磨墨知650. 脚下照顧。テスラ狂騒曲、日本没落、認知症への道
行き先ばかり見ても、足元が定まっていないと、小石に躓いて痛い目に会う。また手戻り、やり直しが発生する。世の中の動きに振り回されては、道に迷う。やり直し、出直し、出戻りほど無駄な時間損失はない。
脚下照顧
求めるものを他に探しに行かなくても、お宝は自分の足元にある。足元にお宝が埋まっている。何年、人間をやっているの? 自分の中には学んで、集めて、脚元に埋まっている資源が膨大にある。その発掘に努めよう。もっと自分の持っているものを有効活用しよう。自分の周りは資源の山である。探しに行くのにも時間がかかる。自分の中に探せば時間が短縮できる。最大のリソースとは、人財という自分である。青い鳥は他の家にいない。自分の家にいる。
株価
株価ほど、世の動きに乱反射して人を惑わす事象はない。株価は所詮、金儲けに血迷った亡者が見る蜃気楼である。株価など見なくても、その企業の足元を見れば、10年後の株価が分かる。
株を買うなら、DNAのしっかりした会社を選ぶことだ。トヨタ自動車と日産を比べれば、この20年間の歩みでその差は、一目瞭然である。
テスラ株狂奏曲 PER160倍
電気自動車のテスラが米国株式市場で連日上場以来高値が更新した。時価総額は、トヨタ自動車、フォルクスワーゲン、ダイムラーの上位3社を足しても及ばない水準になった(2020年8月23日、日経新聞)。
なぜまだ黒字にさえなっていないテスラがトヨタの上なのだ。バブルである。時価総額が他の上位自動車会社の3社の総額の時価総額を抜いたが、所詮、蜃気楼の現象である。
電気自動車が増えれば、電池の原料であるレアメタルの生産が中国の生産に依存するので、増産に支障が出てくるはずだ。今の中国は、工業生産で公害を垂れ流してきたので、対処療法で排ガスの少ない電気自動車にのめり込んでいるだけである。
この20年間、全世界の企業が、公害対策をしなくても金儲けができるというので、中国に殺到して工場を造りまくった。だから中国の空気と川が汚れた。その対処療法で、電気自動車への切り替えである。電気自動車ならガソリン自動車よりも簡単に量産化できるから、技術的に遅れている中国は、それを選択した。政府命令でEV化は共産主義の独裁国家だから出来ることで、先進国では、あり得ないことだ。もうじき、化けの皮が剝がれるだろう。
中国政府が、電池の原料であるレアメタルの輸出制限をかければ、すぐテスラは干上がってしまう。
自動車の電気化(EV化)
欧州では2021年から排ガス規制で、欧米諸国の自動車メーカ13社に排ガス罰金が科せられることになり、大騒ぎをしている。そのため更なるEV化推進狂奏曲が鳴り響き、大騒ぎである。しかしその根本原因は、フォルクスワーゲンのジーゼルエンジン排ガス不正である。また真面目に排ガス対策の技術開発をしてこなかった欧米諸国の怠慢が原因である。EV化は、CO2排出税対策で、自動車メーカが対処療法で行っている泥縄である。だから欧米諸国の自動車メーカは、足もとを見ずに経営していると断言できる。
排ガス罰金額
フォルクスワーゲン 45億 400万ユーロ
日産・ルノー・三菱 10億5700万ユーロ
トヨタ自動車 1800万ユーロ
総CO2排出量
EV化しても、ガソリン車もEV車も車一生の間の総CO2排出量は大差ない。EV化しても、見かけの排ガス量が減るだけだ。どこで電気を作るのかを忘れている。そのリサイクルでのCO2排出量さえ無視している。エントロピーの世界では、ガソリン車も電気自動車も総使用エネルギーは同じである。
日本ではトヨタが頑張っているから、なかなかEV化は進展しない。電気自動車が販売されて10年経った現在でも、電気自動車の販売量はガソリンエンジン車の100分の1である。市場の声は神の如くである。
トヨタ自動車は脚下照顧して、地道に排ガス対策、ハイブリッド車開発、水素エンジン車開発をしている。トヨタ自動車は、CO2排出税負担が最低だし、赤字にもなっていない。
日本の足元
日本の景気も蜃気楼である。いくら金をバラまき、景気対策をしても、足元の人財育成に金をかけないから、経済成長ができるはずがない。それが日本の「失われた30年」の結果である。人財こそ、日本を成長させてくれる資源なのに、日本政府も日本企業も、成果主義、内部留保に狂い、人を削減し、社員の教育費を削減した。だから日本は経済停滞をした。
日本はデジタル化再教育で公的支援が、OECD中で最低である(2020年9月22日、日経新聞)。だからその結果が、日本の成長率が1%で、欧州が2%、米国が3%なのだ。
日本経済新聞 2020年9月22日
拝金主義で日本空洞化
日本の企業は、欧米の拝金主義、グローバル経済主義に洗脳されて、安い労働力を求めて、競って工場を海外に移転した。だから日本の産業が空洞化した。日本が貧乏になって当然である。もっと足元の日本を見直さないと、日本再生はあり得ない。
日本には2020年現在、44万人の職のない若者がいる。それなのに、何故外人労働者を入れるのか。
日本の25-34歳の失業者は、昨年と比較して39万人から44万人と5万人も増えている(2019年4月と比較)。(2020年5月29日、「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)4月分結果」の発表。)
安い外人労働力を入れれば、更に日本の給与水準が下がって、貧乏になるのだ。もっと日本の足元を見るべきなのだ。
外人労働者の導入は、パソナで金儲けをしようとしている竹中平蔵が元凶である。竹中平蔵は、自分の会社だけが儲かれば、日本の事は知ったことではないのだ。現代日本には、そういう輩が跋扈している。こんな男が政府の高官に就くから日本は没落した。
大垣の足元
大垣の小川敏行政も蜃気楼のようである。小川敏は、大垣市の児童生徒一人当たりの教育費を県下最低にしたから、大垣の未来はマッ黒ケである。だから小川敏が市長である限り、大垣の景気が回復するはずがない。だから大垣の経済成長率はマイナス1%である。
小川敏は、大垣活性化の対処療法として、元気ハツラツ市行事、大垣市中心市街地活性化計画、大垣市制100周年記念行事、大垣未来ビジョン等を推進した。小川敏は口先だけの詐欺師としていかにも市民に利益があるかのように浮かれた話をしても、根本対策で、足元の人財の教育を無視した。だから、大垣経済はジリ貧で没落した。足もとも見ず、19年間も無為無策で迷走すれば、大垣が没落して当然である。最大の大垣の不幸は、小川敏が、それに気が付いていないこと。自分が一番頭がいいと思っているから、人の意見は全く聞かない。
日本のサラリーマンの没落
日本のサラリーマンの年収はこの30年間、ずっと下がり続けている。日本人が人生を迷走しているのは、日本人のサラリーマンが自己投資をしてこなかったためだ。年間2000時間を働き、帰宅すると疲労困憊で勉強する時間も気もなくなる。30年間、仕事以外に勉強時間をかけなかったので、その結果が、今の己の姿である。欧米のサラリーマンは、自己投資時間が、日本の数倍である。だから経済成長率が日本の2倍も3倍もある。それがそのまま自分の成長の程度になっている。
日本はこれだけ頑張っているから、成長しないのはおかしいと、ますます体の汗をかいて労働しても、欧米の頭脳労働者は頭の汗をかいて付加価値を高めているから、日本が勝てない。
そういうサラリーマン生活を続けれ、当然、定年になれば「終わった人」になり、あとは認知症にもなるしかないだろう。
照観脚元菩薩
貴方は大丈夫? もっと足元を観よう。他人を羨み、浮利を追う者は、足元をすくわれる。浮利を追えば、人生の迷いも増える。悪銭身に付かず、である。地道な自己研鑽が、時間創造につながる。それが遠回りでも確実な人生の金儲けである。私は自分が「照観脚元菩薩」になった気で人生を歩んでいる。
多くの人は遠くに輝く浮利ばかりを見て、自分の足元は観ないのだ。だから躓いて怪我をする。人は大きな石では躓かない。小さな小さな小石でつまずくのだ。人と比較するから、不幸になる。
2020-09-22 久志能幾研究所通信 1758 小田泰仙
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