ma_ネッツトヨタ南国の経営 Feed

2018年3月24日 (土)

4-7.五右衛門風呂の幸せ

五右衛門風呂の定理

 日本では相手に対して与えた陰徳が、後から倍返しで返ってくる社会である。陰徳とは佛様への長期定期貯金である「積善の家には必ず余慶あり」(『易経』)が佛の御心である。その余慶を自分が受けなくても、子孫がその恩恵を受ける。それは五右衛門風呂で、温かいお湯を向うに押し出すと、回りまわって背面から自分に返ってくる現象に似ている。それが利他の精神である。足るを知らず、いくら己の方にお湯をかき寄せても、お湯は向うに逃げてゆく「利他、足るを知る」の東洋思想は、西洋の総取りの思想、短期収穫思想とは相いれない。私は西洋式のバスタブよりも、五右衛門風呂の方式で、ゆっくりと温まりたい「情けは人のためならず」とは五右衛門風呂の定理である。弘法大師の教えと眼差しには、その温かさがある。ネッツトヨタ南国の新人は、そういう温かい眼差しを向ける心を「バリアフリーお遍路の旅」研修で、体得するのだろう。

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 大仏師松本明慶作「弘法大師座像」松本明慶仏像彫刻美術館にて 

 松本明慶仏像彫刻美術館の許可を得て掲載しています。2018年3月21日撮影

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    教育資料「修身」 小田 2005年

「私」と「自分」の戦い

 「私」とは自己主張の言葉で、「自分」とは共同体での自称である。「自分」とは社会全体に対して「自らに与えられた分」である。仏教用語である。「私」とは、自己主張の総取りの意思表示である。

 人の考え方は言葉に現れる。だから言葉とは文化である。言葉には言霊がこもる。英語で「私」を表す言葉は、Iと Myself くらいしかない。それが英語圏の自己主張の文化を象徴している。それに対して、日本語では、私、自分、俺、朕、某、予、我輩、及公、手前、小生、愚生、拙者、不肖、老生、愚老、拙僧、愚禿、小職、と数多くある。日本社会は、状況に応じて自分の位置を変える大人の社会である。

 文化の違いは、同じように魚名1つをとっても、欧米と差がある。出世魚であるブリは、ワカシ(15 cm くらいまで)、イナダ(40 cm くらい)、ワラサ(60 cm くらい)、ブリ(90 cm 以上)と名前を変える。しかし英語ではyellowtail だけである。

 ネッツトヨタ南国の経営方式が、欧米でうまくいくかどうかは、疑問である。どんな手法もその国の文化、風土にあった方法がある。

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   教育資料「道と価値創造」 小田 2005年

 

農耕文化と狩猟文化

 この日本語と英語の違いは文化の違いである。欧米は、自己主張を最優先に考える狩猟民族の文化である。それに対して、日本語は、共同生活で生活を成りたたせてきた農耕文化である。共同生活が第一にあるため、話す相手に合わせて、自己の表現を変えている。自分が社会と共にある一員を表現している。その典型的な言葉が「自分」である。つまり全体の中の「自ら」の「分」の存在を表している。これは禅の言葉でもある。

 常に社会の中での自分を考える風土が、共生の思想で運営されている。そこに西洋の個人主義の経営手法が入ってきたからおかしくなった。日本の風土には、日本の風土に合った制度がある。年功序列であり、終身雇用であり、会社別組合である。

 

日本で成果主義導入の違和感

 西洋の他人を押しのけて自己の利益を主張する成果主義は、日本風土に合わない。西洋にも日本式経営はあわないのであろう。弱肉強食の世界で、アジアアフリカ諸国を植民地にして、その生き血を啜って贅沢な生活をしてきた列強諸国は、成果主義万能の世界である。負けた方が悪いのだ。勝てば、相手を皆殺しにするか根こそぎ強奪して奴隷にして働かせるのが、神の思し召しなのだ。キリスト教徒でなければ人間ではないので、何をやっても罪悪感を感じない。そこに一神教の恐ろしさがある。

 イギリスは、植民地インド経営で、19世紀だけでインド人2,000万人以上を餓死させ、虐殺したといわれる。イギリスの植民地支配は、人民の愚民化と貧困化で、反英派や独立派は徹底的に弾圧し、インド人に密告・誣告を奨励して告発されたインド人は冤罪であっても女子供でも容赦なく叛逆罪として処刑した。そんな残虐なことが平気でやれたのは、相手を人間として見ていなかっただけである。

 しかしそれが、19世紀初頭の白人社会の常識であった。その考えで植民地強奪政策を推し進めたので、その因果応報として現在の移民の氾濫、テロになって欧米を襲っている。

 グローバル経済、成果主義を発達させてきた西洋は、日本式経営は取り入れない。西洋かぶれした浅知恵の日本の経営者が、西洋文化でしか機能しない成果主義を取り入れたといえる。今の日本の停滞と混乱は、風土とのミスマッチから生まれている。

 

「人は資源」と「人は経費」の闘い

 「人は資源」として大事にするウィンウィンの経営が、ネッツトヨタ南国の経営方式なのだ。日本で人を大事にする経営をすれば、成功する。人を大事にしないから、多くの日本企業が没落した。

 西洋の成果主義では、人は経費なのだ。経費だから利益確保のためには削減しなくてはならない。まして移民の有色人種は、安い労働の使い捨て消耗品扱いである。ドイツがそれをフル活用して経済を発展させた。勝者独り占めの政策として、EU内関税政策フル活用で、弱者のギリシャは弱者をままに置いて漁夫の利を得た。そのため、ギリシャは貧乏になった。EU内では弱者と強者の関税が同じだから、洪水のようにドイツ車を筆頭に安いコストで作った工業製品が、弱小国家に流れ込む。その結果、自動車産業を筆頭に多くの産業は衰退する。それがギリシャ問題である。

 その昔は、多くの列強がアジア、アフリカに殺到して、植民地分捕り合戦をして、富を欧米に持ち帰り、それを独り占めした。アジアの植民地の住民は、欧米にとって人間ではないのだ。それの後継者が、グローバル経済主義者となって、99%の富を1%の富裕層が独占する世界を作った。

 だから私はドイツ車を絶対に買わないし乗らない。ドイツ車に乗って自慢しているセレブ経営者を軽蔑する。その分、日本の雇用の喪失、日本労働者の賃金抑圧、欧州での移民への差別が増長されるのだ。その中小企業社長のセレブは、世界経済流動の実態も、従業員がどういう目で己を見ているかには、思いを馳せないのだ。

 

和洋で戦闘戦略を切り替え

 私は日本人なので、その日本で共生、無私の世界に生きている。なるべく事を荒立てないようにするのは、日本人としての特性である。だから私は問題が起きても、相手を見てどれだけクレームを付けるかは、相手を観察してから慎重に対応している。

 昔の正義感溢れてエネルギーに満ちていた時は、テクニカルライティングの論理構成、危機管理の思想、倫理観でビジネス戦争を戦っていた。正論で論理的にガンガンと攻めるから、敵(某世界的大手IT企業)の営業マンからは、一目置かれていた。

 最近は悟りの心境になり、戦っても時間の無駄だと思う相手とは、最初から戦いを略する「戦略」に切り替えた。アホな相手と議論しても私だけが疲れるだけで、相手は極楽とんぼモードのままである。それでは私の人生ロスであると悟った。諫言を言われなくなったら、戦ってもらえなくなったら、その人は終わりなのだ。私が、「相手にするだけ無駄」と経営判断をしたのだから。人は言われるうちがハナなのだ。無駄と判断されると、鼻にもかけられない。

 私は、いまでも欧米に旅行等で出かけた時は、ハッキリと自己主張をして過ごす。日本では和の精神で言いたいこともある程度我慢するが、欧米に出かけた時は英語での戦闘態勢である。特にビジネスの場合は、西洋人になりきって行動する。ホテルや空港で問題があれば、西洋人のように、はっきりと「I」を主語にクレームを付ける。そうしないと生きていけないのだ。

 特に仕事で西洋とやりあう場合は、自己主張をしないとやり込められてしまう。私は、欧米ではできるだけそういう会社や組織とは付き合わないようにしている。一流ブランドの飛行機会社やホテル等なら、そういう嫌なことは少ないので、日本人として品格ある行動ができる。

 

マネジメント的視点が鍵

  仕事の最前線にマネジメント的視点をもたらすこと。 

  それ自体が1つのイノベーションである。

 あらゆる生産手段のうち、人的資源ほど効率の悪いものはない。この人的資源の活用に成功したわずかな企業が、生産性と算出量の飛躍的な向上を実現する。人的資源こそ生産性向上の主たる機会である。したがって、今日関心を集めている設備や技術のマネジメントではなく、人材のマネジメントこそが最大の関心事でなければならない。

 しかもわれわれは、人的資源の生産性をもたらす鍵が何であるかを知っている。報酬は手段でない。考え方としてのマネジメントである。仕事と製品のマネジメントで見ること、すなわち、それらのものを全体との関連においてみることである。

P.F.ドラッカー『新しい社会と新しい経営』上田惇生訳 ダイヤモンド社

 

2018-03-24

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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2018年3月23日 (金)

新人は弘法大師を目指す

4-6.入社後の教育

1)「バリアフリーお遍路の旅」新人研修

 ネッツトヨタ南国の1ヶ月間の新人研修の最後に、4泊5日「バリアフリーお遍路の旅」研修がある。新人が全国から応募した視覚等に障害がある方とペアとなって、手取り足取りお世話をしながらの、四国霊場を回る研修旅行である。泊まる宿は、民宿や普通の宿である。当然、バリアフリーの設備が完備されているわけではない。全盲の方や障害のある方のお世話するのは初体験の新人ばかりである。

 彼らは、失敗のないようにと一生懸命にお世話をするのだが、当然、ミスもして全盲の方に辛い思いをさせることもある。トイレでの粗相もあろう。しかし、奉仕だけがこの研修の目的ではなく、真の目的は別である。24時間5日間、全盲の方をお世話する間に、人への真の心配りに気づかせる実習である。障害者だからといって、全てをサポートして欲しいわけではない。彼らにも人間としての尊厳があり、できるだけ自分で処理をしたいのが本能である。構いすぎは、却って彼らの自尊心を傷つける。ほんの少しのサポートが、彼らの心の琴線に触れるおもてなしとなる。

 「あなたが、私が不自由そうだな、と感じることがあったら、そのことだけ、ほんの少し力を貸してくれればいいのですよ」の言葉は、一緒に旅をして、お風呂で背中を流し、布団を並べて寝る前に話し合う中で、心を開いて始めて語られる仏様のような言霊である。

 「バリアフリー」の言葉の意味は何か、相手が求めていることは何か、それを感じ取り、実践するために、先入観、固定観念という心のバリアを捨てることの大切さを体験する。

 研修後の体験発表会では、涙、涙の報告である。今後の人生を、真心でお客様や仲間、家族と向き合い、生きていく決意をする新人たちの姿がそこにある。

 

弘法大師になりきる修行

 私はこの研修を弘法大師との「同行二人」になりきる修行だと解釈した。お遍路さんは、その傍に弘法大師が同行してくれていると信じて霊場を巡る。真言宗では、空海が山岳修行をしていた時代に遍歴した場所は、四国八十八箇所に代表される霊場として残っている。四国八十八箇所霊場を巡るお遍路では、「南無大師遍照金剛」を唱えながら巡礼する。

 「南無」とは弘法大師空海に帰依するという意味である。「遍照金剛」の名号は、空海が唐に留学し、真言密教を極めた時の灌頂名で、「太陽のごとくすべてを照らす慈悲と、人を幸せにする仏さまの砕けることなき智慧の持ち主」という意味があり、大日如来の別名でもある。

 お遍路さんの白衣の背中にも「南無大師遍照金剛」の文字を背負う。お遍路さん同士での挨拶も、この言葉を使う。歩き遍路で「南無大師遍照金剛」を唱えるのは、自分の後ろには大日如来が控えているから、大師と二人で同行してお遍路を歩くという意味がある。

 同行する弘法大師は、けっして出しゃばらない。困った時にだけ助けてくれる存在である。ディーラマンとして、弘法大師のような存在を目指して修行するのが、「バリアフリーお遍路の旅」研修だと私は解釈した。

車を買うのも一つの人生

 車を買う人は、趣味の世界もありディーラマンよりも知識を持っている場合が多い。それがディーラマンから知っている車の知識など押し付けがましい話は聞きたくない。己に足りない情報だけを教えてくれれば良いのだ。車を買うのも一つの人生である。暗夜を歩く人生と同じである。困った時に、そっと助けてくれれば良いのだ。車を買ってからその販売店とは10年間の長いお付き合いの人生が始まるのだ。

暗夜に自分の人生を歩む

 人生を歩くとは、暗夜を手探りで歩く様に似ている。すべて手を引かれて行けば、自分の存在意義がない。自分の尊厳は守りたい。失敗してもいいから、自分の足でそろそろと歩む。必要な時には、佛様が助けてくれると信じて。「そういう佛様のような存在になれ」というのがこの研修があると思う。新人がこの研修の本当の意味を知る時をネッツトヨタ南国の社長は、首を長くして待ち望んでいるのだろう。

管理職の立場になって

 新人が後年に管理職の立場になった時、この部下の指導で弘法大師のような存在の価値を悟るのである。その時、バリアフリーお遍路の旅」研修の真意に気が付くのだ。

極楽とは

 新人は、お客様のためにと発心して、お客様のために修行をして、菩提の修行をして、涅槃の境地に達する。それを「バリアフリーお遍路の旅」研修で垣間見る。

 菩提とは悟りの境地、涅槃とは全ての煩悩から解脱した状態である。新人は涅槃を目指す。我々も煩悩を解脱して生きていきたい。お客様の喜ぶ顔が目指す極楽涅槃である。

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   馬場恵峰書『四国八十カ所の発心・修行・菩提・涅槃の四道場に読まれた歌・各寺の本尊集』(2016年)より(現在、出版準備中)

1p1040722 大仏師松本明慶作「弘法大師座像」松本明慶仏像彫刻美術館にて 

 松本明慶仏像彫刻美術館の許可を得て掲載しています。2018年3月21日撮影

 

日本で一番大切にしたい会社

 『日本でいちばん大切にしたい会社 2』の著者坂本光司浜松大学教授は、講演「日本でいちばん大切にしたい会社」(KBC主催の講演会 2011年4月25日 岐阜グランホテル)で、このお店を訪れて、「なんともいえない温かい雰囲気を感じた」と述べられていた。このオーロラを発するおもてなしの温かさは、この研修の成果なのだろう。ネッツトヨタ南国の社員が佛様のように見えたのだろう。

 

2)職場実習

 入社後は「教えない」が基本。社員が「気付き」「考え」「行動する」まで待つ風土が、社員が最大限の能力を発揮する風土を育てた。

 この手法は、直ぐに結果を求める欧米式の経営では、絶対になりたたない。促成栽培された生物は成長が早いが、衰退はさらに早い。それに対して、じっくり育てられ、風雪に耐えた生物は長生きで、元気が良い。

 南方のラワンの木は、生長が早い。それゆえ、安い建材として広く使われている。この木は直ぐに大木になるが、自身の体重を支えきれず、倒れてしまう木も多い。なにか現代の若者を象徴している。

 

「何かのマニュアルを与えればミスは確実に減るでしょうし、売り上げは簡単に伸びるでしょう。しかし逆に従業員の思考が停止してしまう。お客様へのよりよい応接を自分自身で模索するプロセスや失敗の中にこそ、大事な気づきがある。そんな経験と努力を通じて従業員には人生の勝利者となって欲しいのです」(大原光泰氏)PRESIDENT 2011年5月2日号』

 

あなたの部下、子供にはどんな教育を施していますか?

自分は、自分に対してどんな教育をしているのか?

自分は、人に助けられるよりも、黙って見守って必要な時に助けてあげる存在になりたい。

 

2018-03-23

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2018年3月22日 (木)

4-5.ネッツトヨタ南国の採用試験

 ネッツトヨタ南国の採用試験では、応募枠4~5名に全国から700名の学生が殺到する。競争倍率150倍。頭のよさ、学校の成績で採用されるわけではない。あなたが応募したとしたら、全国から殺到する応募者150名中で、1位を取れるだろうか。私は自信がない。

 

人を観る眼の難しさ

 一般的な採用面接では、人の見分けはできないと思う。イトーヨーカ堂の前会長の鈴木敏文氏でさえ、10分程度の面接では、異常値を排除するだけで、真の人物は分からないという。私も途中入社希望者の面接をしたことがあるが、入社後にその人に裏切られたことがある。短時間で人を見分けるのは難しい。

 企業にとって一人の新人採用は、数億円の設備導入に匹敵する。企業はその人に40年弱の間、給与を払うのだ。それは総額で数億円にもなる。それなのに、採用もいい加減、新人教育もいい加減、それで人が育つわけがない。業績に貢献する人材になるわけがない。10万円の稟議にケチをつける役員が、新人採用、新人教育に、熱意を示さないのだ。むしろ妨害さえする。

 保守的な大企業だと学閥だけで採用して、学閥だけで昇進させる。特定大学を出たというだけで、鼻持ちならぬ新人でも、優遇されているのも数多い。私もその影響で冷や飯を食わされた。鼻持ちならぬ新人は、会社から特別扱いで博士号まで取らせてもらって、気に喰わないと会社を辞めた。その依怙贔屓をしていた役員が経営してきた会社はおかしくなった。当然の因果である。

 

ネッツトヨタ南国の受験資格

 競争優位性を人財に置くネッツトヨタ南国での採用試験は、ユニークである。下記は同社のHP(2011年)での採用条件紹介である。

http://www.vistanetz.com/recruit/16.html 2011/4/20

(現在はこのHPは変更されているが、基本的に内容は変わっていない)

 受験資格

・会社訪問などを通じて、あなたの人生においてネッツ南国で働くことの意義が明確にできていること。

・採用試験は、1次選考方式(つまり1回勝負)! 

   ・・・でも長い人生。3回ぐらいチャレンジするのも可です。

・通年で I ターン、U ターン中途採用も実施しております。関心をお持ちの方はお問い合わせください。

・エンジニア志望高校生の採用試験については、各高校の進路指導部経由でお知らせいたします。(高校生こそ、夏休みにしっかり職場体験しておこう!) 

就職活動中のみなさんへ(新卒、中途、学歴は関係ありません)

 VISTA(ネッツ南国)では、当社でイキイキと活躍していただける方を全力で探し求めています。「価値ある生き方をするためにも自分を磨きたい!」というあなた。季節は問いません。今すぐアクセスしてきてください。

■中途応募の方、必読!

 中途入社希望のご連絡をいただいた方には、会社案内資料とあわせて応募フォーム(エントリーシート)をお送りさせていただきます。このエントリーシートと履歴書をもって一次書類選考が実施されますので、ホームページや会社見学(ご自由にどうぞ!)などで企業研究をして、「私はこういう理由でVISTAで働きたい!」をしっかりアピールしてください。一次選考では「自分の想いを表現する力」が試されるのです!

 

ご注意!  

次のタイプの方には向かない職場です (ホントですからね)。

■ 家族を大切にする気持ちがない方   ■ 仲間を大切にできない方

■ 笑顔のない方                        ■ 夢を諦めた方

■ 人の話を聴けない方               ■ 人間が嫌いな方

■ 可能性を信じない方               ■ 自分が嫌いな方

■ 言われた仕事しかしない方

■ 会社のためなら何でもやります!というタイプの方

 

2018-03-22

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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4-4.新人の採用

社員も参加する採用活動・人間性尊重の経営

  「社員の社員のためのルール、常に既成概念を破ろう、組織図がない、安楽椅子がない、重役は投票で決めよう、全員参画、多数決はしない、売り上げを伸ばせとは言わない、駐車場に線を引かない、共に育つ教育制度、やる気のない人は幸せにできない」

  これはネッツトヨタ南国を創業して間もない頃に、横田社長(当時)が学生募集用のパンフレットに書いたコピーである。人間性尊重の経営は20年前から始まっていた。 

 新人の採用では、入社前に最低30時間(2005年当時)10回の面談を実施して、その過程で会社の理念や方針を理解してもらい、何のためにここで働くのかを納得してもらう。その過程で、働く目的がお金や地位のためではなく、お客さまを喜ばせることが自分の悦びになると気づかせる。

 そして現在では、一人当たり200時間(2011年)を面接に使い、価値観が共有できるかを確認しあう。採用業務も進化・カイゼンしている。そして複数の先輩社員と語り合う時間をとり、お互いの理解を深めていく。採用の最終決定も経営者は関わらない。社員全員で一人を採用し、育てていく体制である。

 

「修身」の講座

 下記は私が新人教育講座で、新入社員を相手に講義をした「修身」の一部である。私が新人に伝えたかったことは、ネッツトヨタ南国が新人に伝えていることと同じである。普遍的な労働に関する考え方である。しかしこの講座は、前職の会社がエゲツナイ会社に吸収併された後は、その会社の拝金主義の上司に講義を禁止された。「仕事に関係ないことは、(無駄だから)教えるな」であった。

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__o_0508291_2  新人教育講座「修身」より 小田

 どんな組織でも、「人の育成は大事である」とトップは言う。しかし、ドラッカーが慧眼したように、これを実践している企業は稀である。企業が業績不振になると、真っ先に削減されるのが、教育費である。私も会社生活38年を通して人材育成にも携わった。その中で、会社の欺瞞を一番感じたのが、会社の人の育成への姿勢である。「教育は大事」と建前でいいながら、業績が悪くなると真っ先に削減されるのが教育費であった。本来は不況の時こそ、人に投資をして好況になったらダッシュして儲ける、が智慧ある経営である。凡人の経営者はその逆をやっている。

 エセ経営者の教育重視宣言が笑わせる。仏様の差配で前職の会社は創業65年で吸収合併されて消えた。合併後10年余経っても、エゲツナイ会社が経営しているためか株価は低迷している。同系列のグループ会社等が躍進している状況に比べて情けない。これは当然の結果と私は思う。この点で、ネッツトヨタ南国の経営に、ホンモノの経営を見た「いい仕事をしていますねぇ~」と言いたい。

2018-03-22

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2018年3月21日 (水)

4-3.ブランド戦略

 ネッツトヨタ南国の販売価格は、値引きなしの定価販売である。近くにはもっと安価で提供するトヨタ系のディーラーも店を構える。ネッツトヨタ南国の近辺は、10社以上の同業者がひしめき合う激戦区である。それでもネッツトヨタ南国では車が売れしまう。結果として「厚利多売」である。

 ネッツトヨタ南国は「接客」というカテゴリーで、ブランドを確立している。ブランドロイヤリティにハマった顧客は、値段ではなく、ネッツトヨタ南国のブランドで購入する。車を買う場合、値段だけで購入を決める人はほとんどいない。値段で車を買う人は、価値観がお金となっていて、そんな客を相手しても、自分達のディスカウント(自分の安売り)となり、お互いが幸せになれない。

 

天使のサイクル・悪魔のサイクル

 現代はデフレの影響もあり薄利多売のお店が増えている。しかし、ネッツトヨタ南国は値引きをしない販売戦略である。それでも多くに顧客が殺到するため、厚利多売である。儲かってしかたがない。利益は後から慌てて追いかけてきたのだ。拝金主義者でないネッツトヨタ南国は、その儲かった資源をお客様と自己の教育に振り向ける。それがブランドをさらに高める結果となっている。ますます儲かるプラスの天使のスパイラルとなっている。

 拝金主義者の経営者は、成果主義を推進し、教育費を削減し、社員を追い詰める。社員がやる気を無くし、自分の立場を失うのを恐れ、ノウハウを部下に教えず、全体として、売上げが下がっていく悪魔のサイクルに陥っていく。

 

人生のディスカウント(自分の安売り)

 自分の人生を安モノ買いで、安さだけを追及すると、自分の人生も安物の人生になってしまう。安いものにはワケがある。それが伝染して、自分の生き方が安っぽくなってしまう。お金をケチッて貯めた金は、あの世には持っていけない。それでは人生の勝利者にはなれない。惨めな終末を迎えるのがオチである。

 正しくお金を払えば、良きご縁との出逢える。値切らないとは、売る相手と相手の仕事を尊重している意思表示である。そうすれば相手も相応の対応をしてくれる。少なくとも悪い縁者とは、付き合う危険性が少なくなる。

 私がモノを買う時、負けろと言ったためしはない。買う店も買う店員も決めているので、相手が勝手に値引きをしてくれる。結局はそれがお得である。相手に値引きをさせる交渉時間にも、時間とお金がかかっている。自分の命を無駄に削っているのだ。命とは、自分が使える有限の時間なのだ。それに早く気付くべきである。

 

2018-03-21

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4.人財育成戦略

4-1.ネッツトヨタ南国の競争優位性

 企業の競争優位性とは、ドメインの決定と資源展開で競争者に対して築く独自性である。競争優位性の源泉であるコアコンピタンスとは、経営資源を組み合わせて、企業の独自性を生み出す組織力である。コアコンピタンスは、長期間の継続的改善で構築される。

 要件 ①多くの市場へ展開性を生み出す要素

    ②最終製品が特定顧客に貢献する要素

    ③競合他社にとって模倣困難性の要素

                  

 ネッツトヨタ南国のコアコンピタンスは、他社にない顧客サービスを提供する人財が主体である。一般的な自動車販売店にとって、他の販売店とそんなに設備で優位性や差別化を取れるわけではない。商品はカーメーカから提供されて独自性は生み出せない。新車を売ってもその利益は多くない。最近の経営の優れた自動車販売店は新車が売れなくとも、利益が出る体質に改革している。そのために、濃厚なせービスをする優秀な人財を育てれば、継続的に顧客に差別的(模倣困難性)のサービスを提供できる。それは下記要件を満足する。

①様々な市場へ参入できる。

②高級ホテル並みの顧客サービス(商品)が顧客に貢献できる。

③長年育成された人財教育システムには模倣困難性がある。

 

 この競争優位性は人財の育成が基本となっている。そしてネッツトヨタ南国では新人の採用の段階からその取り組みがスタートしている。その取り組みは、他社から見れば隔絶した世界である。私が入社試験を受けても、とても採用されそうもない。競争倍率150倍。

 

4-2.良い会社作りの仕掛け

 ネッツトヨタ南国は、目的を達成するため、現在の問題を先送りせず、「あるべき姿」=needs に目を向けた企業風土改革に取り組くんだ。下図のwantsでの×印を全面否定して、それ以外は受け入れる企業風土を育てた。

 

  wants → needs

    量  ←→  質

    目標  ←→ 目的

    対処  ←→ 解決

    感情  ←→ 理性

    結果  ←→ プロセス

    効率  ←→ 効果

   ×平等  ←→ 公平

    近道  ←→ 回り道

   ×同僚が敵←→ 自分が敵(ライバル)

   ×反応  ←→ 主体

 

 ネッツトヨタ南国は、入社した全員が「このネッツトヨタ南国で働けてよかった」と思える会社になるように、人財戦略(=経営戦略)を練り上げた。戦略とは、勝つために「何をやらないか」という「戦い」を「略す」る行動である。

 

良い会社にする仕組み

 良い会社とは、社員満足度、顧客満足度、社会貢献度、継続的成長が良い

   ↑

 就職人気企業№1とは人財育成力が抜群

 就職人気企業№1=人間性尊重(自己実現を目指す)

            ↑

            ↓

          動機(やる気)= 目的の明確化。好きなる。

            ↑

  全員参画、重要な仕事を担当、自主性の尊重、創造的に対応、結果の明確な評価、継続的な挑戦

 

経営戦略の中心は人財作り。そのために何をやらないか

 経営戦略 = 人財戦略(文化レベル向上・風土つくり)

  そのために、組織図を作らない。上位下達をしない。多数決をしない。真似をしない。プロに頼らない。マニュアルを作らない。失敗をとがめない。できない理由を考えない。

 

2018-03-21

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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2018年3月20日 (火)

ネッツトヨタ南国の概要

1-1. ネッツトヨタ南国の会社概要

  ネッツトヨタ南国は、大企業によく見られる、管理を強化した経営環境ではなく、社員の自主性を重んじる経営スタイルで、働く人が最高のやりがいを与える企業風土を育てている。「社員が仕事に満足していない会社は存在価値がない」と言い切り、社員一人ひとりが自ら考え行動する自主自立型組織を目指している。そして、トヨタ販売会社300社中で、13年連続顧客満足No.1の座を獲得している。(2015年現在)

 結果としてデフレで車の販売が低下する中、他社の販売会社が数十%の売上げダウンや廃業も頻発する厳しい状況にも関わらず、またリーマンショックも乗り越え、10年前に比べて2倍の売上高を達成している。

 講演依頼は数多く、2006年11月22日、第41回グローバルトヨタTQM大会(名古屋国際会議場センチュリーホール)では、創業社長である横田社長(当時)が『ESとCS 人間性尊重の組織づくり』というテーマで講演をされた。

 

1-2.株式会社ビスタワークス研究所の概要

 設立: 2007 年にネッツトヨタ南国の社内カンパニーとして設立。

    2010 年10 月法人化

 従業員:8 名 

 代表取締役社長:大原光秦(2011年当時)

 所在地: 高知市南川添4-28(ネッツトヨタ南国内)

 

特 徴:

「人の幸せ」を実現する組織・人財開発のあり方について、中学生向けのキャリア研修から経営者を対象とするリーダーシップ研修まで幅広い対象に向けた学習プログラムを独自に開発し、知財を提供している。

地域の未来づくりをビジョンに掲げ、県外企業等組織向けのコンサルテーションを行う。

高知県内の中学、高校、大学等における講師活動や、地域全体に向けたインターンシップ推進活動、学校教員の長期社会体験研修の受け入れなど、教育界と連携して活動している。

南国土佐の暮らしや働き方、その思いを紹介する動画サイト「南国生活ドットコム」をプロデュースしている。

学生や企業がキャリア教育情報を共有するための「まなともネット」などのウェブサイト運営、各種デジタルコンテンツを製作している。

 

1-3.現社長(2011年当時)大原光秦氏

 「全従業員を人生の勝利者とする」という経営理念を実践するネッツトヨタ南国において、人財開発(採用/ 教育/ プロジェクトマネジメント)責任者として20 年以上携わる。同社の日本経営品質賞受賞(2002 年)時にはアセスメント推進総指揮を務めた。「人間的成長」を支援する組織づくりを心理学や脳科学、人類社会学等の諸理論から検証、他の組織にも応用・展開しやすいよう、独自の理論を構築している。論理的で明快、さらに映像等を多用して臨場感溢れる講話スタイルが評価され、企業に限らず行政や学校など、組織形態を問わず講演や研修などの依頼が数多く寄せられる。現在では年間300 回を超える研修・講師を務めている。現在44歳(2011年)の若さ溢れる新社長である。それも、社員達の互選で選ばれた社長である。

 

1-4.大原光秦氏は一億円のプレゼンテイター

 大原光秦の講演料は50万円。年間300回講演をして、1億5千万円の利益を会社にもたらす。カリマス的な一億円プレゼンテイターの講演を聴けば、その話し方手法、経営手法の一部でも盗み取って、自分のプレゼン、部下への指導方法、自社の組織改革に応用するのも勉強になる。年間300回の講演依頼がある事実には、それ相応の内容があるからだ。また、人をモチベートして、やる気にさせる手法を研究するにもよきお手本である。ゆとり教育の弊害で、若い人の気概の低下を嘆く風潮があるが、成長する環境と正しい指導をすれば、いかに大きな成果を生むかの実例を確認できる。人は素晴らしい資質を持っている。今はそれが発揮されていないだけである。全ての責任は経営者にある。

 驚くべきは、社長が年間300回も講演で出歩いて社内に不在でも、社内は13年連続顧客満足№1を継続・発展する自立型組織になっていることだ。

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 2011年5月12日 岐阜「じゅうろくプラザ」での講演会で

2018-03-20

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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 私はネッツトヨタ南国の大原光泰社長(2011年当時)の講演を聞いて、この会社の経営に興味を持ち、色々と調査をしてまとめたのが今回の記事です。 P1_ 2018-03-20

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