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2023年10月26日 (木)

巡礼 渡辺陽子人形展 魔女伝説  in Sagan

 

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 本来の魔女は、古代ゲルマン文明で、土着の宗教として畏敬をもって見られた存在である。それも国ごとに特色ある魔女たちである。例えば、アメリカの魔女は陽気である。日本で言えば、仏教伝来以前の神話の世界やナマハゲ、妖怪たちの世界である。

 古代は、人は目に見えないものに畏敬を抱いていた時代である。当時、魔女は人に危害を与えると考えた存在ではない。祈りの対象でさえある。

 西洋では、良い魔女と悪い魔女が存在する。白雪姫やシンデレラ物語で東条する悪い魔女は、古いキリスト教の影響を受けた文学上のお話しである。文学上の魔女と民衆が抱いていた魔女は同一ではない。

 本来の魔女は、「奥さまは魔女」のサマンサのようにかわいいのだ(と私は信じている)。それを人形として再現したのは、人形作家の渡辺陽子さんである。彼女は40年ほど前、シカゴを訪れた折に出会ったハロウィンで、アメリカ特有の陽気な魔女に魅了され、カルチャーショックといえる感動を受けたと言う。それで魔女を人形作りの技で再現するようになった。その技は人形作家の武藤華世先生(故人)に師事して得た。

 その作品の展示会が岐阜川原町Gallery Sagannで開催されている。魔女にあこがれを持つ私には見ごたえのある作品群である。現代人が思い描く可愛い魔女を、渡辺さんは人形として再現してくれた。

 渡辺さんは神出鬼没で、可愛い魔女のような雰囲気がある。私は彼女にインタビューしようと、何度も試みた。しかし、彼女は訪ねてきた知人と話が盛り上がり、いつも彼女は知人とほうきに乗って何処かに飛んで行ってしまう。魔女を捕まえるのは大変だった(笑)。

 

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魔女伝説

 本来の魔女伝説は、キリスト教が普及する紀元前からあり、古代ゲルマン民族の信仰の対象であったようだ。きっと祈祷で病気を治療したり、霊力ある巫女のような存在を魔女として崇めていたようだ。

 旧東ドイツのハルル地方には、今でも魔女伝説が残っており、魔女祭りも行われている。それは陽気なお祭りであり、中世の魔女裁判とは別世界である。観光シーズンには市の観光課の職員が魔女に扮して、観光客を歓待してくれる。居酒屋では現代の美人魔女が歌を歌い、市民を楽しませてくれる。市民が酒場で酒を飲んで、歌を聞き楽しんでいる。彼女は市民から愛される魔女である。

 ハルル地方の「魔女の集会場」と呼ばれた広場からは、生贄(動物)の血を貯める石の祭壇も出土している。そこは古代ゲルマン民族の大切な儀式の場であったようだ。ゲーテの『ファウスト』に出てくる「ワルプルギスの夜の火祭り」も古代のゲルマン民族の大切な儀式であったようだ。「ワルプルギスの夜の火祭り」は4月30日の日没から5月1日未明にかけての夜を指し、伝えられるところによれば、魔女たちがブロッケン山で大規模な祭りを催して、春の到来を待つという。

 ヒトラーが、そういう言い伝えを信じていたのか不明だが、ヒトラーとその側近は、この祭りの期間中に自殺した。そしてドイツが連合軍に降伏し、欧州に春が来た。

 

中世の魔女伝説

 中世の魔女観は、キリスト教が古代ゲルマン民族の信仰を異端視して、魔女を悪魔の一族として作り上げた虚像である。

 当時のキリスト教世界では、魔女は「悪魔と契約を結んで得た力をもって災いをなす存在」という概念が作られた。15世紀から16世紀の近世ヨーロッパ社会において識字層を中心にこの魔女観が広まって行った。

 その結果、魔女裁判が盛んに行われ、約11万人が裁判かけられ、4万から7万人が処刑されたと推定される。

 15~16世紀に行われた魔女狩りは、キリスト教会の宗教での締め付けと、金稼ぎの術でもあった。無実の女性が火あぶりにされ、その家の財産は教会に没収された。それの恐怖施策で、教会は権力を確固にして、更に暴利を得て堕落して行った。西洋の特権階級は宗教で農奴を縛り、奴隷として、年貢を貢がせ、さらに魔女狩りで無実の人を処刑して巨万の富を得た。

 当時のキリスト教の教義では、異教徒は人間ではないとの考えである。相手が人間ではないので、どんなことをしても構わない。遠征した十字軍も非道の限りを現地で繰り返している。「異教徒は人間ではない」と、ローマ法王からお墨付きをもらっているので、残虐行為のやりたい放題である。それが十字軍遠征の闇の話である。

 その思想の延長線上に、白人の有色人種への人種差別がある。そうでないとあんな残酷なことはできまい。彼らは神から免罪符を得て、残虐の限りをした。そのツケを、現在、欧州は移民問題の騒動で払わされている。

 

現代の魔女狩り

 これが一神教を信じ、独裁政治を信じている人達の末路だ。同じことが、現代でもC国内で行われている。火あぶりどころか生きたまま臓器を摘出して、それで金儲けをしている国があることだ。火あぶりよりも怖しい。それをS学会の御用聞きのK党は、そのC国を援護してウイグル族からの臓器摘出の非難決議を妨害した。そんなK党を支持する人の気が知れない。党員は洗脳されているからだろう。そんな党と連立を組む自民党には愛想が尽きた。

 

2023-10-25  久志能幾研究所通信 2762号  小田泰仙

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