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2017年7月14日 (金)

インプラント 4 自然の摂理

3.1 自然の摂理からの判断

 

 インプラントの技術開発は西洋医学の成果である。理論的には素晴らしい技術である。西洋医学の世界では、その部分の治療に関しては完全に直りました、手術は成功しましたった、しかし、患者は死にました、との話しが多い。部分最適の考え方である。部分最適に対して全体調和、自然との調和を考えるのが東洋医学、日本の経営哲学の考え方である。

 松下幸之助翁は、宇宙根源の真理を追究して「宇宙に存在するすべてのものは、常に生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である」との著書を出された。

 

新しい人間観の提唱

 宇宙に存在するすべてのものは、常に生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である。人間には、この宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が、その本性として与えられている。人間はたえず生成発展する宇宙に君臨し、宇宙にひそむ偉大なる力を開発し、万物に与えられたるそれぞれの本質を見出しながら、これを生かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができる。かかる人間の本性は、自然の理法によって与えられた天性である。( 昭和47年5月 松下幸之助著『人間を考える』PHP研究所)

                

 万物の一員である人間も生成発展する。それが老化現象であっても、加齢現象であり、生物の成長の正常な営みである。しかし、そこに生物ではない無機物の金属とセラミックの歯が人に埋め込まれた場合、生成発展するものと成長しない無機物との間に不整合が起こるのは自然の摂理である。どうしても「無理」が生じると思う。

 組織社会でさえも、異質の人間が入ってきた場合、たとえそれが正しい人間でも、組織防衛として、その異質な人間を排除しようとする防衛機能が働く。私も企業合併で、死に直面するような体験をした。実際に死んだ仲間もいる。それが自然の摂理であり、人の力では対応が難しい自然現象である。それがインプラントにも当てはまると思う。自然の摂理に基づいた経営思想から見ると、インプラント技術は自然の法則から見て無理がある。無理とは「理」が「無い」と書く。この技術は自身の体の経営には無理がある。後10年しか生きないつもりなら、インプラントでもよいかもしれないが、95歳まで生きる計画をしている私にとって、現在のインプラント技術には「無理」があると判断した。

 インプラントを開発したブローネマルク教授は、インプラントにまつわる死亡事故を含めた最近の悪い事件に関して、下記のコメントをしている。意味深長な言葉である。

 「人間は自然の創造物に対して、なんでもできると思い上がってはいけません。実際、私たちの限界がどこにあるのかわかりません。ですから、可能な限り安全性を優先し、常に経験のある人と仕事して、多くのことを学ぶべきです」(『「いい歯科インプラント治療医」を選ぶ!』p16(週刊朝日MOOK)より)

 

2017-07-14

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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