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2018年10月24日 (水)

磨墨知166.ビジネスの占い師になろう

 書類一枚、FAX一枚でその人の事務能力、信用度がわかる。 不渡り手形を掴まされるとは時間を失うこと。

 

◆ 書類の微分値

 ナレッジワーカとしての出力は書類である。書類という情報商品の品質が問われる。私は書類の表題や図表、グラフの書き方等から、その報告書、稟議書、計画書等の出来不出来を推察する。スキのない書類は、作成した人の各面への考慮が滲み出ているから、その書類は充分の検討がしてあり、信頼に耐えうると判断できる。

 ところがこれが逆だと、内容はおろか,そのデータの信憑性まで疑ってしまう。この観点で書類を点検すると、誤った判断を避けられる。住居でゴキブリが一匹目についたら、その家には100匹のゴキブリが住むと言われる。同じように一つの書類で、一つの間違いが直ぐ目につくなら、他にも多くの間違いがあるはずだ。そんな書類をそのまま上司に出したら、承認した己の能力が疑われる。これはSQC手法での抜き取り検査の適用である。フェイクニュースが氾濫する社会では、その情報を信じる前に、情報の品質を確認しよう。

 

◆ 女将の危機管理

 旅館の女将や水商売の女は、客の靴を見て人物を判断する。女将は一見の客に日々の現金収入を依存しているので客の判別に真剣である。ビジネス文の判断でも同じ手法でものが言える。私はこの情報を書類レベルやかけたエネルギーの計測指標の一つにしている。経済や自然界の事象でも、僅かな変化でその将来を推しはかる能力が必要だ。書類の判定でも同じである。

 

◆ 雑用が仕事の評価指数

 書類の最重要項目は著者の名前である。名前に信用があれば、チェック不要である。それは日頃の仕事ぶりで評価されている。

 小さな依頼業務の出来ばえで、その人の仕事能力、神経、熱意が全てわかる。それが分からなければ、己の感性が鈍いのだ。己の危機管理能力が低いのだ。雑用の名人が仕事の名人である。雑用の処理の仕方に、その人の人格の全てが出る。かの豊臣秀吉は雑用の名人で、雑用を雑用とせず全力で取り組んだから、天下が取れたのだ。気配りの出来ない人やバカになれない人に、大きな仕事はできない。だから頭の良い人が良い仕事をするわけではないのだ。

 

◆ 危機察知能力

 僅かな変化やおかしいと感じる力が、危機管理能力である。それが自分や組織への危機を未然に防いでくれる。自分一人ではなにもできない。そのとき誰に何を頼むかでプロジェクトの成否が決まる。あなたはそういう風に見られているし、見なければならない。だからどんな仕事も決して手抜きをしてはならない。部下に手抜きをさせてはならない。それが危機管理の基本である。部署内で、最大かつ一番価値ある部下は自分自身である。自分自身を自己管理できなくては、部下が指導できない。その為に自己研鑽が必要だ。

 

2018-10-24   久志能幾研究所 小田泰仙

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