2021年11月25日 (木)

色は匂えど散りぬるを

 

 人の器官には寿命があり、結果として人には限られた寿命しか与えられていない。いつもは忘れているその原則を、私の30年来の英語の師である後藤悦夫先生の病気で思い知らされた。

 2016年7月15日、後藤先生に連絡を取ったら、背骨が疲労骨折して安静治療中とのことで驚いた。別にどこかで打ったわけではなく、寝ているだけで疲労骨折をしたという。治療は安静にしているしか手がないという。寝たきりになると足腰が弱って、ますます体力が減退するので心配であるが、私には、アドバイスを為す術さえない。

 先生は現在82歳、食事、運動にも特に気を付けて生活を続けてこられて、血圧も薬を飲まれてはいるがほぼ正常、頭脳明晰、目も近視以外は正常である。先年、心臓の手術をされた際、大量に投薬された薬のせいで、体調がおかしくなったという。それも影響しているかもしれない。

 

 2016年7月の馬場三根子先生からハガキの文言で「梅雨はまだ開けきれず曇ったりのお天気で私ども高齢者は体のあちこち痛みます」を読むと、ドキッとする。いくら健康管理に注意を払っても、もって生まれた個体差と加齢には如何ともしがたいのを、自分の体と後藤先生の病状で痛感した。

 

 100歳の伊與田先生、92歳の今川順夫会長、89歳の馬場恵峰先生、今まで元気であった後藤先生を間近に見ていると、健康管理をしっかりすれば、誰でも90歳までくらいは楽勝だと勘違いをしていた。人間は生物である限り、いつかは寿命が来る。(2016年当時記)

 それが2021年初には、河村義子先生を含めて6名の師が此の世を去ってしまった。

 

仏壇の花の命

 そんな意識で仏壇に供えた花を見ると、同じ花でも1週間も経つと、まだシャキッとしている花、萎れて首を垂れている花とその差が歴然とあるのに考えさせられる。いくらお水を替えても植物毎の寿命の差は如何ともしがたい。まるで人間の寿命の差を見るがごときである。ご先祖様は仏壇に供えたお花で人生を教えてくれている。

 

人生は、色は匂えど散りぬるを

 である。どんなに美しく咲き誇っても、どんなに栄華を極めても、生ある者はいつか散る運命である。そのなかでどうやって生きていくかが問われる。その中で一番大事なのは健康管理である。死んでもいいから健康管理最優先である。生死は佛様が決めてくれる。これこそが老計・死計である。

 健康の「健」は体の健やかさであるが、「康」は心の健やかさである。ストレスへの耐力がないから、タバコや食べ過ぎ、運動不足に陥る。その根本原因を無くさないと、健康管理もままならぬ。寿命に個別差があるのは致し方ないが、せめて頂いた寿命は100%を全うしたいと思う。

 

緩慢なる自殺

 もって生まれた寿命の個体差を、更に拡大する因子がタバコ、大食・飲酒、運動不足、ストレスである。若いときは寿命など意識にも上らないが、還暦を過ぎると、あちこちと体の不調が痛切に意識させられる。そんな大事な寿命を、煙草や大食、過度の飲酒の習慣で短くしている人は、命と医療費の無駄使いをしている。火葬場で灰になる前に、タバコで約10年間の命を煙にしている。

 ガンになる人が全体で62%に達する現代で、その原因が、タバコ30%、大食・飲酒30%、運動不足5%の影響因子だという。分かっていて、体に悪いことを続けるのは緩慢なる自殺である。そんな命があるなら、金を出すから売ってくれと言う難病の人がごまんといる。タバコは心の病気である。いくら忠告をして禁煙を説いても、ニコチン地獄に堕ちた人を、素人では救い上げられない。ニコチン中毒症という病気なのだから、医師の治療を受けないと禁煙はできない。病院に行くか行かないかは、己の命に対する慈しみがあるかどうかである。

 

命の認知症

 肥満も自分の命の認知症なのだから、心を直さない限り、肥満は治らない。食べても食べても満腹感がない飢餓地獄は、過度なストレスが生きる目的を喪失させ、諦め細胞を増殖している。根本原因を除去して心のガン細胞の増殖を防がないと地獄から抜け出せない。何の為に生まれてきて、頂いた命をどう生かすのか。なぜ死に急ぐ。息をしている内は、未だやるべきことが残っている。生き急げ。やるべきことに命をかけよ。それが死計である。

 

 

ニコチン地獄に落ちた衆生

 ニコチン地獄に堕ちた衆生を救い上げることは、慈悲深くとも非力なオダ佛様にも難行である。死神が、禁煙できない弱い心を爪で掴んで手放さない。

 

肥満地獄

 肥満は佛様からのイエローカード

 

細胞の窓際族

 適度な運動をしないのは、体の細胞が適度な運動を欲しているのを無視する自分への冷酷な仕打ちである。適度な運動をしないのは、自分の細胞を窓際族にするようなもの。その先は自分株式会社からの早期退社、細胞の早期死滅しかない。頭も使わなければ、脳細胞の死滅で認知症になる。「使わない器官は退化する」が生物の鉄則である

 

2021-11-25 久志能幾研究所通信 2219  小田泰仙

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2021年11月24日 (水)

「変態」賛歌、老いの克服

 

ダーウィンの法則

 生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。

 それは、変化に最もよく適応したものである。

     - ダーウィン -

 

自分は時代に合わせて「変態」をしてきたのだろうか、振り返りたい。

 

企業の変態

 最近の勝ち組の企業は、業態の「変態」を成し遂げた企業群である。2000年頃のウォールストリートジャーナル紙に、1900 年当時の新聞紙に米国の有力企業を100社ピックアップした記事に対して、その100年後、現在も残っている企業の調査記事が出た。その結果、残っている大企業は2社のみであった。その2社でも業態が変わっていて、そのまま業態の企業は無かった。

 

 その一社はGEで、当時は電灯製造会社であった。GEはエジソンが発明した電灯が元になっている。そのGEも現在は、金融業が大きなシェアを占めた企業となっている。

 100年間を生き延びた大企業は、業態を「変態」させて、社会の変化に適応したから生き延びたのだ。

 

 50年前、世界最大のフィルムメーカとして世を謳歌したコダックは、その業態の変態がうまくできず、2012年、衰退して130年の歴史を閉じた。

 

 当時、最大の複写機メーカのゼロックスは、その特許の独占で業績を謳歌していたが、最近業績不良で、富士フィルムに買収を提案されるまでに落ちぶれた。

 それに対して、日本の富士フィルムは、昔のフィルムメーカから、精密機器メーカ、医療機器メーカ、医療品メーカに、業態の変態を遂げて超優良企業に変身している。

 

 トヨタ自動車の親会社である「豊田自動織機」は当初は、繊維の自動織機を製造する会社であった。しかし今の業態は自動車の組み立てやフォークリフトの製造会社である。繊維部門は数パーセントを占めるだけになっている。

 

 多くの大企業は社会の変化に対応できず、自滅していった。今の日本が衰退しているのは、変化(変態)を拒否して、「昔はよかった」と回顧しているからだ。

 生き延びたのは、その変化に最もよく適応したものである。ダーウィン

 

 

私の変態

 だから人間として老いを迎え、更に活力を持って生きるためには、人は日々変わらねばならぬ。そう思って、老いても私は日々新し事に取り組んでいる。それの打開策の一つとして、退職後の10年間、新しい資格・知識を取得に取り組み、個人事業者として新しい事業を起こして活動してきた。やってよかったと思う。

 次の10年間の目標として、家を新築することにして、新たな気分で頑張っている。何かを目標として頑張れば、日々新しい発見がある。家の完成が目的ではない。その過程で生まれる自分の成長が目的である。新しいことに挑戦すると、変態した新しい自分が生まれる。老いて何もせず朽ちるのが一番哀れである。

 

 自虐的に自分の人生を振り返ると、昔は周りの状況に合わせて、変化せざるを得なかった歴史が分かる。当時の自分の苦労が偲ばれる。よく頑張ったと自分で自分を褒めてやりたい。有森裕子さんの気持ちがよくわかる。

 

青年期  受験地獄をさ迷う餓鬼の行動

      頑張ったのに、東大入試中止で大混乱に巻き込まれた。

     就職地獄をさ迷った阿修羅の行動

       オイルショックで就職難が発生

若手社員時代 3Kの奴隷労働者

        バブル期ではなく、会社に入れてもらった境遇

        頑張らざるをえなかった。

中堅社員時代 社畜としてワークホリック労働者

        バブル期と重なり、仕事中毒になる。

        残業60時間、実際は残業100時間が当たり前

中年     宮仕えで上と下からの圧力に挟まれる中間管理職

        うつ病寸前まで追い込まれた。

        労働組合は管理職を守ってくれない。

定年後   「時給が牛丼店と同じ待遇」なので拒否して帰郷。

        定年延長は年収が1/3になり、その減収分の補填で年金がある。

        個人事業主として新しい道を歩く

 

 定年延長の嘱託として働くと、年間2000時間を拘束され、増加年収を時間で割ると牛丼店のアルバイト時給と同程度である。自分より能力の劣る昔の部下の下で働くのは、自尊心の崩壊である。ばからしくなり、自分で事業を起こすことにした。

 

変態できない理由

 定年延長せず辞めると言うと、引き留められたが、辞めると「決断」して正解であった。自分の人生を「変態」するには決断こそが、唯一の方法である。変わりたいと決断しなければ、何もかわらない。

 みんな「変わらなきゃ」と言いながら、少しも変わらない。変わらない原因は、なぜそうなったかの真因を見付けず、日々の習慣に流されるからだ。変わるには変えようという意思が必要だ。変えるという「決断」をしないからだ。決断しなければ、永遠に人生は変わらない。決断をしよう。

 

ニュートンの運動第一法則

 静止あるいは等速度運動中の物体は、外力が加わらないかぎりその状態を続ける(慣性の法則)

  (止っているものは永遠に止まっている。)

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 馬場恵峰書

 

2021-11-24 久志能幾研究所通信 2218  小田泰仙

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2021年11月23日 (火)

KK母子にそっくり、鼻につき縁を切る

 

 その昔、その人から頼まれて、彼女の息子のイベントでの写真とビデオを撮影した。しかしその人にも息子にも、それが当然の如く扱われ、一言の礼もなかった。礼どころか、その写真の出来に文句を言ってきた。それは不可抗力の問題であり、私が苦情を言われる筋合いではなかった。息子はそのイベント中で非常識な言動があった。プロとしてあるまじき行為であった。知人もそれに同感であった。

 彼女からは、私はお人好し人間に見えたのだろう。だから彼女からの要求が多かった。私は金儲けのため、写真を撮ったわけではない。彼女にお金を請求したわけではない。それで後味が悪かったので、それ以降、私は彼女との縁を疎遠にした。

 

 知人も、そのKK母そっくり氏の金への執着心が鼻につき、好感を持っていなかった。知人は仕事のため義理で付き合っているという。

 

 彼女は、私が癌の手術をしたことを聞いて、「今度、お見舞いに行く」と電話口で言ったが、3年弱経ってもなしのつぶてである。

 

 その彼女が、先日、3年ぶりに電話をかけてきた。とりとめのない話をして、電話口で3年前に見舞いに行けなかたことを詫び、その「話のついで」で、私の施設を貸して欲しいという話を始めた。ああ、それが今回の電話の目的なのかと合点がいった。事情を話してその件は断ったが、彼女は私が疎遠にしたいという空気を読めなかったようだ。人との機微には鈍い人なのだ。

 

 彼女はご主人と離婚している。彼女の振る舞いを見ていると、なぜそうなったかが分かる気がする。息子の言動でもそれを感じる。まるでKK母子のようである。なにせ子供が人生で一番影響を受ける人が、母親である。母親の影響は大きい。人生は母親次第である。

 彼女は若い頃は結構な美人であったようで、ちやほやされたのだろう。ちやほやされると、人は成長しない。それが人の心を読むことが疎くなっている原因だと私は推察した。

 

感染防止

 君子危うきに近寄らず、である。そういう人と付き合うと、自分の運も悪くなる。運も金も吸い取られる。悪縁は伝染する。臭に交わると臭くなる。悪の薫習である。付き合う人の異臭さに気が付いたら、早め早めに縁を疎遠にしよう。それが危機管理である。

 KK母の婚約者も、早く彼女の異常さに気が付けば、あそこまで泥沼には嵌ることもなったのにと、残念に思う。世間知らずのお嬢様なら、騙すのは簡単だ。赤子の手をひねるようなものだ。

 

第六感

 自分の第六感を信じよう。今まで生きてきて体験した経験智から生み出された第六感は正しい。それは体得した賢さである。私はその賢さゆえに今も生きている。此の世で降りかかる悪縁災難を避けて生き延びるのは大変なのだ。自分の城の外は魑魅魍魎の世界である。

 

母の鞭

 私の母は私に常々「男は家の外に出れば、7人の敵がいる」と言い続けた。しかし周りの知人に聞いても、そんな指導を息子にした母を聞いたことがない。子供を溺愛する親は多い。私は一人息子で甘やかされて当然であったが、そうはならなかった。それをこのような厳しい言葉で教育したのは、それ以上の愛情だと思う。母に感謝である。

 

 今一番思うことは、人生で最大の敵とは、自分に潜む怠惰な自分である。危険が分かっていてそれを安易に考える自分である。己を滅ぼすのは外の敵ではなく、内なる自分自身という敵である。

 

Dsc065661s 普賢菩薩像 松本明慶大仏師作

 賢くありたいと毎日、手を合わせている。

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 馬場恵峰書「佐藤一斎著「言志四録 51選」」 久志能幾研究所刊

2021-11-23  久志能幾研究所通信 2217  小田泰仙

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私の脱石油・脱都市ガス、省エネ活動

 

 私はこの冬から石油ファンヒーターとオイルヒータの使用を止めた。その理由は、脱炭素政策ではなく、単に、健康上の理由と熱効率を考えた経済的な観点での処置である。そういう小さな取り組みが、地球環境改善に貢献するのだ。

 石油ファンヒーターはすぐ温かくなる暖房機で捨てがたい器具である。しかし、燃焼後の排気ガスが、室内を汚し、体に悪い影響がある。欧米の価値観から言えば、とんでもない暖房システムである。だから1時間ごとに換気が必要だ。

 脱ガス(都市ガスの廃止)は安全上の対応である。ガスの消し忘れが怖いからだ。また地震等の震災後の復旧時間が、ガスは電気より長い。だから自宅はオール電化にした。

 

熱効率を考えて暖房機器を選択

 暖房の効率を表す指数としてCOPがある。

 暖房COP=暖房能力(kw)÷暖房消費電力(kw)

 

 要は、入力に対して、どれだけの出力(暖房能力)が有るかを示す指標である。ここから導かれる暖房器具のベストはエアコンである。短時間に温かくなる暖房機は多くあるが、それはCOPが1の暖房機である。それは熱効率が悪い。投入したエネルギーだけが、そのまま熱になる暖房機である。それはヒートポンプの恩恵を受けないので、熱効率が悪い。環境のために暖房機はエアコンが推奨される。

 

         COP       単価(円)

エアコン     2~4   7~34(深夜3.3~6.5)

灯油ファンヒーター 1   7~11 

ガスファンヒーター  1   13.3

オイルヒータ    1   28

電気ストーブ    1   28

 

 上記データはYouTube「暖房器具別燃費ランキング」松尾設計室より

 

温暖化フェイクニュース

 今の反温暖化の動き、脱炭素の流れは、フェイクニュースの一種である。それは、利権団体と政府内の利権政治家がまき散らしているフェイクニュースである。それをNHKも便乗してそのニュースをまき散らしている。おどろおどろしい特集番組で、「このままでは温暖化で地球が滅亡だ」と脅している。それは過去数10年間のデータに基づいて、都合の良い部分だけ切り出して、如何にも本当のような脅し番組である。実際の200年単位のデータでは、地球の温暖化の気配はない。どんなデータでも、意図して都合の良いように加工は出来る。それを洗脳教育と言う。それを税金で運営されているNHKがやるから、怒りが出る。

 参考文献:杉山大志著『「脱炭素」は嘘だらけ』産経新聞出版

 

反太陽光発電、反風力発電

 今の風潮は、石化エネルギーを全廃して、再生エネルギーだけで、消費エネルギーを回そうとしている。それは狂気である。太陽光、風力発電だけで、日本のエネルギーは全て賄えない。常識で考えればわかる。それをNHKやマスコミは国民を愚民化して、暴走報道をしている。

 それは、ダイエットのために、糖質・脂質ゼロのような食事制限をすることのようだ。地球の環境を考えてエネルギーの消費と、人間の体のエネルギー摂取は、バランスが大事である。偏った摂取(偏食)は、病気を招く。日本経済の破綻を招く。

 それを脅迫のネタに、C国は、太陽光発電や電気自動車で、法外な利益を得ようとしている。C国は、太陽光発電パネル生産で、世界の80%のシャアを占めている。電気自動車の電池のレアメタルのシェアで世界の過半のシャアを握っている。両方とも、C国の重要な戦略物資である。要は世界覇権のための武器である。

 先年、C国が日本にレアメタルの輸出制限をかけてきたことは、記憶に生々しい。レアメタルが手に入らなければ、電池生産が出来ないのだ。電気自動車やハイブリッド車の生産が出来なくなるのだ。

 

何事も急激な変化は、地球環境、人間の体に悪い影響を与える。 

それで恐怖を煽って、誰が儲けているか、よく観察しよう。

当たり前の省エネを地道に推進しよう。

 

2021-11-22  久志能幾研究所通信 2216  小田泰仙

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2021年11月21日 (日)

内弟子採用、観音菩薩の目で「現地現物」

 

 組織への採用は、その人の人生を左右する。採用とは、組織と個人のお互いの金儲けではなく、その人の幸せに関係する人事なのだ。

 大仏師・松本明慶師は、内弟子の採用決定時、単にその候補者と面談するだけでなく、その候補者の仕事場に出かけて、その人の仕事ぶりまで見てから、決定する。

 また内弟子として正式に採用する時には、両親と面談して仕事の実情を説明してから採用の最終決定をする。両親とは、その人を育てた佛様なのだ。佛を見れば、その子が分かる。

 

現地現物

 これはトヨタウエイの「現地現物」そのものである。松本明慶師はそれを現地現人で、人を判断している。

 私も現役時代に途中入社の人を面接したことがあるが、しかし1時間くらいだけの会話でその人の評価はできない。それでも実際に面談すると多くのことが分かる。セブンイレブンの鈴木敏夫会長も同じことを言っている。面接でできることは、あくまで異常値(非常識人)の排除だけである。

 

「現地現物」は英語の訳の方が分かりやすい表現である。

Gennti gennbustu :  Go and see by yourself  thoroughly understand the situation.

  ジェフリ・K・ライカー著『THE TOYOTA WAY』より

 

私の面接試験

 私が会社の人事部長なら、人の採用時にはあるテーマで文章を書かせて、それで評価をするだろう。人の頭の中と能力は、書かせてみれば一目瞭然である。何も考えていない頭からは、何も出てこない。これは胡麻化しようがない。

 

野崎宗慶師の内弟子採用

 仏師・野崎宗慶師は、最後の京仏師として名高い大御所であった。師が82歳の時、19歳の松本青年が人から推薦されてやってきた。一目でその才能を見ぬいた野崎宗慶師は、松本青年をその日に内弟子に採用した。野崎宗慶師にとって初めての内弟子である。野崎宗慶師は、仏像彫刻の修行を松本青年にマンツーマンで始めた。老師は持てる技を口伝で全て伝えると、1年後にこの世を去られた。それで今の松本明慶大仏師がある。

 

住宅メーカの採用

 家の選択でも同じである。内弟子とは、自分の「後世」を託すような存在である。名人によっては一生で一人しか内弟子を取らなかった野崎宗慶師の例もある。名人と呼ばれるような人でないと、内弟子の才能は見抜けまい。

家を買うとは、人生でたった一人の内弟子を採用すると同じなのだ。そういう覚悟で選択したい。

凡人の私が住宅展示場のモデルハウスを一見しただけでは、家の真偽は判別不能である。実際に自分の目で確認して、実際の生活を体験しないと分からないだろう。実際には、凡人は、内弟子を採用する時に、異常値を排除するしかやれないのが現実ではある。

せめて観音菩薩が衆生を観るように、住宅メーカが発する「音」を観て、何が真実かを見極める精進を続けたい。

039a34521s 聖観音菩薩像 松本明慶大仏師作

 

2021-11-21  久志能幾研究所通信 2215  小田泰仙

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2021年11月20日 (土)

株で儲けるには

 

 自分がこの世で儲けるには、自分株式会社の株価を上げるのが基本である。

 自分株式会社が成長すれば、その価値が上がり、結果として儲かる。

 

会社の成長力(強さ)Fは下記で表される。

 F=(利益+投資額+減価償却費)÷売上高

 他と比較して、F値が大きい程、その会社は成長する。

 多くの会社は、不景気になると投資を減らしてしまう。人がやらない時に投資する会社が成長する。雇われ社長はこれが出来ない。私の前職の会社もこの法則で成長が出来なかった。最後は、市場から消えてしまった。「人の教育(投資)が大事だ」と全ての社長は言うが、それを実際に実行する社長はほとんどいない。前職の会社でも、不景気になると、真っ先に教育費を削った。当然、投資額も削減である。その結果が30年後に市場からの退場であった。

 

人の成長力(強さ)FHは

 FH=(稼ぎ(利益)+自己投資額+減価償却費)÷年収(売上高)

 

 人生の成功は、自己投資と減価償却費の大きさで決まる。人生の成功は単純明快である。学んで、学んで、自己投資を継続するしかない。

 

 社員が成長する会社こそが、株価が上がる会社である。そういう住宅メーカから家を買いたい。今、住宅メーカ展示場で多くの営業マンの言動を観察している。そこでその人のレベルが分かり、会社のレベルが分かる。

 

2021-11-20  久志能幾研究所通信 2214  小田泰仙

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2021年11月19日 (金)

「床暖房が標準」の住宅メーカを候補から外す

 

 I社の住宅は、床暖房設備が標準である。私の検討結果から、現在の高密度、高断熱の家屋では、床暖房は不要と判断した。床暖房が標準仕様では、建てる家のメーカの候補会社から外さざる得ない。床暖房を設備から外すことができないのでは、問題外である。

 

 床暖房は、体に対して過剰な甘やかしと思う。それでは体の抵抗力が劣化する。人間、年中ぬくぬくしているのは、私の信条にあわない。四季の変化があってこそ、日本人だと思う。

 

 床暖房は、低温火傷の危険性がある。若いときは良いが、高齢になると温度への感覚が鈍くなっている。高齢者は、低温火傷になるまで気が付かない。幼児でも同じである。幼児はそれを表現できないので危険である。

 

 床暖房は、10年後にその装置のメンテナンスコストが生じる。技術者である私の方針・シンプルイズベストから外れる。家の部品が増えれば、故障(トラブル)の原因となる。特に床暖房設備は家に埋め込みなので、故障時は厄介なのだ。

 

 その床暖房の製造メーカがC社である。私はその社に何か違和感を覚えていた。そこでその社の社是を調べてみると、「社憲 会社は絶えずよりよい製品を作り、之を広く普及することに努力し、以って社会文化の向上に寄与しよう。」である。これは違和感を覚える社是である。「社是を見ればその会社が分かる」が私の持論である。

 なぜ動詞が「~しよう」なのか。ひとごとの文章である。社是の文言なら決意として、「~します」とすべきだ。社是で「努力」とは、お笑いである。努力とは「努力をしました、結果はダメでした」という場合に使う文言である。他人が評価して「努力」と言うのは良いが、自分で言ってはお笑いである。

 また従業員が1300人の企業である。規模で少々不安に思う。

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 現在の暖房状況

 現在の私の住まいの居間の暖房はエアコンである。その居間と台所と仕事部屋と書庫(計42畳)は、襖や戸を取っ払い、一続きの間として畳敷きにしている。それで冬でもそんなに寒いとは思わない。床の材料に、住宅メーカ推奨の杉の無垢材を使うか、畳敷きにすれよいと判断した。畳の熱伝導率は杉の熱伝導率とほぼ同じかそれ以上である。だからその温かさは、杉の無垢材使用の床の場合と同じと診断した。

 以上の理由で、床暖房は不要で、エアコンで十分だと判定した。それを強制的に標準設備として押し付けてくる住宅メーカは、候補から外すしかない。

 

検討資料

室内暖房の比較

 1案 床暖房     合板床材+床暖房 +光熱費+保守費用

 2案 エアコン暖房  無垢床材+エアコン+光熱費+保守費用

 3案 エアコン暖房  畳   +エアコン+光熱費+保守費用

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床の材質の差で断熱比較

   畳の熱伝導率  0.08

 杉の熱伝導率  0.12

 合板の熱伝導率 0.16

 コンクリート  1.0

 ガラス     0.7

 

2021-11-19  久志能幾研究所通信 2213  小田泰仙

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2021年11月18日 (木)

我家の防災対策、人生の防災対策

 

カセットコンロ

 防災への対策として、今回、カセットコンロを整備した。電気が止まった場合の非常用加熱道具としてカセットコンロとガスボンベを整備した。

 ガスボンベは、一人一日0.5本として7日分を備蓄した。ガスボンベは賞味期限が7年であるので、1年に1本(約200円)を使っていき、その都度補充することにした。

 この情報は防災アドバイザー・髙荷智也氏のYouTubeの動画を参考にした。

 

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以下は準備スミである。

 水1週間分  2ℓ 10本 10日分

 インスタントお粥    3日分

 防災トイレ       3日分

 

他の防災・耐震対策

 自宅は築50年の日本家屋で、当初は耐震強度0.5であった。

  10年かけ耐震補強をして、耐震強度を1まで上げた。

 土付き瓦屋根を、土なし瓦に改築して、上部の重い土を除去した。

 災害時の復旧時間の短さを考え、ガスを止めてオール電化とした。

  また災害時の火の始末も考えてのオール電化である。 

 耐震ブレーカに取り換え

  地震がおさまって、再通電すると火事になる危険性がある。

  これを再通電しない機能付きのブレーカに変えた。

 耐震、防犯上で、ブロック塀を撤去した。

 2階に有った重いもの(本等)を1階に下ろした。

 

緩慢なる熱衝撃対策

 現代日本で人の寿命が延びたのは、暖房器具が進歩して、また気密性の高い家が増え、室温が上がったのが大きな要因である。室温が2度上がると、健康寿命は4歳延びると言われる。

 だから自宅では、全窓を二重ガラスにして、更に二重ガラス内窓を付けて、断熱性のよい家に改築した。

 参考文献 笹井恵里子著『室温が2度上げると健康寿命は4歳のびる』光文社新書

 

人生の防災

 人生での災害時の備えをしよう。人生は山あり、谷ありの波乱万丈である。人生を歩く場合の携帯する考えを軽くしたい。深刻に考えず、自然体で考えよう。物事に囚われると、行動が鈍くなる。囚われず、偏らず、貯めこまず、止まらず、で人生を歩みたい。人生を襲うエイリアンにまともにぶつかると倒れてしまう。柳のように、柔構造でしなやかにやり過ごしたい。人生の激震で自分を見失わないようにしよう。

 人生の戒めの言葉こそ、己の防災準備である。一寸先は闇なのだ。自分自身の燈明を持って、暗夜を行こう。

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 馬場恵峰書

2021-11-18  久志能幾研究所通信 2212  小田泰仙

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2021年11月17日 (水)

社長の後姿、会社の基礎、人生の基礎

 

 先年、一緒にMK経営塾の研修を受けた仲間が、脳内出血で倒れてしまった。下記は、その人をお見舞いに行ったら、人生模様のお経にであった。人間は行動すると、人だけでなく、お経にも出会う。

 「経」とは糸偏に、機織り機の意味のツクリから成る。糸偏は面々と続くご先祖からの歴史の流れである。機織り機は、この世の人生模様を織りなす創造者である。

 そのお経が良いか悪いかは、織りなした基礎の出来不出来に依存する。

 

脳出血の原因

 彼の会社は、大層威勢が良い会社で急成長を遂げていた。彼を研修中に身近に見た感触では、彼が倒れた原因は、食べ過ぎによる高血圧、だらしなさ(不摂生)からくる歯と眼の不調、タバコ、酒等に見られる不健康生活からきたのは明白である。

 社長は全従業員の生活に責任を負っている。そのために社長自身の健康管理は責務なのだ。

 社長がいくら高尚な経営理念を唱えても、己の体の経営さえ出来ない社長では、会社の経営が出来るとは部下は信じない。社員は社長の後姿を見つめている。「己の体の放漫経営のため病気で倒れたあんたに、そんなことは言われたくない」が社員の本音である。

 

己を支える基礎細胞

 だれのお陰で37兆個の細胞が己を還暦まで生かしくれたのか。だれが会社を支えてくれたのか。誰のお陰で今日があると思うのか。その感謝の意識が薄いことが、社長自身が冒頭で発言するイケイケドンドンの社報から伝わってくる。

 後日、山本賞の式典会場で彼の姿を見た。車椅子姿で痛々しいが、病から回復して、威勢は元のように元気になったようだ。しかし彼の会社発行の社長通信から見ると、己を支える基盤(身体、社員、社会)への感謝の意識が薄く、生かされていることに認識不足があるようだ。前のめりで高尚な言葉を会社通信に列挙しているが、足元が固まっていない。土台から崩れるのではと危惧している。

 

手抜き工事

 大地震が起こると土台基礎工事の手抜きが発覚する。阪神淡路大震災時に、ビルや市内高速道路が倒れてしまったのは、その基礎が不出来か、もしくは手抜き工事であったためだ。その証拠を消すため、十分な調査もせず、大慌てで残骸を撤去してしまったのは、後世への汚点である。まるで中国の新幹線事故で、早々に事故列車を埋めてしまったと同じだ。我々は中国を笑えない。

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 阪神淡路大震災で傾いたビル

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/thumb/9/9c/

 

会社の実態

  この会社から定期的に宣伝メールが届く。以上の経過で、内容が信用できないので、うっとおしく配信停止を連絡した。しかし全くそれが通じず、メール配信は止らない。仕方がないので迷惑メールに自動振り分けすることにした。その一件でも社長の経営方針が分かる。頭隠して尻隠さず、である。

閻魔帳への中間報告

 この社長とは研修時の席が隣り合うご縁もあったので、東京以遠の土地で、駅からも遠い病院へタクシーを飛ばしてお見舞いに行った。しかし元気になっても礼状一つ来ない。再会しても、礼一つ言わない。

 彼が脳出血で倒れた原因を見れば、人間性が分かる。あとは押して知るべし、である。良き人間観察の勉強ができたと思うべきだ。人生の周りでは声なき経が聴こえている。その経を自分に当てはめて考えるかどうかである。

 

 ご縁の貸借対照表に人生の歩みが表われる。縁の残高が少ない経営者が人生で躓く。人は山には躓かないが、小さな蟻塚に躓く。佛様は全てを閻魔帳に記載して、己の体の病気を通して閻魔帳の中間報告をされる。その時が人生の岐路である。多くの人が佛の御心も知らず、地獄への近道へ足を向ける。人生曼荼羅には全てが描かれている。人生経営での学びである。他人様は自分の鏡である。心しよう。

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 馬場恵峰書

 

2021-11-17  久志能幾研究所通信 2211  小田泰仙

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2021年11月16日 (火)

家と人生の設計 基礎がないと砂上の楼閣

 

 いま、私は家を建てる計画をしていて、各ハウスメーカの基礎の考え方を比較研究している。その住宅メーカの基礎への取り組み姿勢で、その会社のレベルが分かる。

 

砂上の楼閣

 基礎のできていない家に住んだら、いくら基礎の上に立つ家が立派な作りでも、住めたものではない。地震が来たらひとたまりもない。それこそ砂上の楼閣である。

 人間でも、人としての基礎のできていないと、人間社会でいくら金儲けをできても、まともには生きていはいけない。また、なにか障害が起きれば、すぐ潰れてしまう。

 この考えは、全ての事象に当てはまる。学校の教育、科学技術の発展、文書の構成、芸事の修行、人間関係、機械の設計、オーディオアンプ等の全てに当てはまる。

 

忖度・不正

 学校の教育でも、基礎教育ができていないのに、上の学校に裏口入学しても、授業についていけない。

 基礎の実力がないのに、忖度で昇進しても実社会では通用しない。忖度が通用しない国家の司法試験は受からない。それをKKの実例で証明されたのは、反面教師の例として価値があった。

 

基礎研究

 技術文明国家では、基礎研究ができていないと、応用技術が発達しない。その成長に限界が出てくる。お隣の国のように。

 基礎がないとノーベル賞が取れない。蓮舫氏の戯言のように、「二番ではだめですか」と言うようではダメなのよ。死に物狂いで一番を目指して、やっと一流の下っ端になれる。

 歴代の政権が、この基礎研究に金をケチるから、科学技術立国の日本が衰退しているのだ。

 

意思表示の基礎

 論文でも、日本語の基礎とテクニカルライティングの基礎知識がないと、まともな論理的な文書はかけない。私が懸賞論文で最優秀賞をもらったのは、このテクニカルライティングの知識があったのが、大きな要素である。欧米の文化が支配する自然科学分野の論文では、日本の阿吽の呼吸や、「後はよろしく」などの曖昧な表現は許されない。インターネットを介した多民族・多価値観社会では、自分の意志をきちんと伝えるための基礎教育が必要だ。

 

芸事と技術

 芸事でも基礎ができていないと、発展はない。「守破離」の守は基礎のことである。宝塚出身の人が芸能界で長く活躍できるのは、宝塚学園で徹底的に、人間として基礎を躾けられるからだ。「宝塚学園で習得したのは精神面だけだ」と小柳ルミ子さんは証言している。人間としての基礎の上に、職能の技術が映える。

 技術の世界で機械設計でも、基礎がしっかりした構成にしないと、加工精度に影響をあたえる。

 

センチュリー

 車の設計でも、シャーシがしっかりしていないと、限界速走行時に問題がでる。先年発表された御料車(センチュリー)は、前モデルのレクサスLS460のシャーシがベースとなっている。共通化・軽量化された最新鋭レクサスLS500用シャーシではないのだ。御料車に前モデルのシャーシが採用されたのは、然るべき意味がある。なにせコスト度外視の御料車である。コストパフォーマンスは二の次である。天皇陛下をお守りする車だからだ。超が付くほどの最高が求められるからだ。センチュリーは、一般庶民が乗る(?)レスクスLSとは別格である。トヨタもメンツがかかっている。

 私には本来縁がないはずだったが、2年間の短い間でレクサスLS460とご縁が出来て、馬場恵峰先生ご夫妻の送迎に使えたのは幸せであった。

 

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  レクサスLS460のシャーシ(トヨタ自動車のカタログより) 

 質実剛健な造り

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   レクサスLS500のシャーシ(トヨタ自動車のカタログより) 

 

営業マンの基礎

 家を売る営業マンも、人間としての基礎ができていないと、信用されない。家の性能以前の問題である。家だけでなく、全ての営業マンに通用する話である。我々は世のために何を売るのか。自問しよう。

 

2021-11-16  久志能幾研究所通信 2210  小田泰仙

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