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2021年4月

2021年4月19日 (月)

死友を求む ~死本主義社会で格差が拡大~

 真友? 仲友? 師友? 道友?

  群友? 損友? 潰友? 毒友?

 

 人は必ず死ぬ。死は必然だが、生は偶然である。友とのご縁も偶然である。それを前提に生きる場合、どんな友が最高なのか? 友にも格がある。友は、自分に見合った友しか現れない。だからこそ魂の昇華のため精進しなければならぬ。

 「命」とは死ぬまでに与えられた時間の総量である。毎日が死に向かって「前進」している。死に対して、後退はあり得ない。必ず死に向かって前進である。それを加齢という。その間にどれだけ使命を全うできるかが、人生ゲームの勝負である。その競争相手は自分である。その人生ゲームで友と過ごす時間は多い。その時間の活用如何が人生ゲームの勝敗を分ける。

 

死友

 死友とは、生には限りがあることを覚悟して、道を求めて、共に生きてきた友である。死の床にあって、涙を流して悲しんでくれる人が、真の友である。「死友」である。

 馬場恵峰先生は死の床にあって、涙を流して私の手を握って喜んでくれた。

 

 2020年12月21日、恵峰先生宅をお見舞いで滞在していたら、珍しく恵峰先生の意識がしっかりしてお話ができた。11月と12月で一泊2日の4回、お見舞いに先生宅を訪問したが、そのうち先生に意識があったのは8回のうちで3回ほどである。

 それを博多のO社長に電話で話したら、1時間半後にO社長が先生宅に現れて驚嘆した。O社長は電話の後、すぐ車を飛ばして来たのだ。その決断力に敬服である。

 O社長は泣きじゃくりながらベッド上の恵峰先生と抱きあった。思わず私ももらい泣きをした。そこまで心を通い合わせたのが死友である。そんな死友に恵まれて恵峰先生は幸せであった。

 

道友

 2014年10月の大島修治氏主催の太志塾で、馬場恵峰先生は参加した皆さんに希望の書を揮毫して進呈した。その色紙に書かれた宛名の言葉が「〇〇〇〇道友」である。この時、初めて「道友」という言葉に出会えた。よい言葉である。言葉も友である。良き「友」に出会えて、それを皆さんに紹介すると、自分の人生が豊かになる。言葉が人生を創る。

 

書友

 恵峰先生の手紙の中で、「書友」という言葉頻繁にでてくる。書道を通して、人間としての生き方を学ぶ友である。

 

仲友

 親友以上に価値ある友は、仲間である。同じ目的や同じ趣味で集まった仲間である。べたべたせず付き合えて、親友よりも価値がある。

 

師友

 安岡正篤師が主催の「関西師友会」でこの「師友」という名を知った。これも良き名前である。

 

潰友

 大変な時(病気等)、気をかけてくれなかったら、友ではない。単なる社交辞令的な付き合いしかできない人である。自分の大事な時間を潰し、人生時間を無駄にする人である。

 

 3年間程、国家試験の予備校で、同じ目標に向かって一緒に机を並べて学び、度々赤提灯で飲んだ受験仲間がいた。彼に私の癌闘病生活を話したら、「今度、お見舞いにいかねば」と言ったが、その後彼から全く連絡がない。それは外交辞令であった。

 

 中学以来50年間、年賀状のやり取りをしていた友は、私が癌の手術をしてその年の年賀状を出せなかったら、翌年、彼から年賀状が来なかった。彼には私が癌になって手術をすることを話していた。情けない思いを味わった。今までの彼の年賀状は全て印刷物であった。

 

損友

 人生の益(人生目的を全うするための資源)を稼ぐことを阻害する人は、損友である。お互いに刺激しあって、人生を稼がねばならぬ。

 

毒友?

 会った時に目についた愚行を、品を変え手を変え、真摯に諫言しても、その悪癖が治らなければ毒友である。その愚行の匂いが自分の生活を脅かす。

 助言とは、単なるアドレスではない。嫌われことを覚悟して命をかけて切りつける刃なのだ。その刃で返り血も浴びる。その覚悟なければ、諫言など言わない。

 刃を使わなければ、長年しみ込んだ悪い習慣の匂いが、己の体にも染みついてくる。それを防いだのが孟母三遷の教えである。友なら三遷するよりも、宝刀で友の悪行を断ち切りたい。それが分かってくれなければ、毒友である。

 宝刀とは、不動明王、文殊菩薩が持つ煩悩を断ち切る佛刀である。不動明王は怒りだけの佛ではない。不動明王は右手にもった宝刀で迷える衆生の煩悩を断ち切り、左手に持った羂索で、地獄に落ちそうな迷える衆生を救い上げる。その目は怒りの目ではなく、慈しみの目である。

 この不動明王像の目は、遠くから見ると怒りの目であるが、近寄って懐に飛び込んで見上げると、優しい慈悲の目に変る。松本明慶大仏師師はそういう目を彫りあげた。仏像彫刻の世界にも創造がある。

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 松本明慶作 不動明王 TOBU百貨店「松本明慶仏像彫刻展」で

  2018‎年‎4‎月‎16‎日

 本写真は松本明慶仏像彫刻美術館の掲載許可を得ています。

 

群友

 単に交際を求めて異業種交流会等に参加して知り合った人である。いくら多くの人と名刺交換をしても、そこから交流が始まったことは、私の場合には過去一度もなかった。所詮暇つぶしで集まった人たちだ。

 私の尊敬する見城徹氏(幻冬舎社長)は、「GOETHE」の中で異業種交流会等には決して参加しないと断言している。

 

あと10年間で、何人の新友と出会えるか?

 70年間生きてきて、今現在、仕事を通して新たに知り合う人は、年に10人程である。その中で、心を許して付き合える人は1人もいないだろう。

 平均寿命まで10年間あるとして、あと何人と新たな出会いがあるか、限りなく少ない数に愕然とするはずだ。

 だからこそ、今付き合っている友を大事にしよう。友と付き合うとは、残り少ない時間(命)を分けあっているのだ。ゆめゆめ、時間を無駄にすることなかれ。

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      馬場恵峰書

 恵峰先生は、20枚前後の色紙に揮毫された。その色紙は全て違った色紙であった。

 

2021-04-20   久志能幾研究所通信 1993 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年4月18日 (日)

LINEにあらずんば人にあらず。LINEで廃人に!

 

 今時は、LINEに入っていなければ、仲間外れである。異常な世相である。「馬場恵峰先生を偲ぶ会」が2021年4月11日に長崎県波佐見町文化会館で行われた。そこでその異常さに気が付いた。

 当日、「馬場恵峰先生を偲ぶ会」に来るべきM氏が来ていないので、後日連絡をしたら、彼はその行事を知らなかった。それで幹事に確認したら、本件はLINEで仲間に連絡したから、LINEに登録されていない人は、連絡外だという。私もLINEに登録されていないが、別ルートで知っていたので参加できた。

 主催者側が、LINEに登録された人しか知らせないのは非常識である。主催者は「LINEにあらずんば、人にあらず」と、LINEに洗脳されていた。

 

廃人にならないための自己防衛

 スマホからLINEを削除しよう。そうしないとLINEに洗脳されて、個人情報も金も自分の嗜好情報も、銀行口座番号も、自制心さえ盗まれる。さらにLINE上の不倫情報(やましいことがある人?)まで盗まれ、それで脅迫されかもしれない。

 LINEの洗脳で人間性が傷つけられる。これで人生破産である。LINEは人間を動物以下にする。自分の心を制御できなくするからだ。それが廃人への道である。

 

LINEの恐怖

 LINEによって日本人8,600万人の重要な個人情報が中国・韓国に漏れていた。マスコミが絶賛し、推進させて国民に使わせていたLINEである。大垣市も小川敏がそれを強力に推進していた。その個人情報データが、韓国内のサーバにあり、しかも中国関連企業からアクセスできる状態になっていた。それが判明して日本中大騒ぎである。

 

LINEの運営会社の正体

 LINEの運営会社はZホールディングス(ZHD)で、最初は韓国のネイバー(NAVER)という企業が運営していた。Zホールディングスは2019年9月31日まで「ヤフー株式会社」という名前だった。Zホールディングスは2021年3月1日、ネイバーと経営統合した。つまりZホールディングスは、ヤフー株式会社と韓国ネイバーとの合体企業である。

 LINEは「LINE Pay」を運営し、電気・ガス・水道等の公共料金支払いや、税金・介護保険料・公営住宅料・保育料等の各種料金等の公金の支払いにも使われていた。自治体によっては住民票及び税証明書等の取得等の行政手続きをLINEでできるようにもしていた。

 これがすべて韓国内サーバで管理されていて、中国側もアクセスできるようになっていた。つまり日本人8,600万人の重要な個人情報がすべて中国・韓国に漏れていた。

 

「独自の暗号化技術」に問題点

 LINEの暗号化機能には「Letter Sealing」が2016年から使われている。この「Letter Sealing」はLINE独自の暗号化で、その安全性が第三者によって保障されていない。兵庫県立大学大学院の五十部孝典准教授は「この暗号方式自体に問題があり、国家レベルの高度な攻撃力を有している攻撃者に対しては十分な安全性を有していない」と述べている。つまりこれでは個人情報保護もできない。情報が外部から「丸見え」だった

 

中国共産党という化け物

 中国共産党は先進国の技術情報を盗み、激安の奴隷労働で急激に発展し、軍事を拡張している危険な覇権国家である。韓国は極度の反日国家である。韓国も日本の技術窃盗に前科ありである。それなのにZホールディングスは、このサービスを韓国にサーバを置いて、中国人にも管理させていた。

 

中国共産党「国家情報法」

 中国には、2017年に成立した「国家情報法」という法律があり、これは中国当局の要請によって、民間企業などに当局への情報提供を義務付ける。中国にデータセンターを置いてある場合、その情報が中国政府にすべて握られてしまう危険性がある。

 

台湾政府の対応

 台湾政府は2014年9月、LINEの無料通信アプリについて、セキュリティ上の懸念があるとして、各政府機関での使用を禁じた。

 2015年、台湾の政治家の秘書を騙る者からLINE上の特定グループへの登録を促すメールが送られた。そのメールに添付されているファイルを開くと、情報を抜き取るバックドア型不正プログラムが動き出す仕組みになっていた。

 

中国共産党の監視体制

 現在、中国共産党はすべての人民を監視するシステムを構築した。「天網」(スカイネット)と呼ばれるシステム(全国に1億7,600万台の監視カメラを設置し、AIで顔認証)は、一人ひとりに「信用スコア」をつけて、学歴から犯罪歴、友人関係、購入歴、SNSでの発信履歴までをポイント化し、その人物をプロファイリングする。

 

 可愛そうなのは、善良な中国国民である。中国共産党と中国国民は別物である。馬場恵峰先生が愛したのは中国国民で、中国共産党ではない。

 ロシアでも素朴なロシア国民と冷酷なロシア国家とは、全く別と同じである。

 中国共産党に日本人のデータが渡れば、同じような人物特定が行われる。政府政府関係者とか、自衛隊関係者との情報が漏れれば国家安全保障上の危機である。友人関係や趣味嗜好ばかりか、LINEなら不倫相手との会話などが取られれば、脅迫の材料にもなってしまう。

 相手の弱みを握って脅すという手法は、中国の得意なやり方でる。2004年には上海の日本総領事館の男性が、ハニートラップにはめられ中国から情報提供を強要され自殺した。

 LINEの情報を中国当局が入手することで、ハニートラップ以上に簡単に、脅迫ネタを取得できてしまう。人を疑うことをしない日本人は、趣味や嗜好をリサーチされたうえで近づかれたら、ハニートラップに簡単に落ちる。行きつけの場所、音楽の嗜好などを調べて、親密になることなど簡単なことだ。

 

LINEの洗脳作用(麻薬効果)の恐怖

 LINEには同時発信機能以外に、相手の閲覧通知機能がある。LINEを使うと、相手が通知を見たか、その返事がくるかどうかが気になって仕方が無くなる。

 LINEで閲覧してすぐ反応をしないと、送信者はずっとその閲覧状況を監視していて「なぜアイツは「いいね」の反応を寄こさないのだ!と上から視線で相手を見てしまう。その結果、LINEは人間不信と「上から視線の人間」を増長させる道具になっている。だから余計に一日に何回もスマホを触る結果となる。それがスマホ脳障害である。

 それでスマホが手放せなくなり(麻薬効果)、集中力がなくなり、学校の成績が下がり、人との共感性を無くし、人間性が損なわれて、出世が難しくなる。それをLINEは助長する。

 だから目の前に面談中の相手がいても着信があると、目の前の相手にお構いなくスマホで返信をする羽目になる。それが相手への最大の侮辱となる。それで人間関係が壊れてしまう。実際、壊れてしまった。それで人生がうまく行くわけがない。

 

佐渡への流刑を体験

 2017年4月8日に、明徳塾OB会が佐渡であった。馬場恵峰先生と一緒に佐渡の島内を車でドライブした。そこで明徳塾OB会の仲間が、LINEに洗脳されている情けない姿を目の前で見た。

 佐渡の島内の移動は、レンタカーを借りて、5~6人ずつに分乗して島内を走った。その折、同乗の仲間が全員(運転手以外の4人)、スマホのLINEにかじりついて、情報のやり取りをしていた。走行中の周りは風光明媚な島の風景である。それには目もくれず、スマホのLINE画面にくぎ付けとなっていた。全員である。 

 まるでスマホ罪で佐渡への流刑になり、スマホに縛り付けられたように、私には見えた。車内で皆がスマホの情報に沸き立ち、私だけが蚊帳の外に置かれ、孤独感を味わった。車内で隣に座っているのに、皆は遠い世界で大騒ぎである。当時、私はまだスマホを持っていなかった。ガラケーである。

 

私の危機管理

 ちなみに私はLINEもFacebookもやらない。pay payもやらない。電子メールとショートメールだけである。大事なやり取りは手紙である。このLINE等から個人情報が盗まれることを知っているからだ。此の世で無料のものはナイ。どこかで落とし前を払わされている。

 私はIT音痴ではなく、前職では管理部門で危機管理とIT情報構築の責任者であった。親会社からも情報漏洩の件で、厳しい対策を求められ、その対応してきた。だから普通の人の何倍もIT技術の知識と危機意識を持っている。

 最近は意識して、外出時にもスマホを持って行かないようにした。携帯の不携帯である。スマホ奴隷から解放されて快適である。

 

中国の情報、LINEの情報は、鈴木傾城氏、黄文雄氏のブログ記事を参考にしました。

鈴木傾城著「日本人はLINEを捨てよ。中国・韓国は国家レベルで個人情報を盗み日本を潰す」

https://www.mag2.com/p/money/1034939

 黄文雄著「あまりに脳天気。日本人が知らぬ中国共産党「LINEデータ悪用」の手口」

https://www.mag2.com/p/news/491463

 アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』新潮社

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馬場恵峰書 ネット上の情報だけでは真の交友ができまい。

 

2021-04-18  久志能幾研究所通信 1993 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2021年4月17日 (土)

時間貧乏病をぶっ飛ばせ(磨墨智152-4)

 

 時間は、全ての人間に平等に1日24時間を与えられている。時間貧乏人になるか、時間の富裕層であるかは、本人の意識と智慧の出し方如何である。

 「時間がない、忙しい、忙しい」と走り回っている時間貧乏人は、永遠に時間という富は手に入らない。それは、なぜ忙しいかを考えていない証拠である。

 そういう人は、急ぎではないが大事なことを疎かにして、大事ではないが、急ぎのことを最優先にしている。

 「忙しい、忙しい」と走り回っている人に限って、時間にルーズで、パチンコ店の駐車場にマイカーが長時間駐車してある。それを目撃した恵峰先生は呆れている。

 そういう人に限って「恵峰先生から書道を習いたい。今は忙しいから閑になったら来ます」という。そう言っているうちに、忌中という札が玄関に下がる。それを4,5年前に講義で言われた恵峰先生も、今年亡くなられた。歳月は人を待たず。時間は命なのだ。

 

時間の富裕層

 時間の富裕層は時間の有限性を知っている。その限られた一日のうちで、一定の時間を社会奉仕活動に費やすことは、限られた時間を有効に使う訓練になる。またその過程で、社会の実相を見させてもらえる。それが今後の自分の生き方を変える活きた経験となる。

 

 時間をかけた社会奉仕活動は、お金の寄付より価値がある。10年後、元本に利子をつけて仏様が返してくれる。この世は奪った分が手に入るのではなく、与えた分が倍返しで返ってくる(五右衛門風呂の定理)。グローバル競争社会とは対極の世界である。与えない人は、何も与えられない。それが孫の代に返ってくるときもある。可愛い孫が大喜びである。今の自分の幸せは、ご先祖様が積み立てた功徳の貯金の配当を得ているに過ぎない。

 「自分信用金庫」に功徳の貯金をしよう。貯金する過程で道が開ける。ペイオフもなければ、差し押さえも預金封鎖もない。格付けAAAAの超安全資産である。

 

「雑詩其一」  陶淵明 五十歳のころの詩

 人生無根蔕

 飄如陌上塵

 分散逐風轉

 此已非常身

 落地為兄弟

 何必骨肉親

 得歓當作楽

 斗酒聚比鄰

 盛年不重来(盛年重ねて来たらず)

 一日難再晨(一日再びあしたなりがたし)

 及時當勉励(時に及んでまさに勉励すべし)

 歳月不待人(歳月は人を待たず)

 

(意訳)

 人生には根もヘタ(蔕)もなく、舞い上がるチリ(塵)のようなもの。風に飛ばされて、もとの状態を保てない。地に舞い落ちた所に兄弟が生まれる。だから肉親だけにこだわる必要はない。嬉しい時には心ゆくまで楽しめべばよい。酒をたっぷり用意して近隣の皆を集めよう。若い時は二度とは来ない。一日のうちに二度の朝はない。勉強できる時に勉強しよう。歳月は人を待ってはくれない。

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2021-04-17   久志能幾研究所通信 1992 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年4月16日 (金)

運転中はマークレビンソンをブッ飛ばせ

 

 私は今でもテストドライバーのつもりで、運転中は音楽やラジオ番組を聞かない。私は指導教官からの30年前の教えを今でも守っている。

 なぜなら運転中は五感を研ぎ澄ませ、僅かな音の変化で、車の状態、回りの状態を察知することが、テストドライバーとしてとしては試験車を運転時に必要なのだ。身の危険をタイヤ音、エンジン音、風邪切音で察知しなければならないからだ。

 

 私が知人に車を乗せてもらう時、殆どの人がラジオ番組や音楽を流している。私にとって、運転しながらの音楽鑑賞はご法度である。なにせ車を運転するとは、この世で一番大事な命を運んでいることだから。

 私がタクシーを利用する時も、運転手がラジオか音楽をかけていると、不愉快になる。

 

 外科医は手術中に携帯電話にも出ないし、音楽も聴かない。なにせ人の命を手術しているのだから。車の運転も同じである。

 

オーディオマニア

 レクサスLSには高級オーディオが装備されている。私がレクサスLSを運転した時も、高級オーディオには一度もスイッチを入れなかった。結局、レクサスLSを所有した2年間、オーディオの電源を一度も入れず、レクサスLSを手放した。だからその高級オーディオの音が良かったどうかは分からない。

 私はオーディオに疎いのではなく、車内で音楽を聴くのは邪道であるという意見である。私はオーディオマニアである。だから自宅では超高価なオーディオ装置で音楽を聴いている。優に新車のクラウンが買えるほど高価なオーディオシステムである。

 

無事

 人生道では、魅力的な音が満ちている。般若心経でいう「音」とは、此の世の誘惑である。それに気を取られて身を滅ぼした人も多い。人生道を走る時は、回りの誘惑を排して、目的に向かって邁進すべし。交通事故を起こさず、無事に走ることが最大の運転テクニックである。

 

2021-04-16   久志能幾研究所通信 1991 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

2021年4月15日 (木)

カーテン・コール(凍る?)商売

 

 セカンドハウスのピアノ室(ピアノはまだ未搬入)に、スタジオ用の防音カーテンを追加する計画をした。1年前にこの部屋の一面の窓に、このカーテンを取り付けた。あと一面の窓のカーテンを「カーテン・コール」で付けようとしたら、業者が、下記のようにほざいた。

 「年度末の3月末に在庫は処分するので、注文は3月中にして欲しい。同じ型番でも、新しく製造するカーテンは色合いが微妙に違う可能性がある。その保証が出来ないので、是非、今すぐ注文して欲しい」である。

 

 人を馬鹿にするな、これでは脅迫である。

   この業界では、本年度分の在庫を3月末に処分して、4月から新たに在庫を揃えるようだ。違和感のある商売方法である。

 今回、購入しようとしているのは、スタジオ用の吸音カーテンで、日本で作る工業製品(東リ株式会社)である。劇場やスタジオで使われているカーテンである。ロットが違ったら、極端に色調が変わってしまうはずがない。私は日本の品質管理を信じている。多少、色が変わっても極端ではあるまい。実質的に問題はない。

 防音専門メーカの社長に事情を聞けば、この業界はそういうもんだ、それが慣習だということであった。製造メーカはまじめだが、カーテン販売業界がふざけている。

 この対応で、相手業者の寒々とした心の温度を感じて、「カーテン凍る商売」のカーテン販売屋から逃げた。しばらく冷静になるために、追加のカーテンを付ける計画を一時中断した。

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2021-04-15   久志能幾研究所通信 1990 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年4月14日 (水)

レクサスは資産価値無し?

 

 「高級車は、売る時に高いから資産価値がある」は嘘である。

 博多の知人のО社長が10年程前、「ポルシェ911カレラ」を1800万円で買い、2年程乗って1900万円で売れたという。今は3000万円位出さないと買えないそうだ。

 

 2003年に1360万円で買った中古「フェラーリ360モデナ」は、その5年後1260万円で売れた。5年間乗って、わずか100万円しか価格が下がらなかった。(週刊ダイヤモンド 2009/06/20号)

 

 かように超高級車には資産価値がある。それを信じて、私は高級車レクサスLSを買い、手放したら激安の価格で泣きを見た。レクサスLSは、この高級車の世界では資産価値がなく、カローラ扱いなのだ。超高級車と高級車とは違う。買って見て痛い目にあわないとその現実は分からない。

 高級車は、そんなことを気にしないお金持ちの人しか買ってはいけないのだ。淡い期待を抱いてレクサスを買った私は愚かであった。

 

2019年 新車価格に対する(2年落ち)中古価格

 新車価格       100

 フェラーリ・FF   91%

 ベンツSクラス    55%

 ポルシェ・パナメーラ 49%

 レクサスLS     39%

 BMWシリーズ7   36%

  (烏山総合会計事務所にて作成)

 

 

 儲けようと思ったら、中途半端な価格のものは買わないことだ。絵でも儲けよと思うなら、絶対に値下がりしないマスターピースと呼ばれる西洋のルネッサンス以降の絵を買うこと。だだし最低でも1億円以上の絵である。1億円以下の絵はポスター扱いである。それが真の世界である。だから我々貧乏人は手を出してはならない。

 そもそも、本業以外で儲けようとは邪道である。車や絵の趣味の世界で儲けようとすること自体、邪道である。趣味の世界は楽しむだけで、正道の本業で儲けるべし。

 

2021-04-14 久志能幾研究所通信 1989  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

ハンドルを握りしめない

 

 自動車会社の試験車運転資格(テストドライバー)の訓練では、「ハンドルは握りしめてはダメ。10時と2時の位置に、そっと手を添えよ」と教えられる。ハンドルを握りしめると、咄嗟の回避操作ができにくい。

 

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 10時と2時の箇所に手を置くだけ

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   ハンドルを握りしめてはダメ

 

慣性

 ハンドルとは、自分の船や車を思った方向に進ませてくれる操舵装置である。それを握りしめると、何かあって場合、方向を変えるに大きなエネルギーがいる。

 自分の乗った大船は、大きな慣性エネルギーを持っている。簡単には方向は変わらない。ハンドルは握りしめず、ただ添えるだけでよい。

 車でも、どんなものでも、何もしなくても、直進性があるので勝手に真っすぐに走っていく。真っすぐに走らなければ、それは操舵以前の機械の問題である。要は支離滅裂な性格と同じである。

 

心の慣性

 自分には固定観念というカチンカチンの行動習慣がある。子供は1日に20回の決断をするという。АにしようかBにしようか、迷っても、親からBはダメと頭ごなしに躾をされると、Аを決断することが、性格(固定観念)となる。その訓練を7歳までに、20回×365日×7年=51,100回の繰り返しの定着訓練としてすることになる。そうやって性格が形成される。人間は7歳までに97%の脳が完成する。だから簡単には考えは変わらない。何も指示されなくても、その方向に走っていく。だからこそ、良き固定観念を形成したい。それは半分は親の責任である。

 

人生航路のハンドルさばき

 ハンドルとは自分の主義、価値観、思想である。固定観念が指示をするハンドルである。その価値観の方向に舵が切られて、人生はその方向に人生航路を辿る。その思想や価値観は、時代と自分の成長の過程で変わる。

 「平和が大事、人の命が大事」と言っても、戦争になれば、敵を殺さないと己が殺される。銃後の親や妻子が殺される。国が滅ぼされる。そんなとき、平和が大事と言っていたらバカである。戦争の時は、真面目に人殺しをせねばならぬ。

 

君子豹変

 かように状況によって、その価値観は変わる。だからその価値観を堅く握りしめては、身の破滅である。その思想には、そっと手をそえるだけでよい。周りの状況に合わせて、その思想を変えていかねばならない。変えなければ偏屈である。それが人生航路でのハンドルの握り方である。君子豹変でよい。

  

2021-04-14   久志能幾研究所通信 1988 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年4月13日 (火)

人生経営での命(時間)儲け。金儲けは二の次。

 

会社経営

 会社経営で必要なことは、利益を上げるために売上高を多くすることではない。売り上げがいくら多くても、一部門が赤字の垂れ流しでは、赤字転落である。経営の最優先課題は、利益を阻害する要因(赤字要因)を無くすことだ。

 

赤字の垂れ流し

 前職の会社でも、欧州に作った現地法人が赤字を垂れ流し、日本で稼いだ利益の大半を帳消しにしていた。それが長年続いたが、当時の社長がその会社の閉鎖を決められなかった。エリートの社長が優柔不断であった。その会社は政府の関係があり、会社の解消に支障があったが、社長に決断力がなかった。

 エリートと言われた社長以下の経営陣は、赤字になると真っ先に人材育成費を削った。愚かな経営陣は、人件費をコストとしか見ていなかった。そうしている間に、累積赤字で会社の耐力を失い、それが後年に競合会社に吸収合併される悲劇を招いた。無能で優柔不断の経営者が、会社を潰した。

 

宮仕えの智慧

 私の同僚が上司とのそりが合わず、その海外の現地法人の営業に飛ばされた。そこで心身とも苦労したようで、帰国後、すぐ病没した。享年54歳。

  私が別用件で現地に出張して会った時、かなり疲れた表情をしていた。彼が技術者で営業には不向きが明白なのに、そこにその上司が彼を飛ばしたのは、推定殺人だと仲間内では噂をした。宮仕えとは残酷なものだ。上司に嫌われた場合の悲劇である。

 私はその上司には面従腹背を通して、嫌われないように保身をしたので、その災難を逃れられた。また両親がその上司に盆暮れの付け届けを欠かさなかった。それは宮仕えの智慧であった。だから命を守ってくれた両親に感謝である。命が一番大事なのだ。

 

自分有限会社の経営 

 人生経営で必要なことは、自分の人生経営を阻害している要因を除くことだ。金儲けよりも、阻害要因を排除することが最優先である。

 いくら金儲けの才能があっても健康でないと、人生は大赤字である。 

 安いからと激安飲食店を選んで、それが原因で病気になっては人生経営の命が赤字となる。安いものにはワケがある。

 安いからと遠くの店に足を運んでは、時間ロスで人生経営の命が赤字となる。

 食べ過ぎて病気になっては、人生経営の命が赤字となる。

 安く美味いからと「毒」入り食品を食べて、病気になっては人生経営の赤字となる。

 安いからと激安商品を選んで、それが原因で人格が下品になれば、人生が貧困になる。それで奴隷労働で作った製品ばかり買えば、日本の雇用がなくなり、日本経済が病気になってしまう。安いものにはワケがある。

 せめて小さな心掛けで日本経済の足を引っ張ることは止めよう。

 儲けのためにプラスすることばかり考えず、マイナス要因を排除することが最優先である。時間は命なのだ。

P10409731s  馬場恵峰書

 

2021-04-13 久志能幾研究所通信 1987  小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

2021年4月12日 (月)

「百俵の米」精神でコロナ対策を

 

のぞみ号満席!

 2021年4月11日、馬場恵峰先生の「偲ぶ会」に参列後の帰路でのこと。17時38分博多発のぞみの自由席1号車に乗って驚嘆した。日曜日とはいえ、ほぼ満席なのだ。広島からは満席で、デッキに立ち客までいる。

 2月27日、馬場恵峰先生の四九日の法要に列席の為、博多行きの新幹線と特急かもめに乗ったが、グリーン車は2,3名で、ほぼ貸し切り状態であった。指定席も一車両に4,5名程度しか乗っていなかった。それが今回は状況が激変である。これでは感染者が増えるわい、と感じた。

 

 その自由席車両でも、隣に座った2組の若夫婦と子どもの6名は、マスクもせず、2人の子供は騒いでうるさい状態である。後方でも子供が騒いでうるさいこと。若い親が少しも子供を叱らない。これが現代の日本の姿だと、情けない思いをした。

 

 博多行きの新幹線ではグリーン車を利用したが、そこに認知症まがいの老女が乗車してきた。老女の身に着けた鈴が頻繁にチリんチリんと大きな音で鳴り、遠くからも響き、耳障りであった。老女は「自分だけ幸せになりますように、チリんチリん」である。本人は高齢で耳が遠く、その音が他人迷惑となっていることに気が付かない。老女まで利己主義に染まり、世も末だ。

 

コロナ禍の状況

 マスコミがコロナ禍を煽り過ぎ、一般市民が、非常事態宣言に対して我慢の限界を超え、国内旅行に出歩き始めたようだ。

 日本のコロナ感染者、死亡者は、欧米の1/50~1/100である。ドイツなら、非常事態宣言を解除するレベルなのに、政府もマスコミも対応が異常である。

 

狂った政治

 トランプ大統領時代のアメリカは、減税をして景気がよくなり、企業の業績が良くなり、税収が増えた。景気の好循環であった。

 ところが、日本は逆に増税をして景気を冷え込ませ、増税の増加以上に、企業からの税収が減った。愚かとしか言えない。

 今回のコロナ禍でも、その対策が頓珍漢で、超特定の業界だけに補助金(GO TO予算)をバラまき、財政を緊迫させた。それで潤ったのは、日本旅行業界のドンである二階幹事長だけだ。それで景気は回復せず、財政だけが緊迫したので、来年度、コロナ増税をするという。増税すれば、ますます景気が悪くなる。狂っている。

 30年前から、日本の政治家は愚かな政策しか、打ち出せない。政治家も官僚も利権にまみれているからだ。政治家も官僚に利他の精神が失われ、利己主義ばかりになっている。

 

狂った産業界

 産業界でも、グローバル経済主義で、拝金主義が横行している。ウイグル族の民族大虐殺が明白で、欧米が非難しても、厚顔無比に、知らぬ存ぜぬとユニクロも無印良品も、その奴隷労働で作った製品の商売を止めない。情けない日本人である。

 

真のコロナ対策

 政治家、官僚が国の為に利他の精神で働かないと、いくら金をバラまいても利権に群がる阿修羅に負ける。人間としての修養の教育が必要である。50年間の学校の成績だけで、行政の長になるから、日本は衰退した。

 日本には、修身、心の教育が必要だ。百俵の米の精神を呼び戻そう。利他の心が薄くなり、利己主義が大きくなったから、日本は衰退した。

 

 「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育に充てれば明日の一万、百万俵となる」(長岡藩・小林虎次郎)。

 

 その大事な財源を、大垣市の役人どもは教育に回さず自分達のために「喰って」しまった。大垣の子供たちの未来を喰ったのだ。人食い人種である。

 小川敏市政20年間で、大垣の児童生徒一人当たりの教育費が県下最低となり、大垣市の役人の年間給与が岐阜県下最高になった。これでは大垣が衰退して当然である。

 同じことを日本政府もやっている。日本の公的な教育投資は先進国中でいつも最低である。小役人が私腹を肥やしているから、日本の失われた30年が起きた。企業も拝金主義に染まり、人へ投資をしなくなったためだ。

 日本を代表するソニーも東大卒の社長が君臨するようになると、没落した。大垣と同じである。

 

2021-04-12   久志能幾研究所通信 1985 小田泰仙

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2021年4月11日 (日)

ゆでガエル洗脳病をぶっ飛ばせ(11/11)安物買い

「安物買い病」をぶっ飛ばせ

 

 安さ至上主義で、100円ショップでモノを買えば、それは外国の奴隷労働を推進する悪徳となる。100円製品は奴隷労働で作られた製品である。その消費分だけ、日本の雇用が失われて、悪魔のスパイラル効果で日本の経済衰退の原因となっている。安物買いは、自分で自分の首を絞めている。安物買いの銭失い。安物を買う輩はそれに気が付かない。安物買いは他人迷惑である。

 

 欧州が移民を推進した為、貧富の差が拡大して、テロや犯罪が増加して、社会が不安定になって、今そのツケを払っている。今のままでは、いつかそれが日本の未来となる。

 

自分を買う

 モノを買うとは、自分を買うことだ。安いものを買うとは、自分を安く買っている。浅ましく買うとは、自分を浅ましくしている。安いものに囲まれるとは、自分が安く下品な人物に堕ちていく。私は、その人の所有しているモノで、その人を人物評価している。見ればわかる。

 成金が金の任せて買っているモノは、高くても趣味が悪い。それは下品で、その人の人物を表している。

 人と付き合うなら、上品な人を選びたい。上品な人と付き合っていると、なぜか心が豊かになる。その反対は、……。

 

自己投資

 自分有限会社の社長として自分にもっと投資しよう。自分に投資をしないから、段々と下品になり、ジリ貧になる。

 

 私が就職をした48年前、母は私に「お前が定年になるころは、退職金も年金も無いものと思え」と言った。私はそれを想定して生きてきたので、今の私がある。金を貯めたのではない、どんな時代になっても生活できる能力を養ってきた。学ばない人生は墓場の人生だ。

 並みの会社員は、自己投資をせず、引きこもりで己の人生を崩壊させた。投資無きところに成長なし。自己投資をせず、勉強しない人間に未来なし。

 

書道の学び

 馬場恵峰先生は、「書道で書くなら、高い紙に高い墨で書きなさい。そうすれば、後々まで残るし、字もうまくなる。安い紙に書くから、安易に書いてしまう。だから、字もうまくならないし、後世に残らない」と言われた。

  馬場恵峰先生は、中国に行かれると、毎回、同行の人が持てるだけの書道用紙を買ってこられた。日本では手に入らない高級な紙である。毎回数十万円の出費であった。

 馬場恵峰先生は、いつも中国から買ってきた紙(色紙や巻物等)を私に見せて、「小田さん、この紙に何を書くか考えるのが楽しいのだ」と言われたことが、今は懐かしい思い出である。

 

2021-04-11 久志能幾研究所通信 1984 小田泰仙

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