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2018年3月17日 (土)

高松国際ピアノコンクール「天国と地獄」1/5

「第4回高松国際ピアノコンクール」とのご縁

 201833日、名古屋ヤマハのサロンでの玉田裕人さんのピアノコンサートに出かけたら、自宅のピアノの調律をしてもらっている調律師から、「第4回高松国際ピアノコンクール」を紹介された。この種のコンクールでは、同じ課題曲で、演奏者によってピアノを取り換え引っかえ演奏するので、各メーカのピアノの音色や音質を実際に比較確認するには、絶好の機会だという。この種のコンクールは、浜松と仙台でも国際コンクールがあるが、たまたま10日後に、香川県高松市で開催の「第4回高松国際ピアノコンクール」のパンフレットがヤマハの会場に置いてあった。高松市は4年ごとの開催、浜松市と仙台市のコンクールは3年毎である。これを逃すと4年後なので、これもご縁だと思って即、行くことを決めた。大垣から高松は、日帰りでは無理なので、313日に前泊して、14日から16日までの3日間の一次予選を全て鑑賞する計画とした。

1p1100125  サンポートホール高松。  のっぽのビルの右横がホール棟

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当日の地獄と極楽

 会場は、高松駅の目の前にあるサンポートホール高松である。高松は新幹線岡山駅で乗り換えてから、予讃線の快速電車で瀬戸大橋を渡って1時間である。サンポートホール高松は、収容人員1500名の立派で快適なホールである。コンクールの予選は46名がノミネート、当日5名が辞退である。一人2025分間、3曲の課題曲を演奏して、連続で3人が演奏して、20分の休憩のパターンである。それが朝10時開場、1030からコンクールが開始され、それが夜7時まで続く。

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 出場者達のパネル(ホール内で)

 

 第一日目は、20分間の休憩中にコーヒーとスィーツを取ってのんびりと構えていた。しかしコーヒーには利尿作用があり、どうしても1時間30分間の連続競技演奏中の我慢が辛くなったので、2日目以降は、絶飲食にした。競技演奏中は途中退室厳禁である。

 一日目は、昼食もとって余裕をもって臨んでいたが、2日目の昼食休憩中に、河合楽器の調律師小宮山淳氏の姿を発見し、彼が調律を始めたので、思わず見入ってしまい、昼食を食べ損なった。小宮山淳氏の姿は、NHKビデオ『ショパンコンクール もう一つの闘い』で何度も見ていて、私にとっては超有名人で、他人とは思えなかったからだ。ちょっとの合間を見つけて名刺交換をさせて頂いた。

 それに味をしめて(?)、3日目も昼食休憩時間中の調律を観察したので、残り2日間は、会場では9時間の絶飲食の状態であった。これは、地獄である。

 私が会場で陣取った席は、最前列席のピアノから45度右後ろ方向約5mの位置である。最前列席に陣取ったのは私を含めて2名のみ。この場所からは、演奏者の顔の表情と演奏中の手の動きが良く見え、ピアノの音もダイレクトに観客席に伝わってくる。この状態で、一次予選出場者41名の演奏の全て、計17時間(25分×41人)+調律の2時間(30分×2回×2日)を3日間連続で聴いた。各予選出場者は、この日のために何千時間も練習を積んできた猛者ばかりである。演奏が素晴らしくないはずがない。その素晴らしいピアノ演奏を目の前からシャワーのように浴びるのは極楽である。それも3日間通しチケットで、2,000円の安さである。交通費と宿泊費が別に必要でそれがお高い。また体力と忍耐力が必要だ。

5p1100098 席から見上げると5m先にピアノが鎮座

 

2018-03-17

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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