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2022年2月10日 (木)

エコキュート、防災用機器の落とし穴

 

 危機管理として、非常用機器が正常に動くかの事前動作確認は必須である。

 大災害が起こると、電気は6日間、水道は11日、ガスは84日間も不通となる(1995年の阪神・淡路大震災での実績値)。その点で、オール電化にすると、エコキュートには常時500ℓほどの水が蓄えられているので、災害対策としてその水が使える。

 自宅は、大垣ガスの殿様商法の不誠実・詐欺まがいの対応をされ、怒り心頭になり、ガスを止めて、オール電化に変えた(本件は別記事で公開スミ)。却って南海トラフ巨大地震に向けての災害対策には、良かったようだ。

久志能幾研究所通信 安全無視・驕りの「大垣ガス」と闘う

 

 

落とし穴、問題点の露見

 それでエコキュートの備蓄水の排出方法を確認したら、問題点があった。その蓄えられた水を出すには、外からホースを接続する必要があることである。そのホースは内径8mm、外形10mmである。

 災害の非常時になったら、たぶんそのホースを買いに行けないので、慌てると考えて、先日、ホームセンターに買いに行った。ホースを少し長めに買って、非常時に皆さんに分ければ喜ばれる。我ながら用意周到だと自画自賛したら、落とし穴に落ちた。

 そのホースがホームセンターには売っていなかったのだ。あるのは内径9mm、外形13mmのホースである。店員に聞いて探してもらったが見つからず、途方に暮れた。

 慌ててダイキンのお客様センターに連絡したら、ネットでシリコンチューブで検索すれば、ネットで購入できると説明を受けた。そんなこと、取扱説明書の何処に書いてあるのだ! しかし災害時にはネットなど使えない。ネットを使えない年配者はどうするのだろう。事前に確認して正解であった。この事実からダイキンの企業体質が見えてきた。

 

Scan01941 ダイキンの取扱説明書より

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問題点

 非常時に特殊なホースを使わないと水が出せない設計は、欠陥商品である。なぜコックをひねれば、すぐ貯水水が出せるような設計をしないのか。メーカに聞けば、コストアップになるので、やらなかったという。これでは非常用として使い物にならない。事前に確認して、そのホースを準備する人は、100人中で1人くらいしかいないだろう。用意周到と自負する私でも、エコキュート購入後7年目で初めて知った事実である。

 

 設計者が、現実の社会を知らず、頭だけで設計した結果の末路である。大企業のこの種の設計では、必ず設計審査があり、大勢の関係者が設計を審査しているはずだ。その問題点が指摘されないのは、会社の体質に問題があるようだ。

 

 つい先月もエコキュートの故障で、リコール相当のトラブルがあり、保証期間外だから金を払え、払えない、とサービスマネージャーとの押し問答があったばかりである。最終的に所長が乗り出してきてやっと無償として解決したばかりである(後日、ブログで報告予定)。それですっかりダイキンに不信感を持ってしまった。

 

 私はダイキン井上会長の人財育成のシステムを激賞する多くのビジネス雑誌記事で読んで、ダイキンの人財育成に感銘を受けていた。しかし、今回のトラブルを通じて、それを裏切られた思いである。この件で、ダイキンの品質体制に疑いをもった。

 しかし実態は、それがダイキンの体質のようだ。これが原因で、今度買ったエアコンを従来のダイキン製からパナソニック製に変えた。2021年11月と2022年2月に、計2台のパナソニック製のエアコンを新規購入した。

 私は、今までダイキン製の6台のエアコン、1台のエコキュート、2台の遠赤外線電気ストーブ、3台の空気清浄機を購入してきた大ダイキンファンであった。しかしダイキンの設計体制、品質体制、人材育成体制に疑問を抱き、今回はパナソニック製に変えた。

 

提案

 災害用の非常用の水に使うためには、特殊なホースが必要になる設計を改めるべきである。

 せめてそのホースを付属品として、エコキュート本体の扉に取り付けておくべきだ。

私は、次回のエコキュートを更新する時には、別メーカにしようと思う。

 

教訓

 非常時用品は、平常時にその動作を事前に確認しておくことが危機管理の基本である。

 それを例えれば、火事が起きた時、逃げようとしたら非常扉に鍵がかかっており、そのカギがない状態である。

 

大垣市の失態事例

 2017年、台風19号が中部地区を襲った時、大垣市は非常時用の排水ポンプの作動点検を怠ったため、大雨のため基幹道路の室本アンダーパスが水没した。3本しかない南北の基幹道路の2本が通行止めで、大垣経済の血流が止められた。

 情けないことに、その実態は大垣危機管理室のマル秘案件のようで、4年経った今でも市民には全く知らされていない。だからどういう再発防止がされたかも、不明である。

 その事故原因は、単に事前の動作確認がされていなかっただけである。それが大事故につながるのだ。

 

 

久志能幾研究所通信: 大垣の恐怖 非常用排水ポンプ作動せず

 

久志能幾研究所通信: 小川敏に説明責任を問う 排水機場の再整備

 

 エコキュートも大災害時に、ホース一本がなくて使えなかったら、ブラックジョークである。わずか3か月間で複数件の不祥事が立て続けに発見され、私はダイキンを信用できなくなった。

 

2022-02-10  久志能幾研究所通信 2300号  小田泰仙

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