社是なき会社、水誤訓、積水
積水とは
積水化学㈱の“積水”とは、中国最古の兵法書『孫子』にある言葉「勝者の民を戦わしむるや、積水を千仭の谿に決するがごときは形なり」に由来している。
事業活動をするうえで、十分に分析・研究、準備をしてから、万全の状態で積水の勢いをもって勝者の戦いをすることが大切であることを意味する。
私に言わせると、所詮、科学や機械力学、構造力学、環境工学を十分に理解せず、鉄骨構造の家を売っていると感じた。それは積水の名に反している。水誤訓である。日本での家づくりには、宇宙根源の理に反しているようだ。
まるで汚れた濁流が積水となり、積水の理念を押して、本家の積水化学を倒産への道に押し流す姿を思い浮かべた。
.
セキスイハイム中部の位置付け
積水グループのハウスメーカは各地区で独立した住宅メーカとなっている。だからその社員は各地区の独立した中小企業の社員で、積水化学㈱の社員ではない。
セキスイハイム中部は積水化学の系列だから、一流の大学を出た社員がいると言うのは「大いなる勘違い」である。一流大学を出たから優秀というわけではないが、少なくとも並みの大学生よりも勉強を真面目にはしたはずだ。
セキスイハイム中部は、従業員600名ほどの中小零細企業である。そこに超一流の大学の社員が入社しているわけではない。そこの幹部社員と太陽光発電で議論をしたが、閉口した。
安全への投資(人の命)
ちなみに私の前職は従業員5千人、売上高5000億円の会社であったが、それでも自動車部品製造会社としては、中小零細企業扱いであった。そのため合併して、従業員数1万人、売上高1兆円企業に変身した。それでやっと世界で並みの競争ができる規模となった。
それは、安全に関する投資でカネがかかり、従業員5千人、売上高5000億円の会社では対処できないからだ。例えば、車の部品の開発でも、それを評価するテストコースが必要である。評価試験ができなければ、人の命に関わる。
テストコース建設では百億円近くの金が要る。しかしそれを持っていても、一銭も儲からない。しかし世界の自動車産業で競争していくうえでは、必要な設備である。私も企画部時代に、その建設を検討したが、経常利益数十億円では、何ともならない。だから合併をした。自動車産業はそういう厳しい社会なのだ。
そんな中小零細企業扱いの会社でも親会社に倣った社是はあった。
積水化学㈱
積水化学㈱は資本金1000億円、従業員26,929名の一部上場の大企業である。それに対してセキスイハイム中部は、資本金5,000万円、社員数658名、売上高500億円弱の中小零細企業である。社是さえない会社である。私に言わせれば、社是のない会社はお天道様を拝めないような会社である。
社是でレベルが分かる
私は会社のレベルは、社是を見ればわかると、会社研究で経験的に学んだ。社員が社是をどう扱っているかで、会社のレベルが分かる。セキスイハイム中部はその社是がない。セキスイハイム中部は会社概要の一環として「環境方針」は公開しているが、肝心な社是はネットでも見当たらない。社是が憲法なら、「環境方針」は努力目標である。
社是
トヨタは豊田綱領を愚直に守り、田舎のトヨタから世界のトヨタに飛躍した。
セキスイハイム中部には、その社是がない。社是とは会社の憲法である。社是がないから、社員はノルマ達成のため、やりたい放題で、売り上げ至上主義である。社員数658名の中小企業であるから、そのレベルは推して知るべきだ。
社是がないから、自ら掲げた環境方針に反したことでも利益があるなら、ごり押しである。彼らと議論をしてその意識レベルの低さに呆れた。太陽光発電万歳の洗脳に凝り固まっていて、聞く耳を持たず、議論するだけ無駄であった。まるで洗脳された宗教団体信徒と議論するのと同じ感覚を味わい、疲れた。彼らは「お天道様が見ている」という観念がない。拝金主義丸出しで、羞恥心がない。日本人もここまで劣化したかと情けなくなった。
私が家を建てるなら、環境に配慮して、太陽光発電の不要な家にしたいと思う。
昔の家はそうだった。今は各自が部分最適で対処しているので、都市の温度が急上昇してしまった。太陽光発電はそれを悪循環のサイクルにする一手段である。
人生で大事なことは、努力ではなく、選択である。車を買う場合でも、買うのは車ではなく、セールスマンの人格である。家を買う場合は、会社の社格と営業マンの人格で選ぶべきだ。
下記のセキスイハイム中部株式会社の環境方針は、「目指します」、「努めます」、「取り組みます」で、あくまで努力目標で、遵守ではないのだ。社是でないので、これで胡麻化しである。議員の選挙公約と同じである。
資料
環境方針
セキスイハイム中部株式会社は、地球環境問題の重要性を認識し、地球環境にやさしくその保全を目指して活動します。
又、積水化学工業株式会社 住宅カンパニーの環境方針に基づき、愛知県、岐阜県、三重県、石川県、富山県及び福井県下における旧家屋の解体と鉄骨系及び木質系工業化住宅の販売、設計、工事監理、施工活動全般に適用する環境方針を次の通り策定し、実践します。
1.環境関連の法規制を確実に順守し、業界並びにお客様、地域・近隣住民の要求事項は技術的・経済的に可能な範囲で対応し、環境保全に努めます。
2.環境に与える影響を的確に把握し、全社及び部署毎に環境目的・目標を設定し、実施計画を定め、環境保全活動の継続的な向上を目指します。
3.当社が行なう事業活動で、以下の項目について優先的に活動し、環境保全と汚染の予防に取組みます。
1)環境負荷の低い住まいの提供として、居住性能の向上を図り、自然エネルギーの利用、低環境負荷材料の使用により、健康で環境への負荷がより少なくなる住まいの提供に努めます。
2)資源・エネルギーの効率的活用として、全従業員、関係者を含めて全体活動を展開して、削減を図ります。
3)廃棄物については、
・新築工事では発生の抑制を図り、段階的な削減に努めます。
・解体工事では分別の徹底により、発生した物の再利用、再資源化に努めます。
4.この環境方針に沿って全従業員が活動するために、環境教育を実施し、周知徹底を図ります。
又、関連協力会社へも本方針の周知徹底と協力をお願いします。
5.この環境方針は、一般に開示します。
2012年 4月 1日
セキスイハイム中部株式会社
代表取締役社長 八木 健次
2024-09-08 久志能幾研究所通信 2935号 小田泰仙
「久志能」↖ で検索
著作権の関係で、無断引用を禁止します。
コメント