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2018年4月28日 (土)

眼の命を慈しむ(4/9) 三好眼科を見学

 2018年4月21日、長崎の馬場恵峰先生宅で写真撮影をした後の帰路、三好眼科を訪問して、診察と新たに増改築された新屋(2016年完成)を見学させて頂いた。前回は三好先生が直々に案内をされた。今回は、三好先生が学会参加で不在のため、事務長の寺本様に全館を案内していただき、その後、副院長の吉田先生に診てもらった。

41dsc01344  三好眼科外観(2012年) 

42p1100397  三好眼科外観(2018年)手前の駐車場に増築された。

43p1020326  2階の待合室(2012年、今日は患者が少ないほうとか) 

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 1階の新待合室(2018年4月21日)

診察室は7室

 新病棟では以前の6診から7診に増えていた。名古屋市立大学病院の眼科が4診であるので、単科病院として驚嘆の多さである。7診もある各診療室のカーテンの色にもこだわりがある。7診の各室のカーテン色が異なり、その診察室内部の色彩もカーテンの色と合わせてあるという。これは施行した寺本事務長のこだわりとか。組織の全員が三好先生の意向を汲んで、改築に尽力をされたようだ。

45dsc04196  単科病院で6診まであるのは驚き。(2012年) 

 名古屋市立大学病院の眼科でも4診までである。

46p1100393  現在の診察室 7診に増えた(2018年) 

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 各診察室のカーテン色を変え、内部の色もカーテン色に合わせてデザイン。

 

視力検査機

 ここで単純に感心したのは、一般的な5mを離して検眼マークを見る視力検査ではなく、ボックス内を覗いて視力を測る光学式機械が並んでいたことである。寺本事務長の説明では、従来の視力検査方式では、測定位置と検眼マーク板の間の距離5m×8台数分の敷地が無駄となるため、建屋敷地の稼働率向上目的で、この検眼機器を使っているとのこと。大変合理的で感心した。新幹線が止まる駅に近い一等地で、土地の有効活用は重要である。病院経営で、土地や建屋は固定資産税、減価償却等でお金がかかる。それを効率化して浮いた資金を新しい医療設備に投資が出来る。これは2012年当時も設置してあった設備である。

 

オスカー賞像の展示

 三好眼科で米白内障学賞にもオスカー賞があることを初めて知った。それも4つのオスカー像があるのは、世界でも三好先生の病院だけ。言うなれば世界一の先生である。アカデミー賞の副賞であるオスカー像は、米白内障学会がド高いライセンス料を払って使用権を得ている。出すものを出せば、オスカー像は使えるのだ。

 見学の後、病院の会議室で、米白内障学会でプレゼンしたビデオを見させてもらった。お金と時間がかかっているビデオである。三好先生は「米白内障学会に参加すると1週間病院を閉めないといけないので、1回数千万円の減収になるので大変」とぼやかれた。苦節10年でグランプリを取られた。単発では世界一は獲得できない。

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 アメリカ白内障学会、ドイツ白内障学会、欧州白内障学会のオスカー像とトロフィー

 

患者の地域別分布図

 下図は三好眼科の患者の地域別分布図。赤のピンが手術患者、白の針頭が医師の見学者の印。遠く北海道には赤の針頭がある。中部地区が少ないのは、名古屋に杉田眼科があるため。設備では、杉田眼科が日本で一番最新という(2012年当時)。

 今回見学したら地域別の地図に世界地図が追加されていた。その分布を見て、中国からの患者が多いのに呆れた。中国人も日本の名医をよく知っている。赤いピンが患者、白いピンが手術見学の先生のマークである。遠く欧州、北米、豪州、アフリカ、南米までそのピンが立つ。

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相談コーナ

 2階の診察室の横には、パーティションで囲まれたカウンセリング用の4人用の机まで設けられている。それも3カ所も、である。眼科病院で、こういう相談コーナは初めて見た。当時の私なら、眼の手術の疑問点の相談を親身になってさせて欲しいと思っただろう。眼の手術は恐怖心が先にあり、怖いのだ。相談する相手が欲しいのだ。普通の病院は、その場所さえない。

エスカレーターを設置

 今回の増築で、1階の待合室と2階の診察室の間に、市内の病院では初のエスカレーターが新設されている。三好先生は、このエスカレーターは、建築費が高かったとぼやかれていた。普通の目が見える人間では、あまり感じないが、目を悪くすると、階段を降りる時は恐怖心を感じることがある。私も目が悪いので、その配慮はありがたい。

 エスカレーターを病院に設置しても一銭も儲からないが、三好先生が患者の身になって設置したエスカレーターである。患者目線の配慮である。横の1階と2階を結ぶ階段には、足元を照らす照明までつけられている。視力の弱い方のための配慮である。もちろんエレベーターも設置されている。

 

メガネ店まで併設

 同じ建屋内にメガネ店まで併設されている。私も多くのメガネ店を訪れたが、眼科医との関係で、医師の処方箋のままメガネを作ればよいので、あまり上等の設備がないお店が多かった。同じ経営で、メガネ店を作るのは合理的である。

 

トイレのこだわり

 またトイレの美しさもレクサス店や高級ホテル並みのレベルである。患者さんが来院する前に、寺本事務長が女性用トイレも見せて頂けた。トイレを見れば、その経営姿勢が分かる。

 

目の保養

 病院の壁やコーナに多くの美術品が展示され、眼の保養になっている。マリー・ローラサンの絵や京薩摩焼の陶芸品等が展示されている。全て本物である。

 

ウォーターパール

 医療機器ではないが、患者が待ち時間中の癒しのための設備として、「病院では世界で初めての設備」が、水玉噴水設備の「ウォーターパール」である。三好先生のこだわりとか。水に特殊な振動波を与えて球状にした噴水と、専用ライトを当て、眼の残像効果を利用して、球体となった水滴が空中に浮かぶように見える。その水滴の動きは幻想的である。

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2018-04-28

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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