詐欺実験の雛形、リーウェイ「鹿と鼠の儲け話」、尻尾から腐臭
損益分岐点
「誰が見ても詐欺と分かる話でも、300人に一人は引っかかる」という詐欺実験の統計データがある。
1999年2月23日、福岡県の呉服業者が公正取引委員会から、警告を受けた。この呉服業者は「京都染織振興会」という団体名で、若い女性を中心に、振袖を無料プレゼントしますとの「当選通知」を1,100万通もダイレクトメールで発送した。釣られて来た客に「お仕立て代だけ頂きます」とやったという。販売会場にノコノコと出かけて来た人が38,000人もいて、そのうち26,000人がド高い買い物をした(詐欺の被害にあった)。つまり300人に一人は、明白に詐欺と分かる手口に引っかかったという。この事件は、いうなればサンプル数1,100万回の大規模詐欺実験ともいえる。(この項、『週刊文春』1999年3月25日号より)
詐欺集団は、300人に一人は騙せるという統計から計算して、詐欺商売の必要経費と商品の値段を決めている。今回の商品でも原価1000円と推定されるので、6万円の商品が300人に一人でも、騙して販売できればペイするのだ。だから勧誘目的の食事会で、購入予定者に大判振舞いができる。
漢字が生まれたのは、今から3300年前の中国である。漢字は「殷王朝」によって発明された甲骨文字である。象形文字であらわされた「欲」という字は、「谷」底に突き落とされても「欠」けない人間の性と表現して「欲」である。
楽して金儲けしたいという欲の皮の突っ張った人間がいる限り、どれだけ科学技術が進歩しても、人類の知識が増えても、詐欺事件はなくならない。これは人類3000年の歴史から言えることだ。だから今でもオレオレ詐欺が無くならない。
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会社名の由来
「リーウェイ」という社名は「Right Way(正道)」の略というが、私の感覚では、「李道」の和訳が正しいようだ。もしくは「利道」、「狸道?」か。
(RI)をrightの略とするのは、英語を知らない輩の発想である。英英辞典、英和辞典、英単語記憶辞典等の数種類の辞典を調べても「RI」では、辞書に出てこない。ネット情報では、社長は大学には入ったが、中退したという。それでまともに英語を勉強しなかった結果が、(RI)をrightの略とした顛末と推定した。
李(RI)は張とともに中国に非常に多い姓でので、「張三李四」という熟語が生まれ、張氏の三男、李氏の四男のように「その辺にいるありふれた人、身分もなく名もない人々、平凡な人」を意味する。
だから「リーウェイ」とは「李の道」(利の道?)という意味である。平凡な道という意味である。また李とはスモモの意味で、酸っぱいという(意味深長な)意味でもある。
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魔法の商売
鹿の胎盤のサプリメントは、一か月分のひと瓶で約6万円である。会員に「高い」と苦情をいうと、会員になれば、紹介した会員数に応じて(ネズミ算的に増える)の配当(10パーセント)が入って来るので、実質6千円だという。ますます怪しい商売であると確信した。
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事実1
鹿の胎盤から作られたサプリメントの成分表をしっかりと確認したら、健康障害の恐れがある着色剤、発がん性の植物油、防腐剤が使われていた。欧州では禁止されている着色剤である。それでこの事業の馬脚が露見した。
開発者の社長は医学博士だからと言って、紹介者は社長とサプリメントを盲信していた。世に医学博士は「吐いて」捨てるほどいる。そういう博士がサプリメントを開発する。そういう博士が、死に至らしめるワクチンや薬物を推奨している例はごまんとある。博士であることが箔であると信じて、広報する人は洗脳されている。博士号など金で買える。カイロ大学卒の資格でも金で買えるのだ。この団体は、いわば宗教団体である。
別の情報では社長は大学を中退しているという。それでは博士号もないだろう。相手は華僑である。何でもありである。「リーウェイ」でググルると、多くの悪い情報が溢れている。情報は、自分の目で確認することだ。後は自己責任である。
なぜサプリメントを作るか? 全世界のサプリメント市場は約30兆円である。日本経済の世界シェアは8.5%(2010年)だから、日本市場では2.6兆円の規模である。防衛費が8兆円であることを考えれば、巨大な市場である。詐欺師には、猫にかつお節である。涎が出る。だから偽物のサプリメントでも、闇の世界では通用している。リーウェイは、消費者庁から臨床データの提出を求められ、期日までに出せなかったので、営業停止処分を受けている。
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事実2
京都での事業説明会会場で、紹介者の知人(初対面)からサンプルを提供された。また主催者からも景品として提供された。合計で20錠ほど。価格で言えば約2万円である。原価が安いから、また仕入れたノルマで余ってしまっているので、タダで配布して在庫を消化しているのだろうと推察した。そんなレベルの商品である。
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エピソード1
このネズミ講のカリスマのトップセールス会員の話を聞けたのは良き社会勉強だった。
彼は数億円を稼ぎまくっているという。彼の人生観を聞けて、世の中にはこういう価値観の人がいることを実像で見聞出来て良かったと思う。
彼の価値観は金儲けだけである。それも立派な価値観ではある。カネだけが幸せの基準である。といって守銭奴のような顔つきはしていない。顔にしわの少ない不思議な顔つきである。私の人生経験上からの印象では、信用できない顔つきである。
それと比較して、自分にはカネはないが、カネだけに価値観を置かずに生きている自分の幸せを感じた。
不幸な家庭で育った彼は、カネだけが一番の価値観となったようだ。彼は中学を出るとすぐ就職している。そして職を何度も変えている。会社を辞めた記録で、最短は2時間だったという。彼はその職場で、ここでは金を稼げないとみてとると、上司に「ちょっとタバコを吸ってくる」と言い残し、そのままその職場から消えたという。その職場では儲からないと判断しての決断である。普通の人ではできないことだ。それは凄いと思うが、私とは価値観が違いすぎる。そして多くの職業を渡り歩き、自分で商売を始めたという。
彼の商売歴の話で、一番印象に残った言葉は、「人の記憶には、商品の性能ではなく、価格しか残らない」であった。
彼がジーンズ販売で商売をしたとき、世の店の大半がジーンズを19,800円とか、29,800円とかで売っている時代、彼は500円で仕入れて9,999円で販売して、日本一安い店として有名になって大儲けをしたという。庶民はジーンズの品質など気にもしない。記憶に残るのは価格だけだと悟ったという。これまた私とは価値観が全く異なる。
彼が言外に言うには、サプリメントの効用など問題ではないとのようだ。それでどれだけ儲かるか、である。だからこの商売に入れということだ。彼にとってネズミ講の会員が増えるほど、彼も儲かるのだ。
エピソード2
京都の事業説明会の終了後、トイレに行こうとしたら、ついさっきまで利用できた隣接の支社事務所(2F)が閉じられており、支社内にあるトイレに行けなかった。それで一階のビル共同トイレに行く羽目になった。事業説明会の会場は、支社事務所の隣の会議室である。会場にはまだ70名の参加者がたむろっている。リーウェイ本社はこの事業説明会の参加者の都合など知ったことではないのだ。商売の王道(経営理念の「正しい道」)から外れている。それでこの会社の本性が露見した。
エピソード3
大垣での事業説明会で、紹介者は「皆さんは何回も転職をしていると思いますが、(中略)この事業に参加すれば大儲けできます」と言う。
私の父は定年まで勤め上げた。私も定年まで勤めあげた。それから見ると、多くに人は何回も転職という表現は違和感を覚える。そういう感覚を持っている人を私は信用できない。だから私は、そういう不幸な境遇の人を対象にした詐欺商売と判断した。
エピソード4
京都支社での事業説明会で、夕食で無料のお弁当とお茶が出た(推定約1000~1500円)。その中身を見て、この会社の本質を悟った。
お弁当は3種類であったが、全てのお弁当は油で揚げた品目であった。唐揚げ弁当、焼き肉弁当、幕の内弁当である。幕の内弁当でさえも、揚げ物だらけであった。とても健康サプリメントで消費者の健康を考えているとは思えない会社の行動である。
エピソード5
大垣の事業説明会への参加者で、一人30歳くらいの若者がいた。なんでもアルバイトでボランティアをしているとか。要は無職である。どうも昼飯がただだからと誘われたようだ。エサで釣られるとは、浅ましい。会員には、参加者を連れてくるノルマがあるようだ。
エピソード6
京都での事業説明会には、「車」で拉致された。私の移動方針は、20キロ以遠は電車移動である。遠方への移動で車は時間の無駄である。人生は時間の積み重ねである。それを無駄遣いするのが、車での移動である。
大垣から京都までなら、電車で1時間である。それが車で一般道を走れば3時間である。その間の時間が無駄に拘束される。時間は命なのだ。
なおかつその車がVWであった。「外車に乗るのは、非国民」が私の持論である。外車に乗ると、6人分の日本の雇用が無くなるのだ。要は国益を考えない利己主義者なのだ。時間観念がなく、人生を真面目に考えていない。
またドイツは反日国家でもある。ドイツは中国べったりである。ドイツは几帳面だから、不正でも大真面目で実行する。それがVWの排ガス不正であり、ユダヤ人の大量虐殺である。EV化の猪突猛進、脱炭素化盲信である。ドイツと中国はなぜか似ている。中国共産党はウイグル族の虐殺、臓器摘出で、世界の非難を浴びている。ナチスとそっくりである。
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2024-06-07 久志能幾研究所通信 2865号 小田泰仙
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