岩村の石室千体佛に参拝
7年に一度だけ開帳される岐阜県恵那市岩村町一色の「石室千体佛」が、2018年4月22日から5月6日まで一般公開されており、私は5月1日に参拝した。
岩村駅に着いて、当初、私は隆崇院に石室千体佛があると思い込んでいたので、目的地とは反対方向の隆崇院の方向に歩いたので、時間ロスをしてしまった。途中でおかしいと気が付き、途中で石室千体佛御開帳のご奉仕の方に出会い道順を教えて頂いた。感謝。
岩村の街並みを歩くと、白い紐が岩村の街並みの中心地から約1キロ離れた「石室千体佛」の中尊一体まで結ばれ、道しるべの役割にもなっていた。
小山の上が石室千体佛
石室千体佛
石室千体佛は経塚で、寛永9年(1632)、岩村城主松平乗寿が住民の安泰繁栄などを祈願して建立した。乗寿は菩提寺の瀧厳寺に命じて浄土三部経千部を石筐(石の箱)に蔵め地中深く埋蔵し、その上に石室を設け一千体の阿弥陀像を安置した。埋めて上に石室を設け、千体の阿弥陀佛像を安置したとされる。
石室千体佛は110年を経て荒廃してきたので、岩村城主の乗賢は大給松平本家の下総国佐倉城主松平乗邑と相談し、寛保元年(1741)に協力して修繕再営した。石室を改修するとともに佛像も新しくつくり替え、前の古い佛像は供養して地中に埋蔵した。
佛像は1001体ある。中尊一体はご身長一尺四寸(約42cm)座光共に三尺六寸(約109 cm)で小佛千体は三寸(約9 cm)で座光共に四寸(約12 cm)であるが、小佛千体のうち10体は100体ごとの首像として四寸(約12 cm)座光共に五寸五分((約17 cm)と少し大きい。一千体とも金彩(金箔)が施してある。
石室千体仏を再営した乗賢も乗邑も乗寿の曽孫であり、三人とも老中の大役に任じられ、乗邑は将軍吉宗と組んで享保の改革を断行した。
(平成30年3月 恵那市教育員会作成の説明書より)
拝観と写真撮影
石室内部の仏様は身を屈めてのぞき込まないと拝めない。親切な配慮として手前に鏡が置かれており、そのお姿が鏡に映っている。金箔が施された佛像は、数が千体もあるせいで壮観であり、有難味が感じられる。また7年ぶりの御開帳で、かつ写真撮影が許されているので、有難い。
多くの寺院で仏像の写真撮影が禁止されているが、是非、解禁をしていただきたい。禁止をしてお寺さんにどんなご利益があるのか。お寺で売っている写真が売れなくなるのが、原因のようだ。料簡が狭いではないか。佛道に反している。
街の風景
今回の石室千体佛のご開帳では、岩村がNHK連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地で、ドラマとの相乗効果もあり多くの観光客が訪れていた。また4月9日放映の「鶴瓶の家族に乾杯」でも取り上げられたようで、街では「オジサン、テレビに出ていたね」とお店の人に声をかける観光客も多くいた。
石室千体佛を参拝した後、ぶらぶらと岩村の街をのんびりとぶらついた。五平餅を食べ、ラムネを飲み、あつあつの焼き栗を食べて、ささやかな幸せを感じた。ハンバーガー店などのファストフード店がないのが気持ちよい。
今回の岩村訪問の目的は石室千体仏参拝以外にもう一つは、岩村の街並みの軒先に掲げられている佐藤一斎の言葉を書いた板の調査である。現在、あるプロジェクトを計画している。
2018-05-02
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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