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2017年6月26日 (月)

銀行強盗の勧め?

(8) 曲がったことは嫌い? 

  交通事故死の44%は、交差点で起きた事故である。(1993年) 

  林洋著『自動車事故の科学』で、氏は交通事故を下記で定義している。

 〔交通事故件数〕=〔遭遇数〕×〔遭遇が事故になる確率〕 

 この遭遇数とは変化の数である。この式からも「変化ある」運転が事故の確率を増やすことが分かる。

 

 人生では「変化はチャンス」と言われる。しかし、車の運転に関しては「変化はピンチ」との認識が必要だ。ピンチとチャンスは表裏一体である。「曲がる」,「ブレーキをかける」,「アクセルを踏む」の3つの「現状からの変化」の動作には、常に危険が付いて回る。だからこの3つの変化をする時は、無条反射の下記動作で、回りの状況を確認する習性を身につけるべし。これが事故への出費を無くしてくれる。これを守らないと、テストドライバー検定試験では減点される。

 

 確認の基本動作

 ・バックミラーを見る

 ・ドアミラーを見る

 ・首を振って横を見る

 

 経営道でも、一度決めた経営方針をたびたび変えると、迷走経営となる。ひたすら、愚直に経営方針を貫こう。経営方針を変える時は、周りの経済状況を確認して、競合他社を観察しよう。

 

 現状からの変更は、とかく大きなエネルギーが必要である。同じことが車の運転にも言える。現状維持が一番の省エネである。だから、曲がったことの嫌いな?私は、目的地に行く場合でも、距離数で選定した経路でなく、曲がる回数の少ない経路を選んで走る。「曲がったこと」をするには、それ相応のエネルギーが必要で、これが僅かながら事故の確率を増やすことになる。いくら近道でも、狭い生活道路を曲がりくねっての走行は避けたい。曲がる行為は、交差点で発生する。

 

 物理の法則に「慣性の法則」がある。動いている物はいつまでも動いていて、止まっている物はいつまでも止まっている。もう一つの運動法則に

    F=m・α

で表される運動方程式がある。これを車の運転に適応すると、車線変更等の現状から変化する運転は、余分のガソリン消費になる。さらにその分のストレスが発生し、帰宅後アルコールを消費する因果となる。節約上で無駄である。また車の運動の変化には、事故の要因が入り込む。

 

 またタイヤにかかる摩擦円の力学的にも、曲がるときには駆動力以外に側面力(駆動力の30%)がかかるので、エネルギー的にロスが生じる。当然曲がるためには、ブレーキを踏まねばならない。ブレーキはエネルギーロスの最たるもの。無駄なガソリン(お金)を消費しないために、曲がらずに走るべし。

 

(9) ブレーキを踏まない運転をする 

 

現状からの変更には、とかくエネルギーがいる。同じ理由で、できるだけブレーキを踏まないように予想運転をすると、事故とタイヤの磨耗を防げる。それには、前後とその前を走る車の状態、回りの状況を考えて運転すればよい。ブレーキを踏むことになる状況に陥るのは、考えて運転していない証拠である。事前に相手の状況、次の信号を予想できれば、エンジンブレーキとアクセルで、車の速度は制御できる。急ブレーキを踏むのは、起こるべき状況を予想できなかったためである。

 

 同じことが経営にも言える。不景気になり在庫が増え、慌てて生産調整でブレーキをかけるのは、世の中の経済状況の変化を経営者として予見してなかったためである。経営者失格である。

 

 極楽運転道の集大成の結果として、私の車のタイヤは、70,000kmの走行実績を記録した。この走行距離でも、まだ、然るべき規定のタイヤ溝深さを保持した状態である。けっしてタイヤがツルツルの状態まで乗ったわけではない。

 

追い越し車線の意義     

 本来、追い越し車線は、急ぐ人や貧乏人のために空けておくべきで、安全運転と生活VAを心掛ける人は走るべきでない。そのかわり、急ぐ時には必死に飛ばして走るべきである。不真面目にとろとろと走っていると、気の短い輩に煽られるし、「気違い」に、走行車線からの変則の追い越しをかけられ、逆に事故に巻き込まれる可能性が増す。だから、私がたまに追い越し車線を走るときは、目的意識を持ち「真面目に」飛ばしています。私は、周りに覆面パトカーがいないかを確認して(重要)、前の車が遅いと「グズ! そこを退け!」と、貴公子?のペルソナをかなぐり捨て、暴走族の仮面に着け変えて、臨機応変に対応する。

 

銀行強盗の勧め?

 某大学の教授室で、車の論議中、さる大会社から天下ったお偉い御方が曰く、「とことこ走りたい人はそれでよろしいが、世には親の死に目に間に合わせるため、命がけの法規無視で駆け抜けたい人もいる。その人のためにこそ、追い越し車線を空けて欲しい・・・」と。

 それを受けて、私の敬愛する茶目っ気のある師匠が、「さすれば金のない人のために、いつでも銀行強盗ができるように、金庫を開けておけと言うか・・・」とスマートに言ったら、気まずい雰囲気になったとかで、大笑い。さるお偉いお方はユーモアのセンスが無い。将来の認知症予備軍である。住専問題と比較すると、一人の人間ができる銀行強盗の額は高が知れている。(住専問題が沸騰した頃のお話です)

 

(23)  相手にブレーキを踏ませない運転をする

 相手にブレーキを踏ませる強引な運転は、事故の確率を高める。また省エネにも反する行為である。僅かな時間を待てずに、無理な割り込み、飛び出しがなんと多いことか。あと数秒待てば安全に通過できるのに、なぜこの数秒を待てないの? なんで貧乏人がそんなにも忙しいの? 「忙しい」とは心を亡くすと書く。「車の氾濫した現代では、車を使うことは不便だ」との悟りが必要だ。

 

 ブレーキを踏まないことが、生活VAである。ただし本来、ブレーキを踏まなければならない時に踏まないのは、逆に事故等で多大の出費を強いられることになる。ここで言うのは、「ブレーキを踏まなくてはならない状況に、身を置かない」である。渋滞時の出勤、無理な運転の自粛、混雑が予想される行楽地へのお出かけの自粛等をすれば、ブレーキを踏まずに快適で経済的な運転ができる。

 ブレーキは消耗品である。以上の運転を心掛けるだけで、その交換期間が延びる。普通5年、5万キロで交換されるブレーキシュー(約1万円)のインターバルが、7年に延びれば、年571円の節約となる。急ブレーキを踏むと500円分のブレーキシューが減る。ブレーキを踏むにもお金がかかっている。

 テストドライバーの検定試験で、急ブレーキを踏むと、一発で不合格である。それは予測運転ができていなかったと判定されるから。急ブレーキは、ブレーキシュー、タイヤそして神経を大きく摩耗させる。ストレスの発生は自己の寿命を削る鉋となる。それと懐の中身を削る。

 

 会社経営で不用意にブレーキを踏むと、余分な経費が発生する。己の経営手腕が疑われて、雇われ社長だと、首が危ない。

 

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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