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2018年5月13日 (日)

小学生の夢、大人の悪夢

 日本FP協会では、全国の小学生を対象に「将来の夢」をテーマにした「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」を2007年度より毎年実施している。このコンクールの応募作品に書かれた「将来なりたい職業」の結果を男女別に発表した。その2017年度の結果を見て私は暗澹たる気分になった。悪夢を見ているようだ。

 

第11回 男子児童のなりたい職業

順位(前回)  職業          票数

1(1) サッカー選手・監督など      189

2(2) 野球選手・監督など      181

3(3) 医師             109

4(4) ゲーム制作関連      105

5(5) 建築士          62

6(14)ユーチューバー          51

7(6) バスケットボール選手・コーチ 50

8(11)大工             43

8(8) 警察官・警察関連        43

10(17)科学者・研究者          40

日本FP協会:https://www.jafp.or.jp/personal_finance/yume/syokugyo/

 

製造業の就業者数の減少

 総務省は1日、2012年12月の製造業の就業者数が前年同月比35万人減って998万人(原数値)となり、51年ぶりに1000万人を下回ったと発表した。国内では製造業が調整を進めた分の雇用を成長したサービス産業が吸収しており、産業構造は大きく変化している。

 製造業の就業者はピークだった1992年10月の1603万人からほぼ一貫して減少してきた。就業者全体に占める製造業の割合が最も高かったのは70年代前半の27%超で、これが昨年2012年12月には16%まで落ち込んだ。(2013/2/1付日本経済新聞)

 

経済産業省作成の資料では、製造業の割合が

 2000年 20.5%

 2005年 18.0%

 2010年 17.2%

 2014年で16.4%である。

 

 経済産業省が企業を対象にしたアンケート調査によると、人材が不足する分野として機械工学が最多の結果となった。それだけ技術分野に進む学生が減っている。(2018/4/25付日本経済新聞)

 

日本の未来

 未来を背負う子供たちが、製造業を避け、安易な金儲けを夢見て働くようでは、日本の未来はない。年収一億円のユーチューバーを夢見る子供が増えるのは、大人には悪夢である。ゲーム制作もユーチューバーも社会には付加価値を生まない。ゲーム制作もユーチューバーも社会のテラ銭稼ぎの商売である。陰陽の世界で言えば、陰の世界の仕事である。世界に誇れる仕事ではなかろう。それで未来の日本は支えられない。ゲームが後世に残る仕事を生むわけではない。それは時間の浪費をさせる悪の遊びである。

 モノを作り出す職業の人気が、5位の建築士、8位の大工、10位の科学者・研究者では、将来の日本は絶望である。後は大半が虚業である。

 

占いの世界での職業

 東洋の占いは、全て陰陽で分けて占う。四柱推命での職業では、正財偏財の職業に分ける。正財は、農業、職人、大工等のモノを作り出す職業である。偏財は、医師、役人、学者、商人等の間接部門の職業である。正財の人間がいて、偏財の人間の仕事がある。それが偏財の仕事ばかりに人気があって、モノを作り出す職業に就く人がいなくなれば、国は衰退する。あくまでバランスである。

 

大人の責任

 この原因が、社会の拝金主義者の跋扈の影響であることは明白だ。チャラチャラしたテレビ番組や、虚業の世界を絶賛する安易な情報操作で、それを価値があると誤解してしまう子供達である。それは洗脳教育と同じである。そのように仕向けているマスコミの責任である。それを指導できない大人たちの責任なのだ。仕事とは何かを教えていない大人の責任なのだ。

 

2018-05-13

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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