巡礼 長野順子 銅版画展 龍の在処
龍が舞う幻想の世界、龍は「自然神社」の巫女
長野順子の銅版画展が、岐阜の画廊「いまじん」で開催されている。
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自然の恵み
その版画を見て、龍の存在を通して大自然の偉大さを改めて見直し、畏敬の念を新たにした。
花が咲く。それは龍が花を運んできてくれたのだ。龍は大自然が遣わした巫女の化身である。大自然が春夏秋冬、生老病死の世界を演奏している。その姿を長野さんは絵にした。
大人は夢物語で、子供たちに危ない場所に近寄らないようにと、河童や鬼の話をして、危ない川や夜の山、夜の森に近寄らないようにした。嘘も方便である。大人が怖い話をするが同時に夢の世界も語るので、子供はそこに幻想的な夢をみる。それを具現化した絵を、長野順子さんは銅版画で表現した。
風光る 龍が季節の花を運んでくれる
森へ行きましょう 森の精霊たちと遊ぶ
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冬の寒い朝、地中に潜んでいた精霊が地表に星屑をまき散らし、龍がそれを飾り付けをする。冬のシャンデリアである。夢見る少女には、その舞を見て、至福の時を満喫する。メルヘンの世界である。
星屑の贈り物
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大地の鼓動
地震が起きた。それも大自然が生きていて、地殻が生命活動をしている証しである。地震の被害に遭うのは、日本に住み着いた日本民族の宿命である。宇宙根源の理からは、地震は単なる自然界の一現象である。一事象には何の善悪もない。
地震の被害に遭いやすい土地や川の氾濫にあう土地に「勝手に」住み着いた人間様が悪いのだ。大昔に大地震が起き、大津波が来て、ここまで津波が襲ったという記録を先人は残してくれた。大雨で川が氾濫する土地には、龍ヶ丘とか、龍の名をいれた土地名にした。それは先人が警告として残した知恵の名である。
それを無視して、危険な場所に家を建てた後世の人が津波の被害にあった。そんなことは数百年前から分かっていたことだ。人間の愚かさは昔から変わっていない。そんな思いを抱かせてくれる長野順子さんの銅版画である。
宙の鼓動 東日本大震災をイメージして描いた 2012年
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祈り 龍は祈りの対象
西洋のドラゴンは化け物だが、東洋の龍は神さまである。
花神の旅路 自然と人間の建造物と一体化して龍は舞う
人類はバベルの塔を造っているのではないか。
その正否は龍の舞が教えてくれる。
約束 アクリル画
2024-03-06 久志能幾研究所通信 2841号 小田泰仙
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