組織のかかる死病
会社とは、社員を支え育成に限りない援助を与えてくれる親的な存在である。会社も長く存続すると、それ相応に成熟し安定成長に入る。自然現象として、大事な情報がトップに伝わらない現象である「情報の動脈硬化病」、「組織の硬直化病」という死病がじわりじわりと迫りくる。企業の寿命は30年といわれる。入ったときは若かった会社もいつかは老いる。社会を見渡しても、2000年の雪印乳業の食中毒事件、2001年の三菱自動車のリコール隠し、2002年のみずほ銀行のシステムダウン等、この病気に起因する不祥事が続いている。発病後のトップの発言は不思議と同じで、「そんなことは聞いてなかった」である。情報が流れない情報ルートの詰まり、組織の硬直化といった死病に罹った企業の症状である。そして倒産の危機に面する。
病気にかかれば治療する。事前予防をする。当たり前のことを当たり前にするのが自然の理にかなった経営である。その治療が業務改革である。(2003年7月31日記)
13年後の真実
以上を13年経った今の目で見直しても、問題企業の体質は何ら変わらない。最近の燃費偽装問題で、三菱自動車の隠ぺい体質は、13年経っても変わらないことが露見した。人も企業も変わらない。なぜそうなったかの真因を追求せず、表面的な対処療法で済ませるからである。よき反面教師の教えを頂いた。(2016年9月23日記)
行政のかかる死病
大垣市のように独善的な市長が18年間の長きにわたり君臨すると、市役所はヒラメの職員ばかりになり、正論、諫言が通らなくなる。言えば唇寒しの状態が蔓延して、情報の流れが止り、腐敗の原因となる。情報は現代組織の血液である。自分達で行事の使用用途を非公開のマル秘にする条例を作り、やりたい放題に金を使えば、不正が起きない方がおかしい。それが民主主義社会で如何に異常なのかが、分からないほど大垣市長は病が進んだのだ。
2017年11月5日の大垣市ドローン墜落傷害事件を起こしても、行政の責任者は、業者に責任を押し付けて遁走した。大垣市制100周年記念行事の大判振舞いで、大垣さん大臭合、水饅頭偽ネス記録造成、ミッキーパレード等の予算には疑惑点が多いが、小川市長は条例を楯に使途用途の公開を拒否して何も言わない。
それでいて、エアコン設備率が県下最低水準で、小学校の子供たちが夏の酷暑に泣く声は、市長の耳に届かない。市民の声は聞かざる市長である。
大垣駅前商店街の61%がシャッターを下ろしても、それが市長の目には入らない。小川敏市長は、見ざる聞かざる言わざる。これは死病に罹った状態である。
身内というカス
名経営者と言われた人でも、企業が公器であることを忘れて、身内の人間には甘くなることが多い。その身内の人間が経営者として失格でも、身内ゆえ、切るに切れず、経営の中枢部が侵食されてゆく。そうすると本体の経営がおかしくなる。血管のプラークのように経営の中枢の障害物となって経営情報の流れを阻害する。経営の血の流れに付いた不純物は、身内というカスなのだ。身内ゆえに切るに切れない。経営情報という血が正常に流れないので、じわじわと企業の生命力を削いでいく。業病である。
松下電器の過ち
かの松下幸之助翁も娘婿の経営者を切れなかった。そのため娘婿を辞めさせる汚れ役を後進の社長に任せたが、反撃され返り討ちにあって消えてしまった。そして松下電器はおかしくなっていった。それは企業が公器であることを忘れた罰なのだ。
地元の企業でも名経営者と呼ばれた方も、身内におかしな娘婿を入れたがため、経営がおかしくなった。そんな娘婿を選ぶような娘の男を見る眼が問題で、娘の育て方を間違えたのだ。
2016年9月28日 揮毫
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2018-11-19 久志能幾研究所 小田泰仙
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