4-3.ブランド戦略
ネッツトヨタ南国の販売価格は、値引きなしの定価販売である。近くにはもっと安価で提供するトヨタ系のディーラーも店を構える。ネッツトヨタ南国の近辺は、10社以上の同業者がひしめき合う激戦区である。それでもネッツトヨタ南国では車が売れしまう。結果として「厚利多売」である。
ネッツトヨタ南国は「接客」というカテゴリーで、ブランドを確立している。ブランドロイヤリティにハマった顧客は、値段ではなく、ネッツトヨタ南国のブランドで購入する。車を買う場合、値段だけで購入を決める人はほとんどいない。値段で車を買う人は、価値観がお金となっていて、そんな客を相手しても、自分達のディスカウント(自分の安売り)となり、お互いが幸せになれない。
天使のサイクル・悪魔のサイクル
現代はデフレの影響もあり薄利多売のお店が増えている。しかし、ネッツトヨタ南国は値引きをしない販売戦略である。それでも多くに顧客が殺到するため、厚利多売である。儲かってしかたがない。利益は後から慌てて追いかけてきたのだ。拝金主義者でないネッツトヨタ南国は、その儲かった資源をお客様と自己の教育に振り向ける。それがブランドをさらに高める結果となっている。ますます儲かるプラスの天使のスパイラルとなっている。
拝金主義者の経営者は、成果主義を推進し、教育費を削減し、社員を追い詰める。社員がやる気を無くし、自分の立場を失うのを恐れ、ノウハウを部下に教えず、全体として、売上げが下がっていく悪魔のサイクルに陥っていく。
人生のディスカウント(自分の安売り)
自分の人生を安モノ買いで、安さだけを追及すると、自分の人生も安物の人生になってしまう。安いものにはワケがある。それが伝染して、自分の生き方が安っぽくなってしまう。お金をケチッて貯めた金は、あの世には持っていけない。それでは人生の勝利者にはなれない。惨めな終末を迎えるのがオチである。
正しくお金を払えば、良きご縁との出逢える。値切らないとは、売る相手と相手の仕事を尊重している意思表示である。そうすれば相手も相応の対応をしてくれる。少なくとも悪い縁者とは、付き合う危険性が少なくなる。
私がモノを買う時、負けろと言ったためしはない。買う店も買う店員も決めているので、相手が勝手に値引きをしてくれる。結局はそれがお得である。相手に値引きをさせる交渉時間にも、時間とお金がかかっている。自分の命を無駄に削っているのだ。命とは、自分が使える有限の時間なのだ。それに早く気付くべきである。
2018-03-21
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