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2017年7月18日 (火)

インプラント 7(経営理念)

3.4 経営理念からの判断

  組織の憲法である経営理念が正しければ、自ずと良心的な経営・医療行為がされる。しかし、観察した歯科医院の医院理念には、問題が多い表現が多くある。それ故、信用できない歯科医院と結論できる。米国のために作られた憲法9条の一文があるが故、日本の外交政策が戦後70年間余も硬直状態になっている。かように憲法とは、全てを支配する呪文である。文書で言えば、クライテリアである。

 この歯科医院の「デンタルガイドブック」で医院理念にconcept との英訳があるが、誤訳である。conceptとは概念、観念、着想、発想、考え(ジーニアス英和大辞典)であり、「理念」は philosophy である。誤訳をしている関係か、その内容レベルは行動規範のレベルでしかなく、理念で記載すべき高いレベル内容ではない。医院理念に書かれている「 ~ の維持のお手伝いします」のレベルは仕事に落としこんだ実務の内容であり、理念で書くべき内容ではない。他社の理念と比較するとこの医院理念の異様さがよく分かる。この理念の文面は、TVコマーシャルのキャッチコピーレベルにすぎず、理念とはいえない。

 理念とはその組織のトップの志、思い(念)を表した決意表明である。これが経営の成否を左右する。理念は、①錦の御旗 ②経営の物差し ③口にすることでエネルギーの源泉となる、の3つの条件が必要である。その理念は、①顧客の視点、②サービス・技術・商品の視点、③自己を超えた視点、での観点で作られる。以上の観点から、現状のこの医院の理念にはこの大事な事項が欠如している。だからこの経営理念は合格のレベルではない。

 

 Philosophy : a theory or attitude that acts as a guiding principle for behaviour

 Consept: an idea or mental image which corresponds to some distinct entity or class of entities, or determines the application of a term(especially a predicate), and thus plays a part in the use of reason or language.

                                   (Oxford Dictionary of ENGLIH)

 

医院理念  OUR CONCEPT

健康な歯は生涯の宝物

人間にとって自分の歯を生涯健康に持ち続けることができたら、これほど幸せなことはありませんきれいな歯は自分はもちろん、見ている人気持ちいいものです。患者様公共的に自分の歯で暮らせるために、健康で美しい口腔内を保てるために、スッタフ一同、明るく元気にあなたの生涯の宝物「健康な歯」維持をお手伝いします。

 

上記の経営理念での不適格な表現項目

(1)「あなた」の表現

 「あなたの生涯の宝物」「あなた」という表現は、人を見下した表現である。文章中で使う場合は注意が必要であるのに、理念の文章中で無神経に使われている。せめて「皆さんの」という表現が常識である。「あなた」との表現は、小学生の教科書や指示命令書で使う言葉である。英語でもyou を主語にしている文は低学年向けのテキストにしか使われない。

(2)「患者様」の表現

 「患者様」という表現も違和感がある。「患者」とは、病院や医師の側から呼ぶ漢語である(日本語語感の辞典(中村明著 岩波書店)。人を見下している表現の一種である。それに無理やり「様」をつけているから、違和感があり書き手の馬脚が見えるようだ。

(3)「人間」の表現

 「人間にとって自分の歯は」この場合は人間ではなく、「人」が正しい。人間とはあくまで人と人との間で社会生活をするホモサピエンスである。この文体での意味は動物としての人の話である。

(4)「きれいな歯」の表現

 「きれいな歯」とはくだけた表現で、理念という文体の中で使うのは違和感がある。「きれい」は、「美しい」、「清潔」との意味を含むが曖昧な表現で便利な言葉であり、話し言葉で使われる場合が多い。(日本語語感の辞典(中村明著 岩波書店)

(5)「気持ちいいものです」の表現

 「気持ちいいものです」は話し言葉で、格調高い文体であるべき理念の文章で使うには下品である。

(6)「公共的に」の表現

 「公共的に」が文章の副詞として異質な挿入になって意味が通じない。

(7)「自分の歯で暮らせるために」の表現

 「自分の歯で暮らせるために」は日本語として間違った表現である。「自分の歯で噛めるために」が正確な表現である。

(8)「見ている人も」の表現

 「見ている人も」はおかしな表現である。誰も見てはいない。「見る人」という表現が正しい。

(9)「明るく元気に」の表現

 「明るく元気に ~ をお手伝いします。」では異様な表現である。「明るく元気に」では動詞との相性が悪い。ノー天気な「明るく元気に」でなくても構わない。受診者の願いは、「真摯に患者の身になって」治療をして欲しい、だ。

(10)「維持をお手伝いします」の表現

 「維持する」、「手伝う」の2つの動詞があり冗長な表現である。一文に動詞が2つあると、英訳が困難になるし、誤訳の恐れもある。

(11)「これほど幸せなことはありません」の表現

 「これほど幸せなことはありません。」とは、何と大げさな表現か。

 改良案:「人は自分の歯を生涯持ち続けることで健康を維持できます。」 

(12)「健康な歯」の表現

「健康な歯」→「歯の健康」

(12)「お手伝いします」の表現

  企業のあるべき使命はお手伝いのレベルではない。理念にしては軽薄な表現である。

 

2017-07-18

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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2017年7月17日 (月)

インプラント 6 (自分で考える)

3.3 自分の頭で考える

 歯の治療問題で、己の経営課題として判断して、手術2時間前に中止通告して、インプラントの調査を始めた自分で誉めてあげたい。松下幸之助翁は若いとき、行水をしながら、今日は吾ながらよく働いたなと自分の頭をなでてあげたいと思いに至ったという。それと同じ思いを抱いた。考えることは肉体労働以上に汗をかく仕事である。ナレッジワーカは、考えてなんぼの世界である。

 

思考停止の老人

 いつものように早朝の散歩での出来事(2011年ごろ)。神田のお地蔵様の前の横断歩道を、赤信号であったが、左右を見て車が来ないことを確認して渡っていたら、後方で「ムチャクチャやりおるな」との怒気を含んだ声が聞こえた。振り返ると声の主は、自転車降りて信号を待っていた初老の人であった。私は思わず「自分の判断で渡っているのだから、関係ないでしょう」と怒鳴り返した。なぜ、無条件反射のように怒鳴ったか、いつも冷静なはずの自分に不思議であった。

横断歩道の安全確認

 私はいつも横断歩道の信号は、左右を見て十二分に安全と確認できれば信号無視でも渡っている。たかが機械の信号の分際に、自分の時間(人生)を奪われたくない。これは欧米では当たり前の合理的な考えである。世界中でも、くそ真面目に信号を守っている人種は日本人くらいだ。

 ただし車の運転では、信号無視は絶対にしない。車上では死角が多くあり、完全な安全確認ができない。また、どこかにお巡りさんが隠れていて、信号無視で反則切符を切られる恐れが多分にある。そのため最近、過剰な駐車違反検挙が増えている。なんでも、東日本大震災の影響で東北の交通違反検挙件数が激減して、その分の収入の穴埋めをするように全国の警察に通達があったとの噂を聞いた(2011年当時)。なにかおかしい。世も末だ。

日本人の痴呆化

 この後、散歩を続けるうち、この件で日本の病状に思い至った。最近の日本では、自分の頭で考えることを妨げる事象が多くなった。機械が絶対だ、法律が絶対だと洗脳された人間が多くなった。また事件に対して、偏向した報道で正しい判断を妨げる強い流れがある。私に怒気を浴びせた初老の人は、車が来ないことを見通せる状態にも関わらず、信号機が青になるのをじっと待っていた。自分の頭では「前進の判断」ができず、機械という信号機の指示に黙って従う思考停止状態である。なにか日本の現状が象徴されて、恐ろしい。こんな人にも選挙権が与えられている。これでは日本の政治は良くならない。機械文明に毒された状態である。その結末が福島第一原発事故ではないか。数日前の近所での立ち話で「怒りとは頭が働いている証拠」と79歳のおばさんが慰めてくれた。このおばさんは、最近のテレビはくだらないからと、あまり見ないそうだ。

痴呆化が進む日本

・見るに耐えないバラエティ番組

 なにがそんなに可笑しくて笑うのか? テレビに映らない死角から、スタジオディレクターがスタジオにいる愚衆に「笑え」とのキューを出しているのが見え見え。参加者は若い人が多いので、日本の将来が心配だ。

・思考停止のグルメ番組

 知性あるとは思えないタレントが、思考停止のような光悦感に浸って食う様を流すグルメ番組。そのタレントは自己管理のできない肥満体が多い。先日、たまたま銭湯で見たグルメ番組で、元横綱が出ていた。横綱審査には体力人格が抜群との規定があったはず。元横綱が情けない姿で、今の日本の惨状を象徴していた。旨いものはかり食べて、贅沢病の糖尿病になり、結果として医旅費が膨れ、健康保険料が上がり、国の赤字が増え、被害を受けるのは日本国人である。番組制作者は非国民である。テレビを見続けるのは痴呆症の始まりである。

・偉そうな見識を流すワイドショー

 知性も見識もないと思われるタレントが、事件を偉そうにコメントをするワイドショー。あんたからそんなことを聞きたくもない。それに反対するコメントは徹底的に叩かれる。泥棒にも三分の理がある。それを認めないのは、全体主義の共産党がやる手法である。

・60歳の定年後の痴呆状態

やることがなく無為に劣悪番組を見続ける人たち。テレビを切るという思考も消滅している。なぜ働かないのか。ボランティアでも掃除でも、気力さえあればやることは一杯ある。

・真実を報道しないマスコミ

 中韓に気兼ねをして主張すべきことは報道しないマスコミ連中。そればかりか、名古屋市市長の意見広告掲載を拒否する中日新聞社。私は偏向新聞の購読を止めた。愚劣な偏向記事やTVに接していると脳死になる。

・韓流ドラマにうつつをぬかす有閑中年婦人(2011年当時)

 反日教育を60年も続けている国の番組がそんなによいのか。国の安全を考えないオバタリアン。そんな国に金を貢ぐのは国賊行為。この愚かな韓流に目が覚めるのに5年もかかった。(2017年現在)

・国賊の企業人(2011年当時)

 何回も痛い目を合いながらも、金儲けに目が眩み反日教育を60年も続けている国へ出かける企業人。チャイナにおべっかを使う経済連会長。まさに国賊である。何回も痛い目に合っても眼がさめない。企業トップが思考停止(脳死)である。

・軽薄な日本人

 〇〇ダイエットが流行ると、全ワイドショー、週刊誌が右倣えをする国民性。TVを見る人、雑誌を買う人がいるから、流行る。日本人が軽薄になった。

・日本の価値観を捨てた企業人

 金儲け主義を「グローバル化」という美しい言葉に言い替えられて、眼が眩み、日本人の価値観を捨てた企業人。海外進出して国内空洞化が進み、若者雇用が減り、益々日本がおかしくなった。日本の将来を長い眼で考えていない企業人。短期の利益ばかり求める欧米式経営の染まりつつある経営層。

・考えない経営者(2011年当時)

 ソニーもそんな毒素の侵されておかしくなった。欧米式の経営で、赤字を作った張本人であるストリンガー元社長が経営陣に居座った(当時)。欧米の悪い経営方式と日本の経営方式の欠点を合わせたのが今のソニーである。経営能力がなく、数千億の赤字を垂れ流しても数億の社長報酬を分捕るのは泥棒でだ。成果主義を唱えるなら、赤字の場合は賠償をせよ、である。これでソニーは長期的視野に立った経営が出来なくなった金儲け主義の「考えない経営」の結末である。2017年現在もゲームに社運をかけているので、あまり変わっていないようだ。

 

図1 早朝の横断歩道 「四季の路」の途中(朝6時30分ごろ)。

   遠くまで車が来るのは見えない。見通しは良い。

 

2017-07-17

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2017年7月14日 (金)

インプラント 4 自然の摂理

3.1 自然の摂理からの判断

 

 インプラントの技術開発は西洋医学の成果である。理論的には素晴らしい技術である。西洋医学の世界では、その部分の治療に関しては完全に直りました、手術は成功しましたった、しかし、患者は死にました、との話しが多い。部分最適の考え方である。部分最適に対して全体調和、自然との調和を考えるのが東洋医学、日本の経営哲学の考え方である。

 松下幸之助翁は、宇宙根源の真理を追究して「宇宙に存在するすべてのものは、常に生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である」との著書を出された。

 

新しい人間観の提唱

 宇宙に存在するすべてのものは、常に生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である。人間には、この宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が、その本性として与えられている。人間はたえず生成発展する宇宙に君臨し、宇宙にひそむ偉大なる力を開発し、万物に与えられたるそれぞれの本質を見出しながら、これを生かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができる。かかる人間の本性は、自然の理法によって与えられた天性である。( 昭和47年5月 松下幸之助著『人間を考える』PHP研究所)

                

 万物の一員である人間も生成発展する。それが老化現象であっても、加齢現象であり、生物の成長の正常な営みである。しかし、そこに生物ではない無機物の金属とセラミックの歯が人に埋め込まれた場合、生成発展するものと成長しない無機物との間に不整合が起こるのは自然の摂理である。どうしても「無理」が生じると思う。

 組織社会でさえも、異質の人間が入ってきた場合、たとえそれが正しい人間でも、組織防衛として、その異質な人間を排除しようとする防衛機能が働く。私も企業合併で、死に直面するような体験をした。実際に死んだ仲間もいる。それが自然の摂理であり、人の力では対応が難しい自然現象である。それがインプラントにも当てはまると思う。自然の摂理に基づいた経営思想から見ると、インプラント技術は自然の法則から見て無理がある。無理とは「理」が「無い」と書く。この技術は自身の体の経営には無理がある。後10年しか生きないつもりなら、インプラントでもよいかもしれないが、95歳まで生きる計画をしている私にとって、現在のインプラント技術には「無理」があると判断した。

 インプラントを開発したブローネマルク教授は、インプラントにまつわる死亡事故を含めた最近の悪い事件に関して、下記のコメントをしている。意味深長な言葉である。

 「人間は自然の創造物に対して、なんでもできると思い上がってはいけません。実際、私たちの限界がどこにあるのかわかりません。ですから、可能な限り安全性を優先し、常に経験のある人と仕事して、多くのことを学ぶべきです」(『「いい歯科インプラント治療医」を選ぶ!』p16(週刊朝日MOOK)より)

 

2017-07-14

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2017年7月13日 (木)

インプラント 3 手術の可否を24観点から判断

3.経営判断

 インプラント手術の可否を、32の瞳からの経営判断をした。瞳とは、「童」心の素直さのある「眼」の意味である。松下幸之助翁の言う「素直な心でものを見る」である。24の観点からインプラント手術の可否を検証した。結論として、インプラント手術は問題が多すぎ、様子を見るのが妥当な経営判断だ。

 

     判断基準               結論

(1) 自然の摂理からの判断            ×

(2) 自分の頭で考える              ×

(3) 経営理念からの判断            ×

(4) クライテリアは何か             ×

(5) 基本原則は健康              ×

(6) 人生の安全運転               ×

(7) 時間価値からの判断             ×

(8) 動機善なりや?               ×

(9) 衆知を集めて決断              ×

(10) 歯の性能(噛む能力)             △

(11) 歯の性能(インプラントの寿命)         ×

(12) 歯の性能(美観)                        〇

(13) コストパーフォーマンスの観点         ×

(14) 安全性                            ×

(15) テクニカルライティングからの判断      ×

(16) トヨタ生産方式からの判断           ×

(17) 逆選択                          ×

(18) 機械設計者としての判断               ×

(19) 論理的解釈                  ×

(20) 何かおかしいと感じる感性での判断       ×

(21) 立場を替えて観る判断             ×

(22) 6Sの判断                     ×

(23) 観音菩薩様の耳で判断              ×

(24) 成功報酬?                    ×

 (25) 人食い土人の儀式               ×

(26) 三十六計逃げるにしかず               ×

(27) 謙虚であるか  研修修了証明書掲示     ×

(28) 分際をわきまえているか             ×

(29) 経営スタイルから判断             ×

(30) しぐさ占い                                  ×

(31) 名刺占い                          ×

(30) 人相・しぐさ占い                           ×

(31) 資料から判断                                ×

(32) 経営ポリシー                               ×

 

2017-07-13

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2017年7月12日 (水)

インプラント 2  歯科医の立場から

2) 歯科医の立場から

・保険のきかない自由診療なので、歯医者にとって美味しい手術である

  インプラントが大好きな歯科医がいる。なにせ儲かるから。それが地方のインプラント協会の会長や専門医ではなお更である。こういう歯医者はインプラントありきで説明をする。(私の担当歯科医がこれに該当)

・開業歯科医院の数はこの30年間で約1.7倍に増加した。

 現在は、コンビニエンスストアの1.6倍に当たる約7万件に上る(厚生省)。コンビニエンスストアを見れば、いかに歯科医院が多いかが分かる。その一方で1日当たりの平均患者数は減少し、現在およそ20人で、20年前より5人ほど減り(2割減)、経営の苦しい歯科医院が増加した。そこに利益率の高いインプラントの金脈が発見され、多くの歯科医院が飛びついた。

・歯科医もインプラント推進派と反対派に綺麗に分かれる。中間派はいない。

歯医者にはメリットが大きいが、患者にはメリットを上回るリスクがある。

・歯科医は普通の医者とは少し扱いが違う。

 有名国立大学に医学部はあっても歯学部はない。国立大学で歯学部があるのは9校のみ。ちなみに某大学では歯学部はあっても、治療はしないそうである。あくまで学問の研究対処だそうだ。そのうちで、インプラント講座があるのは5校のみである。歯学部は私立の大学が多い。私が大学生のころ、裏口入学で社会問題になったのは歯科大学であったことを思い出した。地区の医師会に歯科医は入らない、入れてもらえない。そのため、単独で歯科医師会がある。眼科医は医師会に入る。

              

『このごろ』

 ― ママ、医大に合格だ!

 ―まあ、そんな大きな声で言うものじゃあありません

 (大垣・百舌鳥)  1971年3月19日 朝日新聞「声」欄

 

 時に医学部の不正入学問題が社会面を賑わしていた。大金を積んで入学しても、元を取れる算術商売が問題になってきた。まだまだ医者が少なく、質よりも量が問題になっていて、医師の大量養成がされていた。それが40年後の現在、医者余りの時代となった。百舌鳥は私にペンネーム。学生時代は風刺コント投稿マニアで『かたえくぼ』の常連でした。

 

・医院の経営上の側面

  インプラントは1本30~40万円である。安いインプラントは危険である。ドリルの型代、人工歯根、人工歯等の材料費の総額が数万円と推定される。手術の時間は約1時間弱、看護婦を2人としても医師のアワーレートは時間20~30万円と推定され、かなり利益率の高い治療行為となる。保険の治療に比べても格段に良い利益となる。外食産業のアルバイト時間給が1,000円未満であるのと比較すると極めて、「ボロ儲け」状態である。

 

「治療後の歯科医を転院するのは難しい」

インプラントメーカ別にドライバー形態や器具の料金・保険などは異なり、オペ後に他院への転院はしにくい!

⇒安心できる歯科医院に必ず通ってください。

 

 上記は某歯科医院のインプラント説明書の文言である。この治療法は標準化されていなくて、医者ごとにやり方が違い、治療技術が確立していないとの証である。これで安心して手術を受けろとは矛盾している。これは当医院からの「足抜け」は許さないとの「脅し」である。問題が出ても「だから最初に説明したでしょう」と居直られる恐れがある。

 

2017-07-12

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2017年7月11日 (火)

経営診断♠インプラント その1

1.インプラント稟議決済

 インプラント手術の可否は、自身の体へ大きな影響があるため、重要な経営判断である。インプラント手術とは、自分の体への設備投資の稟議書である。歯は臓器の一部であり、健康に大きな影響を及ぼすため、真剣な検討が必要である。今回の事象を自分自身への設備稟議として詳細に検討した。

 経営において経営判断を求めてトップに上がってくる案件は、賛否49対51のグレーの案件である。明快な賛否の案件は、トップには上がってこない。成否の明快な案件は、考えるまでもない。そこで今まで培った人脈を頼りに、北は北海道から南は宮崎まで全国の知人に電話をかけ、面談までをして、インプラント情報を収集した。聞けば聞くほどに訳が分からなくなった。まさに賛否49対51のグレーゾーンの案件である。この30年間で培った人脈のお陰で、皆さんから貴重な生情報を得た。自分に人脈は、お金では買えない貴重な財産であることを認識できた。人脈とは、所有している最大の資源のひとつである。

 

稟議: インプラント手術の採否 

状況: 歯周病で奥歯の1本が欠損。歯科医よりインプラントを勧められた。 

結論: 私の場合、インプラント手術は受けるべきでない。

理由: 私にとって、インプラント手術はメリットよりリスクが大きい。

    歯科医はインプラント手術の悪い情報を患者に伝えていない。

           歯は臓器の一部で、危険な手術は取り返しがつかない恐れがある。

対応: 私の場合、欠損の歯は1本なので、他の実績ある選択肢もある。

    後日、インプラント手術をする選択肢もある。手術を急ぐ必要はない。

    手術をするなら、セカンドオピニオンを得てからにすべきである。

    (以前にかかっていた奈良県の歯科医に聞く)

    再発防止:歯の保守を再構築する。

 

2.調査のまとめ

 下記情報は、歯科医の説明や医院のインプラント解説書には記載されていない生情報である。インプラントを勧める医者はよい情報は宣伝しても都合の悪い情報を患者に教えない。これは新興宗教や詐欺行為と同じである。

 1) 患者の立場から

 ・インプラント手術の成否は患者の個人差が大きい。

・長期間にわたる体への影響の検証が終わっていない。

・医院の作成資料では、入れ歯、ブリッジとの比較で、インプラントが「過度に」良いとされている。第三者の目から見ると偏向した比較結果である。だからこそ、信頼できる歯科医の選択が大切。

・数十年持つとも宣伝されるが、実際は10年経つとやり直しとなる例が多い。

・経年変化の恐れ

インプラント自体は経年変化が少ないが、支える土台の骨肉と相手の歯の老化や顎の骨の老化が進むと、10年後には合わなくなる恐れがある。インプラントを外す手術が必要となる場合がある。人工歯根と顎骨としっかり癒着しているので、大変な手術となる。

 ・死亡事故もある(ドリルの深さミスで顎内の血管を傷つけると、止血の方法がなく、致命傷となる)。ドリルで開ける穴と顎内の血管の距離は3mmである。信頼できる医者の選択が重要である。

 ・顎内の神経を傷つける事故もある。これにより下唇と下顎の感覚が喪失する障害となる。

・歯科医の選択が重要

  数日の簡単な講習で手術が出来るので、歯科医間の腕の差が大きい。1日のメーカの講習で手術を手がける歯科医もいる。大学では100時間の講習という話もある。

 ・異物としての拒否反応

  体に異物を入れるので、その免疫作用が働き、体調を崩す人もいる。一概に老人は若い人より免疫作用が弱いので、問題は起きにくい。若いと問題だ。正常な免疫能力をもった人が、体調を崩す。

・定期的なメンテが必要(かなりの頻度で。個人差大)

  歯周病で歯を失った人が、インプラントの保守を確実にする確率は低い。

・インプラント周囲炎の恐れ

  インプラントを埋めた後、口の中のケアを怠ると、インプラントと歯ぐきの間から病原菌が侵入して、周囲粘膜が炎症を起こす。インプラント周囲炎は現在、治療法が確立していない。これは歯周病学の専門家の共通認識である。最終的には埋め込んだ人工歯根を抜かねばならない。インプラントを抜く手術は顎の骨を削るような大掛かりな手術が必要となる。このためにインプラントは生涯保守が必要である。

 インプラント先進国スウェーデンでも、治療後40年の間に、4人に一人が発症していることを示すデータがある。

 松井歯科医師(宮崎市)の話では「インプラント周囲炎は埋入してから6年後くらいから増えてくるようだ。私はこの対策をライフワークのようにやってきた。」

・インプラントを入れると、MRI(核磁気共鳴映像法)を受診できなくなる。若い人は、心してインプラントを入れること。

・電位差による影響が不明

 金属を体に埋め込むと、体と金属間で微弱な電位差が生じ、それが長期間で体に影響を与える。私は、それの悪影響を船井研究所の船井幸雄氏の著書で知り、奥歯のアガルガムの詰め物を撤去して金を埋める処置をした。それと同じ現象が起きると推定される。

  古い車を所有するのが趣味の友人が、ボディーとねじが異金属のため、その間に微弱な電位差が生じ、錆の原因になると言っていた。欧州の車はその防止のために、色んなところにアースがとってある。人間の体も同じだと思う。異質の2つが接触すると電池になるのは、物理学の基本的な常識である。

  最近、水周りのリホームをして、錆でぼろぼろになった配管を目にして驚愕した。それと同じで、過酷な条件の体に異物の金属(相対比較で金が安定しているが、錆びないわけではない。まして金ではないチタンでは)を埋め込んで、長い年月の間に錆びないはずがない。世に錆びない金属はない。微視的には金も白金さえも錆びる。その錆がどれだけ体に影響するかの解明されてない。水銀やカドニウムによる重金属のイタイイタイ病を代表される被害を思い出すと、君子危うきに近寄らず、が正しい選択だと思う。

 ・チタンの安全性は未検証

   チタンの長期間に亘る人体への影響の安全性は、まだ検証されていない。

   豊胸手術で安全だと言われてきたシリコングリースに、発がん性の問題が露見したのは最近のことである。

・健康保険の非適用

国は手術する資格の保証をしていない。インプラントは「美観のための贅沢手術」が国の認識である。簡単な講習で手術が可能なためか、事故が多い。

・下側の歯のインプラントに比べ、上側のそれは支えの骨の問題で手術が難しい。

・「歯」閥争い?

 歯を抜く原因となる歯周病の治療には学派の派閥があり、治療法が違う。

  間接的にこれが原因で抜歯に至ったと私は感じている。歯科学会では派閥争いで学会が乱立している。

 日本には下記の4つの学会がある。

 日本歯科保存学会      会員数約 4,500人

 日本補綴歯科学会      会員数約 6,500人

 日本歯周病学会       会員数約 8,000人

 日本口腔インプラント学会  会員数約12,000人

 通った歯科医院(岐阜県)では、前の歯科医(奈良県)の歯周病学会のやり方を否定された。よく考えると恐ろしい話しである。今にして思えば、これが歯を失った原因だと思う。

 

2017-07-11

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カテゴリー「経営診断♠インプラント」を追加

インプラント手術を2時間前にキャンセル

 2012年の春、奥歯の1本を無くし、インプラントを入れることで話しが進んでいた。しかし白内障手術、その直後の網膜はく離の手術と重なり、インプラントの検討には余り頭が回らず、歯医者の勧めるままにしていた。しかし手術直前に、色々と問題が発覚し、知人からも助言され、真剣に採否を検討して、手術2時間前(2012年9月18日、敬老の日の連休明け火曜日、仏滅)に当日の手術をキャンセルした。そして正式なキャンセル可否の判断を強いられた。その検討の顛末を記載する。

諭吉翁の教え

 福沢諭吉翁曰く「知りたることを人に教えざるは、金を借りて返さざるが如し」。その情報が人の生死に影響することならなお更である。人の健康に大きな影響を及ぼすインプラントの調査情報は、皆さんにも公開すべきと思いまとめました。一人でも多くの人が、インプラントの実態を理解して、手術の可否を判断して頂ければ幸いです。あくまで判断は個人責任です。

自分の経営書として

 本資料は、自分が人生経営として学んできたことの集大成で、皆さんが直面する事象に対する経営判断の方法として参考にして頂ければ幸いです。ある意味で、これは自分の経営書でもある。

 以下、資料の目次です。重要項目を抜粋、見直して順次掲載します。図は歯周病による細菌の影響で奥歯が割れている状態の私のCT写真です。抜歯直前に撮影された。(2011/8/22)

資料の目次

第Ⅰ部 インプラントの検証

1.稟議決済                              8

2.調査のまとめ                             9

1)患者の立場からのまとめ

2)歯科医の立場からのまとめ

3.経営判断の根拠

3.1 自然の摂理からの判断                         16

3.2 法に準拠しているか                    18

3.3 自分の頭で考える                         20

3.4 経営理念からの判断                 24

3.5 判断基準                      27

3.6 火葬場での美学                      

3.7 基本原則は健康                          30

3.8 人生の安全運転                   35

3.9 時間価値からの判断                 40

3.10 動機善なりや?                   41

3.11 衆知を集めて決断                                           42

3.12 歯の性能(噛む能力)                43

3.13 歯の性能(インプラントの寿命)           44

3.14 歯の性能(美観)                    45  

3.15 コストパーフォーマンスの観点                             46

3.16 欧米人と日本人の差                 47

3.17 テクニカルライティングからの判断                 48

3.18 トヨタ生産方式 5回のなぜ?                   51

3.19 トヨタ生産方式 現地現物                  53

3.20 トヨタ生産方式 枯れた技術                   54

3.21 逆選択                             55

3.22 機械設計者としての判断                      56

3.23 論理的解釈                           57

3.24 何かおかしいと感じる感性での判断                59

3.25 立場を替えて観る判断                       63

  3.26 6Sの判断                               64

  3.27 観音菩薩様の耳で判断                       66

3.28 成功報酬?                        67

3.29 人食い土人の儀式                      68

3.30 三十六計逃げるにしかず                   69

3.31 謙虚であるか  研修修了証明書掲示          70

3.32 分際をわきまえているか                   71

3.33 経営スタイルから判断                    77

3.34 しぐさ占い                                                 75

3.35 名刺占い                                  76

3.36 人相・しぐさ占い                                          77

3.37 資料から判断                                               79

3.38 経営での自分のポリシー(価値観)を持っているか       80

3.39 千手観音菩薩様の爪の垢を煎じて飲んだか                81

3.40 天国と地獄への分かれ道   その前で考えよ            82

3.41 御仏の導きのご縁                          83

第Ⅱ部 調査データ

1.調査データ                   

1.1 インプラント否定派 歯科医の意見               91

1.2 インプラント否定派                         99

1.3 インプラント肯定派                        103

1.4 インプラント無関係派                        106

1.5 マスコミ記事                            109

2.解説書

2.1 『インプラント解説資料』(歯科医院提示)              110

2)表紙   3)欠損説明確認書(医院保存)                          

4)料金表                             

2.2 『インプラント解説本』(市販本)                        114

2.3 『いい歯科インプラント治療医を選ぶ』(週刊朝日刊)    115

第Ⅲ部 経営理念

1. 模範となる経営理念

1.1 医療関係                                                      124

1.1.1 〇〇メガネ

1.1.2 〇〇眼科

1.1.3 〇〇メディカルセンター

1.1.4 〇〇総合病院

1.2 自動車関係                                                  131

1.2.1 〇〇トヨタ南国

1.2.2 〇〇ソー

1.2.3 トヨタ自動車

1.3. 電機・IT関係・経営コンサル                              136

1.3.1 松下電器

1.3.2 IBM

1.3.3 久志能幾研究所

  1. シロアリに侵された経営理念            140

     2.1 大垣ガス

   2.2 東京電力

   2.3 JR西日本

   2.4 某インプラント歯科医院

 

2017-07-11

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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