人生経営での命(時間)儲け。金儲けは二の次。
会社経営
会社経営で必要なことは、利益を上げるために売上高を多くすることではない。売り上げがいくら多くても、一部門が赤字の垂れ流しでは、赤字転落である。経営の最優先課題は、利益を阻害する要因(赤字要因)を無くすことだ。
赤字の垂れ流し
前職の会社でも、欧州に作った現地法人が赤字を垂れ流し、日本で稼いだ利益の大半を帳消しにしていた。それが長年続いたが、当時の社長がその会社の閉鎖を決められなかった。エリートの社長が優柔不断であった。その会社は政府の関係があり、会社の解消に支障があったが、社長に決断力がなかった。
エリートと言われた社長以下の経営陣は、赤字になると真っ先に人材育成費を削った。愚かな経営陣は、人件費をコストとしか見ていなかった。そうしている間に、累積赤字で会社の耐力を失い、それが後年に競合会社に吸収合併される悲劇を招いた。無能で優柔不断の経営者が、会社を潰した。
宮仕えの智慧
私の同僚が上司とのそりが合わず、その海外の現地法人の営業に飛ばされた。そこで心身とも苦労したようで、帰国後、すぐ病没した。享年54歳。
私が別用件で現地に出張して会った時、かなり疲れた表情をしていた。彼が技術者で営業には不向きが明白なのに、そこにその上司が彼を飛ばしたのは、推定殺人だと仲間内では噂をした。宮仕えとは残酷なものだ。上司に嫌われた場合の悲劇である。
私はその上司には面従腹背を通して、嫌われないように保身をしたので、その災難を逃れられた。また両親がその上司に盆暮れの付け届けを欠かさなかった。それは宮仕えの智慧であった。だから命を守ってくれた両親に感謝である。命が一番大事なのだ。
自分有限会社の経営
人生経営で必要なことは、自分の人生経営を阻害している要因を除くことだ。金儲けよりも、阻害要因を排除することが最優先である。
いくら金儲けの才能があっても健康でないと、人生は大赤字である。
安いからと激安飲食店を選んで、それが原因で病気になっては人生経営の命が赤字となる。安いものにはワケがある。
安いからと遠くの店に足を運んでは、時間ロスで人生経営の命が赤字となる。
食べ過ぎて病気になっては、人生経営の命が赤字となる。
安く美味いからと「毒」入り食品を食べて、病気になっては人生経営の赤字となる。
安いからと激安商品を選んで、それが原因で人格が下品になれば、人生が貧困になる。それで奴隷労働で作った製品ばかり買えば、日本の雇用がなくなり、日本経済が病気になってしまう。安いものにはワケがある。
せめて小さな心掛けで日本経済の足を引っ張ることは止めよう。
儲けのためにプラスすることばかり考えず、マイナス要因を排除することが最優先である。時間は命なのだ。
2021-04-13 久志能幾研究所通信 1987 小田泰仙
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