岐阜かかみがはら航空宇宙博物館~訪問記2/2
零戦「海軍十二試艦上戦闘機」の実物大模型
零戦の試作機の実物大模型が飛燕の上の空中に吊り下げて展示されている。そのため、至近距離では見られず、少し残念である。この試作機の初飛行は、この各務ヶ原飛行場である。小牧の三菱重工で製作され、牛車でここまで運ばれたと聞いた。当時の物資の無い日本の状況を象徴している。
UF-XS実験飛行艇
我が国が誇る救難飛行艇US-1A、哨戒機PS1の基礎技術を開発した機体である。新明和工業が、名機二式大艇のDNAを受け継ぎ、この実験機で多くのデータを集積して、今の飛行艇を開発した。どんな技術でも同じであるが、天才技術者が、名機を作るわけではない。地道な実験を繰り返し、多くの失敗の塗炭の苦しみを経て、素晴らしい技術が獲得できる。それが名機の誕生となる。飛行機はその技術の集大成なのだ。だから惹かれる。
この博物館では、上から俯瞰できるのが良い。米国スミソニアン航空宇宙博物館でもこうはいかない。上から俯瞰する飛行機はなかなか良い眺めである。
UF-XS実験飛行艇の技術が花開いた水陸両用の救難飛行艇US-1A
日本独自開発の超音速ジェット機T2 ブルーインパルス(2代目)に採用された
コンピュータ制御確立に貢献した研究機
日本で初めてラセンス生産された超音速ジェット戦闘機F-104J
飛行シミュレータ
飛行シミュレータも、以前はセスナの機体であったと記憶しているが、現在はジェット旅客機の操縦席になっている。親子で体験している姿が微笑ましい。
再会
この博物館で偶然、前職場の研究開発部で一緒に仕事をした元I次長に再会した。20年ぶりの再会である。現在85歳でお元気である。現在は特に仕事は何もやっていないが、リンドバーグ著「翼よ、あれがパリの灯だ」を翻訳されて自家製の本にされたとか。「それは既にあるではないですか」と問うと、その翻訳本の日本語があまりにひどいので自分で訳し直したという。そのデジタルブック版を贈って頂けることになった。縁は異なもの。犬も歩けば棒に当たる。まず出歩かないとご縁には出会えない。
2018-05-12
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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