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2018年10月28日 (日)

磨墨知126. 自燃(=自然)

 人間は燃えているときに仏性を持つ。魂の燃える情熱が時間と障害の壁を打ち破る。仏性には無限の時間を有する。

 醒めた人間は、燃える人を冷ややかに眺めるだけで、何も行動に移さない。覚めているから、すぐ損得計算をして、「ワシには関係ない」と無視である。暇だから悪魔の囁きに耳を傾け、悪魔に魂を売る。悪魔は無為無策無志無動の極楽切符をくれる。その切符は認知症街道にまっしぐらである。

 感動とは心を動かすこと。覚めていると心は動かず、無動である。それでは何も成し遂げられない。

 

用を作って、用に燃える

 馬場恵峰師は、還暦の時、社会貢献として、家屋敷を担保に私財を投じて1億円の借金をして350坪の土地に日中文化資料館を建てた。その借金を24年間かけて、84歳で完済した。

 恵峰師は中国に私費で240回も渡航している。旅費だけで約7千万円が消えた。しかし智慧という財産が残った。人から見れば、「馬鹿かいな、アホかいな、中国にどげんか用があるばってん?」である。恵峰師曰く、「用があるから行くではない。用を作りに行くのだ」。恵峰師は92歳の現在(2018年)も、現役でバリバリである。馬鹿かいな、とあざけった人たちは、早くあの世に旅立って行った。

 馬場恵峰師に健康の秘訣を聞いたら、今は時間があるから、若い時よりも多く勉強している。毎日、朝晩の庭の草取りは欠かさない」。健康とは、体の健全さと心のやすらかさをいう。心身が健康でないと、時間を作れない。

 自分が燃えなければ、勉強はできまい。時間を持て余し、食っちゃ寝、食っちゃ寝では、確実にボケる。「起きたけど 寝るまで 特に用もなし」では人生の末期が哀しい。老いるほど、人に負けないように自分で燃えよ。それが人生時間を創る。

Photo 日中文化資料館(敷地350坪) 平成元年 建設   

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三昧楼(付属図書館) 平成五年 建設

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2018-10-28   久志能幾研究所 小田泰仙

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