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2019年6月

2019年6月 2日 (日)

河村義子先生への弔辞(改定)

Rregret to Mrs. Yoshiko Kawamura

 2018年12月27日の故河村義子先生の葬儀で、「世界で一流の音楽を楽しむ会」事務局長田中重勝さんが弔辞を述べられた。私はそれを聴いて、初めて河村義子先生の活動の偉大さを知った。

 

功績

 河村義子先生は、ドイツのシュッツガルト弦楽六重奏団、ドレスデントリオ、チェリストTIMMとの親交があり、大垣とドイツを音楽で橋渡しをされた。義子先生は、世界レベルで大垣の文化を高めることに貢献された。

 義子先生は、戸田極子伯爵夫人の「ウィーンの六段の調べ」を舞台で再現して、大垣とウィーンの音楽交流の歴史を我々に教えてくれた。そのご縁で、私はウィーンの楽友協会を訪問して、30年前に大垣を訪問された楽友協会記録室長のビーバー・オット博士を表敬訪問することができた。

 義子先生は、カナデノワコンクール、子と音、「世界で一流の音楽を楽しむ会」、院内ふれあいコンサート、保育園コンサート等の音楽活動で、大垣の音楽文化を開拓された。義子先生は、大垣で多くの音楽遺産を築き上げ、後進を育てられた。

 

総括

 河村義子先生の戒名「聖観院教音義愛大姉」は、観音様のような眼で弟子を見守り、音楽を教えて愛のために義に奉じた、という意味である。義子先生は、人生の辛い時、雨宿りをさせてくれるような温かい人であった。この戒名は、義子先生の人生を総括した素晴らし戒名である。河村義子先生のご冥福をお祈りします。合掌。

 

 

下記は田中重勝さんの弔辞

弔辞

義子先生

 こんなにも早く、悲しい別れの言葉を述べなければならないなんて、とても残念でなりません。

大垣市スイトピアセンターの音楽堂をこよなく愛した義子先生。

私が文化事業団事務局長の時には、音楽の専門家としてサポートをお願いしたところ、快く文化事業団アドバイザーを引き受けていただきました。

 スイトピアをいつもピアノが響き渡っているところしたいとの思いに賛同していただき、ロビーでも使えるピアノを浜松へ購入に行った時は、この子が来たがっていると、小躍りするようにピアノを選定していただきました。

 また、文化ホールと音楽堂のスタウェイをオーバーホールした時には、多くの人が演奏した思い出のピアノのハンマーを皆さんにプレゼントすることを一緒に考えていただきました。大垣市民病院でも、ロビーコンサートでのピアノを購入していただくよう一緒にお願いをしてきました。どれも義子先生に選んでいただいたピアノが設置されています。

  また小さな子ども達にも本物の音楽を聞かせたいとの願いから、かすみの会の活動の一つとして保育園コンサートを続けておられたました。子ども達に夢を与えるこうした事業を文化事業団の芸術の贈り物事業として取り組む事とした時には、教え子達を次の指導者に育成するプログラムを加えるなど人材育成に余念がありませんでした。

 さらには、小さな子どもにもクラシックをとの思いから、クリスマスコンサートを音楽堂や文化ホールで行っていただきました。しかもこれまで行ったことのない飲食を伴うもので、音楽を聴いてお菓子を食べ、ジュースをのみ、また音楽やバレーを楽しむものでした。文化ホールでは、ロビーでキャラメルポップコーンを楽しむこととしたため、ロビー全体がキャラメルの匂いと子ども達の歓声に包まれることとなりました。こんな事が出来たことを楽しい思い出として何回も何回も聞かせていただきました。

  こうした子ども達を育てようという活動の中で、子と音の立ち上げ、子と音キッズへと発展させ、次の世代への橋渡しもなされてきました。

  私が文化事業団事務局長を辞したのち、世界で一流と言われた演奏家の招へいと子ども達に本物の生の演奏を聴かせたいとの願いを受けて、世界で一流の音楽を楽しむ会を立ち上げ、多くの企業の方にも応援していただいてあしながコンサートを開催してきました。このコンサート後の感想文集には、子供たちの感動があふれており、開催してよかったと一緒に喜びあいました。

 本年の2回目のコンサートでは、途中から病により入院を余儀なくされ、手術の前日で、苦しいなかでプログラムを作成していただくこととなってしまいました。しかもコンサートを聴いていただくこともできませんでした。しかし、感想文集を届けたときには本当に喜んでいただくことができ、ホットしたところです。

  先日、病室に伺ったときには、来年9月に予定の3回目のコンサートについて、輝くばかりの目でお話をいただきました。演奏者としてヘンシェルはどうかと言って、早速メールをされましたので、私は東京芸大の澤学長にプロモーションをお願いする手紙を出しました。

 でも、ヘンシェルから9月は無理で十一月ならとの返事に、それまでは私はもたない! 重勝さ―ん とメールで言ってこられた義子先生。

  あまりにも早い旅たちで驚いています。

  音楽を通して人を育てる夢に全力で立ち向かわれた義子先生。

 いま、どんな音色の中におられるのでしょうか。ブラームスと六段の調べをきいているのですか?

  多くの教え子達の心には、素晴らしい音色が刻まれ、音楽とともに生きる力が育っていくに違いありません。音楽は心の糧です。

成長する教え子の皆さんの姿を見守り続けてください。

義子先生本当にありがとう!

平成三十年十二月二十七日

世界で一流の音楽を楽しむ会

田中重勝 

 

英語でのメッセージ作成のため、見直し改定しました。

2019-06-02   久志能幾研究所 小田泰仙

KUJINOKI Institute Taisen Oda

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2019年6月 1日 (土)

磨墨知〇〇  記念品抽選会に出ない

無料景品抽選会は時間泥棒。出てはいけない。

 2019年6月1日、「奥の細道紀行330年 記念シンポジウム in おおがき」に参加したら、イベントの最後に記念品の当る抽選会があった。推定で約15分から20分の時間が予定されていたので、メインのシンポジウムが終わったら、私はサッサと退席した。当たるかもしれないが、確率的に当たる確率が低く、得べかりし利益が薄い抽選会に時間をかけるのは、残された時間の短い私には耐えられない。

 もし景品に当っても、せいぜい2,3千円の景品である。時間アワーレート、一分100円、一時間1万円と計算している私には、時間価値がペイしないと判断した。

 2000円の景品の当選確率が50人に一人と仮定すると、その利得は、

  2,000円×1/50=40円

 つまり20分も時間をかけて40円の利益が想定される。1時間に換算して120円である。その間、退出して別で稼げば、10,000円の利益である。

 大垣市は、市民から貴重な時間を泥棒している。景品も税金から出ている。シンポジウムを開催して、景品を出すのは、税金の無駄遣いである。

 大垣市は約300名の市民の20分間の時間を強奪した。金額換算で百万円の損害である。

 金額換算 300人×20分÷60分×10000円=1,000,000円 

 

仏様からのご褒美

 メインの行事が終わって、私は会場を先に飛び出しエレベータに乗ったら、大垣市長と商工会議所会長、おつきの人が続いて乗り込んできたのには仰天した。エレベータの密室で4人きりとなった。今回のイベントの景品の大当たり(?)である。仏様も味なことをすると思った。もっとも5階から1階までの間、私は無言で過ごして、3人の会話を聞いて楽しんだ。ここで私が発言しても場違いである。私は無駄なことはしない。

 

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    開演中は撮影禁止のため、開演前の写真しか撮れなかった。

車販売店の抽選会

 今年の4月、地元の車販売店主催の感謝イベントでピアノコンサート(無料)があり、そのコンサートの後で豪華(?)景品(精々数千円?)が当たる抽選会があった。その抽選会はディーラの店員の紹介と景品の抽選会で、それが延々約30分間も続いた。イライラさせられた上で、その抽選に私は当たらなかった。わずか数千円の景品の当選に、発表を勿体ぶって時間をかけるのは、客を馬鹿にしている。これで30分間の人生時間を無駄にした。原価5,000円の損害である。無料のコンサートは、実質的に5,000円となった。この世で只のモノはないことを思い知らされた。

 しかし、無料ピアノコンサートだから、後の社員紹介と景品抽選会はディーラの宣伝なので、義理で出席してあげないと不義理をかくことになる。この資本主義の社会で無料のモノはないのです。こんど無料の招待券が来たら、辞退することにした。時間は命である。

 ディーラも顧客のことを考えるなら、時間のかかる抽選会は逆効果である。客に商品を進呈したいのなら、当選番号を会場に張り出せばよい。時間の節約となる。よほど客に喜ばれる方法である。 

 景品で客を釣るのは、場末の店のやり方である。二度と行きたくなくなる。

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人生のテーマ

 「奥の細道」のテーマは、旅と出会い(契り)である。限られた人生の旅の時間内で、何に出会い、何の出会いを避けるのかが問われる。主催者の意図に踊らされて、時間を無駄にしてはならない。全てのモノは同価値である。景品抽選会に出るのも、出ないのも同価値である。それを自分の価値観で判断しないと、主催者の奴隷となり、流されてしまう。それでは他人の人生となってしまう。人生は自然との融合である。(無価値の)景品につられた人生であってはならない。

2019-06-01   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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