h-家を建てる Feed

2021年12月31日 (金)

震度7の直下型地震が都市を襲う。被害予想と対策

 

 養老―桑名―四日市断層帯が、大垣市の近辺に存在する。この断層が動けば、震度7の激震で大垣を襲う。

 今後30年間で、この地震の発生確率は0~0.7%である。これは地震調査研究推進本部が2021年1月に公表した予想値である。

 確率が低いからと言って、今後30年間中に絶対に地震が来ないという保証はない。南海トラフ巨大地震は過去3回の室津港の深水深さの変動データがあったから、その時期を統計的に予想されているが、養老断層の動く時期の予想は難しそうだ。だから、今後100年を考えて家を新築するなら、震度7に耐える家を建てるべきだ。

 日本列島には、周辺の海底も含めて多くの活断層が刻み込まれており、日本全国では約2,000も断層がある。いつ何時、震度7の直下型地震が住んでいる街を襲うかもしれない。

 皆さんの住む市が作成した『防災ハンドブック』には、近くの直下型地震の原因となる断層の地図が掲載されているから、それを確認をしてください。

 2016年の熊本地震でも、住民の3割しか、近くの地下断層の存在を知らなかった。残りの7割の人は、直下型地震がくるはずがないと思い込んでいた。

 

濃尾地震

 130年前の1891年(明治24年)に、濃尾地震が発生した。マグニチュード8の世界でも最大級の内陸型直下型地震が大垣を襲った。我々の曾祖父の時代である。それの被害を直接伝え聞いた80歳の人もまだ存命である。

 

予想被害

 もしこの規模の地震が大垣を襲えば、下記の被害が予想される。

 最大震度 7

 建物全壊数 24,000戸 (市内全家屋の半数が全壊)

 死傷者数  13,000人  大垣市民の10%が死亡

 

100年住宅を

 今までの家は寿命30年で設計・建設されている。今後建てる家は、震度7に耐える家で、家の寿命が100年の、孫の代にまで残せる財産となる家を建てるべきである。家が100年間使えれば、親子孫三代の総合の住宅費が安くなる。

 欧州の家は、100年も200年も経った家が多い。地震が少ないという事情もあるが、家は消耗品でなく、代々使うという思想である。家はインフラとして国の宝である。その宝の耐震強度を上げて、国力を上げるべきだ。

 

 私の家は、両親が1970年に建てた。日本家屋の軸組み構造である。それを2011年から7年かけてリフォーム工事で耐震工事をした。現在築50年であるが、今後3年計画で、耐震強度2に上げる工事をする。それで家が80年間も使える計算である。そのように家が長く維持できた要因は、基礎の構成がしっかりしていたためだ。当時のプレハブ住宅は、殆ど建て直しとなっている。当時のプレハブ住宅は、補強工事が出来ない構造であった。

 

100年持つ人間

 これは人でも同じである。基礎ができていれば、歳老いてもつぶしが効くのだ。定年になっても、「終わった人」とならないように、継続して学ぶのだ。

 下駄ばかり履かせてもらい、真剣に勉強もせず、世を渡ってきたKK氏は先行きが心配である。基礎ができていないから、老いても使い道がないだろう。

 人にも試練が必要だ。甘やかされた人間は、人生でたった一回だけの激震で沈没する。その例を、私を踏んづけて去っていった二人のエリート若者に見た。人生の三大不幸の一つは「若くして高台に上る」である。

 

 日本の家造りは、地震と言う試練があったので、ハウスメーカ各社が切磋琢磨の取り組みをして、耐震性・耐久性を向上させてきた。日本人が、その恩恵にあずかれるのは、幸せである。近隣諸国のように、手抜き工事、欠陥工事による不良建築物が少ないのは、我が国の誇りである。家の信頼性は、民度が高い証である。

Scan0195

大垣防災ハンドブックより

2021-12-31  久志能幾研究所通信 2256号  小田泰仙

累計閲覧総数 301,028

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2021年12月26日 (日)

夢の実現方法

  まず希望(志)を強く思う

  松下幸之助翁は成功の秘訣を「二階に上がりたいと強烈に願うこと」と言う。

 

 夢の実現の為の計画を立てる

 

 焦らずに、正しい順序で実行せよ。順序を誤ってはダメ。

  それは神社に祈願の参拝で、祈願してから手を洗うようなもの。

  ご不浄で先に紙を使ってから、用をたすようなもの。

  やはり人生は下積みから一歩一歩、上り続けるしかない。

  それをKKのように、下積みの階段を上らず、高すぎる下駄で、高台に昇るから、世間から反感を招いたうえに、転ぶから同情が集まらない。

 

  私の会社時代、私を飛び越していった二人のエリート若者は、会社から博士号をとるため大学に派遣されて、高い下駄を履きすぎて鼻も高くなった。しかし市場ニーズの環境が変わり、任されたプロジェクトが中止になってしまった。その結果、一人は恩有る会社に後足で泥をかけるように辞めて、大学に戻ってしまった。もう一人は、会社に残ったが、依怙贔屓する上司の専務がいなくなると、閑職に飛ばされ、精神を病んでしまった。高すぎるゲタに当たって下痢をしたのだ。

 

人生最大の三不幸の一つは、「若くして高台に昇る」である。

  彼らは人生の基本である順序を間違えたのだ。

 幸い、私は依怙贔屓も受けず、多くの失敗に右往左往しながら、どん臭く道を歩き、飛び切りの出世はしなかったが、転ぶことはなかった。多くの泥臭い失敗で、大きな経験知を得ることが出来た。だからこそ平凡で地道な人生こそ価値があると実感した。

 

 千里の道も一歩からと思う事

  千日(3年)の修行を鍛、万日(30年)の修行を錬という。つまり30年の鍛錬が成功を生む。目先の利に囚われるから、道に迷う。

 人は必ず死ぬ宿命を抱えて、佛(あるべき姿)になるために千里の人生道を歩む。それが菩薩行である。どれだけ佛に近づくのか、それが人に与えられた課題である。

 

 10年は偉大なり。20年は畏るべし。30年は歴史なり。50年は神の如し。    (鍵山秀三郎)

 

Img_4213s 馬場恵峰書

.

 まず一歩を踏み出すこと。

  何時か、今度、で踏み出すことを先延ばしするから夢が実現しない。

  何時なのか? 「今」でしょう。明日の命は分からないのだ。

  人の性能(?)とは、フットワークの軽さだと私は信じている。

 

私の夢

 今の私の新しい夢は、地震に強い家を建てること。

 ピアニストの室井さんは、90歳で家を新築した。周りから散々反対をされて、彼女は「90歳になったら、家を建ててはいけないという法律でもあるのですか」と逆切れ(?)して家を新築した。彼女は現在100歳で、現役のピアニストである。

 

 南海トラフ巨大地震発生の危険性が高まる2030年までに、私は家を新築する計画を立てた。時間は10年ある、焦らない。

 

 順序として家の土台、家の構造方式を検討している。

  内装など、後からどうにでもなる。まず基礎(土台)からである。

  内装は、人間で言えば、お化粧や服装である。後からどうにでもなる。

 

 家を造るための検討項目を、一つ一つ解決していく。

  まず現地現物で、各ハウスメーカで問題点を比較して課題を解決していく。疑問が出れば、まずハウスメーカの展示家屋を見に行く。フットワークが大事なのだ。頭も悪く忖度してくれる援助者もいない私は、その弱点をフットワークで補うしかない。

 

Dsc002341s

 馬場恵峰書 

 

2021-12-26  久志能幾研究所通信 2250号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月24日 (金)

全自動洗濯乾燥機の故障、予防保全と家の知見獲得

予防保全で洗濯機のサスペンションを交換

 

 今回、洗濯乾燥機のセンサー部が故障した。購入後7年を経過した洗濯機であったので、その補修部品の在庫の有無が心配となった。幸い部品は在庫があり、修理が出来たが、他の部分の故障も心配となってきた。今回の故障を機に、サスペンション部のスプリングとダンパーを予防保全として交換した。

 

 ドラム式全自動洗濯機の洗浄タンク部は上部と下部がスプリングで支持され、左右はスプリングとダンパーで支持されている。自動車のシャーシ部を、サスペンション部が支え、走行時の振動を抑えていると同じ原理である。

 Dsc09289s

家電製品の保証期間

 洗濯機の補修部品の法的保管期間は、製造打ち切り後5年である。全自動ドラム式洗濯乾燥機の使用条件が過酷なので、メーカ保証期間は長くて5年である。エアコンの10年保証とは違い、短い。

 先日、自宅の7年間使っているドラム式全自動洗濯乾燥機のセンサー部が故障した。部品の保管期限を過ぎていたので、買い直しを覚悟した。

 幸い、センサーの故障ではなく、センサーを感知する部品(糸くずフィルターホルダーのツメ)が折れていたために起きた故障であった。幸い、その部品の在庫が有ったので、ドラム式全自動洗濯乾燥機の買い替えは回避できた。

 買い直しと言っても、現時点では、価格は20万円弱だし、パナソニック製の高級品なら35万円もする。そんな高価な家電が6、7年で買い直しでは悲劇である。

そんな製品の保守部品の保管義務期間が製造打ち切り後、5年ではおかしい。法律が間違っている。それではメーカ保護優先で、消費者保護になっていない。

 

次回の故障対応、予防保全

 次に故障したら部品がない恐れがあるため、メーカでの修理を拒否される。それで買い直しとなる。ドラム式洗濯乾燥機の部品の中で、このサスペンション部は振動を抑えるため、過酷な使用条件で故障もしやすい。その保証期間も5年なので、その予防保全として、洗濯ドラム部を支えるサスペンション部の交換を検討した。在庫を確認してもらったら、全国で200個はあるとのこと。12月20日、交換した。交換費用は約5万円である。

 

 それを交換して洗濯時の騒音が少し小さくなったし、次に壊れる期間が長くなったはずである。次の買い替え時までの期間が延び、出費が抑えられたと推定できる。過酷な使用条件の機械は、予防保全が大事だと思う。

 

家を建てる時の新たな知見

 修理に来たメーカの担当者は、私の家の洗濯機が家の外部に置かれているので、洗濯機にとって環境的に良いと褒めてくれた。新たな知見である。

 

過酷な環境

 最近の住宅では、家の中に洗濯機を設置する家の構成となっている。人間様には極楽環境だが、それは洗濯機には悪い環境だという。つまり洗濯機を高気密家屋の中に置くと、湿気で洗濯機の電子部品が早く痛むという。最近の全自動洗濯機は、パソコンと同じで、電子部品の塊である。それが湿度の高い場所に置かれて稼働させると故障の原因となるという。

 またドラム式洗濯乾燥機のサスペンション部を交換しようとすると、家の中の狭いランドリー室では無理で、家から運び出して工場で交換になるという。幸い、自宅は、ランドリー場所が家の外にあるので、修理用のスペースがあちりその場で交換作業が出来た。機械は壊れて当たりまえ。その時のことを想定して、準備をすべきである。

 

 つまり家の中にランドリー室を設けるのは、考えものである。次の家を建てるなら、それを考えて家の設計をすべきだという新し知見を得た。

 

 

Dsc09290s


2021-12-23  久志能幾研究所通信 2247号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月20日 (月)

耐震診断 南海トラフ巨大地震への備え

 今日(2021年12月20日)、依頼してあった自宅の耐震診断の結果に基づき耐震の打ち合わせをした。設計士さんが計算書を持参して自宅で打ち合わせである。

 

この10年の耐震工事の結果

 10年前、リフォーム工事を始める前は、その耐震強度値が0.5以下であった。1970年に建てた日本家屋だから、1981年制定の新耐震基準に達していない。

 

 この10年間、耐震補強でリフォーム工事をしてきて、その結果の値は、X方向の耐震強度が0.77、Y方向が1.2 に上がった。そこそこに強度が上がったが、南海トラフ巨大地震での大垣市の想定震度6強には少し不安である。

 

被害予想

 X方向は東西、Y方向が南北方向である。南海トラフ巨大地震の影響は、南西から北東に振動が伝わる。だから南北の45度斜め方向に家の耐震強度が必要である。

 大垣市は津波の直接の被害はないが、揖斐川の氾濫が予想される。伊勢湾に押し寄せた32m高の津波が伊勢湾から揖斐川をさかのぼると想定される。大垣市の中心部でも0.5~1メータほどの浸水の怖れがある。

 

再度の耐震工事

 そこで、今回、弱い場所の補強を想定して、再計算をしてもらった。X方向にあるガラス戸を取り除き、壁を作ることで強度を上げた場合の計算結果である。

 現状と7つの案の耐震工事を想定した計算結果から、最大の強度の改築案を決定した。

 結果は、X方向が耐震強度1.2に向上した。

 Y方向は、すでに耐震強度1.2であるので、工事無しのままとした。

 

 結果として、今回の工事をすれば、南海トラフ巨大地震での大垣市の想定震度6強に、倒壊、全壊、半壊はまぬがれる。それで圧死の不安は解消される。

 今すぐではないが、早く耐震工事をする予定である。地震発生の予想時期は2035年±5年であるので、地震発生の危険性が高まる2030年までにすればよい。3か所の補強工事であるので、3年計画で、一か所ずつ工事をする計画である。

 今日、その工事見積もりを依頼した。

 

懸案事項

 南海トラフ巨大地震が大垣に及ぼす影響は、地盤の液状化現象である。それは地面に杭を打ち込んで地盤改良するしかない。しかし家が建っている以上は、何ともできない。せめて周囲の土地に杭を打つくらいだが、周囲の土地は他人の土地なので、なんともならない。懸案事項として、残った課題である。

 

危機管理 ― 基本的な考え

 たとえ巨大地震が来て、建屋が一部壊れても、倒壊さえせず、命が守られればよい。命さえあれば、また立ち上がって、家を造ればよい。生きていればオダブツ教を立ち上げて(?)、金を集めればよい。死んでもいいから(?)、健康で命があることが最優先である。どんな大きな地震がきても、家と心が倒れず、健康であれば、再起可能である。

 

 危機管理の第一の基本は、危険を察知したら、まず一歩を踏み出すこと。動けば、何らかの知見を得る。「そのうちにやる、何時かやる」と思っているから、何時までもできない。いつやるの? 「今でしょう」

 

家の耐震準備

 来ることが100%決まっている南海トラフ巨大地震には、準備するしかない。それを来るはずないと楽観的に考えるから、酷い目に会う。2016年の熊本地震でも、7割の人が来るはずがないと思っていたという。

 

心の耐震準備

 また家の耐震工事も大事だが、心の耐震強度も上げねば、人生で沈没する。熊本地震で、避難民の力となったのは、それを想定して準備をしていた自治会役員さんたちであった。地域のつながりが、被災者の命を救う。地震後の避難生活で死亡した人の多くが、近所付き合いのない孤独老人たちであった。

 

想定地震震度

 震度が1上がると地震の強さは32倍になる。震度7とは、震度6の32倍の強さの地震である。幸い、大垣市は想定震度が6強だが、名古屋市や三河地方は震度7と想定される。その準備が大変である。

 しかし準備をすれば、その被害の8割は減せる。それが危機管理である。

 

費用

 今回の耐震診断の費用は数万円である。この耐震診断の数値がないと、耐震工事が正しくできない。地震に備えるための必要な経費である。それをケチってはならない。

 

P1080353s1

 耐震計算書 8通 

 

2021-12-20  久志能幾研究所通信 2244号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2021年12月15日 (水)

気を付けよう ぬくぬく詐欺が 財布抜く

ぬくぬく詐欺まがい住宅メーカの嘘・傲慢・甘やかし

 

 多くの住宅メーカは床暖房の素晴らしさを豪語している。I社などは、床暖房と太陽光発電が標準装備である。それを外したくても外せない。

 床暖房を入れた家は、ある時期には、気密性が高すぎるので、入れなくてもよい時に冷房を入れないと、暑くて家に居られない。却って電気代がかかる。

 その床暖房も一年のうちで2,3か月しかつかわない。多くの家庭が運転費、維持費が高く、直ぐ温まらないのに嫌気がさし、使わなくなるそうだ。

 だから儲かるのは住宅メーカだけ。

 

結論

 床暖房は、人間として傲慢である。人間ならもっと自然に接して暮らしたい。普通の虚弱でない人間なら、床暖房は不要であると思う(私の意見)。

 私はこの10年、築50年の自宅の日本家屋をリフォームしてきた。断熱工事、耐震工事、床下工事、暖房改善工事で、体得した智慧から出した結論である。今の最新式のハウスメーカが作る家は、私の自宅よりはるかに性能が良いはずである。だから床暖房は不要と結論付けた。

 

基本方針

 雨が降れば傘をさす(松下幸之助翁)

 だから寒くなれば、一枚余分に服を羽織ればよいではないか。

 状況が変われば、それに適応して過ごす。それが経営である。

 

 その昔、エリザベス女王も英国宮殿の光熱費を削減するため、一枚余分にガーディアンを羽織ると英国民に向けてメッセージを出した。エリザベス女王も国民に対して、税金の無駄遣いはしていないとアピールしたのだ。

 

高性能の家

 そもそも最近の住宅は高性能になっており、高気密、高断熱の住宅ではエアコン一台で家の中は安定した温度を維持できる。それを年中Tシャツ一枚で過ごせる環境になると宣伝するのは、愚かな人間様を騙し、傲慢さに導くことである。寒い時は一枚くらい余分に羽織ればよいではないか。そうしないから、財布から札束を抜かれても気が付かないのだ。

 さらに新築30年後、床暖房の全面修理で目の玉の飛び出る金を請求される。機械(家も含む)はシンプルイズベストである。

 家と自然と共存して暮らすことが大事である。甘やかされて育った子供はろくでもない人間になり勝ち。家も同じである。床暖房システムは肥満の脂肪のように過剰設備となり、高い初期費用と、維持管理費用が必要となる。

 

お風呂の事故死

 多くのハウスメーカは、お風呂のヒートショックの死亡事故で、床暖房の必要性を宣伝している。まるで脅迫である。事実、日本では年間2万人がお風呂で事故死している。

 しかしそれはお風呂に長く浸かり過ぎたため、のぼせて意識を無くなり、その結果溺死である。決してヒートショックが原因ではない。高気密、高断熱の住宅では、お風呂場の脱衣所でヒートショックを起こすような環境ではない。

 

 だからオダ仏教では、床暖房を勧めるハウスメーカの手口を「ぬくぬく詐欺まがい」と定義している。

 

2021-12-15  久志能幾研究所通信 2239号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月12日 (日)

美人薄命、美人ご縁、美人の地震対策

 

 このエピソードは、1995年に生まれて初めての自費の海外旅行を経験して、体得した知見である。それから発展したエピソードである。犬も歩けば棒に当たる。家に閉じこもっていては、ご縁には永遠にぶつからない。お金は経験を積むための経費である。だからお金を「お足」という。お金を床下に閉じ込めて置いては、お金がエコノミークラス症候群になってしまう。だから、「大事な子には旅をさせろ」と先人は言う。

 

美人ご縁

 行ける時に、行くべき所に行かないと永遠に行けない。今度何時かなどの機会は、永遠に来ない。一寸先は闇なのだ。私はNYに良い時期に行く決意をして、実際に渡米して良かったと今にして思う。その後、911で貿易センタービルも消滅してしまった。その最上階に昇り、NYを展望できたのもご縁であった。今行っても、そのビル自体が存続しない。2021年の今なら、新型コロナ禍で、やんごとなき人でない平民の私?は、ニューヨークなどに行けやしない。

 

無駄使い

 今回(1995年5月)のニューヨーク行きは、美術館めぐりが主目的であったので、お土産らしい物は買わなかったが、クリスタルのデキャンタで唯一の無駄遣いをしてしまった。

 前から欲しかったデキャンタを買おうと、予算は 3~ 5万円程を目安に、この地の有名クリスタル店を数軒捜し回った。しかし、どれもいまいちで値段の手頃なのが見つからない。結局、フランス製のバカラットのデキャンタに目が行ったのだが、値段が少々気にくわない。それで、グラス2つとデキャンタのセットで買いたいと、粘り強く交渉したがグラス 6ケのセットでないと駄目とのこと。エディションナンバー付きで世界に500セットしかない芸術品だとそそのかされて、つい無駄遣いをしてしまった。クリスタル製品にエディション番号など、まるで版画扱いである。この芸術品扱いに、つい目がくらみ買ってしまったが、セットで2000ドルの買い物だったのは少々反省。はるばる米国まで来て、なにもフランス製のクリスタルを買うことはないと思うことしきりであった。つくづくと米国産のお生産はない ・・・・

 

美術品

 オレンジ色のシンプルなデザインのデキャンタの栓、斜めにカットされたデキャンタ底面とグラスのデザインの斬新さは買って後悔のしない芸術品ではある。まあこれならMAMOに 展示されるぐらいの価値ある品物、と勝手に納得した。しかし、あまりに高価で、貧乏人の私には恐ろしくて使えないのが玉に傷である。

 

人生の成功とは単語力

 デキャンタの日本への発送はSHIPPINGとのことで、てっきり船便だと思い込んで、何気なく同意してしまった。しかし後で分かったことは“SHIPPING"とは 「船便」ではなく「出荷」の意味で、「航空宅急便」で送られてきた。その箱の大きさに驚いた。この費用が3万円。SHIPPINGの意味が分かっていれば、船便にして経費を抑えたのにと後悔したが、後の祭りであった。「人生の成功とは単語力にあり」との名言を噛みしめたエピソードでもあった。これで一つ単語力が身につき賢くなった。

 

 

― 後日談 ―

 この6グラスのうち、一個をたった2回使っただけで割ってしまった。美人薄命とは世の宿命である。

 「このグラスが壊れたことは、この芸術品のデキャンタが美しいことを証明 している」とは、ある先生の慰めのお言葉。全くそのとおり。貧乏性の私は、今後は恐ろしく使えそうもない。(実際その後、使わなかったし、使えなかった。)これを壊しても心臓に負担とならないお金持ちに成ろうと、がんばっているこの頃である。(1995年記)

.

地震対策

 しばらく、食器棚にこのデキャンタを飾っていたが、巨大地震の際の家具が倒れ、食器が飛び散る映像を見て、その破壊力に恐怖を抱いた。いくら美術品でも、大地震の時は凶器になり、破壊されるのだと悟った。2035年に巨大地震が来る事を考えると、美術品も常設ではなく、必要な時にだけ飾ればよいと考えた。それで、このデキャンタを地震対策で収納箱にしまった。美人薄命にならないように、危機管理としての智慧が必要である。(2021年記)

 

 この世で一番の美術品は自分の命である。地震災害時に自分の命を守る「城」を造ろうと再決意した。自分の城は自分で守れ。

47_

図2-7 “ VERTlGE"(製品に添付の証明書) (469/500のエディッションナンバーに注目)

Dsc09284s

Dsc09285s

2021-12-12  久志能幾研究所通信 2236号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月 8日 (水)

2035±5年 南海トラフ巨大地震プロジェクト

 

 私は、「京都大学2020年度退職教員最終講義 鎌田浩毅(人間・環境学研究科)」の南海トラフ大地震に関する情報をYouTubeで見て、驚嘆して地震対策の準備を加速させた。

 私は、これを危機管理プロジェクトとして考えた。プロジェクトだから目的、対象品、納期、費用、担当者、を考える。

 私は一市民であるから、できる範囲を個人、町内に限定する。自分の城は自分で守る。それが危機管理の鉄則である。その情報はネットで共有して、皆さんに役立ててもらう。もっと社会に力と責任を持つ為政者は、その対策を強力に進めて頂きたいと願い、この記事を書いている。

 

 「知識は力なり」(フランシス・ベーコン)。地震に対する知識を深めることは、命を守る力となってくれる。その知識の有無で、災害時の生存率が変わってくる。

 鎌田浩毅教授も、南海トラフ大地震の怖ろしさを、皆さんが深く認識していないのに危機感を覚えて、最終講義をされ、これを広めて欲しいと熱望された。

 「知りたることを、人に教えざるは、借金をして返さざるが如し」(福沢諭吉翁)

 

目的: 予想される被害を最小にする。

 自然災害の地震を防ぐことはできないが、減災はできる。

 今から準備すれば被害の8割が減らせる。(鎌田浩毅京大教授)

 

予想される災害(カッコ内は東日本大震災)

  死者32万人 (2万人)

  被災者 6000万人 日本人の半分で、人ごとではない

  被害額 220兆円 (20兆円)

   土木専門家は1410兆円と試算する人もある

   ちなみに日本の年間税収は60兆円

  津波高さ 32m

   つまり東日本大震災の10倍の被害である。

 

 大垣市に限定すれば、震度6強が大垣市を襲う。

 大垣市の地盤は軟弱なので、対策が必要。

 幸い、大垣は津波の直接被害はない。

 電気・ガス・水道が1週間は止ると予想される。

 

守る対象:

  人の命、自宅の家屋の防御、生活空間、生存手段、町内の防御

  

納期: 2030年までに準備が必要

 次の南海トラフ大地震が発生する予想時期は2035±5年である。

 これは地球物理科学から導かれた計算値である。2035年頃(2030年~2040年)に南海トラフ大地震が来ることは、地球物理学的に100%の確率である(鎌田浩毅京大名誉教授の説)。発生日時迄は予想できないが、上記の時期に地震が来ると断言できる。

  

 

履歴 南海トラフ巨大地震

 過去を知れば、未来が分かる

 

 684年  白鳳大地震 M8.25

 887年  仁和地震  M8.25   (前回から203年後)

1096年  永長地震  M8~8.5   (209年後)

1099年    康和地震  M8~8.3    (3年後)

1361年  正平東海地震 M8.25~8.5(262年後)

1361年  正平南海地震 M8.25~8.5 同年

1498年  明応地震  M8.2~8.4 (137年後)

1605年  慶長地震        (107年後)

1707年  宝永地震  M8.6    (102年後)

1854年  安政東海地震 M8.4   (147年後)

1854年  安政南海地震 M8.4    (32時間後)

1944年  昭和東南海地震 M7.9 (90年後)

1946年  昭和東南海地震  M8.0 (2年後)

2035年±5年 次期推定         (89年後)

  2035年を算出した根拠は別ブログで解説します。

 

 

1

   気象庁 大阪管区気象台 | 南海トラフ地震特設ページ より

.

準備品

 家の耐震補強、耐震診断

 非常食等の準備

  水、食料、簡易トイレ (3日分)

 非常連絡網の整備

 避難先、避難経路の準備

 非常時の行動を家族で共有

 防災倉庫

 消火器

 

当面の対策

 私は、今日(2021年12月8日)、自宅の耐震予定対策に対する診断を設計士に依頼をした。既に自宅の耐震工事は終わっているが、弱い部分の再対策である。再耐震診断の結果に基づき、数年以内に補強工事をする計画である。すぐやる必要はないが、1,2年以内にやろうと思う。

 

 明日が母の命日である。母が思いを込めて建てた家である。大事にしたいと思う。それが最大の供養である。

 

2021-12-08  久志能幾研究所通信 2232号  小田泰仙

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月 6日 (月)

松下幸之助翁を感心させて

  (危機管理65)

 昭和45年(1970年)、まだ松下電器(現パナソニック)が成長途中であった時期、T氏が、松下電器の住宅関係の子会社(現パナソニックホームズ)に、家を販売店社屋として貸す契約を結んだ。その契約書は、経営の神様と言われた松下幸之助氏をして「こんなえげつない契約書は初めて見た」と言わしめた代物であった。当時、社長の松下幸之助氏は、松下の子会社約200社の賃貸の契約書の全てに目を通していた。当時、松下電器はまだそんなに大きな会社ではないが、松下幸之助は、何年も所得番付一位で経営の神様とは言われていた。

 

借家の契約条件

解約金  6年未満の契約解約は敷金より5割差引(普通は2割)

敷金   240万円

家賃   月額20万円(当時、医者でも年間200万円の給与の人は少ない)

 

 T氏はこの敷金で材木を敦賀まで買いに出かけて揃え、大工として自分でこの借家を建てた。そして借家業として事業の礎を築くことになる。

 

◆ 経営の神様からの声

 松下幸之助氏は子会社が契約した200通の賃貸の貸し店舗の契約書の全てに目を通していた。子会社の店舗の賃貸契約書は専務のサイン迄でよいので、そのまま通ったが、松下幸之助氏が「こんな契約書をつくる本人に会いたい」と言い出した。さすがの経営の神様も松下電器の専務がサインをして、押印をしてある契約を覆しはしなかった。

 社長の松下幸之助氏からT氏に面会の申し出があり、現地の子会社である滋賀ナショナル住宅機器販売会社の中堀社長や専務が滋賀県のT氏家に車で迎えに来て、大阪に向かった。車内では、迎えに来た中堀社長が、「社長の私でも松下幸之助氏みたいな偉い人には会えない」とかの話になったとか。

 

 大阪の松下電器本社で、松下幸之助氏はT氏に、「なぜ、こんな契約書を作ったか? どんな育ちをしたか? なんで今の仕事をしているか? 家庭の状況はどうか?」等の質問を立て続けにした。さすが経営の神様の質問である。

 

 T氏は、「現在は(当時)6~8%で金利が回っている。その状況で企業として資金を回すなら、年15%利益が出る運営をしないと会社として、機能しない。そのためには3年で投資資金を回収する必要がある。そのため、家賃の額と契約破棄の場合の違約金額を設定した」と説明した。

 

 また、大松下とはいえ(当時のT氏は、松下がそんなに偉い会社になるとはまだ認識していなかった)、借りてすぐ借家を出られては、家主が破産の憂き目にあう。それを考えての「5割」の違約金設定の契約であった。実は、T氏は「大」松下電器を信用していなかった(!)。松下さんもずいぶん軽く見られたもの。

 

 T氏は幸之助さんから、「それだけしっかりした考えなら、納得できる。がんばりや」と言われた。当時、T氏が40歳前で、松下幸之助氏が65歳くらいの時である。

 帰りに金時計と高価なウイスキーをお土産にもらって、帰路についた。京都で接待をうけて、その時の豆腐料理がうまかったと回想している。

 T氏の危機意識

 当時、T氏の手元には貸す家屋はなく、土地だけの状態でナショナル住宅と契約をした。親戚一同からは「一個人の立場で、大松下と契約するのは無謀だ。うまくいくはずが無い。やめておけ。失敗したら土地も全部取られてしまうから、そうなったら一族の恥さらしだ」の大反対が出たが、敢えてこの事業を進めた。この背景で、その契約書はT氏の危機管理意識があって作られた。 

 

 T氏は、正直な話、学校の出来は悪かった。なにせ遊んでばかり居たから。しかし、勉強ができるのと、実社会で知恵を使って仕事ができて成功する能力があるのとは違う。勉強は知識を憶えること。実社会では知恵を使いこなすことが要求される。T氏は正規の学校に入れなったので、夜間の建築科を出て、大工になった。

 

 T氏は、自分の身は自分で守るとの危機意識をもって生きてきた人である。石田退三氏の「自分の城は自分で守れ」と全く同じである。その危機意識が、戦後の時代、裸一貫から身を起こして、現在は一族の中で一番成功していると要因と言える。

1

 契約書  

  保証人の今井氏は、松下電器株式会社の専務
                         

 

2021-12-06  久志能幾研究所通信 2230号  小田泰仙

「久志能」↖ で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年12月 5日 (日)

人間の体の営みは、会社経営と同じ

自分の生き様を会社経営と対比する

 

本社

 自分の体は、自分の魂が住む家で、自分有限会社の本社である。自分の体形を見れば、人生が分かる。

 会社の本社は、会社の精神状態を表す。贅沢な本社と建てると、その会社は衰退に向かうとのジンクスがある。人間でも、贅沢し過ぎれば、贅肉が付き肥満・病気がちになるのは同じである。

 

人生の基礎

 本社建設の基礎は、最重要項目である。基礎がしっかりしていないと、大地震が襲ってきたら、ひとたまりもない。いくら上の建屋が立派でも、土台が崩れれば、全てが駄目になってしまう。

 熊本地震でも、某ハウスメーカが建てた家自体は一部損壊だけであったが、土台が損傷していた。そのハウスメーカの家は耐震強度3以上であった。しかしその1年後、その家は撤去された。土台が崩れて家全体が数度傾いてしまい、人が住むと三半規管が異常を検知して、生活ができない状態となる。そういう家は建築法の判定では、全壊扱いとなる。

 

 人生という建物を建てる時は、人生の基礎と言える人生観、死生観、職業観をまず確立することだ。そうすれば、どんな大きな災難が襲ってきても、傷は負うかもしれないが、倒壊(廃人、自殺)にはならず、立ち直ることが出来る。人生で失敗は恥ではない。立ち直れないのが恥なのだ。それが無機質の家と魂のある人間との差である。

 

経営理念

 自分の人生哲学がしっかりしていれば、堅実な人生を送る。会社の経営理念が明確な企業は、永遠に成長する。トヨタ、松下電器(現パナソニック)、等は世界に誇れる経営理念である。

 自分の人生哲学が明確なら、人生で迷うことはない。老いて醜態を晒すこともない。

 

太陽光発電は洗脳教育

 太陽光発電は、洗脳教育と同じである。家の耐震対策として大事なのは、上部に重いものを載せないことだ。例えば、土付きの瓦、太陽光パネル等である。上部に重たい質量があると、地震の時、家が大きくゆすられる。

 実家の耐震工事で、重たい土付きの瓦葺きをサン葺きの瓦に変更した。

 太陽光パネルも同じである。重たいパネルを屋根に載せれば、耐震対策で不利である。私が計画している家では、太陽光発電はするつもりがない。

 人間様も、頭でっかちになったら、危なっかしくて、人生道を歩むときに心配である。まるで太陽光発電に洗脳されたみたいである。太陽光発電は、環境にも優しくなく、共産国家とそれにぶら下った政治家が儲かるシステムである。太陽光発電が環境に良いとは、頭を重たくする洗脳教育である。

 

会社の寿命は60年

 現在、会社の寿命は30年となったようだ。それだけ社会が激変している。私の前職の会社も60年余でこの世から消えた。

 ダーウィンの説によれば、強い会社が生き延びるのではない、もっとも早く環境に適合した企業が生き延びる。残念だが、前職の会社はその変化ができず、市場から消えた。

 

 その昔、人の寿命は60年であった。だから定年が55歳であった。最近、日本人男性の寿命は80歳まで伸びてきたが、健康寿命は70歳ぐらいである。

 時代が変わったのだから、生態を変えて、定年後の生きざまを変えないと、定年後に健康を害するかボケで、人生が終わってしまう。私はそんな状態で死んでたまるかと、家を新築する計画を立てた。新しプロジェクトに取り組むと、人に生長のホルモンを与えてくれる。人の価値は、長生きで多く世に貢献してなんぼである。

 

5S

 会社はトイレの汚さ、綺麗さを見れば、経営状態が分かる。会社診断で、診断士が必ずチェックする項目である。

 会社の5S(整理整頓清潔清掃)がきちんとされているかどうかが、経営診断の基本である。トヨタは5Sの徹底で、三河の零細企業が、世界一の自動車メーカになれた。トヨタ生産方式は5Sの具体的な展開である。

 

 私は関西の某IT会社の社長から、「貴社の本社(前職の会社)のトイレは汚いし、工場内の整理整頓がされていない」と告げられた。会社の掛け声は立派であったが、実態が伴っていなかった。その酷評の15年後、市場からその名が消えた。

 

 自分の体も、5Sが出来ているかが、人生道を歩む基本である。頭の整理、身の回りの整頓、身の清潔、清掃であれば汚職などしまい。自宅のトイレがきれいだと、運気が向上する。

 

社長と専務

 社長は自分である。その奥さんはその家の大蔵大臣である。奥さんがしっかりしていれば、安泰である。会社も専務がしっかりしていれば、安泰である。ホンダも、社長はハチャメチャな天才技術者であって経営者ではなかった。しかし専務の藤沢武夫氏が、財布をしっかり握っていたから、ホンダは世界企業に成長できた。

 

2021-12-05  久志能幾研究所通信 2229号  小田泰仙

「久志能」↖ で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年11月28日 (日)

トイレのリフォーム完成、雪隠詰めを避ける

 

 暮れの押し詰まった2015年12月30日、玄関とトイレのリフォームがほぼ完成した。今回のリフォームでは、耐震補強を兼ねて玄関の壁とトイレの壁に合板を2枚重ねて貼る手法で、耐震強度を上げた。その成果として、家屋の前後方向の耐震強度が1.7、横方向が1.0とほぼ満足できる状態になった。築45年で傷んだ家屋を復興させた。この家を建ててくれた両親も喜んでいると思う。今の家を全部壊して新築したほうが安かったが、思い出の詰った、また母の想いが籠もった家を壊すのがしのびず、リフォームで対処した。

 

 トイレも自分がヨイヨイになってからリフォームするよりも、元気なうちに将来を見越して改築した。現状の倍の広さに拡張して、最新のトイレ機器に入れ替えた。毎日のことであるので、気持ちよく過ごしたいし、来客者にも気持ちよくしていただきたいとの目的である。

 近所の方の話しによれば、介護をしなければならない家族がいるので、狭いトイレではその介護が大変だという。自分が介護を受ける身になっても、介護する人のためにも、トイレは広いほうが良い。

 

不浄の世界を変える

 人が一生の間に利用するトイレの回数は15万~20万回で、トイレで過ごす総時間は3年に及ぶ。それを思うと、少し遅かったがトイレのリフォームはやってよかったと思う。御不浄だからこそ、不浄でなく過ごしたい。意志さえあれば不浄の世界を清浄の場に変えられる。

 

雪隠詰めを避ける

 狭いところに追い詰められて、用をするより、土俵のど真ん中で、勝負をした方が、良い結果が生まれるし、巻き返しもできる。人生の勝負も雪隠詰めでは後がなく、巻き返しも難しい。

 勝負するため、早め早めの手を打つ。期限一杯で勝負するからうまく行かない。狭い場所で勝負するから、うまく力を出せない。

それを防ぐため雪隠詰めになる場所を避け、大広間で勝負する。そうすれば「ウン」が向いてくる。そう考えて、今まで半坪のトイレを2倍の1坪に拡張した。

 トイレは一日に10回弱使用する場所である。物事の余裕が生まれて、人生を快適快便開放的になった。思わぬ効果である。

 住宅メーカの展示場を新家屋建設の調査の為に回っているが、ここまで広いトイレは見たことがない。広げて良かったと思う。

Photo

 リフォーム後のトイレ  2015年12月30日

Photo_2

 リフォーム前のトイレ

 

2021-11-28  久志能幾研究所通信 2222号  小田泰仙

累計閲覧総数 295,125

「久志能」 で検索

著作権の関係で、無断引用を禁止します。