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2024年6月

2024年6月30日 (日)

結婚式場の撮影体制に問題あり、仕事道具は命

 

式場の映像機器の不備

 私は映像、写真分野に興味あるので、今回の結婚式場の記録方法に興味を抱かされた。二人との事前打ち合わせでビデオ撮影は、結婚式場側に任せることにして、私はスチールカメラを2台持ちで対応することにした。

 当日にその機材を確認して、結婚式場の機材の選定と撮影体制に問題があることが判明した。この世界は撮影技量が高い低いではなく、機材の性能差で出来栄えが支配される。それは戦争時と同じだ。いくら士気が高くても、性能の良い兵器の前には、無力である。仕事とは戦争である。だから私は道具に拘っている。道具は命なのだ。

 大事な姪の結婚式だ。二人の一生で一番大事な一瞬を、一番良い道具で、出来る限り最高の状態で記録に残してあげたい。そんな想いを込めて私は撮影した。思い出こそ人生なのだ。その記録の価値が分かるのは30年後なのだ。

 結婚式場の映像は、スチールカメラにも力を入れるべきだ。動画と同等の資材を投入すべきである。現状の人員を2倍にして、カメラにも投資をすべき。

 結婚式場もサービス産業として、どれだけ顧客満足を高めるため、そこに力を注ぐかでどうかで一流とそれ以外に分類される。顧客の真のニーズを把握しないと、結婚式場の未来はない。これは経営の問題である。結婚式場の社長の問題である。

 

スチールカメラ

 当日に確認したら、結婚式場側のスチールカメラはCANON5D markⅢ(2008年12月発売、2230万画素)の一眼レフである。担当カメラマンは一人で撮影している。この機種は一眼レフのシャッター音が響く。厳粛な結婚式の場では静粛であるべきなのに、と思った。

 そのレンズはCANON 70~200mmF4である。永遠に残る一生に一度の写真を撮るのだから、F4の普及型のレンズではなく、F2.8 の一段上の上級レンズにして欲しいと思う。結婚式場はそれで商品価値を高めるのだ。

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  カメラマンは一人、CANON5DmarkⅢ ,レンズは 70~200mm F4

 

ビデオカメラ

 結婚式場側のビデオカメラは、約60万円のプロ用機材で、2台を2人で撮影している。この機材は、私が欲しいと思う垂涎の的のビデオ機材である。しかし価格が高く、私には手が出ない。

 私所有の愛用ビデオカメラはパナソニック製の約10万円の機材である。結婚式場側のビデオ機材は流石ではある。

 

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 ビデオ担当は二人。

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 私には垂涎のビデオカメラ

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  ビデオ担当は二人。

  リムジンの中にも一人のカメラマンが撮影中

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  ビデオ担当は二人。


 二つの機材を比較するとスチールカメラがあまりにお粗末である。担当カメラマンは結婚式業界が不景気で、カメラに予算を回してもらえないと嘆いていた。

 カメラマンは一人で孤軍奮闘していた。まるで戦争末期に、米軍の物量と最新兵器の量に押されて苦労をしていた日本兵のように見えた。

 それの根本原因は日本経済停滞の元凶である政治が悪いのだ。国民はもっと政治に関心を持つべきで、最低でも投票に行くべきだ。

 

 

私の機材

 私は2018年、河村義子先生の演奏会を撮影するため、一眼レフCANON5DmarkⅢからミラー音のないミラーレスカメラに切り替えた。レンズは 70~200mm F2.8である。演奏会会場では、一眼レフのシャッター音はご法度である。

 私の使用機材は、Sony α7RⅣ+24~105mmレンズ(2021年12月発売、6100 万画素)とSONY α9+70~200㎜F2.8レンズ(2017年5月発売、2420 万画素)の二丁拳銃で、撮影をした。両機種とも無音のミラーレスである。特にSONY α9は暗い場所で、動きの激しいバレエ演劇も撮影可能な動態用高感度カメラである。

 感度を10,000以上に上げても色つぶれもなく、ノイズもほどんどない。

 

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   SONY α9+70~200mm F2.8

   SONY α7RⅣ+24~105mm F4

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 バレエ公演の撮影サンプル  2018年12月8日 クリスマスコンサート(リハーサル)

           大垣音楽堂  林葉子バレイアカデミー、河村義子先生 音楽監修

  動きの激しく暗い中での撮影には,無音のSONY α9が必須である。

  ISO12,800   シャッター速度 1/1000  絞りF4

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ディジタルカメラの世界

 スチールカメラとビデオカメラを見れば、式場がどこに力を入れているかが明白である。結婚式場は映像に力を入れている。

 ディジタルカメラは、パソコンと同じで日進月歩である。1年毎に新製品が出る世界である。それが16年前の一眼レフカメラとは絶句である。CANON 5DmarkⅢは、確かに当時は最先端のカメラで、私も使っていた機種である。しかしCANON 5DmarkⅢの後継ミラーレス機を待っていても、なかなか発売されなかった。私はしびれを切らして、私はCANONからSONYのミラーレス機に変えた。今までのレンズ資産があるので、切り替えは大変だった。

 演奏会で撮影するためは、シャッター音のない、高感度が許容できる、新しいミラーレス機が必要であった。レンズ性能はCANONに分があるが、CCDではSONYに軍配が上がる。またCANONは開発力があるが、大企業ゆえに新製品を出す速度が、SONYに負けて遅い。

 また馬場恵峰先生の書画を撮影するためには、高画質のカメラが必要で、そのためCANON 5DmarkⅢからSONY α7RⅣに機種を変えた。出版にも対応するので、少しでも高画質な機種が必要である。

 

思い出

 思い出としてビデオも良いが、それを再生する時、長時間を要する。写真なら、パラパラとめくって瞬時に当時の思い出にふけることが出来る。映像業界の人は、15分以上の映像には価値がないという。だから長時間の映画が廃れ、短時間の映像のYouTubeが流行っている。

 だから私は、高性能のスチールカメラでの撮影に拘っている。ビデオは早送り機能もあるが、ディスク上の映像だと、早や送りの機能に制限がありイライラする。

 私の書庫に昔のカセットテープやビデオテープを保存しているが、その音声記録を再生することは滅多にない。しかし昔の写真集は頻繁に見直している。写真は一目見れば、当時の記憶が鮮明に思い出される。ビデオや音声テープではそうはならない。聞くには、時間を確保して構えなければならぬ。

 

覚悟

 昔の思い出に浸る時は、年老いていて、人生の残り時間が少ない時なのだ。その時間は有効に使いたい。

 死ぬ時には、昔の思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡ると言われる。その時に昔のビデオが再生されるわけではないようだ。やはり思い出の記録は写真である。

 

 

 

2024-06-28  久志能幾研究所通信 2871号  小田泰仙

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2024年6月28日 (金)

名古屋の結婚式風景を諦観する

 

 先日、姪の結婚式に参列した。四半世紀ぶりの結婚式参列である。退職してから、その種の式典には縁がなかった。

 今回、結婚式に参列して感じたことは、昔に比べて結婚式はショー化している、である。その進み過ぎには疑問をもったが、もともと名古屋の結婚式はド派手である。しかしそれは先人の知恵で、ド派手にして、二度とあんな大変なことはしたくないと思わせ、離婚を踏みとどまらせる手段でもあるようだ。

 姪の結婚式も、当初、本人たちは、身内の関係者だけでこじんまりとやろうとしていたが、各所からの圧力?に負けて、正式のド派手結婚式に変更になったようだ。めでたしめでたし?である。

 

結婚式の舞台風景

 結婚式では、式場の教会で神父の前で誓いの言葉を交わし挙式、チャペルの鐘に送られて白いリムジンで出発である。人生の晴れ舞台なのだ。人生舞台の演劇の主役と思えば、恥ずかしくもなく演じられる。(古い価値観の私が当事者なら、恥ずかしすぎて逃亡である。)

 本人たちは仏教徒であるので、教会で挙式を挙げるのに私はわだかまりがあった。しかしよく考えると、キリスト様は「愛に命を捧げた教祖様」だから、その場の担当としては、グローバル経済主義上で適任なのだと納得した。

 披露宴では、白いスーツと白い洋装、お色直しで華やかさが際立つ色打掛である。女性にとって花嫁姿は夢なのだろう。

 披露宴の料理はフランス料理に和食のてんこ盛りである。フランス料理に刺身、赤飯、吸い物では違和感ありである。更にウェディングケーキまでおすそ分けで振る舞われた。さすが名古屋の結婚式場のスタイルで、脱帽、満腹である。

  結婚式が派手なのは、日本経済活性化には良いことだ。たまには人生の最大のお祭りとして羽目を外すのは良いことだ。

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テクニカルライティングの検証

 披露宴で残念だったのは、主賓の挨拶がだらだらと長かったこと。テクニカルライティング上で、「何が言いたいのだ?」と突っ込みを入れたくなった。場所柄、立場上でそれも言えず我慢であった。

 それを踏まえて私の乾杯の音頭の挨拶は、「言いたいことは3つ」と結論を最初に言って、簡潔に述べた。

 

 

 主賓の挨拶が、だらだらと長いのは昔からである? それで私はその人の仕事能力を計っている。そんな人が会社幹部だと、その人とその会社の将来が心配となる。

 言葉とは言霊である。その使い方、構成の仕方次第で、その人の運命が支配される。その言葉の影響を一番多く受けるのは自分なのだ。

 

 

2024-06-28  久志能幾研究所通信 2870号  小田泰仙

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2024年6月26日 (水)

観魂学で「みとりし」上映会とLINEを観望する

 

 2024年6月19日、23日に大垣市木戸町の木戸ホールで、「みとりし」映写会と講演会を開催した。参加者は両日とも15名である。新聞に開催記事が掲載されたので、多くの人から問い合わせがあり、参加してもらえてうれしかった

 本来の対象者は私の町内からであったが、その参加者は予想外に少なかったのが残念であった。この会の趣旨は、町内で、昨年夏の孤独死で腐乱状態での発見事件をきっかけとした、再発防止の啓蒙活動の映画会・講演会であった。

 

 岐阜新聞社、中日新聞社、大垣ケーブルテレビが取材にきてくれたので啓蒙活動の第一歩としては成功だろう。今後、地道に活動をしていくので、最初から大々的に進行しても続かないだろう。それを思えば良きスタートであった。内容が重たいので、ボチボチやって行けばよいと達観している。

 

抵抗感

 「看取り士」というと、やはりまだまだ色眼鏡で見られる。死を連想して拒否反応をする人が多かった。お嫁さんに親の参加をお願いしても、親の死を早く望んでいるのかと思われるのが嫌で映画会への参加を勧めがたいと言う。本人に私が直接案内に行ったが、死を連想して縁起でもないと門前払いであった。看取り士の小川さんも同じ体験をしているという。まだまだ認識がないようだ。私だって、72歳になるまで知らなかったのだから。知ってからまだ1年である。

 

成果  

 今回の映写会を開催しての最大の収穫は、古川秀昭氏(元岐阜県美術館館長、OKB美術館館長、「生と死を考える会」会長)にも参加いただき、

 「新築する際、死ぬ時は自宅でとデザインしたりもしたが、いざ臨終間際になると、家族も戸惑うだけだろう。看取りについて互いに学び合えるこういった機会は、切実に大切だと思った。活動を応援していきたい」と感想を述べて頂いたこと。感謝である。

 近い将来、「生と死を考える会」でも講演をする予定となった。良いご縁であった。

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 映画「みとりし」上映

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  講演者の小川みさ子さん


 

 

魂の交流以前

 数か月前、ある行事で縁が出来た人たちがいた。その人たちにも参加してもらおうと、友人に仲間の2人の電話番号を聞いたら、「個人情報だ。何で電話番号を知りたか?」と逆質問にあった。また「なんでラインをやっていないのだ」とも言う。そうか、彼は私を信用していないのかと愕然とした。

 私は彼らに名刺を渡して、携帯も住所もブログも全てオープンである。しかし彼らは誰一人私に名刺をくれない....

 ラインでは中国と韓国に個人情報が筒抜けである。そのサーバーは韓国にある。ラインは今まで何度も情報漏洩で、政府から行政指導を受けている信用できないシステムである。そのLINEは信用して、今まで真摯に付き合ってきた仲間が信用できないとして、電話番号も教えてくれない。彼にはがっかりさせられた。この件で、今後の付き合い方を神仏は示唆してくれた。

 後から、彼はしぶしぶ2人中の一人だけ電話番号を連絡してきた。しかしそこに電話をかけても応答がない。常識ある人なら、スマホに着信履歴が残るから応答があるのが普通だ。私は、「これは神仏からの啓示である」と受け止め電話をするのを止めた。これは「縁がないという縁」だ。今後、付き合うべきではないと判断した。住む世界が違うのだ。

 私は情報漏洩が怖いので、ラインはやらない。やる人の気が知れない。ラインをすれば、下手をすると銀行情報まで抜かれる。

 

久志能幾研究所通信:「LINEにあらずんば人にあらず、LINEで廃人に!」  

http://yukioodaii.blog.enjoy.jp/.s/blog/2021/04/lineline-7fe6.html

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毒にも薬にもならぬ

 ある会の会長に案内をしたら、いつまでたっても返事がない。電話で問い合わせたら、「参加人数が少ないなら、出てもよい」という。なにさまなのだ。やはり、彼は噂通り、毒にも薬にもならぬ御仁であったことが再確認できた。今後、この種の案内はこの御仁には出さないと決断した。そんな御仁と付き合うのは時間の無駄である。そんな御仁が出席すれば、会の雰囲気が悪くなる。

 

魂のふれあい

 知人の紹介で来たという老人が、映画を観て涙を流してくれた。ご縁があって良かったと安堵した。

 多くの方が参加して良かったと言ってくれて、嬉しかった。

 一人一人の死を考える良き機会となった、いままで無知だったので、良い機会であったとの感想が寄せられた。

 誘ったある人は、直ぐ「参加する」と返事があり、知人まで連れて参加してくれた。私への信用問題であり、魂のふれあいの問題である。

 

 ある人は、直前に急用があり、欠席との連絡があった。常識ある対応である。それに対比して、無断欠席の人がいた。その人にはある役目をお願いしてあった。しかし開催後でも欠席の理由連絡がない。それで人間性が分かる。よきリトマス試験紙の映画会であった。

 

霊界通信

 思いついて、恩師の子安一徳先生にも参加してもらおうと電話番号をかけたら、奥様から、「2か月前に道路で転倒して亡くなった」と告げられて絶句である。つい最近、先生が活躍されている姿を新聞紙上で見たばかりなのに。

 亡くなられたことを教えてもらって感謝である。ご冥福をお祈り申し上げます。人は生老病死である。春夏秋冬、年功序列である。

 恩返し 返したいときには 恩師はなし

 

 魂は百面百相である。魂の会話ができる人と付き合おう。人生で一番大事な友は、自分の中のもう一人の魂である。

  飛行機で海外に行くときは、入念な準備をして旅立つ。人は必ず此岸から彼岸に旅立たねばならないから、相応の準備が必要だ。看取りはその一つの準備である。

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 馬場恵峰書

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資料

 総務省は2024年3月5日、LINEヤフーに対し行政指導を行った。同社が提供する「LINE」サービス利用者の通信情報や従業員情報が流出するなど度重なる情報漏洩事案に対し、再発防止など必要な措置を講じることを求めた。

 

 2023年10月、LINEヤフーはZホールディングスとLINE、ヤフーが合併し発足。

 2023年11月、LINEヤフーは、サーバーがサイバー攻撃を受け約44万件の個人情報が流出した可能性があると公表した。

 2023年12月、11月に不正アクセスの時期が約1カ月続いていた。

 2024年2月にも旧LINEの従業員情報約5万7000件が流出した可能性がある。

 2023年11月時点で不正情報流出件数は約51万件に増えた。

 

 総務省は、同社の業務委託先である韓国ネット大手NAVERとの間にシステムやネットワーク構成に「相当に強い依存関係」が存在していたと断定した。総務省は、ネイバーや業務委託先会社の情報セキュリティーに関わる安全管理措置に不備があり情報漏洩につながったと認定した。

 

2024-06-22  久志能幾研究所通信 2869号  小田泰仙

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2024年6月22日 (土)

多死社会が迫る、死に場所のない老人が激増

 

 2024年6月19日、大垣市木戸町の集会場(楷の木ホール)で、「みとりし」映写会と講演会を開催した。参加者は15名である。岐阜新聞社と中日新聞社が取材に来た。

 6月23日13:30 から2回目の映写会と講演会を開催する。今度は大垣ケーブルテレビが取材にくる。

 

 昨年の猛暑の夏、町内で60歳代の人が孤独死されて、3週間後に発見されたので腐乱状態であり、大騒ぎになった。今回の映写会と講演会は、それを防ぐための「みとりしの啓蒙活動」である。

 

多死社会

 6月19日の講演では、講師の小川みさ子さん(みとりし)が、2030年には多死社会になり、死に場所がない難民が3人に一人は出るとの話をされた。

 2023年には、死者数が159万人、出生数72万人、である。

 2025年には、75歳以上が4人に1人の高齢化社会、多死社会が直前である。

 2030年には、死に場所がない看取り難民が47万人になる。

 岐阜県の人口が192万人である。いわば岐阜県の岐阜市(40万人)を除いた人口分が毎年減っていく。多死社会の到来である。

 その時の日本社会では、人生の末期になっても、

 施設には入れない、

 病院には入れない、

 かかりつけ医がいない。

 看取ってくれる人がいない。

 そんな悲惨な状況になるのが目前なのだ。

 

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対策

 まだ抜本的な解決策はない。まず現実を認識する事が解決への第一歩である。まず現状認識して覚悟をすることからである。政治を動かし、社会体制を構築する。各自の人生観を明確にして、どういうふうに自分は死にたいかの人生計画(死計)を明確にするしかない。

 飛行機は飛び立てば、何時かは着陸せねばならぬ。人は生老病死である。ヒトとして生まれた以上、何時かは死なねばならぬ。美しい着陸をして有終の美を飾りたい。

 

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2024-06-22  久志能幾研究所通信 2868号  小田泰仙

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2024年6月20日 (木)

詐欺まがいのIT商売

 

 美味い話には裏がある。自分の心が欲にまみれていると、それが見えずだまされる。

 今夕も、電話会社の下請けの販売店のセールスマンが訪問してきた。

 「この地域の基幹通信設備が更新された。この地域はネット環境が遅れていて、今回各家庭までの電線設備が更新され、数百倍の速さになるので、皆さん宅に紹介に回っている。それに併せて御宅のモデムを無料で交換すれば、ネット通信が高速になります。メールアドレスも変わらず、電話料金もケーブルテレビ代金も安くなる」とのこと。そのためにモデムの交換(無料)が必要だ」との美味い話を持ってきた。

 話を聞いていて、本来ならNTTからそういう連絡があるはずなのにと、疑問が起きてきた。

 最後の最後に、そのセールスマンは、コミュファ光の下請け販売店の人間であったのが露見した。

 

 確かに工事代金は無料で、NTTの契約破棄の費用も負担してくれるが、その契約先を変えると、別途費用が発生する。最悪なことは、今まで構築したエディオンブログの運営体制が崩壊する。確かにメールアドレスは変わらないが、コミュファ光でこのブログ運営をゼロから新規に作り直さねばならぬ。

 相手はそんなことは一言も言わない。

 

 この手口なら、ITに詳しくなく、電気店にあまり行かない人は、簡単に騙されてしまう。

 私が断ると「そういう人は少ない」ともいう。「お客様には、こだわりがある方もみえて、変えない方もおられます。セールスマンはそれを「こだわり」といって胡麻化した。

 わざわざ電話の販売員が自宅に訪問してきて、電話契約を変える商売など、まともではない。ご用心である。

 

 そのセールスマンとの対応で20分ほど、私の人生時間が無為に盗まれた。私の残り少ない人生時間を、である。それは詐欺も同然である。

 時間は命なのだ。人生で詐欺師と付き合うほど、無駄なことはない

 

2024-06-20  久志能幾研究所通信 2867号  小田泰仙

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2024年6月17日 (月)

よしりん教徒、戒律破りで龍神の怒りをかう

 

 よしりん教では、小麦、砂糖、植物油、乳製品、が四大ご禁制品である。

 よしりん教徒とは、吉野敏明医師のYouTube配信「体と心と魂の健康」動画を熱心に見る視聴者のことである。私もその動画にハマっている。

 吉野敏明医師は、ご禁制食品の危険な理由を、歴史的背景、医学的理由、政治的理由を踏まえて説明してくれるので、納得してしまう。私もこのご禁制品は、今まで久留米市の真島クリニックの真島院長からも食事療法の指導を受けていたし、本で読んで理解をしていて、摂らないようにしていた。しかし吉野先生は、その深い理由までを詳しく説明される。私はこのチャンネルのファンになった。 

 

 私はよしりん教の真面目な信徒として、その教えを忠実に守っていたら、体がそういう体質に変化(正確には健全な体に戻った)したようだ。その体で、久しぶりにご禁制品を食べたら、見事にお腹が緩くなった。体は正直である。体が異常な食品を排除しようと動いたのだ。悪いものを食べてお腹が緩くなるのは、体の自己防衛機能が正常に働いたのだ。それこそが自然の摂理である。

 ヒトの腸内には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息してる。悪いものを食べて、その腸内細菌が暴れるのが、龍神の怒りである。大自然(宇宙根源)の天変地異の暴れを昔の人は龍神が怒ったといった。

 今回、大規模小売店舗で「油を使っていないお弁当」という宣伝に釣られて買ったお弁当が、実は添加物だらけであったことで、起きたお腹の不調であった。大規模小売店舗で売られている食品は添加物に要注意である。

 

 龍ケ丘、九頭竜川等の龍の名のつく地名は、川の氾濫や土砂崩れ等の災害があった場所である。先祖がこの土地には気を付けろと名付けた地名である。そこで災害に会ったら、危険な場所に住み着いた人間方が悪いのだ。

 龍とは自然界からの警告である。神仏の警告を「龍が怒った」と表現するのだ。それは大自然を崇めていたご先祖の知恵である。

 

 人間はその大自然の小さな一部である。その人間の体内も大きな宇宙である。その人間が、悪いものを食べれば、内臓に嵐が巻き起こり、下痢をする。当たり前の宇宙根源の理である。下痢をすれば、何故なぜを5回繰り返し、その原因を突き止めるべきだ。神仏が悪い食品を教えてくれている。

 

 正しい生活、正しい食生活をしていれば、腸内細菌(龍)は優しく、自分を守ってくれる。そんなイメージを思いおこさせる「祈り」(2023年作)という銅版画(長野順子画)を岐阜の画廊「いまじん」から昨日(2024年6月16日)、入手して家に飾った。

 

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   「祈り」 銅版画 長野順子画 

      龍は祈りの対象

      西洋のドラゴンは化け物だが、東洋の龍は神さまである。

 

 

2024-06-17  久志能幾研究所通信 2866号  小田泰仙

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2024年6月 8日 (土)

詐欺実験の雛形、リーウェイ「鹿と鼠の儲け話」、尻尾から腐臭 

 

損益分岐点

 「誰が見ても詐欺と分かる話でも、300人に一人は引っかかる」という詐欺実験の統計データがある。

 1999年2月23日、福岡県の呉服業者が公正取引委員会から、警告を受けた。この呉服業者は「京都染織振興会」という団体名で、若い女性を中心に、振袖を無料プレゼントしますとの「当選通知」を1,100万通もダイレクトメールで発送した。釣られて来た客に「お仕立て代だけ頂きます」とやったという。販売会場にノコノコと出かけて来た人が38,000人もいて、そのうち26,000人がド高い買い物をした(詐欺の被害にあった)。つまり300人に一人は、明白に詐欺と分かる手口に引っかかったという。この事件は、いうなればサンプル数1,100万回の大規模詐欺実験ともいえる。(この項、『週刊文春』1999年3月25日号より)

 詐欺集団は、300人に一人は騙せるという統計から計算して、詐欺商売の必要経費と商品の値段を決めている。今回の商品でも原価1000円と推定されるので、6万円の商品が300人に一人でも、騙して販売できればペイするのだ。だから勧誘目的の食事会で、購入予定者に大判振舞いができる。

 

 漢字が生まれたのは、今から3300年前の中国である。漢字は「殷王朝」によって発明された甲骨文字である。象形文字であらわされた「欲」という字は、「谷」底に突き落とされても「欠」けない人間の性と表現して「欲」である。

 楽して金儲けしたいという欲の皮の突っ張った人間がいる限り、どれだけ科学技術が進歩しても、人類の知識が増えても、詐欺事件はなくならない。これは人類3000年の歴史から言えることだ。だから今でもオレオレ詐欺が無くならない。

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会社名の由来

 「リーウェイ」という社名は「Right Way(正道)」の略というが、私の感覚では、「李道」の和訳が正しいようだ。もしくは「利道」、「狸道?」か。

 (RI)をrightの略とするのは、英語を知らない輩の発想である。英英辞典、英和辞典、英単語記憶辞典等の数種類の辞典を調べても「RI」では、辞書に出てこない。ネット情報では、社長は大学には入ったが、中退したという。それでまともに英語を勉強しなかった結果が、(RI)をrightの略とした顛末と推定した。

 李(RI)は張とともに中国に非常に多い姓でので、「張三李四」という熟語が生まれ、張氏の三男、李氏の四男のように「その辺にいるありふれた人、身分もなく名もない人々、平凡な人」を意味する。

 だから「リーウェイ」とは「李の道」(利の道?)という意味である。平凡な道という意味である。また李とはスモモの意味で、酸っぱいという(意味深長な)意味でもある。

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魔法の商売

 鹿の胎盤のサプリメントは、一か月分のひと瓶で約6万円である。会員に「高い」と苦情をいうと、会員になれば、紹介した会員数に応じて(ネズミ算的に増える)の配当(10パーセント)が入って来るので、実質6千円だという。ますます怪しい商売であると確信した。

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事実1

 鹿の胎盤から作られたサプリメントの成分表をしっかりと確認したら、健康障害の恐れがある着色剤、発がん性の植物油、防腐剤が使われていた。欧州では禁止されている着色剤である。それでこの事業の馬脚が露見した。

 開発者の社長は医学博士だからと言って、紹介者は社長とサプリメントを盲信していた。世に医学博士は「吐いて」捨てるほどいる。そういう博士がサプリメントを開発する。そういう博士が、死に至らしめるワクチンや薬物を推奨している例はごまんとある。博士であることが箔であると信じて、広報する人は洗脳されている。博士号など金で買える。カイロ大学卒の資格でも金で買えるのだ。この団体は、いわば宗教団体である。

 別の情報では社長は大学を中退しているという。それでは博士号もないだろう。相手は華僑である。何でもありである。「リーウェイ」でググルると、多くの悪い情報が溢れている。情報は、自分の目で確認することだ。後は自己責任である。

 なぜサプリメントを作るか? 全世界のサプリメント市場は約30兆円である。日本経済の世界シェアは8.5%(2010年)だから、日本市場では2.6兆円の規模である。防衛費が8兆円であることを考えれば、巨大な市場である。詐欺師には、猫にかつお節である。涎が出る。だから偽物のサプリメントでも、闇の世界では通用している。リーウェイは、消費者庁から臨床データの提出を求められ、期日までに出せなかったので、営業停止処分を受けている。

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事実2

 京都での事業説明会会場で、紹介者の知人(初対面)からサンプルを提供された。また主催者からも景品として提供された。合計で20錠ほど。価格で言えば約2万円である。原価が安いから、また仕入れたノルマで余ってしまっているので、タダで配布して在庫を消化しているのだろうと推察した。そんなレベルの商品である。

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エピソード1                                               

 このネズミ講のカリスマのトップセールス会員の話を聞けたのは良き社会勉強だった。

 彼は数億円を稼ぎまくっているという。彼の人生観を聞けて、世の中にはこういう価値観の人がいることを実像で見聞出来て良かったと思う。

 彼の価値観は金儲けだけである。それも立派な価値観ではある。カネだけが幸せの基準である。といって守銭奴のような顔つきはしていない。顔にしわの少ない不思議な顔つきである。私の人生経験上からの印象では、信用できない顔つきである。

 それと比較して、自分にはカネはないが、カネだけに価値観を置かずに生きている自分の幸せを感じた。

 

 不幸な家庭で育った彼は、カネだけが一番の価値観となったようだ。彼は中学を出るとすぐ就職している。そして職を何度も変えている。会社を辞めた記録で、最短は2時間だったという。彼はその職場で、ここでは金を稼げないとみてとると、上司に「ちょっとタバコを吸ってくる」と言い残し、そのままその職場から消えたという。その職場では儲からないと判断しての決断である。普通の人ではできないことだ。それは凄いと思うが、私とは価値観が違いすぎる。そして多くの職業を渡り歩き、自分で商売を始めたという。

 

 彼の商売歴の話で、一番印象に残った言葉は、「人の記憶には、商品の性能ではなく、価格しか残らない」であった。

 彼がジーンズ販売で商売をしたとき、世の店の大半がジーンズを19,800円とか、29,800円とかで売っている時代、彼は500円で仕入れて9,999円で販売して、日本一安い店として有名になって大儲けをしたという。庶民はジーンズの品質など気にもしない。記憶に残るのは価格だけだと悟ったという。これまた私とは価値観が全く異なる。

 彼が言外に言うには、サプリメントの効用など問題ではないとのようだ。それでどれだけ儲かるか、である。だからこの商売に入れということだ。彼にとってネズミ講の会員が増えるほど、彼も儲かるのだ。

 

エピソード2

 京都の事業説明会の終了後、トイレに行こうとしたら、ついさっきまで利用できた隣接の支社事務所(2F)が閉じられており、支社内にあるトイレに行けなかった。それで一階のビル共同トイレに行く羽目になった。事業説明会の会場は、支社事務所の隣の会議室である。会場にはまだ70名の参加者がたむろっている。リーウェイ本社はこの事業説明会の参加者の都合など知ったことではないのだ。商売の王道(経営理念の「正しい道」)から外れている。それでこの会社の本性が露見した。

 

エピソード3

 大垣での事業説明会で、紹介者は「皆さんは何回も転職をしていると思いますが、(中略)この事業に参加すれば大儲けできます」と言う。

 私の父は定年まで勤め上げた。私も定年まで勤めあげた。それから見ると、多くに人は何回も転職という表現は違和感を覚える。そういう感覚を持っている人を私は信用できない。だから私は、そういう不幸な境遇の人を対象にした詐欺商売と判断した。

 

エピソード4

 京都支社での事業説明会で、夕食で無料のお弁当とお茶が出た(推定約1000~1500円)。その中身を見て、この会社の本質を悟った。

 お弁当は3種類であったが、全てのお弁当は油で揚げた品目であった。唐揚げ弁当、焼き肉弁当、幕の内弁当である。幕の内弁当でさえも、揚げ物だらけであった。とても健康サプリメントで消費者の健康を考えているとは思えない会社の行動である。

 

エピソード5

 大垣の事業説明会への参加者で、一人30歳くらいの若者がいた。なんでもアルバイトでボランティアをしているとか。要は無職である。どうも昼飯がただだからと誘われたようだ。エサで釣られるとは、浅ましい。会員には、参加者を連れてくるノルマがあるようだ。

 

エピソード6

 京都での事業説明会には、「車」で拉致された。私の移動方針は、20キロ以遠は電車移動である。遠方への移動で車は時間の無駄である。人生は時間の積み重ねである。それを無駄遣いするのが、車での移動である。

 大垣から京都までなら、電車で1時間である。それが車で一般道を走れば3時間である。その間の時間が無駄に拘束される。時間は命なのだ。

 なおかつその車がVWであった。「外車に乗るのは、非国民」が私の持論である。外車に乗ると、6人分の日本の雇用が無くなるのだ。要は国益を考えない利己主義者なのだ。時間観念がなく、人生を真面目に考えていない。

 またドイツは反日国家でもある。ドイツは中国べったりである。ドイツは几帳面だから、不正でも大真面目で実行する。それがVWの排ガス不正であり、ユダヤ人の大量虐殺である。EV化の猪突猛進、脱炭素化盲信である。ドイツと中国はなぜか似ている。中国共産党はウイグル族の虐殺、臓器摘出で、世界の非難を浴びている。ナチスとそっくりである。

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2024-06-07  久志能幾研究所通信 2865号  小田泰仙

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2024年6月 7日 (金)

リーウェイ「馬と鹿のねずみ講」、狸道の尻尾が見え隠れ

 

経緯

 先日、知人に誘われてリーウェイジャパン㈱の「馬と鹿、友の会」の事業説明会に参加させられた。場所は高級中華レストラン、参加者は10名ほど。その席で豪華な中華料理(4000円と推定)を振る舞われた。この料理は、「会社が無料提供している」と恩着せがましい広報があった。それだけ儲けているようだ。

 後から推察するに、会員には参加させる動員ノルマがあったようだ。

 

 私は、その説明内容とパンフレットに違和感を覚えた。パンフレットを見ると、鹿の胎盤を原料としたサプリメントを販売する会社である。無限連鎖講(ねずみ講)のような商売である。ニンジンを鼻先にぶら下げて、泡沫利益を煽る競馬商売のようだ。

 常識で考えると、化けた狸の尻尾が見え隠れする。「馬と鹿、友の会」とは、私が付けたあだ名である。正式名ではない。

 

 

京都での事業説明会

 その1週間後、京都で事業説明会があるからと再度誘われた。返事をあいまいにしたら、知人の会員が外車で自宅にお迎えに来て、京都まで拉致?された。心ならずもその事業説明会に参加する羽目になった。そこでこの会社の本質を垣間見ることが出来た。やはり「現地現物」である。虎穴に入らずんば虎児を得ず、である。

 

 京都支社の会場は、70名ほどの金儲けで目が血走ったおばさんたちの熱気で満ち溢れていた。億単位で稼いでいるカリスマ教祖が登場するとのことで盛り上がっていた。カネに飢えたおばさん達の生々しい現実とその手口が観察出来て、良き社会勉強ができた。

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 「現地現物」とはトヨタ生産システムの用語で、問題が起きたら、自分の足で現地に行き、自分の目で完全に状況を把握することである。

 

 

営業禁止命令

 「リーウェイ」をネット検索すると消費者庁からの告知がすぐ目に入る。リーウェイ㈱は薬事法違反、マルチ商法違反、無限連鎖講(ねずみ講)法違反で、消費者庁から2021年8月3日に6ヶ月間の取引禁止命令、業務禁止命令を食らっている。ネット検索で直ぐヒットする事件である。

連鎖販売業者【リーウェイジャパン株式会社】に対する行政処分について | 消費者庁 (caa.go.jp)

消費者庁 https://www.caa.go.jp › notice › entry

 

日本で法律違反をした場合

 無限連鎖講を開設し、又は運営した場合は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金 又はこれを併科業(一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に行うこと)として無限連鎖講に加入することを勧誘した場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金 又はこれを併科

 無限連鎖講に加入することを勧誘した場合は20万円以下の罰金(1回勧誘しても違反が成立する)

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会社概要

 事業説明のある会社概要パンフレット上では、資本金不明、株主数不明、年度毎の売上高不明である。この会社は2018年にシンガポールで設立して、「2018年には6,700億円もの売上を達成」とHPにはある。会社設立の年に、いきなり6,700億円の売上とは、常軌を逸している。何かおかしい。

 売上高推移不明、従業員数不明、役員不明、社長の経歴不明、監査役不明、株主構成不明、経営理念曖昧、株主配当率不明、である。要は株式会社の体を為していない。

 だだし日本支社の各場所は、東京、名古屋、大阪、京都、福岡の一等地である。カモを安心させる見せかけの手段のようだ。

 会社の口頭の説明では現在、売上高9,000億円、従業員数40名だそうだ。それはどこにも印刷物として記載はない。2020年に日本支社立ち上げで、4年後に9,000億円の売上である。社員一人当たり250億円の売上である。おかしい。

 その主体は会員が個人事業主として活動して、会社は表に出てこないシステムのようだ。

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巧妙なシステム

 日本の歴史上でも、ネズミ講の詐欺は何度も起きている。そのため今回のケースでは、詐欺が直ぐ露見しないように巧妙に進化を遂げている。そのネズミ講の実例をみることが出来た。

 例えば、商品の押し付け販売ノルマはない。在庫ノルマもない。上層部の会員は規定の数を買ってしまうと、次回は一番下階層の会員から購入しなければならぬシステムとなっている。上級会員だけが一方的に儲かるシステムを改良して、早期の破綻を防いでいる。ねずみ講は総会員の数で制限され、いつか破綻するが、リーウェイ㈱は全世界に販売先を広げているので、その破綻までの期間が長くなる。

 その展開先は、薬事法の規制が緩いアジアの発展途上国からである。欧州ではポーランドに飛び火?した。ポーランドはショパンコンクールで世界的に有名ではあるが、先進国ではないだろう。2020年に日本に進出した。いわば日本も発展途上国扱いにされたようだ。

 

 

売上高の異常

 「2018年には6,700億円もの売上を達成」とHPにはある。会社設立年に、いきなり6,700億円の売上とは、常軌を逸している。何かおかしい。

 私の前職の会社は、創業60年目で、従業員が5,000人、過労死寸前まで必死に働いてやっと売上高5,000億円である。一人当たりでやっと売上高1億円である。それも世界一の自動車会社トヨタの第一次サプライヤの会社で、である。

 リーウェイ㈱の売上高は、それからみてあり得ないほどの異常である。説明会に来ていた一般の主婦では、その異常さが分からないだろう。だから一般の主婦を騙すのは、「赤子の手をひねるようなもの」のようだ。

 

必要な鹿の数

 サプリメントの売上高9,000億円とは、価格61,500円のサプリメントを1,463,415個売る事である。売上高9,000億円が日本だけなのか、創業以来の全てか不明だが、それでも販売分の鹿の胎盤の材料が必要となる。一頭から10個分のエキスを抽出するとしても、鹿が10万頭単位で必要である。そんなに材料を抽出する鹿が存在するはずがない。現在、日本の鹿の存在数は、全国計99,033頭である(2023年)。

 

事業説明のパンフレット

 その事業説明のパンフレットで、会社の説明が2頁、経営理念が1ページ、商品説明が3ページ、個人事業主の説明(ネズミ講)の説明で9ページ、会員規約が10ページ、支社と連絡先が0.5ページである。

 このパンフレットの紙面構成で、会社がどこに力を入れているかの意図が明白なる。要は、販売商品はどうでもいいのだ。会員拡大が主目的である。

 健康サプリメントの説明で、効用の臨床データは全く記載されていない。

 それに対比して、ネズミ講の配当に説明は微に入り細に入り、詳細に説明されている。意図は明白である。

 

経営理念

 この会社の経営理念は、漠然とした概念を言っているだけで、まともな文体ではない。具体的な行動目標があるわけではない。

 私は2004年に日本創造教育研究所の「経営理念塾」5日コース(宿泊5日、費用約35万円)に参加して、経営理念とはどうあるかを学んだ。それから見るとデタラメの経営理念である。

 

メイン商品

 主な販売商品は鹿の胎盤を原料としたサプリメントである。私は原価を千円と推定した。それが60カプセルで、一か月分で61,500 円である。お勧めの推奨販売セットは7個セットで398,800円である。シンガポールやマレーシア、台湾、フィリピン、ミャンマー、東南アジア地区でも世界統一価格で日本価格と同じである。日本には、アジア諸国の後に進出している。

 顧客として毎月このサプリメントを飲めば、1年で72万円である。日本人でもこの値段では、毎日、常用するのは経済的に難しかろう。まして東南アジア地区で、収入が日本の数分の1の状態で、同じ値段で販売するシステムが成立するのが異様である。だから、サプリメント商品を売るのが目的ではなく、ねずみ講の会員にするのが目的であると私は判断した。

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絶妙な価格設定

 このねずみ講の一番下のクラスの価格は61,500円である。最高クラスの値段は7本セットで398,800円である。この値段は神戸にある宗教法人の入会金と同じであることに気が付いて驚いた。購買心理で、40万円を超えると抵抗があるが、39万円なら、騙されても許せるか、試してみるかという気にさせる絶妙な価格設定である。

 この神戸の宗教団体は、一度入会すると、後日色々と名目を付けて計2千万円ほど搾取される。脱退しようとすると、信徒が押し寄せていて「脱退すると無間地獄に堕ちるぞ」と家の回りで大騒ぎをするという。おそろしい宗教団体であった。

 

社長

 社長の林汶鋒(代表)はシンガポール在住の華僑である。ビデオで見る限り、典型的な華僑の風貌である。観相学的に好きになれない良くない顔である。観相学を少しかじった身で判断すると、典型的な拝金主義者的な顔である。

 どこを探しても、林汶鋒(代表)の経歴が記載されてない。ホームページ上の欄は意図的に空白である。

 

紹介者

 この会を紹介してくれたのは、人の良い主婦である。彼女達に会社法や無限連鎖講(ねずみ講)禁止法律やマルチ商法禁止法律に知識があるとは思えない。だからその被害の歴史も知らないのだろう。主婦はリーウェイ㈱には格好のカモである。無知は人生に悲劇を呼ぶ。

 

2024-06-07  久志能幾研究所通信 2864号  小田泰仙

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2024年6月 6日 (木)

二人への祝辞  経営、創造、啓示

 

 2024年6月2日、姪が結婚式を挙げた。自分の娘が結婚したように嬉しく思い、乾杯の音頭で祝辞を述べた。

 二人は4年前に籍を入れたのだが、コロナ禍で結婚式が出来ず、今回の結婚披露宴となった。

 私にも結婚式参列は四半世紀ぶりである。世の風潮で結婚式への参列が減ってしまった。寂しい限りである。

 

 乾杯の祝辞で新郎新婦にお願いしたことは以下3点。

  家庭を経営して欲しい、

  二人で創造して欲しい、

  神仏の啓示を真摯に受け入れて欲しい。

 

経営

 経営とは、持てる資源を最大限に使って新しい利益(りやく)を出すことである。「利益(りやく)」」とは仏教用語で、仏の教えに従って得られた恵みや幸せのことを指す。それから経済用語「利益(りえき)」という言葉が生まれた。

 会社でも合併(merger)をして新しい会社として新しい道を歩むことがあるが、往々に持てる資源を活用できず、成長できないケースが多々ある。私の前職の会社がそうであった。結婚(marriage)も同じで、2つの人生有限会社が、合併して新しい家庭を作り、利益を生み出すことだ。会社の合併と同じである。

 経営が上手くいかないと、二人の持てる資源を有効に活用できず、逆に相殺される場合も多い。それは経営破綻である。

 自分を経営するとは、仏の教えに従い、自分の持てる資源を最大限に活かして、人生を生きる事。美味く生きれないのは、自分の人生を経営していないのだ。

 資源とはお金の財産のことだけではない。自分が使える資源の全てである。親、師、友人の支援、ご縁も全て資源である。今まで学んで来た知識、経験も資源である。お金はそのうちの一部に過ぎない。二人の持つ資源を統合して最大限の成果を出す。それが経営である。

 

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創造

 創造は発明とは違い、誰でも出来る。発明は、全く新しいことを見つける事。創造とは、今までの事象を分解、再統合して新しいことを作り出すこと。例えば、エジソンの電球は発明だが、ソニーのウォークマンは創造である。ウォークマンの技術には、新しい技術はない。今まで開発されて来た旧来の技術の分解、再統合である。それで新らしい概念の音楽を聴く機器を創造した。

 創造の「創」の偏は傷である。それも刀の受けた切り傷である。つくりのりっとう偏「リ」は刀と砥石の象形文字である。刀で切り傷を受け、血が噴き出す傷口に焼酎を吹きかけ、さらしを巻いて止血をする。そこから新しい細胞が生まれてくる。その細胞は、今までの細胞よりも強固な組織である。それが創造である。

 価値観の違う二人が一緒になれば、衝突もあるだろう。そこから新しい価値観を作り出す。それが創造だ。

 二人の前には大きな白いキャンパスが置かれている。二人の違う絵の具で人生というキャンパスに新しい絵を描き、人生を創造して欲しい。

 

Photo.

神仏の啓示

 私は5年前にガンになり、余命宣告を受けた。もし今までのままの生活、医師の言う通りにやっていれば、この乾杯の音頭の席にはいないであろう。

 もしあの時私がガンにならなくても、あのままの生活なら、別の病気で倒れていただろう。今はがんに感謝である。

 ガンは「死ね」と言っているわけではない。「今のままの生活ではダメ。変えろ」と言っているだけである。それが病気(神仏)からのメッセージである。

 

 価値観の違う二人が一緒になるのだから、一緒に生活すれば、問題が起きて当たりまえ。長い結婚生活では、病気や事故が起きて当たりまえ。問題や病気が起きたら、何故なぜを5回繰り返し、真因を見付けて欲しい。対処療法で解決しては、また同じような問題が再発する。真因を見付けて、それを無くす考え方をして欲しい。それが神仏からの啓示である。

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 ご縁があったのも神仏からの啓示である。病気になるのも、事故に遭うのもご縁である。それを神仏からの啓示として前向きに解釈して、生き方を改善して欲しい。二人で幸せを創造してほしい。

 お二人の幸せと皆様のご多幸と健康をお祈り申し上げます。

 

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2024-06-06  久志能幾研究所通信 2863号  小田泰仙

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