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2024年2月22日 (木)

孟母参戦の教え(11)血生臭いエセ紳士の末路、国防には国語教育

 

母国語教育こそ防衛力

 今まで植民地獲得戦争のようなグローバル経済主義が横行して、日本語教育よりも英語教育が大事だと叫ばれていた。それは嘘で、国の未来のためには日本語教育が最重要である。英国の植民地支配は、その反面教師である。

 社内公用語を英語にした楽天の経営破綻が噂されている。自国語を無視した拙い経営の末路である。楽天の社長は頭は良いようだが、賢くはなかった。

 楽天の経営危機はグローバル経済主義に踊らされた末路である。グローバル経済主義は弱肉強食の植民地支配と本質は同じである。

 日本をグローバル経済主義帝国の植民地にしてはならない。歴史から植民地の不幸を学ぼう。

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太陽の沈まない国

 大英帝国は日の沈まない帝国であった。18~19世紀の産業革命を経て、ヴィクトリア朝時代(1837~1901年)に大英帝国は絶頂期になった。この時期には世界の陸地の4分の1を植民地とした。支配する地域のどこかは陽光の下にあることから「太陽の沈まない国」と呼ばれた。それは勝者の立場での言葉である。

 

 イギリスの紳士の権威と英国王室の栄光は、植民地からのあがりで保っていた。先年、エリザベス女王が亡くなられたが、女王が在位した70年間は、多くの植民地人民の犠牲の上で成り立っていたことは知っておくべきだ。英国は植民地からのカツアゲを失ったので、今のイギリスの低落ぶりが現在の真の実力である。

 

 イギリスはインドを1857年の統治から1947年のインド独立まで約100年に亘り搾取を続け、インドでは数千万がそのために餓死した。それでイギリス人は紳士というのはブラックジョークである。大英帝国とは、世界の植民地から搾取をして成り立っていた。

 英国は中国にアヘンを売り、中国人をアヘン中毒にした。そのアヘン船が中国政府に没収されたことを因縁として、英国は中国にアヘン戦争を仕掛けた。それで中国に勝って、香港の百年間祖租借権を得た戦争行動は、常軌を逸している。

 それは当時の列強の価値観だから、今それを責めても意味がないが、その歴史的事実は覚えておくべきだ。

 

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 大英博物館 1991年 著者撮影

  植民地からの盗品の大展示場である。よくぞこれだけの大量の文化財を盗んできたかものだと驚嘆である。英国人には盗人の三分の理もない。

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母国語の大事さ

 人権侵害(大量殺戮)での植民地支配は最大の罪だが、それと同じくらい大きな罪は、植民地支配で英語の強要をして、その土地の言語を禁止して、固有の文化を破壊し、発展を阻害した。それは植民地をそのままの状態に固定することで、人権侵害に匹敵する大罪である。

 

 母国語で考えるから、科学技術も文化も発達する。母国語が禁止され外国語の英語しか使用が許されなければ、その発達は阻害される。

 事例として、今、韓国が文化的背心的に発達せず、科学技術分野でノーベル賞者がゼロなのは、漢字の使用を廃止して、ハングル語に限定されたことにも一因がある。ハングル語はいわばひらがなで、24文字で全てを表現する言葉である。だから同音異義語が多量にある。それで科学技術分野の言葉の使用が制限される。科学技術の学習は、英語でしか出来なくなった。なおかつ、日本憎しで漢字を廃止したことで、自国の過去の記録が読めなくなった。お粗末な自縛行為で、自国の歴史を失った。それが韓国の悲劇である。

 日本人が日本語という母国語で、科学技術を学べ、哲学、文学を学べるのは素晴らしい事だ。先人の翻訳の尽力があってのことだ。福沢諭吉は、「経済」、「自由」、「社会」、といった英語を翻訳した日本語の言葉を創った。それがあるから、我々は母国語で西洋の最先端の概念を研究することが出来た。

 

 その名残りで、今の英国人でも、「英語」に絶対的権威があると信じている。私の昔の仲間が英国駐在員としてイギリス人と話すと、嫌味のように、それは「○○」ですね、とその発音をわざわざ訂正するという。当時の英国駐在員がぼやいていた。意味が通じているのだから、発音を訂正しなくてもよいのに、だ。

 国連でも、アフリカやアジア出身の国連総長のなまりのある英語で堂々と通じている世界なのに、英国人は英語に変なこだわりがある。それは植民地支配の後遺症だろう。

 

日本人は人間ではない?

 太平洋戦争が終わり、ビルマにいた日本人兵士は、英国管理のアーロン収容所に捕虜として収監された。そこで元京大教授の会田雄二氏は、英国人将校の妻の振る舞いを『アーロン収容所』(中公新書)に記録している。

 彼女は元日本人兵士の収監者を召使のようにこきつかい、贅沢をしていた。彼女は元日本人兵士を人間として見ていなかった。だから元日本人兵士の前で、平気で裸で着替えをしたそうだ。日本人兵士はそれを見て楽しんだともいう。一神教のキリスト教では、日本人は人間ではないのだ。男性の将校は、ビルマ人を射殺しても、「死んだ」とは言わず、「end」と表現して、アジア人を人間扱いしなかった。それは男性だけでなく、その妻も同じ意識であった。欧米人は、腹の底では、キリスト教以外の人間をそう見ている。英国紳士とは、キリスト教徒内だけの話である。

  この図書の読破は、私が高校生の時で、約57年前であるが、今でも鮮明にその内容を覚えている。英国人が日本人を人間扱いしなかった事実、ビルマ人の死を「end」と表現した事実が、鮮明な記憶として今でも残っている。

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エセ紳士の末路

  英国王室の話題も騒々しい。どんな人間でもカネと閑があれば、堕落するよき例である。今、英王室はハリー王子、メーガン妃のスキャンダルでもめているが、過去の怨念が湧き出ているのだろう。メーガン妃の暴露本で、英国での有色人種への偏見が暴露された。だれのお陰でカネと閑が生れ、贅沢が出来ていたか、その自覚がないために騒動が起きている。英国貴族は血まみれの皿でメシを喰っている。

 エセ紳士の意識高い系の末路が、経済の混乱である。英国は脱炭素政策を盲信して、電気自動車一本やりの政策で邁進した。それで経済が混乱している。トヨタを追い落とそうと電気自動車普及に邁進した末路である。トヨタは恩知らずのエセ紳士に愛想をつかして、英国の工場を閉鎖して、英国から逃げだした。そう、逃げるが勝ちである。

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2024-02-22  久志能幾研究所通信 2833号  小田泰仙

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