「妖怪飛行船巨鯨号」で行く人生航路
この「妖怪飛行船巨鯨号」は水木しげるさんが一番気に入っていた絵だという。この絵のご利益が「交通安全」というので、気になり、知人が2018年8月26日に大垣に尋ねてきたとき、一緒に展示会に見に行って追加購入を決めた。これも何か導かれたようだ。聞けば、水木さんの版画を数枚購入した人も多くいたとか。
それが今日9月24日、入荷してやっと自宅に飾ることができた。聞けば、先の大垣ヤナゲンでの展示会(2018年8月20日~8月27日)で100点ほど売れたとか。大垣市で開催された水木しげる版画展であったが、遠く郡上とかの岐阜県全体から来たお客さんに売れたという。それだけ水木しげるさんの人気が高いのだ。
水木しげるさんの版画
水木しげるさんの版画は、それ専用に描いているので貴重だという。手塚治虫、石森慎太郎、水島新司さんなどの版画は、アニメ用に作った原画から版画にするので、今後、いくらでも出すことができる。しかし水木しげるさんの版画は一点一点、力を込めて描いている。水木さんは2015年に亡くなられたので、もう新しい版画が出てくることはないという。
水木しげるの想い
この版画は、「交通安全」がご利益というだけで、詳細の説明はなかった。私が、水木しげるさんの意図を想像して語ると、下記になる。あくまで私の私見です。
鬼太郎が肉団子をねずみ男の目の前にぶら下げて、ねずみ男がかごの中で必死にかごを回している。まるで我々が、周りを見ずひたすら、目の前にブラ下がった餌につられて、金儲けに向かって走っているようだ。
その飛行船の船長は己なのだ。その状況で、誰も前を見ていない。一つ目小僧は後しか見ていない。鬼太郎も一つの目で、ちらりと前を見ているだけ。ご先祖を象徴する火の玉だけが、心配そうに両目で前を見ているだけ。
巨大な鯨のどんがらの皮の中に水素が入っていて、妖怪飛行船は空中に浮いている。その水素とはご先祖様の御恩である。我々はその恩恵で、たまたまこの世に泡沫のように浮かぶように生きている。鯨の皮は、それを象徴している。
ご先祖様の指令を受けた「子泣きじじい」が、妖怪飛行船の下にしがみつき、飛行船の下側に取りついて前後に移動することで、妖怪飛行船が上を向いたり、下を向いたりと姿勢を変える。「子泣きじじい」は鬼太郎を助けて、悪さをする妖怪と戦う老人妖怪で、その身体は瞬時に石のように硬くなり、敵に抱きつけば2トンほどの重量になって押しつぶすという。何もないときは昼間から酒を飲んでいることが多い。まるでご先祖様の思し召しで、我々の運命の上昇、下降を操っている様を象徴している。
ご利益
9月18日の老人の自転車とのヒヤリ事例で、もう少しで人身事故になるところを、ご先祖様に危ないところを助けて頂いたようだ。それもこの絵を注文してあったお陰と思う。
2018-09-24 久志能幾研究所 小田泰仙
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