« 浜松国際ピアノコンクール(7) 中村紘子の睨めっこ | メイン | 我慢より辛抱を選ぶ »

2018年11月18日 (日)

浜松国際ピアノコンクール(8) 血まみれの席

 浜松国際ピアノコンクール第一次予選の2018年11月18日~13日の5日間、土日の午前中を除いて、浜松国際ピアノコンクールを聴いた。チカれた、が感想である。幸い(?)土日の午前中のチケットが取れず、意図せずにお休みできたのは、かえって良かった。5日間共、朝10時30分より、夜の9時30分まで、聞くのは体力がいる。審査員は大変だ。なおかつ、その中から、順位を付けねばならぬ。その評価基準に興味を抱いた。

 

定席

 5日間とも、浜松アクトシティ・中ホールの最前列席でコンクールを聴いた。私のいつもの定席である。この席は、ピアノとピアニストの指の動きと顔を表情がよく見えるので、どの会場でもこの場所を選んでいる。音楽的、音響的には後方の場所の方が良いようであるが、私はこの方が好きだ。

 

血まみれの席

 この席はアリーナ席ということを、隣に座ったピアノの先生から教えてもらった。別名、血まみれの席である。アリーナ (英語 arena) は、スタンド(傾斜がある階段状の観客席)に全周を囲まれた、闘技場・競技場・劇場などの施設をさす。ラテン語のarenaの原義は「砂」で、そこから「流血を吸収するために砂を撒いた闘技場」の意味に転じた。さらに、そのような闘技場が設けられたアンフィテアトルム(古代ローマの円形闘技場)のような施設の意味に転じた。

 確かに、ピアニスト達は自分の人生をかけて血みどろな戦いをしている。調律師も会社の命運をかけて競合他社と戦っている。この席は、その血まみれの戦いが、まじかに見えるのだ。

1p1050864

  血まみれの席からの眺め

 

2018-11-18 久志能幾研究所 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

コメント

コメントを投稿