巡礼 蒼の会展 絵は歴史を語る in 十六銀行
「蒼の会」の日本画展が十六銀行岐阜本店のロビーで開催されている。4月26日まで。
「蒼の会」の看板の書は、原田観峰師の流れをくむ方の書である。
「珈琲」
なかなか力作そろいの日本画展である。その中で、福田さんの画かれた「赤い扉の珈琲館」の中の「珈琲」の文字に惹かれた。文字の一つにも歴史があり物語がある。「珈琲」の文字は、大垣藩の学者が創作した。大垣の人間として嬉しくなった。
久志能幾研究所通信
聞けば、大きな絵は、一回の展示会に出品するだけで終りではなく、後日、また手を入れて完成度を上げていくという。師の指導でも、まだ手を入れる余地があるとのこと。絵も展示会毎に日々成長している。
「赤い扉の珈琲館」は福田さんがコーヒーショップの門の唐草模様に気に入って描いたという。「赤い扉」がテーマであるから題名は、「珈琲館の赤い扉」が良いと思う。「赤い扉」がテーマであるから、現在赤が少し沈んで見えるから、もう少し赤が映えるように表現すると良いと思う。
猫の絵
猫の絵を描いた人は、全て家で猫を飼っているという。絵に猫への愛情が表れている。愛情がないと本当の猫の絵は描けまい。私も猫が好きだから、その愛情がよくわかる。
額縁は衣装
同じ既定の大きさの絵をシリーズで展示して各作家で同じ額縁で揃えていた。その中で、ある作家はこだわりがあり、敢えて他と違った額を用いて展示している。額縁は、ある意味で、絵の衣装である。額縁で絵の印象ががらりと変わる。額縁による変化のよき実例を見せてもらえた。
ある画廊で、ある物故作家の個展が開かれていた。展示の絵の全てが同じ額縁で揃えられていた。その日本画の全ては素晴らしい出来だが、全て同じ額縁であったので、違和感を覚えた。まるで制服を着ているようだ。芸術作品に似合わない。その絵に合った額縁を選ぶのが良いと思う。額縁はその絵の着物である。それに気づかさせてもらえて、感謝である。
2024-04-25 久志能幾研究所通信 2853号 小田泰仙
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