智を超える。夢ゆめ「私が」と思うべからず。

 

 2021-07-23   久志能幾研究所通信 2098  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月21日 (水)

異界にスワップ(=イノベーション)

 

 今は時代の変革期で、経済、生活スタイルが激変して、日本はその変化に追いつけず、一流国から三流国に転落しつつある。見識ある人は危機感を抱き、みんな「変わらなきゃ、変わらなければ」と大騒ぎしている。しかし、変われない。それはなぜそうなったかの原因を探さず、小手先の手段だけで変わろうとしているためだ。それでは変われない。

 変わるとは、自分自身のイノベーションである。イノベーションとは、技術革新と訳されるが、真意は「革新、新制度の導入」である。イノベーションをするには、表面的な革新ではなく、根本から変えないと変わらない。

 企業で言えば、生産の革新、新生産体制の導入である。フォードが馬車にイノベーションを起こしたのは、より早い馬を調教することではなく、ガソリンエンジン付きの車を開発して、移動手段にイノベーションを起こした。

 GAFAが急成長したのは、ITを活用して、仕事のやり方を革新したからだ。

 

 Innovateとは、新しく取り入れる、始めるが原意である。

 Innovation :Introduction of new ideas or methods

                                Longman 英英辞典

 

自己イノベーション

 そういう革新を、自分自身はしているだろうか。人間で言えば脳の深層部の意識改革をしないと、変われない。人間にとって変わらず、今までどおりが一番楽なのだ。人間は楽な道を選ぶのが本能である。今まである習慣を続けると、そういう現状維持の決断を日に20回して、50年間で50年×365日×20回=365,000回も決断の練習とその固定化をしてきた。そのカチンカチンの固定観念は、「変わらなきゃ、変わらなければ」とお題目を唱えるだけで、打ち破れるはずがない。

  ITツールの導入だけで、組織が変革できるわけがない。新興宗教のお題目を唱えるだけで、変われるはずがない。

 固定観念を壊すのに、痛みも苦しみをあるはずだ。その苦しみを避けて、自己イノベーションが出来るわけがない。その痛みや苦しみは、倒産、死の病気、離別等の苦しみがあって初めて、変われる。私もがんになり、死の淵を経験して変わることが出来た。

 

宇宙根源の法則

 本当に変わりたいと思うなら、地獄界から天上界に転位するくらいのエネルギーを出さないと変われない。天上界から地獄界へは簡単に転落できる。しかしその逆は宇宙根源の法則に反するから、大変なエネルギーがいる。そんなに簡単に変わってもらっては、新興宗教が不景気になってしまう。迷える羊がいないと新興宗教界も困るのだ。

 

私のイノベーション

 私は今まで地獄界の理性の世界で生きていた。理性と正義を突き詰めると鬼にならないと生きていけない。その世界は数値で成果を表し、金儲けで生きていく界である。グローバル経済主義の競争社会である。利己主義の世界である。精神的に下等な世界である。

 今はその過当競争の地獄の世界から、競争のない世界、精神性の高い世界、感性の世界、芸術文化の世界、数値では表せない世界への異転を目指している。私が目指すイノベーションは、地獄界から天上界への異転である。

 

             精神性高い (感性の世界) 

              |

    畜生界  →    |      天上界

              |

              |    芸術・文化の世界

              |    宗教の世界

  人間性低い       |          人間性高い

―――――――――――――――――――――――――――

              |

         ↗     |       ↑

   地獄界        |      人間界

  成果主義        

  利己主義、金儲け    |

           精神性低い(理性の世界)

 

 2021-07-21   久志能幾研究所通信 2096  小田泰仙

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2021年7月12日 (月)

私の人生商売道 13則

正しく稼ぐ金は美しい。その銭には汗と血の匂いがある。

 

1 人生で売るべきものは自分

 だからこそ、商品としての自分を磨け。

 自分という商品は生鮮食品である。油断するとすぐ腐ってくる。

 新陳代謝(学び)を心がけよ。

 

2 商品としての自分の健康が第一

  商品の大前提が、死んでもいいから健康管理最優先である。

  命の安全が最優先である。

  危機意識、危機管理対応の薄い人との商売を避けよ。

  病気になっては商売もできぬ。

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3 人生商売は命の物々交換

  時間は命。人と1時間面会するとは、相手の命の1時間を頂いているのだ。それに見合った人生商売をせよ。

 

4 商品にこだわりあり

 私は自分という商品にこだわり以上の「オダわり」を持っている。

 「オダわり」には、頭の汗が流れている。

 その商品が、相手の一部となり、人生の助けとなる。

 付加価値を高める意思がある人と商売をせよ。

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5 上品を売れ

  売る商品は上品を旨とせよ。商品に自分の人格が現れる。

  モノを買うとは自分を買うこと。ものを売るとは自分を売ること。

  下品と付き合うと、自分も下品になる。

  上品な人は全て人生の師。老若男女を論ずる事なかれ。

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6 目先の仕事に全力投球。カンバン人生

  過去は歴史の墓標。未だ来ぬ未来は蜃気楼。

  いま、ここ。目先のカンバンこそ現実、それを大事にせよ。

  トヨタ生産方式では、カンバンが一番大事。

  人生のカンバンを疎かにすると人生工場ラインが止まる。

 .

7 人生工場ラインの失敗は勉強代。

  失敗やクレームにお宝が埋まっている。

  失敗大歓迎。そこから智慧を稼げ。

 

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  耳中常聞逆耳之言  馬場恵峰書

 

8 人生は浪花節。ご縁と信用が第一

   情けは人のためならず。

 

 「ビジネスは壊れやすい花瓶に似ている。

  無傷であればこそ美しいが、一度割れると二度と元の形には戻らない。」

    Business is like a fragile vase - beautiful in one piece, but once broken, damn hard to put back together again to its original form.              “Letters of a businessman to his son" by G.KINGSLEY WARD

 キングスレイ・ウォード氏著『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(城山三郎訳 新潮社刊1987年)

 

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9 仕事の疲れは仕事で取れ。仕事を趣味とせよ。

  仕事はやればやるだけ面白くなる。

  遊びはやればやるほど、地獄になる。

  仕事は世のため人のための奉仕活動である。

 

10 雨が降ったら傘をさせ。

  人生は塞翁が馬。雨も降れば晴れもある。

  宇宙根源の理に逆らわない。

    雨が降ったら傘で儲ける人もいる。

 

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11 商売の鉄則は納期厳守

  自分の命の納期を意識して商売をせよ。

  ご縁は偶然、死は必然。

  どんな商売もご縁で始まり、死で終わる。

  命は人を待ってはくれない。人の明日は分からない。

  今日会うのが一期一会、人生最後と思って対処せよ。

 

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12 夢なき商売するなかれ

  一生かかっても実現できない夢を見ながら人生商売を続けよう。

  棒ほど願って針ほど叶う。

 

13 商売の終わりは感謝で終わる

  「ありがとう」と言う商売に破産はない。

 

 

2021-07-12   久志能幾研究所通信 2087  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月10日 (土)

どんな死に方をしますか?

 

死とは人生で、最大のプロジェクトである。現代日本では、

 2人に一人ががんになる。

 4人に一人が脳卒中になる。 

 5人に一人が認知症になる(65歳以上)

.

脳卒中は4人に一人が寝たきりになる。

  要は、日本人の100人中6人が脳卒中で寝たきりになる。

  寝たきりは廃人と同じで地獄である。

 

認知症は、脳死である。

 本人は何も分からず幸せだが、家族が地獄の苦しみを味わう。

 

がんは日本人の死因の30%である。

 がんは正しく治療をすれば、最後の1ヶ月まで正常な社会生活が送れる。樹木希林さんが全身がんになったが、最後まで社会生活を送られた。死の後始末が自分で出来るから、始末がよい。

 認知症では自分の後始末が出来ない。幸いなことに癌になる人は認知症になりにくいという統計がある。

 

対策

 自分の意志で死に方は選ぶべきだ。最低でも、認知症で死なないために、降圧剤を飲まないことだ。まずガンで死ぬほうを選ぶべきだ。脳卒中か認知症で死ぬよりはましだろう。それは本人の選択である。

 脳卒中の予防は、降血圧(降圧剤を飲むのではない)、減脂肪、禁煙、禁酒、適切な運動である。それはガン予防、認知症予防にもなる対策である。つまり良く死ぬために、健康管理である。

 

 喫煙が原因で年間、全世界の483万人が死亡している。死因の12%を占める(2000年)。日本酒毎日3合で癌の発生率が1.8倍に増える。

 (厚生労働省調査 日本経済新聞 2004年12月25日付け)

 ワイン一本でタバコ3~5本を吸うと同じ危険性がある。

 座りぱなしは、煙草を吸うより危険性が高い。

 お家タイムでテレビの前に座り、清涼飲料水とポテトチップスばかりでは、認知症にまっしぐらである。

 精神衛生上で人を喰うのは良いが、食われるのでは癌になる。癌発症の原因の大半はストレスで、自己免疫力が低下して発病する。私のがん発症も会社時代のストレスの後遺症だと思う。日本企業がグローバル経済主義病、成果主義病に犯されて、ギスギスしだしたのが原因である。

 

  しかしどんなに頑張っても、120歳までも生きられない。だから私は生前葬の準備を始めた。大事な人と会えるうちに、食事をしながら楽しく昔の話をすればよい。師ならば年功序列で必ず先に逝かれるのが普通。食事会が生前葬だ。

 若い相手でも、自分より先に死ぬかもしれない。人の明日は分からない。私はその場でこれからの20年間の計画をぶち上げて相手を煙に巻いている。今から恵峰先生の書の出版もせねば、音楽ホールも作らねばならぬ。死を意識すると、やることが山積である。棒ほど願って針ほど叶う。だからこそ、大法螺を吹けばよい。だれもそれの責任を取れとは言わない。

 生前葬を失念して先に逝かれた師とは、いつかは会えると信じて、今日一日を精一杯に生きる。それが両親、師への供養である。

4k8a02411s 馬場恵峰書

2021-07-09   久志能幾研究所通信 2084  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月 8日 (木)

洗脳教育で運のいい人になる

 

 脳科学者の中野信子氏の説では、運のいい人と運の悪い人の統計的な差はないそうだ。あるのは、「私は運がいい」と思っている人と「私は運が悪い」と思っている人がいるだけとのこと。

 誰の人生にも絶望的状況や不幸な状況はある。だが、心が受け入れない限り、絶望も不幸もない。全ては心が決める。

 人の運命も身体もすべて心の支配下にある。要は身に降りかかる事件を心がどう解釈するかである。絶望に身を任せれば、地獄に行くしかない。そんな人と付き合うと地獄に道連れにされる。だから自分は運がいいと思っている人と付き合おう。そうすれば運が開ける、

 

自己洗脳

 運の良し悪しは自己への洗脳教育次第である。自分は運が良いと思えば、運が良くなる。それが自分をポジティブに洗脳することだ。自分は運が良いと思うから行動が活発になり、建設的な言葉を吐く。そうすれば前向きの人が寄ってくる。それで良き縁に恵まれて、ますます運が良くなる。

 その逆は……….

 

『華厳経』の教え

 心如工画師 画種種五陰 一切世界中 無法而不造

 (心は工画師の如く種々の五陰を画き、一切世界の中に法として造らざるは無し=心は巧みな画師のようにさまざまな世界を描き出す。この世の中で心の働きによって造り出されないものはない。『華厳経』より)

 『華厳経』は、「この現実世界のすべてを造り出しているのは人間の心だ」と教えている。「怖れるな。怖れることは怖れることを引き寄せる」とキリストは言う。東西の宗教は同じことを教えている。

 

運の波動

 人間の心はその波長に合ったものを引き寄せる。怖れは怖れを、不安は不安を、怒りは怒りを、引きつける。人を妬み恨む心、驕り慢心する心は、それにふさわしい事象を引き寄せる。諦めの心は諦めの境遇を引き寄せる。

 逆もまた真である。常に心を善意で満たしている人は善意を引き寄せ、人に親切にしている人には親切が、感謝している人には感謝が返ってくる。

 

 松下幸之助翁もナポレオンも運が良いと自負する人間しか、採用しなかった。ナポレオンは運の悪い人間を徹底的に排除した。松下幸之助は若い頃、渡し船から落ちて危うく命を落とすところであったが、周りの人に救助されて一命をとりとめた。それで松下幸之助さんは、自分は運がよいと確信したという。それは単に営業的に渡し船の運行体制がしっかりしていただけの話である。その事件をどう解釈したかだけである。

 

 美容アドバイザーの佐伯チズさんは42歳の時、最愛の夫に先立たれて、1年間、泣いて暮らした。そこに友人が訪ねてきて、彼女の変わりように驚いたという。友人が彼女に「鏡を見よ」と言うので、1年ぶりに自分の顔を鏡を見たら、そこには老婆が写っていた。心が体の皮膚に影響して、希望を失った心が、皮膚を支配していた。心は皮膚にも影響を及ぼす現実を、身をもって体験した。

 彼女は自分の皮膚に対して「ごめんね、これから皮膚さんを大事にするから」と自分の肌に謝り、肌のケアを再開したら3週間で劇的に皮膚の状態が好転したという。皮膚は心とつながっている。だから顔は心の反映だとして、心を込めてケアしなさいと皆さんに指導をされた。

 

2021-07-08   久志能幾研究所通信 2083  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年7月 5日 (月)

何のために生きているのか?

 

アインシュタインの言葉

 1922年、アインシュタインが来日して京都大学の学生たちと対談したとき、一人の学生が、「人間は何のために生きているのですか?」と質問した。

 アインシュタインはびっくりしたような顔をして、

「他人を喜ばせるためです。そんなこともわからないんですか」と答えた。

 

どうすれば人を喜ばせることが出来るか?

 仕事で人に喜んでもらうのが最高である。それを人に命令されてやっているだけなら、また生きる為だけなら、動物と同じ次元である。それは生きているのでなく、生きながらえていると同じだ。

 人を喜ばすために、どう人生経営をすればよいか? 人生経営は会社経営と同じである。人生経営では、会社経営と同じ手法で成果を出せばよい。会社経営で社長は楽である。なんとか潰れないようにつなげて、次に社長に社業を渡せばよいからだ。不祥事が起きても、引責辞任すれば済んでしまう。

 しかし人生経営では、バトンタッチする相手がいない。絶望したからと沖縄の海にドボンでは済まされない。それは貴方が勝手に自分の人生に絶望したのであって、貴方の人生は貴方に絶望はしない。あんたの人生の後ろには、貴方をこの世に遣わしたご先祖様たちがいるのだ。

 

第1事項 死の意識

 人生経営有限会社の社長として、心せねばならぬ第1事項は、人は必ず死ぬという哲理である。人生目標があれば、いつも日暮れて道遠し、である。目標に向かってひたすら歩むしかない。千里の道も一歩からである。それでも後ろからひたひたと死が追いかけてくる。

 会社経営で失敗すれば、会社人生の破綻である。しかし借金や倒産は、娑婆の些細な出来事だから大した話ではない。人の世界で起きたことは、人の世界で修復できる。またゼロからやり直せばよいのだ。

 人生での失敗は、3歩進んで3歩下ると同じだが、成果はゼロではない。経験という大きな財産が手に入ったのだ。それで目標に一歩近づいたのだ。

 エリートは失敗しないように、しないようにと物事を進めるから、老いてから大失敗をして人生を失うことが多い。挫折を知らないエリートは脆いのだ。それは死を意識せず安穏と生きてきたため、それで晩節を汚す。

 エリートや強欲の金持ちは、人生観、死生観のない人が多いようだ。人生観がないから、死を忘れ、使いきれないほどの金を溜め込み、権力にしがみ付き、もっとよい女が欲しいと人生驀進である。その先は死である。

 

第2事項 ご縁の取り扱い

人生経営で死は必然だから計画できる。だからこそ、一日一生として生きるべし。

人生は、机上の計画だけでは成立しない。人生一寸先は闇。計画された人生は、机上の空論になる場合が多い。人生経営では、ご縁こそが運命を左右する。だからこそ出会いを大事にすべきだ。

 縁ありて花開き 恩有りて 実を結ぶ

 

第3事項 強みは何か

 人生で成果を出すためには、自分の強みを知るべきだ。人は万能の神ではない。自分が人よりも優れた才能で勝負をすべきである。レッドオーシャンでは天才の戦場である。凡才が勝てるわけがない。凡才はブルーオーシャンで戦えばよい。

 

第4事項 顧客は誰か

 誰のためにやるのかを明確にする。人生経営で、最大の顧客は誰だ?

 最大の顧客とは自分自身である。それを「どうせ自分なんか」と思っていては、決して成果は上がらない。大義名分の立つ社会に役立つ事を目指せ。そうすれば五右衛門風呂の定理で、その恩恵が自分に回ってくる。

 

第5事項 人生の大事とは

 自分にとって「人生の大事」は何なのか。言い換えるとそれが「使命」である。

 人生のクライテリア(基準)を明確にすべきだ。それはテクニカルライティングの基本姿勢と同じ。何に基づいて人生を歩むのだ?

 それを枝葉末節の目的を追うから、人生経営で失敗をする。

 

 されば一生のうち、むねをあらましきから事の中に、いずれかまさるともよく思い比べて、第一の事を案じ定めて、其の外は思い捨てて一事にはげむべし。(徒然草188段-3)

 

第6事項 成果の指標

 成果は何によって計るのか

 「人を喜ばせる」が成果なら、その指標を考えて行動しよう。

 成果を数値目標に落とし込まないと、人生で曖昧さが出る。

 

第7事項 使える資源の活用

 自分が使える資源を明確にする。それを使って効率的に成果を出せ。猫の手、孫の手も借りよ。なにかようかい?と言ってきた妖怪の手さえも借りよ。全てご縁である。ワケあって出会ったご縁である。仏様の手配なのだ。

 

 ROA(総資産利益率)=(利益)÷総資産(負債+純資産)

 

 すべての資産は、他人から借りた資本(負債)と自分の資本(純資産、自己資本)に分けられる。総資産利益率(ROA)は、総資産(負債+純資産)に対する利益の割合である。ROAは総資産を使ってどれだけ利益を生み出したかを表す指標となっている。

 師から教えてもらったことは、人生経営の負債である。借金は返さねばならぬ。利子を付けて世の中に返すべきなのだ。

 株主の立場から見ると、総資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」である判断される。逆に、総資本利益率が低い会社は「経営効率の悪い会社」である判断され、投資家からのお金も集まりにくい。

 「経営効率の悪い人生会社」では、自分人生有限会社の株主である仏様やご先祖様から、援助が受けにくい。目に見えない財産こそ、大事なのだ。

 

自己資本

 自分の資本とは、時間、人、能力、金(財産)である(人、モノ、カネ、時間、情報)。それは人が「誰に会い、何に金を使い、何に時間を投じたか」で、持てる人生資源の増減が決まる。それで投下資本が決まる。

 

時間という資源

 時間一つをとっても、健康に留意して長生きした人と、体力に任せて馬車馬のように驀進した人とは、使える残時間(生きる長さ)が違い、その成果が違う。体力に任せて馬車馬のように驀進しても、長くは続かない。死んでもいいから健康管理である。人生工場のフォークリフトは自分の体である。

 貝原益軒も言う「人の命は、もとより天にうけてうまれ付けたれども、養生よくすれば長し。養生せざれば短し。然れば長命ならむも、短命ならむも、我心のままなり」

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2021-07-05   久志能幾研究所通信 2080  小田泰仙

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2021年7月 3日 (土)

生前葬に目覚め、準備を始める

 

 7月1日、外出中に気分が悪くなり、帰宅中の電車の中で吐きそうになった。慌ててホームに出て、嘔吐である。電車の中でなくてよかったと安堵である。

 この1年で約4kgの体重減である。がんの手術後一時は順調に体重が増えていたが、最近は全く体重が増えない。この最近体に力が入らず、体調が悪い。一時に比べれば25kgの体重減である。

 がんの手術後、主治医から言われた余命宣告で、その余命2.5年の期限がこの8月に来る。覚悟を決めて生前葬をせねばと、その準備を始めた。

 

仲間の死

 この3年間で、私の師が5人も逝去された。5人中4名は、年長者であり自然界の順番で致し方ない。しかし河村義子先生は私よりもはるかに若かった。

 10年前、定年退職した時、一緒に仕事をした仲間が24名も死んでいた。まだ60歳前にも関わらず、癌死、事故死、病死、過労死である。我々段階の世代は、過酷なビジネス戦争を戦ってきたのだと思い至った。当時の高度経済成長には多くの犠牲があったのだ。

 

死は必然

 命は生きているだけ奇跡である。命はいつか必ず滅す。人はそれを忘れて、永遠に時間があると思って生きている。出会いは偶然だが、死は必然である。

 5人の師の最期に際し、恵峰先生に対してだけしか、正しく対応できなかった。それが悔いである。みんな突然の訃報である。別れの挨拶ができなかった。だからこそ、生前葬が必要なのだと思い至った。

 

生前葬計画

 生前葬と言っても、自分が対象だけではなく、古希を過ぎれば、相手が先に逝く確率は半々である。古希ともなれば、古き希なる歳まで生きてきたのだ。何時死んでも不思議ではない。ましてやこのコロナ禍のおり、いつの間にか知人がコロナで死んでいたという話をよく聞く。

 だからこそ、生きている間に、簡単な食事会で良いので、お互いに昔の思い出で楽しく語り合いたい。死んでから会葬に来てもらっても、香典を出してもらっても嬉しくはない。そう決心して、その対象者を選別して、会食をする計画を立てて準備を始めた。それが私の生前葬である。

 

 いつまでも あると思うな 人の命と自分の命。

Photo   馬場恵峰書

2021-07-03   久志能幾研究所通信 2078  小田泰仙

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