« 「桜田門外ノ変」の検証 (5/25)(改定) | メイン | ピアノ騒音殺人事件 5/12(改定) »

2017年7月12日 (水)

インプラント 2  歯科医の立場から

2) 歯科医の立場から

・保険のきかない自由診療なので、歯医者にとって美味しい手術である

  インプラントが大好きな歯科医がいる。なにせ儲かるから。それが地方のインプラント協会の会長や専門医ではなお更である。こういう歯医者はインプラントありきで説明をする。(私の担当歯科医がこれに該当)

・開業歯科医院の数はこの30年間で約1.7倍に増加した。

 現在は、コンビニエンスストアの1.6倍に当たる約7万件に上る(厚生省)。コンビニエンスストアを見れば、いかに歯科医院が多いかが分かる。その一方で1日当たりの平均患者数は減少し、現在およそ20人で、20年前より5人ほど減り(2割減)、経営の苦しい歯科医院が増加した。そこに利益率の高いインプラントの金脈が発見され、多くの歯科医院が飛びついた。

・歯科医もインプラント推進派と反対派に綺麗に分かれる。中間派はいない。

歯医者にはメリットが大きいが、患者にはメリットを上回るリスクがある。

・歯科医は普通の医者とは少し扱いが違う。

 有名国立大学に医学部はあっても歯学部はない。国立大学で歯学部があるのは9校のみ。ちなみに某大学では歯学部はあっても、治療はしないそうである。あくまで学問の研究対処だそうだ。そのうちで、インプラント講座があるのは5校のみである。歯学部は私立の大学が多い。私が大学生のころ、裏口入学で社会問題になったのは歯科大学であったことを思い出した。地区の医師会に歯科医は入らない、入れてもらえない。そのため、単独で歯科医師会がある。眼科医は医師会に入る。

              

『このごろ』

 ― ママ、医大に合格だ!

 ―まあ、そんな大きな声で言うものじゃあありません

 (大垣・百舌鳥)  1971年3月19日 朝日新聞「声」欄

 

 時に医学部の不正入学問題が社会面を賑わしていた。大金を積んで入学しても、元を取れる算術商売が問題になってきた。まだまだ医者が少なく、質よりも量が問題になっていて、医師の大量養成がされていた。それが40年後の現在、医者余りの時代となった。百舌鳥は私にペンネーム。学生時代は風刺コント投稿マニアで『かたえくぼ』の常連でした。

 

・医院の経営上の側面

  インプラントは1本30~40万円である。安いインプラントは危険である。ドリルの型代、人工歯根、人工歯等の材料費の総額が数万円と推定される。手術の時間は約1時間弱、看護婦を2人としても医師のアワーレートは時間20~30万円と推定され、かなり利益率の高い治療行為となる。保険の治療に比べても格段に良い利益となる。外食産業のアルバイト時間給が1,000円未満であるのと比較すると極めて、「ボロ儲け」状態である。

 

「治療後の歯科医を転院するのは難しい」

インプラントメーカ別にドライバー形態や器具の料金・保険などは異なり、オペ後に他院への転院はしにくい!

⇒安心できる歯科医院に必ず通ってください。

 

 上記は某歯科医院のインプラント説明書の文言である。この治療法は標準化されていなくて、医者ごとにやり方が違い、治療技術が確立していないとの証である。これで安心して手術を受けろとは矛盾している。これは当医院からの「足抜け」は許さないとの「脅し」である。問題が出ても「だから最初に説明したでしょう」と居直られる恐れがある。

 

2017-07-12

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。

コメント

コメントを投稿