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2018年4月 1日 (日)

3.目的、理念、ビジョン、社訓

3-1.経営目的

 ネッツトヨタ南国の経営目的は、顧客の満足度を高めての車販売数増大ではない。経営目的は、従業員の幸福度の向上である。その過程で従業員が自主的に会社をよくする改善・活動を展開し、結果として顧客満足度が上がり、車の販売が最高になるという新しい経営価値を創造した。車が最高に販売できたのは、目的ではなく、結果である。お客様は満足(CS)しただけでは商品を買ってくれない。モノ余りの現代では、お客様に感動を与えないと、購買意欲は起こらない。自動車業界また地方企業としては初めて、顧客本位の経営に贈られる「日本経営品質賞」も受賞した(2002年)。

 

日本経営品質賞

 日本企業の競争力向上を目的として、お客さま視点に立った企業改革を実現し、卓越した業績を生み出す「経営の仕組み」を持つ企業を表彰する制度・同賞は、米国の競争力回復の因となった「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞」を範として、(財)社会経済生産性本部が主体となり1995年に創設された。

  

ネッツトヨタ南国の社員満足(ES)追及経営 

 NEEDS    ⇦⇒   WANTS

 目的追及     ⇦⇒   目標追及

 価値追及     ⇦⇒   事実達成

 幸福追求     ⇦⇒   利益追求

 社員満足(ES) ⇦⇒   会社満足(業績達成) 

   ⇓             ⇓ 

 顧客満足(CS)      株主満足

 

社員満足(ES)と顧客満足(CS)の違い

         CS ―――― ES

         相対 ―――― 絶対

     × 主観 ―――― 客観

         教育 ―――― 共育

         参加 ―――― 参画

   × 多数決 ―――― 議論

 × 上位下達 ―――― 自分で考える

         知識 ―――― 思考

         学歴 ―――― 学力

 × 優勝劣敗 ―――― Win-Win

 × 少数精鋭 ―――― 全員精鋭

         金棒 ―――― 鬼

 

 株主が満足しても、顧客が満足する保証はない。あくまで社員満足度が最優先で、その根本が価値観の追求である。その結果が顧客満足度の向上である。その結果として業績が上がる。

 会社は株主のものとして、利益追求を最優先にするとノルマ達成のため平気で不正をするようになる。それがグローバル経済主義に汚染された日本企業の不祥事多発として、現れている。

 

顧客満足経営がVWの排ガス不正を生んだ

 成果主義経営の行き着く先がVWの排ガス不正である。ディーゼルエンジンの排ガスはクリーンと顧客を騙して、VWは世界一の自動車生産の座を射止めた。その舞台裏ではVWトップは、技術的に不可能な技術開発を技術者に強いた。自分と家族の生活を守るために、技術者は不正に手を染めたのだ。目標を達成できなければ、冷酷人事で飛ばされる状況で、技術者は何ができたのか。責めるのは簡単だが、自分が当事者になれば、その辛さが分かる。金勘定は分かるが、技術が分からないトップが上に立つと、拝金主義では利益優先となる。これは人の問題ではなく、拝金主義という制度の問題である。

 同じことが、日本でもニッサンの非資格者によるの車検査体制、三菱自動車のリコール問題である。

 

2018-04-01

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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コメント

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