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2018年11月26日 (月)

裸で生まれて 裸で死んでいく

 今夜2018年11月26日、町内の方のお通夜があり急遽、参列をした。厳粛な式の中、日頃、忘れていた死を思い出した。通夜式の最後に、故人の生前の写真を時系列にプロジェクターで映し、個人を偲ぶ趣向があった。元気だったころの仕事中の姿から、退職してから皆とゴルフ、旅行をして元気だったころ、老いてお爺さんになり、孫を見て顔をほころばせている時までを映し出していた。その映像を見て、日頃忘れていた現実、人は老い、死んでいく現実に、引き戻された。

 

人の一生

 人は、寝て一畳、立って半畳、食べて一合、飲んで一升。人は裸で生まれて、裸で死んでいく。足るを知る生活には、一衣一鉢の黒衣で足りる。今は、物があり過ぎるから、争いが起こる。余計に金を持つから、更に金に執着心が起きる。今回の日産のゴーン氏の強欲ぶりの醜態をマスコミで知って、更にその思いを新たにした。

 持たない生活、食べない生活、一人でいても寂しくない生活を目指すべきだ。知足の生活に幸せがある。かのソロモン王でさえ、己ほど着飾ってはいなかった。今の己の生活を振り返る機会を頂いた。

 

五蘊

 蘊とは、仏教用語で、「集まり」の意味である。五蘊として人間の肉体と精神を五つの集まりに分けて示した。仏教では、この五蘊が集合して仮設された存在が人間であるとして、五蘊仮和合と説く。これによって五蘊(=人間)の無我を表そうとした。古くは阿含経の中に言及されている。五蘊は次の5種である。

 「色」は物質的存在を示し、「受」「想」「行」「識」は精神作用を示す。人間の心身の機構を羅列的に挙げ、それによって人間の生存およびその環境の全てを表そうとした。

 

色蘊 :人間の肉体を意味する。

            後には全ての物質も含む意味になった。(例:桜そのもの)

受蘊 :感受作用(例:桜の木をみて「美しい」と感じる行為)

想蘊 :表象作用(例:眼をつむって「桜」というイメージを思い浮かべる行為)

行蘊 :意志作用(例:桜の枝を瓶にさしてみようと思い巡らす行為)

識蘊 :認識作用(例:「桜」と認識する行為)

 

下記の書画は、馬場恵峰先生に揮毫をお願いしたら、我々が先生の書を撮影している間に、直接、軸に揮毫をして完成させてしまわれた。脱帽です。

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    2016928日 揮毫

2018-11-26 久志能幾研究所 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

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