眼の命を慈しむ(5/9) 白内障手術ビデオ
2012年、三好眼科に来院して一番驚いたのは、待合室に設置してあるモニタテレビで白内障手術の様子が繰り返し放映されていたことである。なおかつ希望者には、手術の過程を撮影してそれを提供してもらえるとのこと。
自分が白内障の手術をできることならやりたくないと躊躇していたのは、眼の手術への恐怖心からである。他の手術なら麻酔で知らない間に済んでしまう。ところが、眼の手術は麻酔なしで、意識がある中での手術である。それ故、手術を先延ばししていた。受験勉強と車の運転に支障が出てきたので、手術せざるを得なくなったというのが本音であった。
放映されていた手術の様子を見て、あまりに簡単に済んでいるので、拍子抜けの感があり、安心して手術を受ける心境になった。患者の身になって考えている、すばらしい配慮である。
危機管理
またこのビデオ撮影は、己の手術技術に自信がないとできない。このビデオは、医療訴訟への対応ともなる。三好先生は、自己の手術のビデオを全て資料室に保管されている。その分量は圧巻であった。素晴らしい危機管理である。
診断結果の写真のカラーコピー
2018年の今回も、最新の診療機械で眼の網膜の断層写真を撮り、診断を受けたが、その写真のカラーコピーが診察後に提供された。他の病院では、診察の写真は請求しないと、渡してもらえない。それもモノクロのコピーである。患者の身になって考えていると感心した。
三好先生の手術件数
三好先生の白内障手術件数は51,533(2013年7月31日現在)例である。先生の御歳は59歳(2013年現在)。普通の眼科医の生涯手術件数が多くて2,000例であることを考えると、その凄さが分かる。先生の手はgod handである。
2014年10月3日に、世界歴代2位の自院内での白内障手術件数50,000例(他院出張手術件数を含めると55,000例)を達成された。2018年3月31日現在で66,486例の手術件数である。
眼科術後検査のご縁
私は2012年4月、左目の白内障手術後、網膜はく離をわずらい、2週間ほど半失明状態に追い込まれた。その半年後右目の白内障手術を受け、また網膜はく離の前兆が出て、落ち着くまでに1年程を要した。その間、国家試験の受験勉強の巻き返しに没頭せざるを得ない状態になり、三好先生へのお礼のタイミングを逸してしまった。
三好先生への遅ればせながらのお礼とミシガン大学で学んだテクニカルライティングのお話を目的に先生への訪問のアポイント(2013年10月25日)をとると、先生から「もはや関係ないかも知れませんが、もしも眼科術後検査もご希望でしたら、15:00に2階受付にお越し賜れば、種々検査後、診察させて頂きます。」とのメールが来て、是非お願いします、ということで診察をして頂いた。
検査を受けて
検査を受けて正解であった。そんなつもりで三好先生宅を訪問したのではないが、仏さまのお導きで、危ない状態を助けていただいた。診察の結果、術後の経過が悪く、そのまま放置すると網膜はく離を再発する恐れがある状態であることを告げられた。それを直すのは普通の腕では難しい手術であった。その場で、YAGUレーザーで手術を受けて、その心配を無くしていただいた。先生の申し出た検査を受けなければ、通り過ぎてしまっていたご縁である。
逆接待
その夜、三好先生から一緒に食事でもと、一見さんお断りの高級料亭に連れて行かれ、目の前で今朝、下関に水揚げされたばかりの河豚をさばいての河豚料理をご馳走になった。本当は私が接待しないといけないのに、逆接待である。そのお店では、専務、副社長レベルは入店禁止で社長しか入れない掟とか。
そのお店のご主人は頑固オヤジのようで、腕に自信があり、「食わしてやる」という雰囲気である。勿論それに見合った味と内容があった。値段も半端ではない。料理を食べて、オヤジさんに「旨い」と言ってはダメとのこと。旨いのは当たり前だからだ。意見を言ってはダメなのだ。三好先生をして、そのオヤジさんから、数回、出入り禁止を申し渡されたという。そのオヤジさんにとって、世界一の手術の腕を持った三好先生も子ども扱いである。それだけ腕に自信があるのは素晴らしい。トランプ大統領なら、即、出入り禁止にされそうである。松本明慶工房の皆さんも、このお店で御馳走になったという。かようにお礼の言いようもない仏さまからの接待でした。
2018-04-28
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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