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2024年2月 9日 (金)

孟母参戦の教え(5)横暴な欧米、苦役は嫌い

 

 欧米の価値観は、「まず自分の権利を主張せよ」である。交渉の最初は、まず相手に強気で出て、それで相手の様子を伺う。相手が引き下がれば、坊主丸儲けの様である。それが欧米人の交渉の基本である。それこそが横暴な欧米人の本質である。

 キリスト教の戦前の教義では、キリスト教徒でなければ、人間でないので、殺しても罪にならない。だから欧米の列強は植民地で現地人に残虐なことが平気で出来た。

  • 米国はフィリピン人に「スペインの植民地支配を終わらせる」と嘘を言ってマニラに進出し、スペインに代わって植民地にした。話が違うと抵抗するフィリピン人を米軍は徹底的に殺しまくった。米上院公聴会では、殺した島民数を20万人と報告している。
           《高山正之 週刊新潮2006/4/20》
  • ●住んでみると気候がいい、地味もいい。それで普通の市民も移住していった。もっとも市民といっても多くは食い詰め者・厄介者で、これがオーストラリアを1世紀にわたって血まみれの地獄に変えた。600万人いたアボリジニは、今30万人が生き残る。ナチスのホロコーストを凌ぐ大虐殺を行った結果だ。(50万人が住むタスマニア島では、その殆どが崖から突き落とされ、銃で撃たれて殺された)
          《高山正之 週刊新潮2005/12/29》

 日本がその毒牙から逃れて植民地にされなかったのは、武士が危機意識を持っていたからだ。国民の教育レベルが高かったからだ。それで相手に付け込まれなかった。敵は狩猟民族である。注意しないと農耕民族では太刀打ちできない。

 

労働の価値観

 しかし欧米人は権利だけは主張するが、義務の履行が疎かである。欧米のグローバル経済主義は、なるべく労力をかけず、人を騙してでも金儲けをしたい、である。カネが出来たら早く引退したい。それの思想が各行動に出ている。日本の「労働は美徳」とはかけ離れた価値観である。

 

アダムの罪

 一神教のキリスト教では、働くことはアダムが犯した罪を償う苦役とされている。英語のレイバーは、元はラテン語で「苦役」である。日本の「労働は美徳」とは対極にある価値観である。ギリシャ人は、労働は奴隷がするもので、それで暇ができて哲学を考えることが出来た。「哲学」というラテン語・「スカラ―」は「閑」と言う言語から出来た。スクールもその派生言語で、暇だから学問が出来る。

 欧米人の価値観は、労働は奴隷がするもの、だからできれば少しでも楽をして働き、金を稼ぎたい。カネが出来たら、早く引退したい。それが彼らの夢である。

 だから欧米の企業のフィロソフィーは、企業として株主への貢献は明記されるが、社会への貢献の記載は少ない。それは労働が苦役という思想が背景にあるからだ。それが日本の企業と違うところである。

 

地獄行き

  一神教の弱点は、神の定義が絶対だとしてしまうことだ。それに反すれば、地獄行きとされる。世界で問題を起こしている国はこの一神教の国が多い。

 独裁政治も言うなれば、一神教である。共産党の党首が一番偉く、国の中では、神よりも偉い絶対神である。だから共産党国家では宗教は禁止である。共産党に逆らえば、死刑である。共産党の国家で殺害された数は今までで1億人を超えるようだ。その歴史は暗く、残虐で、人民を不幸のどん底に落していた。

 そんな共産党に憧れる人が日本にも2.6%もいて、選挙では日本共産党に投票している。日本共産党は、2023年1月現在、約26万人の党員を抱え、西側諸国で最大規模の共産党となっている。狂気の沙汰だ。先進諸国では、共産党自体の存在が法律で禁止されている。

 党の運営に異議を唱えれば、即除名である。昨年もそんな怖ろしい断罪例が「赤旗」で公示された。長年続いた志位書記長独裁政治の典型的な事例である。ロシアの血を引く因果で、おそろしや、である。

 日本共産党の最終目的は、日本の暴力革命と、天皇陛下の処刑である。だから警察庁は,共産党を今でも破壊活動防止法に基づく調査対象団体としている。

 

神様の民主主義

 仏教では全てのモノに佛が宿るとしている。人は輪廻転生で絶対的な存在ではないとされる。神道はいわば八百万の神を母体の宗教で、多くの神様が協議してこの国の方針を決めたという神話も生まれる。神道は、創始者もいないし、教義も存在しない。それでいて日本人に深く浸透している。いわば民主主義の考えである。

 キリスト教では生まれると最初に洗礼を受け、親を通して神との約束が契約として教え込まれる。仏教では、死ぬ間際に戒名を授かるのとは状況が違う。また、悪人でも念仏を唱えれば極楽浄土に行けるという免罪符的思想は、キリスト教とは一線を引く。砂漠地帯の厳しい風土の中で生まれた宗教の戒律は厳しい。イスラム教は、目には目を、歯には歯をである。しかし穏やかな風土に生れた宗教の戒律は、穏やかである。その差が、欧米人の価値観を決めたようだ。

 

歴史の智慧

 そんな価値観の一神教の民族とは、一線を引いて付き合うべきだ。現在の戦争の一因が宗教による価値観の違いである。

 だから一神教の極致のような独裁政治共産党国家とは付き合うべからず。それなのに、欲の皮を突っ張らせて、中国の甘言に騙されて中国に進出して工場まで建て、その生産品を日本に輸出して日本人を傷めるとは、愚か過ぎる。その輩は物事に一面しか見られない、学校の成績だけが良かったエリートが多いようだ。

 その輩は、中国がダメならと、安い労賃のベトナムに生産地を変えただけで済ませている。縁なき衆生は度し難し。そんな輩とは付き合うべからず。そんな輩は獅子身中の虫である。安さで労働力を探す輩は、安さしか価値観を見いだせない。まるでバーゲンセールで血相を変えるオバタリアンである。そんな考えでは、高付加価値の商品は生み出せない。経営者失格である。

 

 

2024-02-08  久志能幾研究所通信 2822号  小田泰仙

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