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2018年6月10日 (日)

自動車保険40年間の総括

 私は1979年に最初の車・カリーナを購入して、それ以来40年間で、4台の車に乗った。その間、車両保険には入っていない。現時点で総括をして、車両保険に入らなくて正解であったと結論付けた。勿論、対人、対物の保険は金額無制限で入っている。

 

私の事故歴

最初の事故

 私の最初の事故は、1979年に最初の車を買った直後、実家の車庫入れで左ドアを擦り、左ドア一式を交換した。約5万円。当時は、パワーウィンドウもないドアで、安かった。

 

もらい事故

 2001年、もらい事故で約100万円の事故の被害を受けたが、10:90の負担割合で、私は相手の車の修理も含めて約20万円の負担となった。

 原因は、相手の前方確認怠慢と、道路設計上の欠陥である。裁判にしても勝てる状況であったが、宮仕えの立場で、その裁判時間に時間を割くわけにもいかず泣き寝入りにした。後日、道路を管理する県も立木で見通しが悪い道路欠陥を分かっていたのか、いつの間にか立木が撤去され、視界が改良された。

 事故状況は、夜間、私が自宅への帰路、見通しのよい直線道路を真っ直ぐに走行していたら、セルフのガソリンスタンドから相手の車・ハリアーが飛び出してきて、私の車の側面にぶつかってきた。走行中を真横からぶつけられたので、気づいたときは避けようがない。側面衝撃だから、エアバックは作動しなかった。相手は道路横の立木が邪魔して、私の車の発見が遅れた。

 保険会社の言い分で、双方が動いている状態なので責任分担で0対100にはならず、粘って交渉したが、10:90の負担割合で私は泣き寝入りである。相手からの謝罪もなく、怒り心頭で、保険会社と交渉した。保険での対応と道義上責任は別である。事故を起こした相手若者は、保険で全て済ませようとしたので、怒り心頭である。なにせセルフのガソリンスタンドを利用しながら、高級車のハリアーに乗っている。通常のガソリンスタンドなら、店員が誘導するから事故は起きにくい。

 コンビニ、セルフのガソリンスタンドは信号のない交差点である。注意が必要だが、夜の走行中に横から突撃されては、お手上げである。相手に対して、見通しの悪い場所からの本車線への進入時は、よく見ろとしか言えない。自分への反面教師材料とした。

 この事故の再発防止の結論は「夜遅くまで働かず、早く明るいうちに自宅に帰れ」である。それは当時の中間管理職の私には無理!! 宮仕えは辛い。

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Img_0213  事故被害 2001年3月26日   

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 ぶつかってきた相手からの視界。立木で視界不良

Img_0216  相手車は立木に突っ込み立木をなぎ倒した。

凍結事故

 2003年頃、近年にない大雪の日、出勤の様子を見ていて道路状況が良くなったので、時間を遅らして自宅を出発した。基幹道路上は、雪は溶けており問題がなかったが、途中の東名陸橋下の路面が日陰で凍結しており、それに気が付かず走って、車が急にスピンをして壁にぶつかる自損事故を起こした。前バンパーをまるごと交換して10万円の出費。車は凍結面で滑ったら、全くコントロールが効かなくなる。その恐ろしさの勉強代であった。雪の日は、車でのお出かけは、ご法度にすべき。天が休めと言っているのに、逆らったからバチが当たった。それ以降、雪の時は車に乗らないようにした。

 

バックカメラ盲信事故

 2017年、夜間の駐車で、駐車中の車にバックで擦り、当方は殆ど傷がなかったが、相手の車のドアを傷つけてしまった。それは保険で対処した。バックカメラを取り付けた直後で、その操作ミスである。却ってバックカメラを盲信したのが失敗である。その修理金額は10万円余。保険で対処したのでお金は不要であったが、保険の等級が下がり、3年間で実質的に10万円の出費となった。それで保険の意味を悟った。

 

保険と占い師

 保険とは使ってはいけないお守りなのだ。あると安易な運転となる。保険を使うと却って損をする。保険金システムは、若い人が起こす事故の保険金の支払いを無事故の優良ドライバーが支えている。保険会社も賢く、事故歴の多い若者の保険加入を拒否する。

 その昔のシナの王様は、高額で占い師を抱えていたが、生涯その占いを使うことはなかった。保険と同じである。使わないに越したことはない。王様と違いお金が十分にない我々は保険を再検討すべきである。

 

収支決算

 車を乗り始めて40年間で、事故で支払った修理費合計が45万円である。もし車両保険に入っていれば、年間、5万円程通常の保険料より高いので、その累計のかかったであろう金額合計は200万円余である。

 

一般車両保険に含まれる盗難保険は、保険契約書に読めないような小さい字(読ませないように)で書かれた免責事項が多くあるので要注意である。

 

車両保険に含まれる盗難保険

◆保険適用は偶然で無過失が基本

施錠忘れ、エンジンを掛けたまま車を離れたなど、油断で車が盗まれた場合は「無過失」ではなく保険金は下りない。自宅前の道路上駐車も、保険金請求が難しい。

◆保険適用には注意義務完璧が基本

短時間の一時的な駐車で、コンビニに立ち寄り、トイレに行くため、キーを付けたままで車を離れたという事実があれば、車両保険は適用されない。

車の管理責任の所在があいまいな状況、たとえばガソリンスタンドでの洗車やオイル交換、自動車整備業者、カーショップで車を預ける際には、要注意である。盗難時の状況次第で、車両保険金の支払いが拒否される。

◆自動車保管時は管理状態にあるのが基本

駐車場が、自宅敷地内、屋内といった状況でも、キーを抜いてドアロックは必須である。車両本体盗難時には、スペアキーの存在確認と提出などを要求される。スペアキーの車内保管や車外貼り付けなどでは保険金は下りない。窃盗犯が自宅内のスペアキーを盗み、車が盗難された場合、保険金は下りない。

「1番安い自動車保険教えます」

 http://ichibanyasui-kurumahoken.com/3897.html

「車両盗難の保険金支払いは無過失が基本」から要約版に編集

 

保険の秘密

 保険会社が儲かって、保険会社の社員の給与が高いのにはワケがある。僅かの当方のミスを咎めて、出すべき保険金を渋るから儲かるのだ。それよりも、かけるべき保険金を、自分で貯金しよう。

 

車両保険の結論

 私はこの40年間、車両保険に入らずに、細心の注意をして運転してきたので、155万円の節約ができた。科学的・確率的な安全運転を実行すれば、車両保険に入る必要はない。保険の掛け金の分を貯金するとすれば、40年間で保険金の補填額を上回る金額を貯金できる。

 そのためには、「極楽運転道」の技術が必要です。このブログのカテゴリー「極楽運転道」を参考にして、皆さんも事故を起こさない運転技術、事故に巻き込まれない運転ノウハウを習得ください。これで事故をゼロにはできないが、事故になる確率は減らせる。

 人生でも、危ない人や、危ない事象、危ない時期には、近寄らず、が人生を無事に送る秘訣です。アホな人にいくら言っても無駄です。君子危うきに近寄らず。

 

2018-06-10

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

2018年3月 2日 (金)

七眼の身に変身

 2018年2月26日、車歴18年の自車に、後付けの車両衝突防止装置であるイスラエルのモービルアイ社製「モービルアイ570」を搭載した。今までにナビのカメラ、ドライブレコーダー、後方カメラ、前方バンパーに側面カメラを装備しているので、自分の眼がねを含めて、今回で7番目の眼の追加である。

 2013年、夕刻に歩行者をはねてしまったことがある。幸い相手は打撲だけですみ、示談にしてもらった苦い経験がある。そのため車の安全装置として対歩行者用の後付けの人検知センサーを探していたが、後付けでは見つからなかった。あっても、車メーカーの標準装備品で、それを購入すると、おまけ(?)で新車が付いてきてしまう。それ故、新車一台分の価格(?)で高価である。どうも自動車メーカーが新車を売りたいために、部品メーカーに圧力をかけて、この種の製品を開発させないようにしているようだ。自動車メーカーは、車を大事に長く使うユーザーのことをもっと考えて欲しい。

 

安全方針

 私は安全には金を惜しまない方針である。人身事故を起こして、その後始末を考えれば、安全装置は安いものである。「死んでもよいが、健康管理が大事」と同じ考え方である。

 自車は車歴18年だが、走行距離はまだ11万キロでエンジンは絶好調である。私の方針として、車は大事に長く乗りたいと思う。しかし電子機器の進化は早いので、その更新は適宜行っている。2月21日に大村市で乗ったタクシーは77万キロの走行距離で、快調であった。タクシーで50万キロ、70万キロはざらであるとか。車は整備して乗れば長寿命である。

 ネットでモービルアイ社製「モービルアイ」を発見して、早急に装備した。価格は取り付け費を含めて21万円。これは特約店でしか購入できず、中部地区では、豊田市と名古屋市の2店のみである。ネッツトヨタの店長さんの推薦で豊田市の新明工業さんを選定した。そのため大垣から豊田まで出かけた。遠いのが難点であったが、安全には代えられない。

 

モービルアイの機能

 カメラからの画像処理で人を検知すると、画面に人が緑で表示される。その人に近づきすぎると赤に変わり警報音が出る。

 前方の車との車間距離を、衝突までの秒数で表示される。車間距離が2.5秒以上の状態では警告は表示されない。

 道路の速度制限標識を、カメラが検知してその制限速度値が、次の画像更新まで画面に表示される。なかなかに賢い。

 ウインカーを出さずに車線を逸脱すると警告音が出る。

詳細はネットで「モービルアイ570」を検索ください。

 

モービルアイの限界

 残念なのは、人や車の検知がカメラでの画像処理なので、夜間は使えないこと。現在の新車に装備された人感検知が、ミリ波レーザー方式で夜間でも有効である。これは、致し方ない。最新式はセンサー連動で自動ブレーキであるが、そこまでは必要はないと判断した。

 一番怖いのは、右から来た車に気を取られ、左側の歩行者や自転車を見落として事故を起こすこと。最近の老人や自転車は、信号無視の人や横着な人が多く、私は頻繁にヒヤッとしている。自分の老化のせいで、車の周囲の検知能力が低下しているのも現実の姿である。その運動神経の劣化を機械で補えれば、十分に目的を達せる。これは十分に元が取れる装置である。

 

車の安全運転の原則

 車の安全運転の原則は、機械でできる安全は、お金で解決すること。事故を起こすことを思えば安い。人間は間違いを犯す動物である。特に老いるとミスが多くなる。その前提で安全な車に乗ること。安全な運転と安全装置を付けること。

 夜間は運転しないこと。運転のプロの白バイの警察官でも、「夜は暗闇に人や障害物が溶け込んで見えないので恐ろしい」という。運転の素人の我々はなおさらである。 

 事故が起きることを想定して、ドライブレコーダーを装備すること。以前に、トラブルが記録されていない事象があったので、保安としてドライブレコーダーを二重にした。

 トヨタ生産方式を作った大野耐一氏の言葉「金が出来たら、設備に金を回せ。人で効率を上げてはならぬ」である。私は「金がなくても、安全には金を使え。安全を人の注意だけに頼ってはならぬ」が信条です。

1p1100043  表示部の取り付け状態 

2p1100055_1  左側の黒い箱がモービルアイのカメラ部と本体

3p1100048  前方との車間距離1.6秒と速度制限標識を表示

4p1100052_1  人を検知して緑の人マークが表示

2018-03-02

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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2018年2月 7日 (水)

(8) 曲がったことは嫌い?

 私は車の運転では、極力、で曲がらない運転を心がけている。人生道の運転でも同じである。物理の法則に「慣性の法則」がある。動いている物はいつまでも動いていて、止まっている物はいつまでも止まっている。もう一つの運動法則に F=m・α で表される運動方程式がある。これを車の運転に適応すると効果的だ。車線変更等の現状からの変化するための運転は、余分にガソリンのエネルギーが必要で、さらにその分のストレスが発生し、節約上で無駄である。また車の運動の変化には、事故の要因が入り込む。

 

交通事故死の44%は交差点で

 現状からの変更は、とかく大きなエネルギーがいるのは世の常である。同じことが車にも言える。現状維持が一番の省エネである。だから「曲がったことの嫌いな?」私は、目的地に行く場合でも、最短距離で選定した経路でなく、曲がる回数の一番少ない経路を選んで走っている。「曲がったこと」をするには、それ相応のエネルギーが必要で、これが交通事故の確率を増やすことになる。いくら近道でも、小さな道を曲がりくねっての走行は避けたいもの。曲がる行為は、交差点で発生する。交通事故死の44%は、交差点で起きた事故である。(1993年) 

 

サイドフォースで無駄30%

 またタイヤにかかる摩擦円の力学的にも、曲がるときには駆動力以外に、サイドフォース(駆動力の約30%)がかかるので、エネルギー的に損失が生じる。当然曲がるためには、ブレーキを踏まねばならない。ブレーキはエネルギーロスの最たるもの。無駄なエネルギー(お金)を使わないためにも、曲がらずに走るべし。

 

事故件数

 林洋著『自動車事故の科学』で、氏は交通事故を下記で定義している。この遭遇数とは変化の数である。この式からも「変化ある」運転が事故の確率を増やす。

  〔交通事故件数〕=〔遭遇数〕×〔遭遇が事故になる確率〕 

 人生では「変化はチャンス」と言われる。しかし、車の運転では「変化はピンチ」 との認識が必要だ。ピンチとチャンスは表裏一体である。「曲がる」、「ブレーキをかける」、「アクセルを踏む」の3つの「現状からの変化」の動作には、常に危険が付いて回る。だからこの3つの変化をする時は、無条反射の下記動作で、回りの状況を確認する習性を身につけると良い。これが事故への出費を無くしてくれる。なにせ、これを守らないと、テストドライバー検定試験では減点される。

 

 確認の基本動作

 ・バックミラーを見る

 ・ドアミラーを見る

 ・首を振って横を見る

 

 人生の曲がり角での基本動作

  ・自分の過去を振り返り、その人生経路変更に耐えられるか?

  ・現状の周りの状況を見て大丈夫か?

  ・首を回して、足元に隠れた落とし穴はないか?

 

(9) ブレーキを踏まない運転を 

 (8)項で述べたように現状からの変更は、エネルギーが必要である。同じ理由で、極力ブレーキを踏まない予想運転をすれば、事故とタイヤの磨耗を防げる。それは前とその前を走るの車の状態、回りの状況を考えて運転すればよい。慌ててブレーキを踏むとは、考えて運転していない証拠である。事前に相手の状況、次の信号を予想できれば、エンジンブレーキで車の速度は制御できる。急ブレーキは、起こるべき状況を予想できなかったためである。テストドライバー検定試験で、急ブレーキを踏めば、一発で不合格である。

 

タイヤの70,000km走行実績

 以上の述べた手法の集大成の結果として、私の前のクレスタ(1999年まで使用)のタイヤは、70,000kmの走行実績を記録した。この走行距離でも、まだ、然るべき規定タイヤ溝深さを保持した状態で、けっしてツルツルの状態まで乗ったわけではない。

 人生は一本道。フラフラとあちこちの道に曲がると、人生時間の無駄である。ひたすら我が一本道を走るべし。

1p10301192

  馬場恵峰書  2012年

 

追い越し車線 

 本来、追い越し車線は急ぐ人や(思想の)貧乏人のために空けておくべきで、安全運転と生活VAを心掛ける人は走るべきでない。そのかわり、急ぐ時には必死に飛ばして走るべきである。不真面目に?とろとろと走っていると、気の短い輩に煽られるし、「気違い」に、走行車線からの変則の追い越しをかけられ、逆に事故に巻き込まれる可能性が増す。だから私がたまに追い越し車線を走るときは、目的意識を持ち「真面目に」飛ばしている。前の車が遅いと「グズ! そこを退け!」と、ペルソナを変えて臨機応変に性格を変える。

 

銀行強盗の勧め?

 某大学の教授室で、車の論議に花が咲いていた。大手自動車会社から天下ってきたお偉い御方曰く、「とことこ走りたい人はそれでよろしいが、世には親の死に目に間に合わせるため、命がけの法規無視で駆け抜けたい人もいる。その人のためにこそ、追い越し車線を空けて欲しい・・・」と。

 それを受けて、敬愛する茶目っ気のある先生が、「さすれば金のない人のために、いつでも銀行強盗ができるように、金庫を開けておけと言うか・・・」とスマートに言ったら、気まずい雰囲気になったとか。とかく偉いお方はユーモアのセンスが無い。住専問題(1995年頃)を考えると、一人の人間ができる銀行強盗の額は高が知れている。でも今回のビットコイン560億円かっさらい事件(2018年)を考えると、銀行の金庫は、開放されているようだ。

 

2018-02-07

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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2017年6月27日 (火)

走る棺桶に乗っていませんか? (改定)

8.2  安全への投資

⑴ より安全な車を選択

 目先の節約の点や、経済性からいくと逆になるが、大きな車に乗る方が安全で、人生の長い目で見たら総合的に経済的である。人生で一番大事なのは、己の命である。命はお金では買えない。

 

 私は業務上の必要性から、会社のテスト車で、軽自動車,リッターカー,小型乗用車,普通乗用車、FF車、FR車、RV車,1BOX車、スポーツカー(ホンダNSX)を乗り比べてみて、道路上での周囲の反応が微妙に違うことに気がついた。明らかに、軽自動車やリッターカー等の小さな車に乗っていると、トラックやチョットいい車に乗っている連中に、軽く見られる傾向があるのを感じた。特に、信号待ち等での相手車の強引な右折や追い越し等で、それをよく感じた。逆に、でかいRV車に乗っていると、この現象が激減する。

 ランクルに乗っている知人の話でも、トロトロと走っていると普通車では直ぐあおられが、ランクルだとあおられることはまずないそうだ。どうも日本人は、乗っている車の車格から人格を判断しているようだ。確かに私でも、相手が高そうな外車や、特に相手がベンツなら下手をするとヤーさんかもしれないので、思わず道を譲ってしまう。また無意識に高い外車だと下手に絡むと高い修理代を請求されるとの潜在意識が働き、無意識に車間距離を広げてしまう。逆に軽なら、金のないオバチャンが乗っているかと、軽んじてしまいそうだ。

 

 このように、小さい車に乗っていると、強引な割り込み等で事故に巻き込まれる可能性が高まるので、少しでもそれを避けるには2000CCクラスの普通車が無難である。出来れば戦車がお勧めです? それが無理なら、「乗用車の戦車」と言われるVOLVO 車やベンツがお勧めである。ボルボ車には、事故になっても車は無事で、乗っていた人は死んでいた、とのジョークがあるほどで、その安全に取り組む姿勢は並ではない。安全のためにはこの出費は保険、として考えれば納得がいく。事故が起これば、いくら節約で効果を上げても、何をやっているかわからない。また一般的に、事故が起きた時には、車が大きい方(高い車)が死亡に至る危険性が少ない。安全が人生最大の節約です。事実この理由で、知り合いの社長は娘さんにアメリカ車を与えているとか。

 

軽自動車の留意点

 軽自動車は、税金、運用経費の安さで、2台目の車として利用されている。しかし安全性の点では、利用方法を考えるべきだ。特に、軽自動車に乗る時は、間違っても国道1号線等のトラックが多く走る夜間の道路は走らないことが前提である。軽自動車がトラックと勝負しては、軽自動車は「走る棺桶」に変貌する

 昔の仲間で、夜遅くまで仕事をしてその帰路、国道一号線で信号待ちをしていて、居眠りのトラックに追突され半身不随となり、退職を余儀なくされた方がいた。相手が居眠りのトラックでは、防ぎようがないが、せめてその対策の一つとして、丈夫な車を選択し、夜間の国道を走らないのが自衛策だ。

 

 その被害にあった車は、軽自動車ではなく普通自動車ではあったが、追突時に車体がトラックのバンバーの下に潜り込み、運転者は首をやられて半身不随となった。同乗者は首を下げて回避して、軽傷ですんだ。

 この種の対策は、信号待ちで止まるとき、①前の車との車間距離をとって、いざという時、回避運動を取れるようにする、②バックミラーで後方の車が正しく停まるか注視する、③なるべく夜の国道は走らない、で自分を守るしか手がない。

 夜の国道には魔物が住む。国道では基本的には信号無視はなく、安全とは言えるが、居眠り運転では如何ともしがたい。

 

 夜遅くまで働かせるようなブラック企業勤務なら、転職も一つの道ではある。それで命を落としたら何のために働いているのは分からない。私もその当時は、仕事をするのが生き甲斐で、夜遅くまで働いていたが、苦にならなかった。当時は今から見れば、ほとんどの企業がブラックであったかもしれない。そういう時代であった。時代が違うというと、語弊があるが、この10年で価値観が激変した。仕事とは何か、生きるとは何か、何のために生きるのか、自分で回答を見つけないと、人生の手段の一つである車の運転で殺される。仕事とは人生である。運転は人生の目的ではなく、手段である。車の運転で人生が無為に帰するのを避けたい。それがこの文書の目的である。車の運転では、安全が最優先である

 

 軽自動車の前面は、その構造上で衝撃吸収空間が小さいので、正面衝突の場合の危険性が大きい。また物理学の運動エネルギー不滅の法則からで、その質量差から来る衝撃エネルギーの吸収の点で、軽自動車の致死率は普通車の7倍に達する。その運動方程式を表すと、式⑴となる。車の質量の差が、吸収エネルギーに変わる割合が示される。

 

   M・V1 + m・V1  = M・V2 + m ・v2    ・・・・・⑴ 

       M :普通自動車の質量

       m :軽自動車の質量(≒ 0.5* M)

       V1 :衝突前の速度(普通自動車)

       V2 :衝突後の速度(普通自動車)

       v2 :衝突後の速度(軽自動車)

 

    図⒏4 普通自動車 vs  軽自動車の衝突

 

 リッターカーの宣伝で、「クラス最高の安全性を確保」とカタログで詠う車種もあるが、あくまでそのクラス間での話で、別クラスのベンツと衝突の喧嘩をすれば、「全面敗北」である。

 

 交通事故の死亡原因を、損傷臓器別に見ていくと、その6割が頭部損傷である。これは「びまん性脳損傷」と言って、交通事故による死亡者の多くは、頭部の外傷や骨折によるものではない。直接的な打撲がなくても、衝突による加速度やひりね力で、脳の各層にずれやひずみが生じる。その結果、脳のあちこちで血管が破裂したり、神経がずたずたになってしまう。頭部損傷による交通事故死のほぼ3分の1が、こうした加速度損傷による死亡だと言われる。

 森安信雄著『交通頭部外傷の社会的研究』やゼネラリー博士の『軸策損傷の研究』によると、猿の頭部に、回転角度と回転中心を一定とした3方向の加速度運動(1~2 ×105  radans/sec2)を与えた実験では、側面からの衝撃は、他の方向(前後、斜め)からの衝撃に比べて、より大きな脳のずれを発生させることが判明している。このことから、エアバック、特にサイド・エアバックが極めて重要であることを示してる。

 

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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書の著作権は馬場恵峰師にあります。所有権は久志能幾研究所にあります。

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2017年6月26日 (月)

銀行強盗の勧め?

(8) 曲がったことは嫌い? 

  交通事故死の44%は、交差点で起きた事故である。(1993年) 

  林洋著『自動車事故の科学』で、氏は交通事故を下記で定義している。

 〔交通事故件数〕=〔遭遇数〕×〔遭遇が事故になる確率〕 

 この遭遇数とは変化の数である。この式からも「変化ある」運転が事故の確率を増やすことが分かる。

 

 人生では「変化はチャンス」と言われる。しかし、車の運転に関しては「変化はピンチ」との認識が必要だ。ピンチとチャンスは表裏一体である。「曲がる」,「ブレーキをかける」,「アクセルを踏む」の3つの「現状からの変化」の動作には、常に危険が付いて回る。だからこの3つの変化をする時は、無条反射の下記動作で、回りの状況を確認する習性を身につけるべし。これが事故への出費を無くしてくれる。これを守らないと、テストドライバー検定試験では減点される。

 

 確認の基本動作

 ・バックミラーを見る

 ・ドアミラーを見る

 ・首を振って横を見る

 

 経営道でも、一度決めた経営方針をたびたび変えると、迷走経営となる。ひたすら、愚直に経営方針を貫こう。経営方針を変える時は、周りの経済状況を確認して、競合他社を観察しよう。

 

 現状からの変更は、とかく大きなエネルギーが必要である。同じことが車の運転にも言える。現状維持が一番の省エネである。だから、曲がったことの嫌いな?私は、目的地に行く場合でも、距離数で選定した経路でなく、曲がる回数の少ない経路を選んで走る。「曲がったこと」をするには、それ相応のエネルギーが必要で、これが僅かながら事故の確率を増やすことになる。いくら近道でも、狭い生活道路を曲がりくねっての走行は避けたい。曲がる行為は、交差点で発生する。

 

 物理の法則に「慣性の法則」がある。動いている物はいつまでも動いていて、止まっている物はいつまでも止まっている。もう一つの運動法則に

    F=m・α

で表される運動方程式がある。これを車の運転に適応すると、車線変更等の現状から変化する運転は、余分のガソリン消費になる。さらにその分のストレスが発生し、帰宅後アルコールを消費する因果となる。節約上で無駄である。また車の運動の変化には、事故の要因が入り込む。

 

 またタイヤにかかる摩擦円の力学的にも、曲がるときには駆動力以外に側面力(駆動力の30%)がかかるので、エネルギー的にロスが生じる。当然曲がるためには、ブレーキを踏まねばならない。ブレーキはエネルギーロスの最たるもの。無駄なガソリン(お金)を消費しないために、曲がらずに走るべし。

 

(9) ブレーキを踏まない運転をする 

 

現状からの変更には、とかくエネルギーがいる。同じ理由で、できるだけブレーキを踏まないように予想運転をすると、事故とタイヤの磨耗を防げる。それには、前後とその前を走る車の状態、回りの状況を考えて運転すればよい。ブレーキを踏むことになる状況に陥るのは、考えて運転していない証拠である。事前に相手の状況、次の信号を予想できれば、エンジンブレーキとアクセルで、車の速度は制御できる。急ブレーキを踏むのは、起こるべき状況を予想できなかったためである。

 

 同じことが経営にも言える。不景気になり在庫が増え、慌てて生産調整でブレーキをかけるのは、世の中の経済状況の変化を経営者として予見してなかったためである。経営者失格である。

 

 極楽運転道の集大成の結果として、私の車のタイヤは、70,000kmの走行実績を記録した。この走行距離でも、まだ、然るべき規定のタイヤ溝深さを保持した状態である。けっしてタイヤがツルツルの状態まで乗ったわけではない。

 

追い越し車線の意義     

 本来、追い越し車線は、急ぐ人や貧乏人のために空けておくべきで、安全運転と生活VAを心掛ける人は走るべきでない。そのかわり、急ぐ時には必死に飛ばして走るべきである。不真面目にとろとろと走っていると、気の短い輩に煽られるし、「気違い」に、走行車線からの変則の追い越しをかけられ、逆に事故に巻き込まれる可能性が増す。だから、私がたまに追い越し車線を走るときは、目的意識を持ち「真面目に」飛ばしています。私は、周りに覆面パトカーがいないかを確認して(重要)、前の車が遅いと「グズ! そこを退け!」と、貴公子?のペルソナをかなぐり捨て、暴走族の仮面に着け変えて、臨機応変に対応する。

 

銀行強盗の勧め?

 某大学の教授室で、車の論議中、さる大会社から天下ったお偉い御方が曰く、「とことこ走りたい人はそれでよろしいが、世には親の死に目に間に合わせるため、命がけの法規無視で駆け抜けたい人もいる。その人のためにこそ、追い越し車線を空けて欲しい・・・」と。

 それを受けて、私の敬愛する茶目っ気のある師匠が、「さすれば金のない人のために、いつでも銀行強盗ができるように、金庫を開けておけと言うか・・・」とスマートに言ったら、気まずい雰囲気になったとかで、大笑い。さるお偉いお方はユーモアのセンスが無い。将来の認知症予備軍である。住専問題と比較すると、一人の人間ができる銀行強盗の額は高が知れている。(住専問題が沸騰した頃のお話です)

 

(23)  相手にブレーキを踏ませない運転をする

 相手にブレーキを踏ませる強引な運転は、事故の確率を高める。また省エネにも反する行為である。僅かな時間を待てずに、無理な割り込み、飛び出しがなんと多いことか。あと数秒待てば安全に通過できるのに、なぜこの数秒を待てないの? なんで貧乏人がそんなにも忙しいの? 「忙しい」とは心を亡くすと書く。「車の氾濫した現代では、車を使うことは不便だ」との悟りが必要だ。

 

 ブレーキを踏まないことが、生活VAである。ただし本来、ブレーキを踏まなければならない時に踏まないのは、逆に事故等で多大の出費を強いられることになる。ここで言うのは、「ブレーキを踏まなくてはならない状況に、身を置かない」である。渋滞時の出勤、無理な運転の自粛、混雑が予想される行楽地へのお出かけの自粛等をすれば、ブレーキを踏まずに快適で経済的な運転ができる。

 ブレーキは消耗品である。以上の運転を心掛けるだけで、その交換期間が延びる。普通5年、5万キロで交換されるブレーキシュー(約1万円)のインターバルが、7年に延びれば、年571円の節約となる。急ブレーキを踏むと500円分のブレーキシューが減る。ブレーキを踏むにもお金がかかっている。

 テストドライバーの検定試験で、急ブレーキを踏むと、一発で不合格である。それは予測運転ができていなかったと判定されるから。急ブレーキは、ブレーキシュー、タイヤそして神経を大きく摩耗させる。ストレスの発生は自己の寿命を削る鉋となる。それと懐の中身を削る。

 

 会社経営で不用意にブレーキを踏むと、余分な経費が発生する。己の経営手腕が疑われて、雇われ社長だと、首が危ない。

 

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書の著作権は馬場恵峰師にあります。所有権は久志能幾研究所にあります。

2017年6月24日 (土)

カテゴリー「極楽運転道」追加

 今回、新たに「極楽運転道」というカテゴリーを追加しました。これは自動車メーカのテストドライバー資格の試験で問われる内容と、私なりに安全の観点、技術の観点、科学的な観点、トヨタ生産方式の観点、経費削減の観点で、人生道を走る観点で、経験的にまとめた安全運転のノウハウ集です。随時、作成、公開していきます。「極楽運転道」は仮名です。もともとは「交通安全の科学」がタイトルでした。また途中で変わるかもしれません。その時はご勘弁。

 

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2017年6月23日 (金)

引き上げられた死体には手がなかった

水没事故の凄惨さ

  2003年年頃、当時のビスタ刈谷店の松本透課長(現ネッツ徳重店の店長)さんから聞いた怖~いお話です。

 1992年頃、この課長さんの友人の知り合いが、知多の佐布里池に車ごと落ちる事故を起こした。事故を起こしたのは二十歳過ぎの男性で、若いガールブレンドも同乗していた。事故は昼間に起きて、それを目撃した仲間が助けようと水中に潜り、内部で窓ガラスを必死に叩いている2人を発見したが、水中のため車外からでもドアを開くことができず、結局、警察に助けを求めることになった。警察が車を引き上げた時は、すでに2人共死亡していた。恐ろしいことに、引き上げられた男性の手が無くなっていた。

 水没してから脱出しようと必死に窓ガラスを割るため手の甲で叩きつづけた結果、手の骨が全て砕けてしまい、結果として引き上げたときに手がないという凄惨な姿となった。最近の自動車の車内には、安全化設計と軽量化設計のため、ガラスを割ることができる部品は車内に存在しない。また事故を想定した強度となっている車のガラスが、人間の手で割れるわけがない。また水没の場合、水圧でドアは開かないし、電気も駄目になるので、パワーウイドウも開かない。悲惨である。

 2000年10月の愛知県下の記録的な水害時も、刈谷の主婦が自動車ごと用水に水没して、死亡したとの痛ましい事故が身近で起こっている。

 

ハンマー兼ハサミ搭載の必要性

 この種の事故の自己防衛手段として、車内搭載のハンマーが必要である。さらに車が横転した場合の脱出時には、このハンマーにハサミ機能が必要となる。横転して車が火災になった場合、車から脱出できないと、生きたまま焼かれることになる。最近、電気系統の配線が多くなった車には、火災事故が多いという。横転した場合は、自分の体重のためシートベルトが体に食い込み、簡単にシートベルトのロックが外せない状況が実験で分かってきた。その場合は、シートベルトを切って脱出するしか方法がない。いくら自分で運転に気をつけても、信号無視の車に横からぶつけられると、簡単に車は横転する。側面からぶつけられると、ドアが開かなくなり、火災になれば悲惨である

 

 国土交通省の発表では、平成25 年に発生した車両火災事故件数は1,220 件、前年の平成24 年は1,099 件で、毎年1,000 件以上の車両火災事故が継続して発生している。冒頭に話は10年以上前の話であるが、状況が変わっているわけではない。むしろ電気自動車、ハイブリット車の普及で、車両火災の危険性は増している。

 

 私は松本さんの話を聞いて、すぐ車にハンマーを乗せた。ただし乗せただけで、固定をしていないと駄目である。この種の事故の場合は車の姿勢がどうなっているか保証の限りでなく、その非常時にハンマーがどこかに飛んで行っていて、それに手が届く保証は全くない。これは運転席近くにキチンと固定すべきだ。

  人によってはカナヅチやナイフをこの目的で装備している人もいるが、車のガラスを割るのに、普通のカナヅチでは芳しくない。なにせ事故を想定した強化ガラスです。少々の衝撃では割れず、単にヒビが入るだけである。ガラスを割る機能として、ハンマーの先端は90度の鋭角さが必要である。

 

危機管理

 私は車の横転時に、車内からシートベルトを外して脱出する難しさを検証したビデオを見て、1998年からこのハンマー兼ハサミを自車に装備した。

 カーパーツショップに行くと、いろんな種類のハンマー製品が売られているが、これを保安部品と考えて、純正品が勧められる。純正以外の部品でも値段の差は、車の価格、己の命の値段から見れば微々たるもの。私の購入したトヨタ純正部品で、定価3,800円。

 

 幸福はお金で買えないが、不幸は少々のお金と決断で避けることができるお金があってもそれに投資をするとの決断がないと、不幸は避けられない。わずか2,3千円のことだ。これはお金の問題でなく、考え方と決断の問題である。保険としてこのハンマーを使わずに、その役目を終えることほど幸せなことはない。これが危機管理の鉄則である。またこのハンマーは他車の事故の救援にも使える。事故はどんな場合も悲惨である。2000年に新車に代えた時、このハンマーを外して、新しい車にそのまま付け直した。これは一生もの。2017年の今もこのハンマーは現役です。

 松本店長さんの話では、現在でもこのハンマーの存在を知っている人は稀で、あまり装備をしていないという(2017年6月23日現在)。車のカタログにも、隅に小さく載せてあるだけとか。本来なら標準装備にすべき保安部品である。

 

自分の身は、自分で守れ。

トヨタ自動車「中興の祖」石田退三氏曰く、「自分の城は自分で守れ」

 

 

図1 車搭載のハンマーの形状

図2 自車に搭載したハンマー

 

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