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2023年1月17日 (火)

納骨 風土記 地球環境の持続可能性

 

 関東と関西で、納骨の方式が違うことを、私は古希を超えて初めて知った。関東の同年代の知人に聞いても、同じように知らなかったので、少し安心した。世の中、知らないことばかりである。

 

 今回、関西系の私が東京での納骨式に初めて参列して発見したことは、関東では納骨では骨壺のまま墓の納骨室に収める、とのことである。 中部地方も同じようである。私は中部地方に住んでいて知らなかった。

 関西では、納骨はお墓の納骨室の土の上に(布の袋に入れて)置く

 2015年にお墓を改建したときも、私は古いお墓から回収したお骨を、新しいお墓の納骨室の土の上に置いた。その時は、写経を開眼法要までに110枚ほど書き溜めて、それを土の上に敷いて、その上にお骨を袋に入れて収めた。その袋には全面に般若心経が書かれていた。

 

 東京の知人は骨壺方式が当たり前と思っていたし、関西系の私は関西方式のお骨を土の上に置くのが当たり前と思っていた。東京の知人も、本件を聞いてみたら、東京方式が当たり前で、関西方式を知らなかった。お互い、古希を過ぎた人間で、世間の常識はひと通り知っているはずが、この程度の有様である。言われてみれば、実際の納骨式には、よほどの親族でないと立ち会わないので、その実態を知らないのだ。

 

お墓の機能

 私は、「お墓はお骨を土に還す装置である」と教えられてきた。だから土の上にお骨を置けば、バクテリアが80年かけて土に還してくれる。それを私は正しいと信じていた。しかしそれは各地の風土の違いのようだ。どちらが正しいかではなく、日本では、各地で違った風習なのだ。これで一つ賢くなった。

 なお骨壺方式では、80年経っても骨は風化せずそのままのようだ。しかし長い間に骨壺内に水が溜まるので、最近は骨壺の下側に1ミリくらいの水抜きの穴が設置されているという。

 

墓とは

 人生は幕の内で暮らすこと。生きている間は「お天道様」の下で暮らす。だから「幕」の下側が、「日」である。死んでからは、土の上で暮らす。だから「幕」の下が「土」である。

 

 その字源からみると、お骨は土に上に置くのが正式の方式のようだ。しかし時代が変り、場所も変われば、その方式も変わる。私(人間)は土から生まれて、土に還る。そう思うと、私は骨壺方式よりも、土の上に置かれて土に還った方を選択したい。自分で建てた墓で、自分で書いた般若心経の紙束を布団にして、永眠する予定だ。

 

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 墓芝石に設置した納骨室部。そこに山土を敷設した。この上に墓石が設置される。

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 納骨室に写経の紙を110枚程置いた。その上にお骨を置いた。

 お墓を改建した当時は、自分もこのお墓に入ることを全く考えていなたかったが、冷静に考えれば、自分もいつかこのお墓にはいるのだと気が付いた。その時、冷たい骨壺の中で過ごすより、温かみのある紙(写経紙)の布団の上で、80年かけて土に還ったほうが安眠できそうだと気が付いた。それが地球にも優しいサスティナビリティなのだ。ご先祖様の為にと思って墓を改建したが、それは自分にも返ってくるのだ。情けは人の為ならず、である。

 

2023-01-17  久志能幾研究所通信 2591  小田泰仙

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